元スレ岡部「これが、俺たちの選択だよ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
51 = 1 :
秘密への興味ではない。
橋田への興味があった。
毎日、あいつと2人きりになる瞬間が来ると嬉しくなった。
橋田の色々が知りたかった。
でも、絶対ないと思うけど、橋田の女性遍歴とかは、知りたくないと思った。
知りたくないという思考に驚き、嬉しくなった。
岡部への興味は薄れていた。
私のためとはいえ、秘密を抱えられるというのはあまりいい気がしないのは確かだったから。
岡部と2人になる時は橋田とのそれよりずっと多かったけど、あまり心は動かなかった。
感謝と好意は別物だ。
根底には結局知りたがりなところがあるんだな、と客観視して、そうして関心を外した。
52 = 1 :
ある日。2人きりのラボ。
紅莉栖「またエロゲ? ……って、その、子」
ダル「……」
紅莉栖「わ、わ、私にそっくりじゃない! 何考えてんのよアンタ!」
ダル「その反応を見たいと考えてますた!」
紅莉栖「ドHENTAIが!! 即刻プレイを終了してデータを消去しなさい!」
ダル「だが断る!」
紅莉栖「断る権利があると思うな! こんの、とりあえず洋書で再起不能にして」
ダル「ちょ、ときに落ち着け! な、なんだよ牧瀬氏。牧瀬氏に似てるからってプレイしちゃいけないん?」
紅莉栖「いけないに決まってんでしょ!」
ダル「な、なんでさ。僕この子お気に入りだから絶対攻略したいんだお!」
紅莉栖「お、お気に入りって……」
53 = 1 :
ダル「こ、こ、この子は、その、ま、ま……」
紅莉栖「……な、なに」
ダル「……マニア向けなんだお! 前より後ろでされる方が好きっていう子でエロシーンは全編そっちの穴オンリー!
喘ぎ声もエロかわいくてこのシリーズじゃダークホースの(ry」
紅莉栖「…………」
ダル「……あれ、急に悪寒が。やけに肌寒いな。牧瀬氏、その洋書を下ろそう。両手でプルプルしながら持ってるその洋書を下ろそう」
紅莉栖「……えぇ、下ろすわよ……」
紅莉栖「アンタの頭の上に、ねッ!!」
ウボァー……
54 = 1 :
ある日。2人きりのラボ。
紅莉栖「あれ橋田、まだ残ってやってるんだ。精が出るわね」
ダル「あ、牧瀬氏。うん、コイツをイジり終えてから帰ろかなって。あと今の精が出るわねってのを」
紅莉栖「黙れ。メドは着いてるの? そろそろ終電じゃない?」
ダル「まー……終わんなかったら泊まるし。牧瀬氏こそそろそろ帰れお。夜は危ない」
紅莉栖「あ、ありがと。言われなくとももう帰るわ。でもちょっと時間あるから、コーヒー作ってあげる」
ダル「牧瀬氏エキスたっぷりのコーシーktkr! いろいろ捗る!」
紅莉栖「お疲れさまー」
ダル「ちょ、待! 冗談です! 作ってください!」
55 = 1 :
紅莉栖「HENTAIを挟まないと会話できないのか己は……はいどうぞ」
ダル「ひゃっほう! 牧瀬氏エキ(ry」
紅莉栖「頭から飲むか?」
ダル「口から飲ませてくださいお……」
紅莉栖「ん。もう夜遅いんだから、ポテチとか間食は控えなさいね」
ダル「……牧瀬氏、母さんみたいだお」
紅莉栖「は!? か、か、母さんってなんで私がアンタの奥さんになんなきゃいけないのよ!? ばばば馬鹿なの!? 死ぬの!?」
ダル「えっ」
紅莉栖「……えっ?」
ダル「……母さんって、文字通り僕の母親みたい、って意味だったんだけど……」
紅莉栖「あ……な、あ……」
56 = 1 :
ダル「な、なんつー連想してんだお、牧瀬氏……」
紅莉栖「わ、分かり辛いこと言うアンタが悪いんじゃない……」
ダル「……」
紅莉栖「……」
ダル(な、なんでこんな時に黙ってんだお僕、何やってんだ、いつもの押せ押せはどうしたんだよ、うぅ……!)
ダル「ま、牧瀬氏!!」
紅莉栖「は、はい!!」
ダル「……終電、大丈夫かお」
紅莉栖「へ? ……あ、あああッ!! マズい時間ない急がなきゃ橋田あと頑張ってねお疲れー!」ガチャバタン!
