元スレ美也「にぃにー! あっさだよー!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
1 :
純一「う~ん、美也……ごめん。もう少し寝させてくれ…」
美也「もう、にぃに~! 今日はちゃんと起きなきゃダメだよ~!」
純一「え~……そこまで急がなくてもいいだろ……ふわぁ~…」
美也「なーにいってんの! 今日は終業式でしょ~。ほらほら、早く起きないとダメダメ」がばっ
純一「え、なに終業──うわぁっ!?」どさり
美也「にしししっ。みゃーもう朝ご飯食べちゃったから、にぃにも早く食べて支度してよねー」すたすた
純一「…………」ぼりぼり…
純一「……美也の奴、なんか変にご機嫌だなぁ……ふわぁ~…」
純一「……仕方ない、着替えるか」
純一「………………」
純一「え? 終業式?」
3 :
えっ?
4 :
みゃーかわぺろり
5 = 1 :
ばたばた…!
純一「み、美也!? ちょっと待て!!」
美也「ん~? みは、はみはひひゅう~」しゃかしゃか
純一「見ればわかるよ! だ、だけどその前に美也……さっきなんて言ったんだ!?」
美也「がらがら……ぺ。もう、なににぃに……乙女が歯磨き中に話しかけるなんてマナーがなってないよっ」
純一「それは謝るから! それよりも美也、今日が何だって!?」
美也「へ? だから今日は終業式だよって」
純一「しゅ、終業式……? あ、あはは……美也からかうんじゃないよ」
美也「……なにいってんのにぃに? どっかで頭打ったの?」
純一「だ、だって……今日は十二月の中旬のはずじゃ……」
美也「もう、にぃに朝からからかうのやめてよ! みゃーだって忙しいんだからね!」すたすた…
純一「え、み、美也……!!」
純一「…………」
純一「こ、これはどういうことなんだ……!?」
6 = 1 :
居間
純一 もしゃもしゃ…
純一「お。今日の運勢はなかなかだな……って違う!新聞で確認するのはここじゃないよ!!」
純一「今日の日付日付……あった!」
純一「…………………………」じぃー
純一「──とっくに新年度が始まってる……?」
純一「ま、まさか……これも美也が手の込んだ悪戯で…でも、昔の新聞ってわけでもなさそうだし…」
純一「っ………と、とりあえず登校してみよう。それで全てが分かるはずだ……っ」もしゃもしゃ
純一 ごくん
純一「よし、行くぞ!」
登校路
がやがや…
純一「──別に変わった所はないな……何時も通りの登校風景だ。
みんな普通だし、普段通りに通ってる……」
純一「……。でも、美也が言ったことが気になるな……特に不自然な所は無かったし、
だけど、なんだろう……」
7 :
みゃあああああああ
8 = 1 :
純一「なんだか、僕だけ違う所にいる感覚がする……なんだろうコレ」
純一「まるで、僕だけ外れているような───」
「よぉー!大将ぅ!」
純一「あ、梅原……」
梅原「ようっ。今日も朝から寒いね~……こうも寒いとブリが甘みが乗って美味しい季節だぜ……って」
梅原「──大将? なんだよ、今日は朝からやけに湿気た顔してんなぁ」
純一「ま、まぁね……ちょっと色々あってさ」
梅原「ふーん、そうか。色々か」
純一「……なぁ梅原。一つ聞いても良いか?」
梅原「んだよー。俺とたいしょーの仲で、そんな気遣いいらねぇっての」
純一「……本当にか? 馬鹿にしないか?」
梅原「しねぇーよ、どんと来い!」
純一「……。今日ってなんの日だか僕に教えてくれないか」
梅原「…………」
純一「…………」
9 :
しえん
10 = 1 :
梅原「──大将、頭大丈夫か?」
純一「…………」すたすた…
梅原「ちょ、たいしょー! 歩くの早いって!」
純一「…………」すた…
梅原「はぁ…はぁ…いや、すまん。まさかお前からそんなことを聞かれるとは思ってなくてよ…」
純一「だから先に言っただろ。馬鹿にしないで聞いてくれるかって」
梅原「はぁ……まぁ、そうだが。俺はもっと別のことだと思ったからよ……」
純一「別のこと?」
梅原「……いや、お前さんがなんとも思っちゃーいないんだったら、それでいいんだ。
俺がとやかく言う必要はねぇ……でもよ」
梅原「急になんだってんだ。今日が何の日かだなんて聞いてくるって」
純一「……まぁ、僕だって変な質問だって思ってるよ。
でも、ちょっと朝から気になることがあるんだ」
梅原「気になること? なんだよそれって──」
「おはよう、梅原くん!」
梅原&純一「へ?」
12 = 1 :
「今日も朝から寒いね~……──ってあ……」
