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元スレさやか「いい旅、夢気分」
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――マミホーム――
さやか「今日も今日とてマミさーん、来ましたよー」
まどか「うぇひひひ、お邪魔します」
マミ「二人ともいらっしゃい。今お茶でも淹れて来るから向こうで待ってて」
さやか「お、ありがとうございますゥー!」
まどか「外はとっても寒かったんで、嬉しいです。マミさん」
マミ「あらあら。……そうだ。確か、この前買ったクッキーもあるから、一緒に持っていくわね」
さやか「何と! 甘いものまで……。いやー、あたしってば幸せものですな」
マミ「さ、廊下で話してても寒いだけよ。入って、どうぞ」
――――・・・
まどか「マミさん、もしかしてですけど……お茶っ葉、変えましたか?」
マミ「よく気付いたわね、鹿目さん。実は偶然いいリーフを見つけてね、ちょっと奮発しちゃったの」
まどか「はぇ、そうなんですかー」
さやか「まどかって意外と鋭いよねー。あたしなんて全然分からなかったよ」
マミ「美樹さんは、『飲めれば何でもいい』って考えの人だったりするのかしら?」
さやか「もぉーっ! マミさん! イジワル言わないで下さいってばー」
マミ「ごめんなさい、冗談よ」
まどか「そういえばさやかちゃん、何か私たちに話したい事があるとか言ってなかった?」
さやか「……あ! そうだった!」
マミ「……(話したい事……一体何かしらね)」
さやか「あー、どこやったかなー。確かカバンに入れたはずなんだけど」ガサガサ
まどか「さやかちゃん、カバンの中身は整理した方が良いよ……」
さやか「気が向いたらやるって。……あっ、見つかった」
マミ「よかったわね」
マミ「パンフレット……?」
さやか「そうです。実は懸賞で、その……」
さやか「『温泉旅行』! 当てちゃいました!」
マミ「……!!」
まどか「うそーっ、すごいねさやかちゃん!」
マミ「美樹さん、おめでとう」
さやか「やーやー、それほどでもー」
さやか「それで、ここからが本題なんですけど」
さやか「マミさん、まどか……私と一緒に旅行に行きませんか」
まどか「……うーん、ママに聞いてからになると思うけど、たぶん大丈夫」
マミ「誘ってくれて嬉しい、美樹さん。是非ご一緒させてもらうわ」
さやか「やりぃ! 断られたらどうしようかと思ったけど、上手く行ってよかったー」
マミ「でも、美樹さん」
さやか「何ですか?」
マミ「あなたの親御さんの方は大丈夫なの?」
マミ「私がいう事じゃ無いかもしれないけど、本来なら家族で使うべきものでしょう」
さやか「それが、パパもママも忙しくて、実は、友達を誘えって言ったのは二人なんです」
マミ「……そう。それなら、何の問題も無いわね」
まどか「ねぇさやかちゃん、3人で旅行に行くの?」
さやか「パンフには5名様って書いてあるんだけど、もう仁美には断られちゃってるんだよね」
まどか「あ、そうなんだ」
さやか「何でも、昇段審査がどうのこうのって。いやー、お嬢様は大変だなぁ」
まどか「お土産だけでも買って帰ってあげようね」
まどか「それなら、杏子ちゃんとほむらちゃんを誘おうよ!」
まどか「付き合いは長くなったけど、まだ一緒に遊びに行ったことはないなー……って」
さやか「んー……ま、いっか。丁度5人になるし」
まどか「やったぁ!」
マミ「美樹さん、その旅行はいつなのかしら」
さやか「えーっと、来週の連休になってます。懸賞の旅行って日時が固定されてるんですよ」
マミ「あら、随分急な」
まどか「ほむらちゃんには私が電話するから、杏子ちゃんの方はさやかちゃん、よろしくね」
さやか「がってんしょうちのすけ!」
