元スレまどか「えっ?マミさん連休の予定無いんですか?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
251 = 1 :
ガラガラ…
まどか「ほんとだ、お庭みたいだー」
せっかくなので、人のいない室内の湯船をスルーして外に出る。
ほむら「まどか、そんなに急いだら転ぶわよ」
マミ「へぇ……」
岩で作られた露天風呂の周りに手入れされた植木が並び、
それほど本格的でないまでも日本庭園の雰囲気が出ている。
マミ「なるほどね……いいじゃない」ブルッ
マミ「う。寒いから早く入ろっと」チャポッ
マミ (ふぅぅ……。あったかい……)
寝起きから間もない身体がじわじわと暖められ、目が冴えてくる。
マミ (……垣根の向こうも、多分これは……自然の森林?)
マミ (庭の池に住む鯉になった気分かしらね……)
252 = 20 :
温泉いきてー
253 = 52 :
マミさんと湯船に浸かりたい
254 = 1 :
チャパ…
ふと、 揺れる水面の奥に、自分の手を広げて透かしてみる。
マミ (生きてるんだなぁ、私……人として)
マミ (鯉よりは苦労も多いけど。楽しみも多分、多い。……なんてね)
マミ (……あ。ちょっとまた眠くなって来ちゃったかも)
身体全体が暖まっているものの、外の涼しい空気で頭は冷やされ、あまりのぼせそうな感じがない。
マミ「あったかいのに、涼しくて、いい気持ちね……」
ほむら「ええ……朝の空気って良いわよね……」
まどか「えへへ……また寝ちゃいそう……」
3人で皆、半ば昇天しかけた顔を並べてしばらく過ごした。
255 = 1 :
――ほむホーム・お風呂場――
ザザー ザババー…
普段厳しい戦いに身を置いているとは思えない、華奢で透き通った裸体を少女がシャワーに晒している。
杏子「ああー、くっそ。ほむらの野郎、帰ってきたらマジでタタじゃおかねぇ……」
目をつぶったまま、苦々しく口をゆがめる。
杏子「何でいつも泊まるときにあった布団が無くなってんだよ! おかしいだろ、隠す必要ねーじゃねーか!」
杏子「おかげで同じ布団で寝なきゃならなくって……ひどい寝不足だよ……」
誰にと言うわけでもなく愚痴る。
杏子 (……さやかは、すぐ寝ちまったよなぁ………)
杏子 (あいつにゃ、そんな気はねーってことだろうけど……)
それが友情なのか、愛情なのか、それともまた別の何かなのか。自分でも分からない。
杏子 (……めんどくせぇよな、人間って………)
杏子「………」ハァ…
キュッ キィー…
ゴソゴソ…
256 = 20 :
>>1がんばるなー
257 = 1 :
杏子「ふー……」
身体を拭いて、一息つく。
脱ぎ捨てたパジャマを拾い、手で広げてみて…また顔をしかめる。
杏子「布団だけならまだしも、あたし用に置いといた寝間着が消えてて、代わりにコレ……
わんこの着ぐるみパジャマだもんな……」
杏子「……うーん、やっぱ一度、槍と銃で存分に語り合う必要があるな、間違いない」グッ
他に寝間着があるわけでもない。仕方なしに、その服を着て風呂場を後にする。
窓からは朝日が差し込んでいるが、しんとした部屋に物音はない。
まださやかは寝ているようだ。
杏子「よっと……」ボスッ
ソファーに腰を下ろし、何を見るわけでもなく目線を泳がせる。
杏子 (……まだ、起きてこないよな………)
杏子 (………)
ぼーっと見開いていた目も、だんだんと重くなり視界が暗くなる。
杏子は、いつしかソファーに横になって寝息を立て始めていた…
258 = 1 :
――旅館の一室――
カチャカチャ… カタッ…
マミ「……正直、これが夕飯と言われても嬉しいぐらいよね」
ご飯、味噌汁、焼き鮭、煮物、漬け物…奥には湯豆腐まで煮立っている。
ほむら「普段の朝食なんて頑張っても食パン一枚が良いところだものね……」モグモグ
マミ「フルーツグラノーラを軽く一杯とかね」ムグモグ
ほむら「あれいいわよね」
まどか「え、二人とも……そんな食生活なの……?」
ほむら「一人暮らしはそんなものよ?」
まどか「うう、そう言われると言い返せないけど……。何か良くない気がするよ……!」
