元スレまどか「えっ?マミさん連休の予定無いんですか?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
301 = 282 :
そういえばQBなにか企んでたな
302 = 89 :
杏子 (……それにしても、想定外に強力な魔女反応だな、こいつ)
杏子 (………使い魔の段階で気づきそうなもんだけどな……)
考えていても仕方ない。
杏子 (ま、久々にやりがいのある相手だ、気合いいれていこうじゃねえか)
杏子 (あたしの実力をとくと思い知らせてやる)
杏子「よし、待ってやがれよっ!」
そう言うと、魔女の元へと、人通りも少なくなった夜の街を駆け出した。
303 = 89 :
――旅館の部屋で――
まどか「きょ、今日もおなかいっぱいだよ……」
マミ「お魚が美味しかった……。でも、う……。昼から食べ歩いてたせいか結構辛いわ……」
ほむら「ほんとね……。今日ももう、出歩けそうにないわ」ケプッ
マミ「……明日は、もう帰りねぇ。佐倉さんと美樹さん、仲良くやってるかしら」
まどか「さやかちゃんにメールしといたほうがいいかな?」
ほむら「大丈夫じゃない? むしろこんな贅沢をしてると分かったら、酷い嫉妬が返信されてきそう」
まどか「ティヒヒ、そうかも……!」
マミ「またトランプでもする? ……今日は、何か賭けても良いわよ? そうね、貴女の恥ずかしい話とか聞きたいわ」
ほむら「くっ、巴マミ……。自分のフィールドに誘い出して喰らおうとは、何と狡猾な……!」
マミ「あーら、暁美さん……そんなに自信がないのかしら? そもそも私はどちらかというと、素人。
貴女は随分いろんなルールに詳しそうだったけれど、実戦ではとんと使えない臆病者だったの?」
ほむら「………」イラッ
ほむら「……いいわ。その減らず口、調子に乗ったことを後悔させてあげる」ファサッ
まどか「ほむらちゃーん、乗せられてるよー……?」
305 = 297 :
ぜひ参加させてほしい
306 = 89 :
――ほむホーム――
チッ チッ チッ チッ…
一人の部屋で、時計の音が耳につく。
さやか (………まだかな……)
さやか (……ほむら、いつもこんな部屋で一人暮らしてるんだなぁ……)
目の前に散らばったままのジェンガ。
楽しい時間を作るそれも、遊ぶ相手が居なければ寂しさをかき立てるアクセントでしかない。
さやか (大丈夫だよね……)
さやか (杏子………)
チッ チッ チッ チッ…
壁の時計を見る回数が増えてくる。時間のすすみがどんどん遅く感じる。
そのまま……3時間が経過した。
307 = 89 :
さやか「……これ、絶対おかしい……よね?」
さやか (いつもなら……。1時間とかからない。長くても2時間ぐらいのはず……)
さやか「うん……ちょっとだけ。見に行った方が……いい」ゴソッ
言われた約束を破る後ろめたさ。それよりは、明らかに遅すぎる杏子を心配する気持ちが勝った。
ふらふらと導かれるようにドアへと向かう。
ギィー…
青ざめた顔でドアを開けると、その正面には…
さやか「!? え……」
QB「やあ、久しぶりだね。美樹さやか」
1年ばかり姿も見掛けなかった、あの憎たらしい顔があった。
さやか「あんた……どうしてここに!」
さやか (契約をするつもりはない。何をしに? ここにはあたし一人だけ……いやほむらに会いに来たの?)
混乱するさやかを見つめ、一言、
QB「心配しているんだろう? 佐倉杏子を。なんなら、僕が居場所を教えてあげるよ」
インキュベーターは、とても親切な提案をしてくれた。
308 = 282 :
さや
309 = 89 :
――再び城崎――
マミ「……うふふふふふ。そろそろ、勘弁してあげてもいいかしらね?」
既に敷かれた布団の上で、勝ち誇って笑う。
その目線の先には、既にないはずの魂が抜けたように天井を見つめるほむらの姿があった。
まどか「ほむらちゃーん、生きてるー?」ポンポン
ほむら「ごめんねまどか……。私、あなたとの約束を守れそうにない……」ウルウル
まどか「いや別に何も約束してないけどね?」
ほむら (メガネに三つ編みだった頃の事……コッソリ書いていた同人誌の事……
小学校の頃の大失敗……いい歳しておねしょしちゃった事……
全て……! 何もかも知られてしまったっ………!)