純一「も、森島先輩……っ!」
森島「っ………」びくっ
純一「……?あ、あの先輩……?」
森島「……橘くん…居たんだ」
純一「え、あ、はい……いましたけど……?」
森島「う、うん……橘君もおはよう!」
純一「おはようございます……」
純一(な、なんだろう……この森島先輩の感じ。
まるで僕と会ったらまずいみたいな……)
梅原「──森島先輩、おはようっす。今日はおひとりで登校っすか?」
森島「…………え?あ、そうなの。今日は響ちゃんが部活で早めに登校しててね…」
梅原「そうなんっすか~……そしたら今日は途中で合流な感じっすか?」
純一(合流…? 森島先輩って塚原先輩以外と登校してるのみたことあったっけ…)
13 :
そろそろアニメだしアマガミssふえてくるな
よしよし
14 :
なるほど
16 = 1 :
森島「──うん、そうなの。これから会うつもりなの」
梅原「そうなんすかぁ~……かぁー! 良いっすねー!
んじゃ! 俺らはお邪魔にならない様……この辺でおいとまさせていただきます!」
梅原「行くぞ橘っ!」だっ
純一「え、う、うん……あ、それでは先輩。また会えたら……っ!」
森島「………うん、会えたら」
たったったった……
梅原「……」たったった
純一「──お、おい梅原……!!脚早いって……!!」たったった
梅原「──よし、この辺までくればもう、見えないだろ」
純一「はぁっ…はぁっ……なんだよ、梅原……急に走り出して……!」
梅原「……大将の為だろ。それに俺だって見たくなしな」
純一「ぼ、僕の為……? なんだよ、森島先輩から離れることが僕の為っていうのかっ……?」
梅原「何言ってんだよ、橘。それとももう、ふっきれたとでも言うのかよ。
……そしたら大将、俺はお前を心から称賛するけどな」
純一「……?」
17 = 3 :
なるほど
18 = 4 :
ニュータイプいもスレが落ちてしまっていたので
19 = 9 :
まさか鬱ルート?
20 = 1 :
梅原「──でも、俺はお前がそういう奴じゃないって知ってるつもりだ。
だから変に強がったりすんなよ、本当に」
純一「……梅原、ごめん。僕はお前が言ってることが全然理解できてないよ」
梅原「……それ、本気で言ってんのか?橘?」
純一「うん、本気で言ってる」
梅原「……。そうか、どんなつもりでそんなこと言ってるんだがわからねぇけどよ、
少しここで待ってみろ。それなら否応にもわかるはずだ」
純一「ここで? 校門の前じゃなくて?」
梅原「ここでだ。俺も一緒にいてやるから」
純一「……わかった。待ってみるよ」
梅原「…………」
数分後
梅原「──ほら、来たぞ大将」
純一「え、ああ、森島先輩のことか───……え?」
21 = 14 :
・・・ゴクリ
22 = 9 :
こわいこわいこわい
23 = 1 :
「──あはは。森島先輩は───」すたすた
「──ふふ、だって今日は──」すたすた
純一「なっ……」
「──今日は何処か一緒に──」すたすた
「──ええ、そしたら牛丼──」すたすた
純一「…んだアレ……まるであれじゃ……」
「──いいですよ、そしたら放課後に……あ──」
「──決まりねっ! じゃあ放課後に……っ──」
純一「…………」
「……おはようございます、橘先輩」
純一「なん、で君が……」
樹里「なんでもないでしょう。僕はこの人の隣にいる資格がある」
森島「………」
純一「森島先輩……?」
24 = 14 :
ロミオェ・・・
26 :
これは…
27 = 1 :
森島「──ごめんね橘君、今日は急いでるから……」
純一「えっ……先輩?」
森島「っ……行きましょ、路美雄君!」
樹里「ええ、行きましょう──では、これで」すたすた
純一「ちょ、ちょっと待ってせんぱ──」がっ
梅原「大将」
純一「は、離せよ梅原ッ! 僕は先輩と──」
梅原「大将っ! しっかりしてくれ!」
純一「っ……僕はしっかりしてる!! でも、これは……!!」
梅原「いいや、俺には大将がしっかりしているようには見えないぜ。
だから、ここでお前さんの肩から手を離すことはしない」
純一「梅原……っ!」
梅原「行くな橘。言ってどうする、なにを言うつもりだ?なにを聞くつもりだ?」
純一「それはっ……!」
28 = 9 :
つれーわー マジつれーわー 森島先輩が他の男と付き合ってるんだもんなー
orz
29 :
つまり誰ともフラグ建てないままクリスマスが過ぎてたって事か
30 = 1 :
梅原「なりそめを聞くのか? どうやって付き合ったのか聞くのか?