ダル「お、乙ー……」
ダル(終電大丈夫か、だって。はぁ……)
57 = 1 :
ある日。2人きりのラボ。
紅莉栖「……」
ダル「牧瀬氏、スプーンなんか見つめてどしたん?」
紅莉栖「あっ……いや、なんでもないわよ……」
ダル「そのなんでもありそうなリアクションはさっさと改めるべき。で、スプーンが?」
紅莉栖「う……ね、ねぇ橋田」
ダル「ん?」
紅莉栖「あんたって……その、マ、マイフォークとか、いたことは……」
ダル「マイフォーク? マイ箸的な? いや持ってないけど……ん、『いた』ってなんぞ?」
紅莉栖「……ッ!」
ダル「マイフォークがいた? なんかの隠語かお? なに、なぞなぞかなんか?」
紅莉栖「あっ、やっ、なんでもない! なんでもないから! あんたの聞き間違いよ! これ以上の追求は禁止!」
ダル「そんなこと言われたら追求したくなっちゃうって……『いた』ってことは、たぶん人物だよな」
紅莉栖「……っ……」
58 = 1 :
ダル「待てよ、牧瀬氏が持ってんのはスプーンだよな?
なのにマイフォーク? ……てことは、マイスプーンて隠語ももしかしてあるのかお?」
紅莉栖「ッ違う! ぜーんぜん的外れ! ひ、一人で何突っ走ってんのよ橋田!」
ダル「牧瀬氏演技下手すぐる……マイスプーン、マイフォークが隠語なのは確定、と。
で、マイフォークが居たことがあるかどうかを牧瀬氏は聞いたわけだろ……。
隠語が人物だと仮定すると、マイフォークさんは居たり居なくなったりするってことだよな?
……両親、兄弟、姉妹、親戚……が居たことがあるか……日本語が変だお、こいつらは違う。
……友達、親友、恋人……友達が居たことがあるか……親友が居たことがあるか……
恋人が居たことがあるか………………、……恋人が居たことがあるか?
あ、これ一番自然………………ん?」
紅莉栖(そ、そんなばかな……!)
ダル「あ……まき、せし? つ、つかぬ事をお伺いするけど、そのー、マイフォークってのはまさかー……」
紅莉栖「ちっちっ違う違うの! 違うんだってば!
マイスプーンは友達だけど、マイフォークは恋人なんかじゃない! 恋人なんかじゃ…………あ……」
ダル「……また、自分で……」
紅莉栖「……うううぅ~ッ! そ、そうよ! 橋田に恋人居るかどうか気になったの!
さ、最初は絶対いないって思ってたけど、アンタけっこう良いところたくsだぁぁーッッ!!
お、同じラボメンとしてそのくらい知る権利あるでしょ!? あるの!! ほら、早く答えなさい!!」
59 = 1 :
ダル「え、え?」
紅莉栖「えーじゃない! 恋人! 居るの! 居ないの!」
ダル(え、あ、な、なな? なんぞこれ? 恋人いるか? え? なんで僕こんなこと聞かれてんの?
なんで牧瀬氏顔真っ赤なん? イミフ、僕の脳の処理能力を越えてるおイミフイミフマジイミフ)
ダル「そ、そりゃー! もちろんいるおー!」
紅莉栖「え……あ、そう、なんだ」
ダル「う、うん! ね、ねねちゃんだろ、しおりちゃんだろー、ほのかちゃんだろー」
紅莉栖「そ、そんなに……?」
ダル「りんこちゃんにー、かいちょうにー、フラウにー」
紅莉栖「……かいちょう? ふらう? ……アンタまさか」
ダル「そ、そう! 二次元に嫁が居るっていつも言ってるっしょー! みーんな僕の嫁だおー!」
紅莉栖「……」
ダル「ひっ……ま、牧瀬氏? どうして洋書を手に持ったんだお……?」
紅莉栖「別に。手に持っただけよ」
ダル「どどどどうしてこっちに近付いてくるんだお!?」
紅莉栖「別に! 近付いてるだけよ!!」
60 = 1 :
牧瀬氏が、僕に淡い興味を抱いてくれていることを自覚した時。
僕の持ち味の積極性はどこかへ飛んでいってしまった。
今どき小学生でもしないような婉曲アピールを繰り返し、枕に顔突っ込んで足バタバタする毎日。
自他ともに認めるオープンHENTAIの僕がこの体たらく、不思議な気分だった。
彼女をホントに好きだからこうなるんだなって、思った。
61 = 1 :
メイクイーン。
フェイリス「おーまたーせニャーンニャーン! どうぞダルニャン、オムライスニャー!」
ダル「世界がヤバイキターーーーーーーーー!! フェイリスたんの丸文字に反して僕の僕がとがりそうです!!」
紅莉栖「自重しろHENTAI!!」
フェイリス「クーニャンにはアイスコーヒーになりますニャ。ブラックでよかったかニャ?」
紅莉栖「えぇ。でも目を見て混ぜ混ぜはお願いするわ」
ダル「ブラックで混ぜ混ぜ! そういうのもあるのか!」
フェイリス「かしこりましたニャン! では失礼して……ニャ~ンニャ~ン……」
カランカランカランカラン……
フェイリス(……ニャ? ……クーニャン睨んでニャい? フェイリスのこと睨んでニャい?)