ほむら「ううう……。すみませんでした……。無謀な勝負を挑みすぎました……」
マミ「分かれば宜しい♪」
まどか「……でも、何もあんな正直に過去を語らなくても良かったんじゃないかなって」
マミ (無理矢理喋らせたわけでもないのに、馬鹿正直に喋ってくれるのよね……。
真面目な性格ってことかしら……?)
ほむら「申し訳ありませんでしたぁ……」
310 = 52 :
ほむっつりちゃん…
311 = 89 :
――夜道――
サアアアァァ…
いつのまにか、見滝原には雨が降り始めていた。
より一層黒く染まるアスファルトに、紅色のシルエットが揺れる。
杏子「……おい! さやか! おい!!」ユサユサ
生気のない顔で地面に横たわるそれを、力強く揺する。
さやか「……っぐ………。あうっ………」
苦痛に顔を歪め、身体をねじりながらうめき声を上げる。
杏子「くそっ! 何で……何でこんな事に……!」
さやか「……はぁ……きょ……うこ……、ごめ……ん……。……うぐっ!」
杏子「馬鹿やろう喋るんじゃねえ! じっとしてろ!」
杏子 (魔法でも……これじゃあ………)
杏子 (考えろ……どうすればいい、考えるんだ! このままじゃさやかはヤバい!)
312 = 264 :
さやさや
313 = 89 :
さやか「……ぐあっ……。もう………ダメか……も……」
杏子「お、おい! ふざけたこと抜かしてんじゃねえ!!」
さやか「……ホント……ごめ……んっ」ガクッ
杏子「あっ馬鹿寝るな! おいっ!」ペシッ バシッ
思いっきり、頬をはたく。だが何も応答はなく、死んだように意識がない。
さやか「…………」
杏子「ああああああ冗談じゃねぇぞ、何とかしなきゃ……何とか……」
杏子「よりによってこんな時に……マミもほむらも居ねぇし……」
杏子「……そうだ携帯!」
さやかのポケットを漁り、使い古された携帯電話を取り出す。
二つ折りのそれを開いて中を覗いてみるものの…
杏子「……ああ、わかんねーんだ……使い方……。何て……使えないヤツ……あたしって……くそっ」
カシャンッ
苛立ち紛れに放り投げる。
その後ろから。見るからに絶望漂う杏子の背中を伺う影が、そっと姿を現した。
314 = 89 :
「お困りのようじゃないか?」
杏子「!」
急に声をかけられて、後ろを振り向く。
右手には槍を構え、臨戦態勢を整えることは忘れない。
杏子「っ……てめぇは……!」
QB「やあ、佐倉杏子。半年ぶりぐらいかな?」
杏子「……こンの忙しいときに! 何の用だ、早く言え!」
構えた槍の切っ先を向け、焦りきった声で話を促す。
インキュベーターが向こうからノコノコやってきて、ロクなことがあるはずがない。
QB「そんなに警戒しないでもらいたいな。君は、そこの美樹さやかの身を案じているのだろう?」
杏子「だからどうしたって……。 ……っ! てめぇ、まさかさやかに……!」
QB「どうしたんだい? 僕は、君たちの手助けをしようと思って来たんだ」
杏子「ふっざけるなぁっ!!!」ブンッ
グシャッ
キュゥべえの空気を読まないセリフに対し、杏子は構えた獲物を叩き付ける行為で以て答えた。
315 = 89 :
――翌日、城崎温泉駅前――
まどか「もう帰りかぁ……。名残惜しいよ―」
マミ「あっという間だったわね。私が誘拐されてから」
ほむら「お望みなら、何度でも誘拐してあげるわよ? 目的地は私の家になるけれど」
マミ「心臓に悪いから遠慮しておくわ……」
まどか (一晩寝たらすっかり立ち直っちゃったなあ、ほむらちゃん。面白かったのに……)
マミ「……電車までは、まだ時間あるのかしら?」
ほむら「えっと……。ええ、まだ30分ちょっとあるわね。早すぎたかしら」
マミ「えへへ、ちょっとあれが気になって」
マミの指さす先、『さとの湯』の屋根の下に、日陰になった足湯スポットがある。
まどか「足湯……。なるほど、待ち時間に良さそうですね!」
マミ「ね? 行きましょ行きましょ」トトト…
まどか「はい!」テテテ…
ほむら「あ、ちょっと……!」
317 = 52 :
ほ
318 :
おいついたら大変なことになっていたでござる