マミ「ふふ、本当は朝にしっかり食べるのが健康的らしいけれど……。
実際は食べてるだけ良い方よ。朝は抜きって子、結構クラスに居るわ」
まどか「朝ご飯食べると、すごく元気が出るのに……」
ほむら「まどかの場合、お父さんが優秀だものね……。栄養バランスもよく考えられてそう」
まどか「ティヒヒ、それはあるかも」
259 = 1 :
マミ「このとろろ美味しいわね……。ご飯何杯でも行けちゃいそう」
まどか「あ、ご飯まだありますよ。おかわりしますか?」
マミ (……食べ過ぎかな? でも……)
マミ「………うん、鹿目さんお願い」スッ
まどか「はい! ……あれ、ほむらちゃんはとろろ食べないんだね?」
マミ「とろろご飯美味しいのに。おすすめよ?」
ほむら「え!? えっと、いや他にもおかずいろいろあるじゃない、別にいいかなって……その……」
マミ「……もしかして、嫌い?」
ほむら「………」
まどか「そう言えばほむらちゃん、納豆食べられないんだっけ……」
マミ「あ、なるほど。ねばねば系の物が苦手なタイプね……。ふふふ、暁美さんにも意外な弱点があるものね。
これは是非とも食べられるようにしてあげたい気がしてきたわ」ニヤリ
ほむら「お願い、勘弁して……」
まどか「わたしも好き嫌いは良くないなって、ずっと思ってたんですよね……ウェヒヒヒ」
ほむら「本当にダメなのっ……!」
261 :
とろろを無理矢理食べさせようとは……なんて卑猥なっ!?www
262 = 89 :
マミ「まぁ、納豆パーティーはまた今度の楽しみに取っておくとして……」
ほむら「いいから忘れてってば……」
マミ「今日はこの後どうするの? 予定とかある?」
ほむら「ああ、それなら。とりあえず、山の上でも行ってみない?」
まどか「山登りするの?」
ほむら「いえ、違うわ。……さっき、入ってきた『鴻の湯』の方、ほとんど山だったでしょう。
あそこからもうちょっと奥に行くとロープウェイがあるらしいのよ」
まどか「へぇー、温泉だけじゃないんだね」
ほむら「今日も天気は良いし、景色も楽しめるんじゃないかしら?」
マミ「それじゃ、食べ終わったら出かけましょう」
ほむら「着替えもしてからいかなきゃね」
まどか「うん!」
263 = 52 :
とろろがサービスシーンだったとは…
264 :
まみまみ
265 = 89 :
――乗り場手前で――
ほむら「はぁ、はぁ……。ちょ、ちょっと待って……」
マミ「意外と体力無いわよね、暁美さん」
ほむら「もともと病弱だもの……。はぁ、魔力で強化しなければ……こんなものよ」
まどか「もうちょっとだよほむらちゃん、がんばって」
ほむら「はぁ……。こんな階段があるなんて聞いてないわよ、ロープウェイなら下から作りなさいよね……」
マミ「山頂まで歩くってんじゃないんだから、文句言わないの。ほら、手を貸してあげるから」
ほむら「……ありがとう、上までよろしく頼むわ」グイッ
マミ「えっ、ちょっ、そんなに体重かけないでよ!」
ほむら「冗談よ。……どうせなら背負って貰いたいくらいだけれど」
マミ「まったくもう……落ちても知らないわよ?」
ほむら「ソウルジェムはわりと丈夫なのよ」
266 = 89 :
ゴウンッ…
まどか「動き出した!」
マミ「っとと……。結構、揺れるわね」
ほむら「あら、高いところは苦手かしら? マミ」
マミ「そう言う訳じゃないけれど……。もしもの事を考えるとちょっと、ね」
ほむら「ふぅん……これは使えそうにないわね。何かもっと重大な弱点が欲しい……」ブツブツ…
まどか「ほむらちゃん……。さっきまであれだけ疲れた顔してて……」
マミ「乗った途端にこれなんだから」
ほむら「人の弱みを握ってニヤニヤしてる貴女が悪いのよ?」
マミ「根に持つわね……ふふ」
スピーカーから、明るい声で誰も聞かない観光案内が流れている。
マミ「あら……もう駅があんなに小さく」
まどか「もう、すっかり山の中ですねー……。見渡す限り緑色だよ」
267 = 52 :
マミさんとほむほむは陰湿に喧嘩して欲しい
マミさんとあんこは掴み合い殴り合いの喧嘩をして欲しい