あの二人の前に言って、お前はなにをするつもりなんだよ」
純一「……………」
梅原「──もう諦めろよ、橘。もうお前さんが森島先輩の前に行くのは、見てるこっちも辛い。
ダチとして、同じ男として──やめてくれ、そういうのは」
純一「……梅原──」
梅原「……なんだ、大将」
純一「…………」
梅原「…………」
純一「──一回、僕を思いっきり殴ってくれないか……」
梅原「…………」
梅原「……はぁ、わかったよ。それで大将が気が済むなら……いくらでも殴ってやる」
純一「一回でいいからな……でも、手加減なしだ」
梅原「おう、気合入れろよ」
31 = 1 :
がつん!
純一「っつ……!!」
梅原「……いやなに、初めて人を殴ったけどよ。いてーのな、こっちも」
純一「たぶん、殴られた方が一番痛いと思う……」
梅原「ちげーねぇや。それで大将、気が済んだか?」
純一「……ああ、これが夢じゃないって事がやっとわかった」
梅原「そうか……気をしっかり持ってくれ大将。
俺はもうあの時の大将は観たくないからな」
純一「ああ、わかった梅原……」
梅原「……本当に大丈夫か?顔色が悪いぞ、保健室行くか?」
純一「いや、大丈夫だよ……はやく登校しよう」すたすた……
梅原「大将……」
32 = 1 :
教室
純一「…………」
純一(先輩に──彼氏……)
純一(あんなに楽しそうに笑って、僕とは違う人と会話して……)
純一(僕だって──あんなに笑った先輩の顔、見たことなかったな……)
純一「ずず……っ!?」
純一(や、やばい……教室で泣きそうだ……!!
クラスのみんながいるのに、泣いたら変に思われる……っ)がたっ
純一(トイレに行くか……周りにばれないうちに、特に梅原とか──)
純一(──薫とかに、見つかったら……!!)
純一「……ってあれ…? 薫……?」
純一「そういえば、まだ薫の姿を見てない──」
がらり
高橋「ほらー。朝のhrはじまるわよー」
34 = 1 :
純一「あ、もうそんな時間か……」
高橋「こら、橘君。なにぼーっとつったってるの!
もうチャイムが鳴ってますよ」
純一「あ、はい……あの先生!かお……棚町さんがまだきてませんけど…!」
高橋「……。そうね、それは後で私から説明するわ──今は、とにかく座りなさい」
純一「は、はい……」がたん
純一(説明……?いったいなんのだろう……?)
高橋「それではhrを始めたいところですけど──今日は皆さんに報告があります」
高橋「──本日をもって、棚町 薫さんは転校することになりました」
純一「え……?」
高橋「突然の話──ということでは、ないようだけど。皆さん知ってると思いますが、
棚町さんは油絵の出品会で特賞を取ったことで、とある外国の学校に行くことが決まってました」
高橋「まさか突然、今日転校となるとは私も予想だにしなかったから……このような急な報告となってしまったわ」
35 :
もしかして全員疎遠か?
36 = 9 :
>>35
おっとそこから先はまだ言わないでおけ
37 :
大丈夫だまだ美也がいる
38 :
全力ソエンルートワロタ
39 = 14 :
田中さんだけは・・・タンポポだけは!
40 :
美也ルートwktk
41 :
みゃーの機嫌の良さ……つまり
42 = 1 :
純一「っ……!!!」がたん!
高橋「きゃ……た、橘君っ? 急に立ち上がってどうしたの?」
純一「た、高橋先生……っ!? そ、それは本当のことなんですか……っ!?」
高橋「え、ええ……そうよ──でも、君は前もって棚町さんから言われてたはずじゃなかったの?」
純一「え……」
高橋「そもそも私も貴方から聞いて──橘くん? 顔色が悪いわよ──」
純一(なん、だっていうんだこれは……薫が転校…? 外国へ行く…? 絵が受賞した…?)