319 = 89 :
そそくさと、靴も靴下も脱いで足を湯に入れる。
チャプッ…
まどか「うーん、改めて入ると、なんだか帰るのが名残惜しくなりますね」
マミ「麻薬よね、この心地よさ……」
ほむら「マミもまどかも慌てすぎよ? もう……」トコトコ
置いていかれたほむらがやってくる。
まどか「あ、ほむらちゃんも入ろうよー。気持ちいいよー!」
ほむら「……ねえ、タオル用意して無いでしょう?」
マミ「あっ」
まどか「そっか、あれ旅館のタオルだから置いてきたんだ……どうしよ」
ほむら「全くもう……。ほら、二人でこれ使いなさい……」
鞄から、ハンドタオルを一枚取り出して膝に置く。
マミ「え、あるの……? ありがとう!」
まどか「さっすがほむらちゃん! 準備がいいね!」
マミ (……この準備の良さも、その努力を見せない所も、ホント感心するわね……ふふ)
320 :
ほのぼのだと思ったのに……淫獣め
321 = 52 :
ハンドタオルと靴下回収してそっと新品を手渡してあげたい
322 = 89 :
それから、何も知らない三人は帰りの道のりを楽しんだ。
窓の外の景色を語り、旅先での出来事を語り、日常のあれこれを語った。
楽しい時間ほどすぐに過ぎる。復路は往路よりも短く感じる。
そうして気がつけば……もう、見滝原。
――ほむホーム前――
まどか「帰ってきたー!」
マミ「ふぅ……。なんだか懐かしい気がするわね……」
ほむら「空けたのは、三日間だけなのだけれどね。二人とも居るかしら?」
ピンポーン…
当然のごとく返事はない。
マミ「……出かけてるのかしら?」
ほむら「まぁ、自分の家だからいいのだけれどね」ガチャガチャ…
ほむら「あれ? 鍵が開いてる……」ギィ…
まどか「かけ忘れたのかなぁ?」
323 = 264 :
さやさや
324 = 297 :
おいまじでやめろ
やめてください
325 = 25 :
どういう事だおい!
326 = 89 :
家の中に入り、ようやく三人とも違和感を覚えはじめる。
ほむら「電気が付けっぱなし……」パチッ
まどか「ジェンガが放ってある……」
マミ「二人とも居ない……。そして、鍵は開いたまま」
ほむら「……嫌な予感がするんだけれど」
マミ「同感ね。……ちょっとケータイにかけてみましょう」ゴソッ
ポケットから携帯電話を取りだし、かけ始める。
自分用に買ってきた、麦わら細工の綺麗なストラップが揺れる。
『現在、電波の届かないところにいるか……』
マミ「……駄目、繋がらない」ピッ
まどか「え、やだよ……? 何があったの……?」
ほむら「………」
マミ (……やっぱり、私が悪かったのかな。あのとき、無理にでも帰ってきていれば………)
きっとまずいことが起きている。自分に責めがあるのかもしれない。そう思い始めたとき、
「やあ、帰ってきたようだね。旅行は楽しかったかい?」
全てを知る者の声が、玄関から響いた。
327 = 52 :
おいやめろ
328 = 89 :
QB「久しぶりだね、3人とも」
ほむら「インキュベーター!」
言うが早いか、銃を取り出してキュゥべえに向けるほむら。
まどか「ま、待ってっ!」グイッ
その銃口を、まどかの手が握って下に向ける。
まどか「……何か知ってるかもしれないよ。聞けることは聞こう?」
ほむら「………」コクリ
QB「全く、君は相変わらず見境無く僕を殺しに来るね、意味がないと知っているのに」
マミ「キュゥべえ、そういう御託はいいのよ? ……あなたの知っていることを教えなさい」
いつのまにか、マミもマスケット銃を召還して向けている。
1人と1匹で日々を過ごした頃の面影はなく、それは正面からぶつかり合う敵同士の顔だった。
QB「やれやれ、マミにもすっかり嫌われてしまったようだ……」
マミ「さっさと!」ギリッ
QB「……そもそも、そんなに険悪になる理由なんて無いんだ。
僕はただ、君たちが望んでいる物を持ってきてあげただけなんだからさ」
329 = 89 :
ほむら「望んでいる物ですって……?」
QB「そうさ。君たちは、美樹さやかと佐倉杏子の居場所が気になっているのだろう?