268 = 151 :
>>267
コミカルにポカポカ殴り合ってる光景しか創造できない
269 = 89 :
やがて駅どころか、街全体も小さく見えてくる。
マミ「こうして見ると、すごく秘境って感じがあるわね。
周りが全部山で、ぽつんと温泉街が密集してるのが良く分かる」
まどか「本当に山奥の温泉だったんですね。電車で来たから、あんまりそんなイメージなかったけど」
ほむら「……昔の人って、どうやって来たのかしら。平安時代からある温泉らしいけれど」
マミ「えっ、そんな古くからあるの?」
まどか「すごいねー。……あ、ほら、向こうに大きな川が見えるよ? 船で来たんじゃないかな!」
ほむら「なるほど、それはありそうね」
そうこうしているうち、5分もかからずゴンドラは駅へと着いた。
まどか「あれ、もう到着?」
ほむら「到着だけど、ここで乗り換えよ」
マミ「ここには何かあるの?」
ほむら「たしかお寺があったんじゃないかしら……。とりあえず一番上まで行きましょう?」
マミ「そうね」
270 = 89 :
赤いゴンドラから黄色いゴンドラに乗り換えて、また数分。
山頂に到着した一行は、早速展望台へと昇った。
まどか「いい眺めだねっ! これも写真に撮っとこうかな?」
ほむら「えっと、あの川があって……ほら、左の向こう側はもう日本海よ」
マミ「こんなに海の近くだったのねぇ……。道理でお刺身が美味しいはず……」
ほむら「冬場だと、その日に水揚げした美味しいカニがたらふく食べられるって話よ」
マミ「カニ……! あまりのおいしさに思わず無口になるというあの伝説の……!」
まどか「わたしカニ苦手だなー、殻を剥くのが大変だもん」ピローン
ほむら「! ……い、いくらまどかでも、カニを冒涜するその発言はちょっと許せないわ……」
マミ「鹿目さん、口に気をつけないと命がいくつあっても足りないわよ……?」
まどか「ちょ、ちょっと怖いよ? 二人とも!?」ズザッ…
マミ「……なーんて、食べたこと無いから、本当に美味しいのかは知らないのだけれどね」
ほむら「え、ダメじゃないマミ……。もう、もっと寒くなってから連れてくれば良かったわ」
マミ「うふふ」
まどか「あはは……」
271 = 89 :
それから3人は、城崎中を楽しく歩き回った。
温泉寺にお参りをしてみたり。文学碑を廻ってみたり。
歩き疲れたとなれば、まだ巡っていない外湯に入り。
木屋町小路に出てみれば、お酢を飲んで顔をしかめたり、甘いデザートに顔をとろけさせたり。
水族館があると聞けば、足を伸ばして魚たちとにらめっこしたり。
気づいたときには……もう日が暮れていた。
マミ (きっと……。私の走馬燈には、今日のことがいっぱい出てくるんじゃないかしら)
マミ (とても、素敵な時間だった……)
273 = 89 :
――ほむホーム――
杏子「……マジで大丈夫か? 菓子とは違うんじゃないか?」
さやか「何よー、失礼しちゃうわねー。あんたまであたしを見くびるわけ?」
杏子「いや、そういうわけじゃないんだけど……」
さやか「あのマミさんから仮免許皆伝を頂いた、このさやかちゃんに不可能は無いのだー!」
杏子「その仮なのか皆伝なのか分かんないあたりがすげぇ不安なんだろーが……」
さやか「……あたしね。厳しい修行の中で、とても大切なことを学んだのよ」
さやか「ひとぉーつ。レシピをよく読むこと」
杏子「ああ」
さやか「………」
杏子「え? ……それだけ?」
さやか「あー、あと材料をちゃんと量る……こと?」
杏子「よーし、出かける準備だ。ラーメンでも食いに行こう」トコトコ
さやか「ちょっとー!」ガシッ
杏子「離せさやかっ! あたしはもうちょっと長生きしたいんだ……!」ジタバタ
274 = 89 :
杏子「で………結局、カレーか」
さやか「うん。あたしだってそんな無茶したいわけじゃないし……。
冷蔵庫の中身とか使って良いって言われてたから、見てみたらニンジンとかジャガイモとかあったし」ガサガサ
杏子「そういや肉とカレールウぐらいしか買ってこなかったな」
杏子 (まあ、これぐらいなら……ヤバいもんにはならない……はずだよな?)