――――・・・
――マミホーム――
さやか「見事に集まったわね」
杏子「いや、さやかが呼んだんだろ」
ほむら「まどかに呼ばれたとあっては、集まらないわけにはいかないわ」
さやか「そう……」
まどか「旅行のプランの説明だっけ?」
さやか「うん。マミさんが戻ってきたら説明するから」
杏子「まどかー、そのアメちゃん一つくれよ」
まどか「はい、どうぞ」
杏子「サンキュ」
マミ「みんなごめん、お茶入ったから飲んで、どうぞ」
さやか「と、いう訳で今週末を利用して、遊びに行くことになったわけなんだけど」
杏子「メシがウマいといいな」
さやか「大丈夫。ぬかりはない」
ほむら「混浴とか……じゃないわよね?」
さやか「当たり前でしょ! それはあたしだってお断り」
ほむら「旅費とかは?」
さやか「えーっと、予算は自由。お小遣いだけもって来てくれたらいいからさ」
まどか「そういえば、温泉旅行としか聞いてないんだけど」
マミ「行き先はどこなのかしら」
さやか「えーと、今回は『ミステリーツアー』って事で」
まどか「ミステリーツアー?」
ほむら「9時から11時のお約束よ、まどか」
さやか「それは単なるミステリーだろ! いい加減にしろ!」
ほむら「ジョークよ」
さやか「えっそれは……」
マミ「ミステリーツアーって言うのは、行先不明の旅行ってことね」
杏子「要するに着いてからのお楽しみってワケか」
さやか「集合場所は近くの駅。そんで、電車で行くから遅刻厳禁ね」
まどか「はーい」
さやか「杏子、あんたは朝寝坊とかしそうなイメージあるから、特に気を付けてよ」
杏子「ったくよぉ、わかってるって」
マミ「私が起こしに行ってあげるわ」
杏子「うげ! それだけはやだっ!」
マミ「そんな事を言う悪い子には、お仕置きしてあげる……」
杏子「ちょっ! やめロッテ! あたし脇腹弱いんだからさー!」
まどか「てぃひひひひ、わたしも混ぜてよー!」
ほむら「何やってるのあなた達、私も仲間にいれて頂戴」
まどか「え、ほむらちゃん!? どさくさに紛れてどこ触って……ひぁ!」
さやか「……じゃあ、今日の所は解散だから」
さやか「……」
さやか「うりゃーっ! さやかちゃんも加勢するぞーっ!」
――――・・・旅行当日
ほむら「おはよう」
まどか「おはよーっ」
杏子「意外と遅かったじゃん、ぼんくらー」
ほむら「あなたは意外に早かったわね」ファサァ
杏子「それがさ、マミさん、マジで起こしに来やがったんだ」
マミ「佐倉さんったら、私が来たときには案の定ぐっすり寝てたわ。よだれまでたらしちゃって、うふ」
杏子「あーあーあーあー何も聞こえなーい!」
>マミ「さ、廊下で話してても寒いだけよ。入って、どうぞ」
あのさぁ・・・
あのさぁ・・・
マミ「私がほっぺたを突っつくと、くすぐったそうにするのがもう可愛くて」
杏子「それ言うな! もう言うなっての!」
マミ「ふふふふ、はいはい」
まどか「見たかったな、杏子ちゃんの寝顔」
ほむら「あら、可愛らしい(棒読み)」
杏子「うっせーよ! あああああうぜぇうぜぇ!」
ほむら「顔真っ赤にして何言ってるの」
ほむら「それはそうと、美樹さやかは?」
まどか「さやかちゃんならまだだよ」
杏子「アイツ……自分が寝坊してどうすんだ」
さやか「ごっめーん! みんなぁ、遅れちゃったー!」
杏子「あ、来た」
まどか「さやかちゃーん! こっちこっち!」
さやか「ぜぇ……ぜぇ……」
さやか「まだ、大丈夫……はぁ、だよね?」
マミ「時間はまだあるけど……」
杏子「何だその荷物!?」
さやか「重たい……」
ほむら「ほら、きびきび動く。あと美樹さやか、少し荷物を貸しなさい」
杏子「なんか待ってたら腹へったなぁ。肉まんでも買ってくるか」
まどか「わたしもー」
『三番線から~、電車が発車いたします~』
杏子「おい、急ぐぞ!」