だからそれを教えてあげようと思ってね。ほら、喧嘩する理由はないだろう?」
まどか「キュゥべえ……それって……」
マミ「あなたがこの事件に深く関わっている……」
マミ「……いえ。あなたが起こした事件だと、そう認めているのかしら?」
引き金に添える指に、つい力が入る。
QB「それは違うよ。今回の事件は、彼女たち自身の未熟さが引き起こした問題だ。
僕はそれに力添えをしてあげたに過ぎないんだ」
ほむら「……直接的な言及を避け、『嘘はつかない』と言いながら重大な情報を何一つ語らない。
あなたのそう言うところ、もううんざりなのよ! さっさと言いなさい、あの二人に何をしたの!」
QB「だから……本当に何もしてないんだけどなあ」
マミ「っ……!」
QB「いずれにしろ、何があったのかは2人に会いに行けば分かるはずさ。その目で確かめた方が早いんじゃないかい?」
まどか「どこ? さやかちゃんと杏子ちゃんをどこにやったの!?」
QB「なに、君たちもよく知っている場所だ。見滝原中央病院、歩きでもそんなにかからないよ」
330 :
さや…さや?
331 :
生きてたらなんとかなる……!
332 = 89 :
――病院の一室――
マミ「……ここね」
ほむら「開けるわよ……」
まどか「うん……」
ガラガラガラ…
部屋の中、真っ白なシーツの上。蒼い髪の少女が、安らかな顔で横たわっていた。
その姿を前にして、赤い髪の少女が突っ伏している。
他には誰も居ない。随分と静かな、静止した二人の世界に見えた。
マミ「美樹さん……」
ほむら「さ……さやか?」
まどか「さやかちゃん!!」トタタッ
一目散に、まどかがベッドへと駆けていく。
まどか「さやかちゃん! ねぇ、さやかちゃんってば!!」ユサユサ
目を見開きながら、さやかの身体をベッドごと激しく揺すった。
333 :
ほのぼの・・・
334 = 89 :
さやか「………うん……?」
杏子「……ん? 何だ……」
揺らされる衝撃に、二人が眠っていた意識を取り戻した。
まどか「さやかちゃん!」
杏子「ふぁ……。あたしも寝ちゃってたか」
さやか「あふふふっ……! おはよー、そしておかえりまどか」
まどか「さやかちゃん? 大丈夫なの!?」
さやか「あー……うん。何とかね、今は平気」
ほむら「あなた、魔法少女の契約をしてしまったの?」
さやか「え? 何で?」
ほむら「……魔女に襲われたとか、そういうことではないの?」
杏子「違う違う、魔女はあたしが倒したよ」
マミ「………? それじゃ、いったいなんで病院に?」
さやか「いやその……それがですね………」
335 = 330 :
あれ?
336 = 52 :
なんだ、みんなで仲直り湯治ックスか…
337 = 89 :
マミ「ソラニン中毒……?」
杏子「昨日の夕飯にカレー作ったんだけど、どーもその中に悪いモンが入ってたらしい」
さやか「もう、酷い目に遭いましたよー。胃の中洗ったりとかして……大変でした、はは」
ほむら「……もしかして、あなたたち。うちの冷蔵庫に入ってたジャガイモ使った?」
さやか「あ、うん。使っていいって言ってなかったっけ?」
ほむら「『使ってもいいけど、使わない方がいいわ』って言ったはずなのだけれど……」
さやか「あれー、そうだったっけ……」
ほむら (あのジャガイモ、いつのだったかしら……?)
マミ (芽、ちゃんと取ってなかったのかな……)
まどか「でもよかった……。さやかちゃん、無事で……ううっ」
さやか「ごめんごめん、心配かけたね」ナデナデ
杏子「うーん、すげー美味かったんだけどなー、カレー。何でさやかだけ……」ブツブツ
さやか「多分体質なんだろうね。あんたどんな劇物飲んでもケロッとしてそうだし」
杏子「失礼だなっ」
338 = 297 :
ふぇぇ・・・しんぱいさせんなよぅ・・・・・・
339 = 151 :
普段お手伝いしないから…
340 = 331 :
ジャガイモの芽は取れと家庭科で習わなかったのか!さやか!