杏子「せいぜいできあがりを楽しみにしとくか」
さやか「うん。あんたも手伝うのよ?」
杏子「もちろんだ、作業現場を監視する必要があるからな」
さやか「ぐぬ……見てなさいよ! あたしの本気!」
さやか「まずは、お米をといでっと……」
サラサラ… ジャバババ…
275 = 52 :
退席④
保守は任せた
276 = 89 :
さやか「んじゃ、ニンジンとジャガイモの皮むき頼んだ。これピーラーね」ヒョイ
杏子「よし了解。全部剥けばいいんだよな?」
さやか「うん、洗ってそこにあるやつ全部」
杏子 (んーと、これ……当てて引けば良いんだよな?)
シャリシャリ… シャリシャリ…
杏子 (おお、剥けてる剥けてる)
杏子「……面白いな、これ」
さやか「必要以上に剥かないでよ?」
杏子「食いモンを粗末にしないことに関してはプライドがあるから。任せろって」シャリシャリ…
さやか「はいはい、そーだったわね。あたしはタマネギを切るかなっと……」
さやか (半分に切って……) ズドンッ
さやか (色が変わるまで皮を剥けばいい……んだったよね?) ペリペリ…
さやか (大丈夫、いけるいける)
277 :
頑張って
支援します
278 = 89 :
さやか「よーし。下ごしらえも終わったし、ここからが本番だね!」
杏子「なぁ」
さやか「ん?」
杏子「………切ってないあたしが言うのもなんだが、不揃いだよな、野菜」
さやか「う、うるさいよっ! 火が通ればいいのよ火が通れば!」
杏子「まあカレーに関しては正論かもなぁ」
さやか「とにかく先へ進むのっ。ええと、鍋に油をしいて、火にかけて……」ガタガタ…
ピッ ウィーーン…
杏子「これ、いつ見ても不思議だよな。なんで火もないのに温まるんだ?」
さやか「んー? あいえっち、だっけ? 知らないけど……便利だしいいじゃん。
魔法少女の変身だって、同じぐらいよくわかんないし」
杏子「………それもそうだな」
279 = 89 :
さやか「まずは、タマネギを炒めるのね」ザラザラ
ジュゥー… パチッ…
さやか「あつっ!? ……ちょっと飛んだような?」
杏子「大丈夫か?」
さやか「何とも無さそう」
ガサッ ジュジュー…
さやか「うん、このぐらいかな? 次は牛肉を入れて」
ジュジュジュー…
杏子「……うー、既にうまそうな匂いがするなあ」クンクン
さやか「まだ調理は始まったばっかだっつーの。相変わらずの食い意地め……」
杏子「仕方ないだろぉー、実際いい匂いじゃん」クンクン
さやか「そうだけどさー」ガタガサ…
さやか (んー……。もう火は通ってる、かな?)
さやか「他の野菜も行こう」ザザザ…
280 = 264 :
さやさや
281 = 89 :
さやか「炒めはこんなもんかな……。焦げても無さそうだし、上出来上出来♪」
杏子「次はどうすんだ?」
さやか「えーっと……。杏子、そこのカップ一杯に水汲んで貰える?」
杏子「カップ……これか」
チョロチョロチョロ…キュッ
さやか「そんで、それをこの鍋の中に」
杏子「あいよ」ジャポポポポ
さやか「それを……あと2杯半、入れればいいみたい」
杏子「2杯半な。任せろ」ジョロジョロ…
さやか「よっし、そしたら中火で煮込むぞー!」
杏子「ほっときゃいいのか?」
さやか「基本的には……多分。……あ、そうだ、灰汁は取らなきゃ駄目か」
杏子「灰汁?」
282 :
さや
283 = 89 :
さやか「え? 知らない?」
杏子「悪じゃなくてか?」
さやか「いや、灰汁。もうちょっと煮立ってくれば出てくると思うよ」
グツグツ… グツグツ…
さやか「ほら、鍋の周りに何か集まってきたでしょ」
杏子「なんか泡っぽいな……。これが灰汁なのか?」
さやか「うん。これを……ええとお玉は……。あった、これですくって捨てるのよ」
杏子「え、捨てちまうのか!? 勿体ないじゃねーか……」
さやか「………じゃ、食べてみる? コレ」
そう言って、すくった灰汁を計量カップに移し、杏子に渡す。
杏子「どれどれ……」ゴクッ
杏子「………うえ、なんだコレ……!」ペッペッ
さやか「ほーれ見ろ。美味しくないでしょ?」
杏子「あたしが悪かったよ……。これは捨てるべきだ。うう、口濯ごう……」
284 = 264 :
さやさやさい
285 = 89 :
杏子「そういや、味付けってしないのか? 何か煮てるだけみたいだけど」
さやか「んー……。レシピ見る限り、味付けはカレールウだけっぽいからなぁ」
さやか (林間学校んときは、まどかが何か入れてたような気もするんだけど……)
杏子「ふーん……。ま、変に手を加えたりしないほうが安全か」
さやか「……正直やりたいなー、って思いはあるんだけどさ」
さやか「マミさんに教わってるときに、これバナナとか刻んで入れたら美味しそうだ! とか言ったんだったかな?