純一「あっ……田中さんっ!!」
田中「へっ!? あ、なにっ? 橘くん……?」
純一「田中さんは薫が転校するの知ってたの!?」
田中「えっ……何を、言ってるの橘くん……?」
田中「そもそも──薫が転校するって事は、橘君が言ってくれたことじゃない」
純一「な、んで……そん、な……僕は……」
田中「そ、それに……つい一昨日ぐらいに、梅原君とか伊藤さんとかで一緒に祝った……と思うんだけど」
44 = 1 :
純一「……………………」
田中「え、私間違ってるかな……? あ、あと……橘君は薫から別れのプレゼントって絵をもらってるはずだし……」
梅原「──ああ、あってるよ田中さん。俺もそこにいたしな」
純一「う、梅原……」
梅原「大将……いや、橘。今日はどうしたんだ、とりあえず落ち着けって」
純一「で、でもこれって……っ!!僕は何も知らなくて……!!」
梅原「……今朝からどうも様子がおかしいと思ってたんだが、ここまでとは……橘。
とりあえず保健室に行くぞ。少しそこで寝て休め」がた…
純一「う、梅原……!!僕はおかしくなってないっ!ちゃんと正気だよ!?」
梅原「何処がだよ。俺にはお前がおかしくなったとしか見えないぞ、ほら行くぞ……」
純一「や、やめろ……っ!!僕は……っ!!」
梅原「な、抵抗するなって……!!なにやってんだよ本当に……!」
「──今は、hr中よ。二人とも」
絢辻「騒ぐのやめてちょうだい。梅原君も、橘君も」
45 = 14 :
絢辻さん・・・
46 = 1 :
純一「っ……あ、絢辻さん…!」
絢辻「先生、私が橘君を保健室に連れて行きます。後は引き続き、hrを続けてください」
高橋「え? ええ、わかったわ……後はよろしくお願いします、絢辻さん。
……あと橘君も、ちょっと落ち着いてから終業式にでなさい」
純一「…………はい…」
絢辻「──ほら、行くわよ橘君。ちゃんと前を向きなさい」
純一「………」すたすた…
がらり ぴしゃ
絢辻「…………」
純一「…………」
絢辻「なに、めそめそと泣いているの橘君」
純一「え……?」
絢辻「──良いわね、そんな風に感情を外に出せて。羨ましい限り」
純一「あ、絢辻さん……?」
48 = 1 :
絢辻「──私は、あの時は何も吐き出せれなかったのに……」
純一「さっきから、なにをいって……」
絢辻「─────。さて橘君、さっそく保健室に行きましょう。
だめよー、ちゃんと寝なきゃ! そうしないと直ぐに気疲れしちゃうんだから!」
純一「え、あ、うん……」
絢辻「大丈夫、そこまでたいしたことじゃないわ。私だって、全然寝なくて変なテンションに
なっちゃって……深夜の寒い中、野生の鹿と小一時間戯れたこともあるわ」
純一「あ、あはは……それは流石に冗談だよね……?」
絢辻「冗談よ。……んじゃ元気出たみたいだし、保健室行くわよ。それでとりあえず、
後で高橋先生と、梅原君……それと田中さんに謝っときなさい」
純一「……うん、わかった……ありがとう、絢辻さん」
絢辻「ううん、別にいいのよ。これが私だもの」
純一「え、うん……そうだね。それが絢辻さんだよ」
絢辻「……。それじゃ行きましょう」
50 = 1 :
保健室前
絢辻「それじゃあ、私は先に戻っておくわね。ちゃんと寝る様に!」
純一「……うん、わかったよ」
絢辻「一時間ぐらいしたら梅原君に、貴方を起こしに来るよう伝えておくわ」
純一「うん、ありがとう……色々としてくれて」
絢辻「いいのよ。だってクラスの委員長だもの」
純一「あはは……それも最後だけどね」
絢辻「そうね、それじゃ」すたすた…
純一「また、後で」
純一「………。なんだろう、絢辻さん……僕が思ってた印象と大分変わったような…」
純一「昔はもっとこう、ちゃんと人を見てたような気がする……」
純一「……」
純一「……本当に、なんだっていうんだ……僕、本当にどうにかなってしまいそうだ…」
みんなの評価 : ★★
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