341 = 52 :
さやかちゃんの馬鹿!馬鹿!オクタヴィア!
342 = 264 :
さやさや
343 = 330 :
ジャガイモなんて冷暗所においときゃ恐ろしいほど長持ちするのにw
344 = 333 :
くたばれ淫獣
345 = 89 :
QB「だから言ったろう? 僕は手を貸しただけだとね」ヒョコッ
マミ「キュゥべえ……」
杏子「おう、ありがとなキュゥべえ」
ほむら「え? ……このロクデナシがホントに何か役立つことをしたの?」
杏子「ああ、さやかが急に苦しみ出して、最後には意識まで失っちまったもんだから、
あたし一人じゃパニックになっちまって……。情けない話だけど」
QB「せっかくの優れた素質を持つ少女だからね。死なれては困るし、
ここの病院の救急が開いていることを教えて、連れてくるように言ったんだよ」
さやか「……あんた、まーだ契約諦めて無かったのかい」
QB「もちろんさ。もしも心境の変化で魔法少女になろうと思ったのなら、いつでも僕を呼んでくれて良いんだ」
さやか「お断りだよ、シッシッ」
QB「つれないねえ」トコトコ…
マミ「はあ、嫌な汗かいちゃったわよ……もう。佐倉さんも、書き置きぐらい残してくれれば良かったのに」
杏子「ん、ああ……悪ぃ。でも留守番の責任はしっかりと果たしたよ。結構な魔女だったけど、被害ゼロだ」ニッ
マミ「そういえばそんなこと言ってたわね……。ふふ、頼もしい後輩が居てくれて嬉しいわ」ニコッ
杏子 (正直、かなり危ねー相手だったけどな……。ま、マミの元で修行し直したあたしの敵じゃない!)
347 = 89 :
――病院の裏口――
ほむら「待ちなさい、インキュベーター」
もう用はないと出て行こうとする後ろ姿を、ほむらが呼び止めた。
QB「……わざわざなんだい、暁美ほむら。君は僕の顔も見たくないぐらい嫌っているんじゃなかったのかい」
ほむら「……あなたには、語ってないことがあるでしょう?」
QB「さて、何のことかな」
ほむら「本当の目的よ。美樹さやか一人が食中毒に苦しんでるのを嗅ぎつけて、それに手を貸しに来るような……。
あなたは、そういう生き物じゃない」
QB「うーん、美樹さやかに死んで貰いたくなかったのは本当だよ?
その場で契約しようにも意識がないし。全く、死ぬなら契約して魔女になってからにして欲しいよ」
ほむら「それは腹立たしいほど筋が通っているわね。でも話はそれじゃない、魔女についてよ。
……はっきり言うわ。あなたの仕業じゃないかしら?」
QB「……やれやれ。憎い相手のことなのに、君は本当によく知っているようだね」
ほむら「………」
348 :
ほむ
349 :
追い付いた
あんこちゃんマジ聖女
350 = 89 :
QB「ここの来たの自体はただの偶然なんだけどね。久々に、新たな素質の持ち主が居ないかを探していたのさ」
QB「そうしたら、いつもいつも僕の邪魔をしてくれるはずの暁美ほむら、巴マミ、そして鹿目まどかが居なかった」
QB「旅行だというのは知らなかったけれど、これはチャンスだと思ったからね。
佐倉杏子一人では手が余るレベルの魔女を宿したグリーフシードを、ちょっと持ってきた、それだけのことだよ」
ほむら「ろくでもない事を……」
QB「予定通りであれば、佐倉杏子は魔女となり、美樹さやかは魔法少女になっていたはずなんだ。
佐倉杏子があそこまで効率的に戦えて……あの魔女を倒すというのはね。驚いたよ、本当に計算違いだ」
ほむら「……人は、成長するものなのよ」
QB「歴史を俯瞰してきた僕たちから見れば、君たち人類はさしたる成長を遂げていないんだけどね?」
ほむら「………」
QB「……まあ、今回の話はそんなところだね。これで満足してくれたかい?」
ほむら「ええ、とても参考になったわ。……これはお礼よ」
パキュッ!
サイレンサーを付けた銃で、顔面のど真ん中に一発たたき込む。
ほむら「それと。二度とふざけたマネはしないで頂戴、いいわね」グリグリッ…
もう動かないインキュベーターの抜け殻を踏みつけながら、最後の挨拶をしてほむらは病室へ戻っていった。
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