絶対美味しいですよ、やってみましょうよ、って言ってみたんだけど……」
マミ『美樹さん? あなたは、料理における最も恐ろしい禁忌の一つを犯そうとしているわ』
マミ『生半可な気持ちでレシピのアレンジをするとね……最悪死ぬわよ。私も、あなたも。本当に』
さやか「とかって死んだ目で言われてさ……怖かったなぁ………」
杏子「そりゃ恐ろしいモン見たな……。」
さやか「あれ以来どーも気が引けて、手が加えられないのよねー……」
杏子 (そんなに怒ることなのか………?)
286 :
レシピをなめんな
あれは先人たちの知恵の集大成だ
287 = 193 :
オレンジご飯や尾頭付き青魚鍋思い出した
288 = 89 :
ルウを加え、弱火で煮込むこと数分。
さやか「かーんせーい! どうどう、ばっちりじゃないこれ!?」
杏子「おおー……。匂いも見た目もすげーうまそう……」ジュルル…
杏子「さやかさやか、味見してもいいか?」
さやか「あ、うん。熱いから気をつけなよ? ほれお玉」
さやか (……大丈夫だよね?)
杏子「どれどれ……」フーフー …ペロッ
さやか「………」ゴクリ…
杏子「………おい」
さやか「! え……もしかして……」ダラダラ
杏子「うめぇじゃねえか、これ!」ズルズル
さやか「へ……? え、あっ、あったり前じゃん! あはは」
杏子「へへ……あたしも手伝ってるせいかな、何かうれしい」モグモグ
さやか「おいこらっ、味見って量じゃないぞそれ!」
さやか (なんだなんだ、不安だったけどやっぱやれば出来るじゃんあたし! さやかちゃん上出来!)
289 = 114 :
さっすがさやかちゃんやればできる子
290 = 52 :
ほ
291 = 277 :
食いたい
292 = 89 :
――昭和を感じる遊技場――
ザワザワ… ガヤガヤ…
マミ「最後の一発ね……」
マミ「はっ! (ティロ・フィナーレ!)」
パシッ! ……コロン
まどか「わ、全弾命中だ!」
マミ「ふふ、こんなもんかしらねっ☆」フッ
煙を吹くマネをする。
ほむら「すごいわね、射的の銃なんてまともに弾が飛びそうにないのに。長年銃を打ち込んでるだけある」
マミ「銃を出せるようになった当時は、全然当たらなかったんだけれどね……。鈍器代わりに殴ったりしてたっけ。
暁美さんだって、銃は結構メインに使ってるじゃない」
ほむら「私は時間を止めてから打つのにばかり慣れていたから……。近代的な銃ばかりだし。
そんな、恰好をつけて射的で百発百中させる芸当は出来ないわ」
マミ「か、恰好つけてって……///」
ほむら「ほら、まどかみたいに身を乗り出すのが、射的本来の伝統的スタイルだと思うのよ。
あ、でもまどか、それ以上乗り出すと向こう側に落ちるわよ」
まどか「えへへ……気をつけるよっ!」パンッ!