まどか「あわわわわわわ!」
さやか「ドアが閉まる! 閉まるって!」
プシューッ
さやか「ふぅ、何とか乗れたね」
マミ「ひぃ……みんな、足早過ぎ……」
――ボックス席――
さやか「あ、今ちらっと学校が見えた!」
まどか「えー、どこどこ?」
さやか「ほら、あっちの高くて白い……あー、見えなくなった」
ほむら「他の乗客が居ないとはいえ、騒ぐのはみっともないわよ」
マミ「楽しみにしてた旅行よ。騒ぐのも無理ないわ」
ほむら「むぅ。それもそうね」
さやか「だが、この時、私たちは予想だにしていなかった。まさか、あたしたちがあんな事件に巻き込まれるなんて――――」
杏子「やめロッテ」ポカッ
さやか「いて」
さやか「しかーし! 杏子の考えは甘いと思うのだー!」
杏子「急にどうしたんだよ……」
さやか「冬、電車、温泉といえばもう、サスペンスだよね! うん!」
杏子「は?」
マミ「普通は、『素敵な旅の思い出』とかじゃないかしら」
まどか「一般的には、そっちですよね」
さやか「もー、マミさんにまどかまで!」
さやか「そうだ。ババ抜きやらない? あたしトランプ持ってきてるんだ」
まどか「やるやるー」
杏子「ババ抜きか、懐かしいなぁ」
マミ「カード配るわよー」
さやか「ねぇねぇ、ただのババ抜きっていうのもアレだしさ、負けたら罰ゲームって言うのはどう?」
ほむら「また下らない事を……」
杏子「あたしはそれでもいいぞ。負けねーし」
さやか「むっふっふ、その強気な面を絶望に歪ませてくれるわ!」
まどか「さやかちゃんがおかしい……」
>>39
屋上
屋上
ほむら「……はい、2が揃ったわ。アガリね」ファサァ
まどか「ほむらちゃんもうアガリ? 強いね」
さやか「(右引け……右を引くんだマミさん!)」
マミ「よし、私もアガリよ」
さやか「うがああああああああ!」
杏子「次はあたしの番か。……っと、ちっ、まだアガレないねぇ」
まどか「うぇひひひ。残念、わたしもまだっぽいや」
さやか「よしっ、これでアガリだあああああああ! ああああああああああああ!」
まどか「アガれなかったんだ……」
杏子「くっそ! まだアガれないってどういうことだよオイ!」
ほむら「カードに嫌われてるのね」
杏子「その口だけでにやりと上げるのやめろっつの! なんか腹立つ!」
まどか「やったー! 私も抜けるよ!」
さやか「あああああああ↑ああああああああああ!」
まどか「さやかちゃん! 病室に戻ろう!」
さやか「ま、何にせよ……」
杏子「一騎打ちってワケか」
さやか「よーし、まずはこれ引いて……またペアが揃わなーい!」
さやか「 ババめ! 出て行けよぉぉぉおお! さやかちゃんショック!」
ほむら「(いや、ババがあるって口に出したらダメでしょ……)」
杏子「そしてあたしのターン! ぃよしっ! アガリー!」
さやか「え、何それは……」
マミ「罰ゲームは美樹さんね。はい、この箱から一枚紙引いて?」
ほむら「(あの箱、いつ用意したんだろう……?)」
さやか「精神の新陳代謝、性欲とは神が与えし大罪。逃れられぬカルマ……」ブツブツ
まどか「あぁっ! さやかちゃんの精神がボロボロだよぉ!」
さやか「嘘ぉ!? キュゥべぇに告白?」
杏子「うげ、誰が得するんだよ……」
マミ「でも、キュゥべぇったら、仕事がなんちゃらって言ったきり帰って来てないわ」
まどか「そうなんですか?」
ほむら「ノルマでも溜まってるんじゃない?」
まどか「うぇひっ、仕事に追われるキュゥべぇなんてイメージできないよ」
さやか「それじゃあ、さやかちゃんの告白タイムはまたの機会に……」
杏子「しょうがないなぁ」
マミ「けど、何も無いってのも寂しいわねぇ」
さやか「マミさん、笑顔が黒いですよ……」
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