293 = 264 :
ほむほむ
294 :
懐かしいわ、温泉寺で大学合格祈願の護摩焚いてもらったっけなぁ
水族館もってことは日和山も行ったのか
295 = 89 :
まどか「ううー、結局ダメだったよう……」
マミ「鹿目さん、何回も挑戦しすぎよ……」
まどか「だって二人とも成功してたんだもん! わたしもやりたかったー……」
ほむら「そんなに全弾命中に拘らなくても……。ほら、そこでフレッシュジュースでも飲みましょう? 機嫌治して、ね?」
まどか「ウェヒヒヒ……ほむらちゃん大好きっ!」ギュウッ
ほむら「え、ま、まどか……///」
抱きつかれて少し体勢を崩し、ほむらが下駄を踏む足に力を入れる。と、
ブチッ
ほむら「きゃっ」ズテッ
まどか「えっ? え、ごめん! 大丈夫!? ほむらちゃん!」アタフタ
ほむら「ええ、何とか。……下駄の鼻緒が切れてしまったみたいね」
マミ「怪我は無い?」
ほむら「大丈夫よ。ちょっとお尻を付いただけですんだわ」
マミ「肩を貸すから、少し二人三脚気味に帰りましょう?」
ほむら「ありがとう、助かるわ。……それにしても、不吉ね」
296 = 89 :
――ほむホーム――
ガラガラガッシャーン!
杏子「ああっ! くっそー、負けたっ」
さやか「ははは、さやかちゃんに勝とうなんて10年は早かったわね!」
杏子「ちっくしょう、ジェンガはダメだ、あたしが勝てそうなのは……」ゴソゴソ
さやか「何回ゲーム交換してんのよ、負け続きだし……」
さやか「……それにしても、ほむらの家も随分おもちゃ増えたよねー。遊びに事欠かない」
杏子「持ち込んでる本人が何言ってんだ。ほむらも仕舞う場所に困ってたぞ」
さやか「まあそうなんだけどさ」
さやか「……転校生、って呼んでたときのこと……何か思い出して」
杏子「転校生? ……ああー、ワルプルギスの夜の一ヶ月前に転校してきたんだっけ、ほむらの奴」
さやか「うん。最初は、綺麗な顔して無表情で、何かいけ好かないヤツだな―とか思ってた」
杏子「……それ今でもあんまり変わってないだろ?」
さやか「まあね」
297 :
ずっと見てるけど終らせないでほしい感がすごい
298 = 89 :
さやか「でもさ、ほむらは意外と面倒見が良くて、優しくて、ただ不器用な可愛いヤツって……中身はそんなかんじじゃない?」
杏子「んー、まぁそうかもな。結局憎たらしートコ残るけど」
さやか「魔法少女の世界に巻き込まれていくうちに、なんだかそれが分かってきて……」
さやか「それで、誘われて初めてこの部屋に来たときに、すごく寂しい部屋だって思ったんだよね」
杏子「………」
さやか「何て言うか、生活のための最低限の物を置いただけで、他は一切排除しちゃいました!
みたいな殺風景さがあって……痛々しかったのよ」
杏子「そうかもな……」
さやか「それをちょっと変えたかったのかな。いろいろと持ち込みはじめたのはさ……」
杏子 (………)
杏子「……そ、そういう所があるさやかが、あたしは……好きだよ。真っ直ぐな優しさでさ」
さやか「……! へへ、素直な杏子ちゃんも可愛いわねっ!」グリグリ
杏子「ちょ……茶化すなよ、真面目な話してんだろーが……///」
さやか「……ありがとっ」ニカッ
杏子「………」
299 = 114 :
淫獣が気になって仕方ない
300 = 89 :
杏子「……っ! おっと、こいつは……」
さやか「どした?」
杏子「使い魔……いや、これは魔女の反応だよ。マミの留守中にホントに出たな」
さやか「え、マジで……!?」
杏子「さーて、ようやくあたしが活躍する場面ってわけだ。ちょっくら行ってくるよ」ポキポキ
さやか「あ、その……」ソワソワ
杏子「ん?」
さやか「あたしも行くよっ! 心配だよ」
杏子「何言ってんだ、さやかは魔法少女じゃないじゃんか。危ないぞ」
さやか「そうだけど……」
杏子「大丈夫だって、あたしだってそれなりに魔女退治のベテランなんだ」
さやか「でも……」
杏子「いーからまかせて待っててくれよ。……さやかが待っててくれたら、その、ちゃんと帰ってこられるから」ポン
さやか「………うん、分かった。……気をつけてね?」
杏子「おう、じゃなっ」 ギィー パタン…
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