紅莉栖「………………」
フェイリス(フェイリスの頭でダルニャンからはクーニャンが見えてニャい……!
け、計算されてるニャ! 確実に睨まれてるニャ! 視殺されそうニャ! こえぇニャァ~!)
ダル「ちょ、牧瀬氏裏山! こんな長い間フェイリスたんに目を見て混ぜ混ぜしてもらえるなんて……! ※か! ただし美人に限るのか!」
紅莉栖「………………」ニコリ
フェイリス(ひ、人の気も知らニャいで! 目を離したら取って喰われそうニャァ~!)
62 = 1 :
柳林神社。
るか「あ……橋田さんに牧瀬さん! こんにちは、お二人がうちに来られるなんて珍しいですね」
ダル「オカリンに修行を見てこいとかイミフなこと言われてね、散歩がてら来たんだお。で、牧瀬氏はるか氏に会いに来たと」
紅莉栖「岡部は今ラボで課題に追われてるわ。ガジェット製作にばかりかかずらって、学生の本分を疎かにするなんて言語道断よね」
ダル(僕も共通科目は散々だってことは黙っt)
紅莉栖「共通科目は散々などこかのピザにも重々気を付けてもらわないと。そう思わない、るか?」
るか「あ、あはは……」
ダル「委細承知ですかそうですか……」
紅莉栖「どう? 修行(笑)はどんな調子?」
るか「はっ、はい! 毎日欠かさず鍛錬してるおかげで、最近は30回は出来るようになりました!」
ダル「ほえー、先月は一桁ばっかだったよな? 30回ってかなりの進歩じゃね? 僕が今そんなやったら二の腕ブルブルしちまうお」
紅莉栖「脂肪でね。この調子ならいつか師匠(笑)を越えられるんじゃない?」
るか「ぼ、僕が岡……凶真さんをですかっ!? む、無理ですよ! そんな畏れ多い!」
ダル「お、畏れ多い?? オカリンに最も似合わない形容詞の一つだお……」
紅莉栖「むしろ岡部がるかに対して畏れ多いわよね……」
64 :
あかん…
65 = 1 :
ブラウン管工房。
萌郁「橋田君……牧瀬さん……」
綯「あ、ダルおじさんと助手のおねえちゃん! こんにちは!」
紅莉栖「綯?」
綯「……く、紅莉栖おねえちゃんこんにちは……」
ダル「いつも通りの閑古鳥すなー。こんなんで大丈夫なん?」
萌郁「……店頭販売は、おまけみたいなものだから……裕吾さんの、出張買い取りとか、業者への売買が、主な収入源……」
紅莉栖「なるほど、需要もあるところにはあるのね。橋田も売上げに貢献してあげたら?」
ダル「だが断る。僕にはREGZAたんが居ますんで」
紅莉栖「宣伝乙。どう綯、ラボは楽しい?」
綯「はい! ガジェットのお手伝いはまだ出来ないけど、回路作るのとかすっごく楽しいよ!」
ダル「綯たん結構飲み込み早くて教えがいがあるんだよ。牧瀬氏も専門のこと教えたげたら? スルスル覚えると思うお」
紅莉栖「……」
ダル(……牧瀬氏?)
66 = 1 :
サンボ。
紅莉栖「ギ、ギブ。もうギブ。橋田あとお願い」
ダル「牧瀬氏の睡液がトッピングされた究極の牛丼ktkr! 海原雄山も失禁コピペするレヴェル!」
紅莉栖「あんた飲食店でそういうこtうぐぅ……HENTAI台詞にツッコむ気力もないわ……胃が破裂する……」
ダル「つかどうして僕と同じサイズなんか頼んだん? 牧瀬氏そんな食べないのにさ」
紅莉栖「……同じのが食べてみたかったの」
ダル「味は同じなのに? ふぅん」
紅莉栖「い、いいから食べてよ。視界に入ってるだけでもうキツい」
ダル「オーキードーキー! 牧瀬氏牛丼なら何杯でもいけちゃうお!」
紅莉栖「……」
ダル「……あの、牧瀬氏?」
紅莉栖「へ?」
ダル「そ、そうまじまじ見られると気になると言いますか……」
紅莉栖「え、あっ! ご、ごめんね……」
ダル「……いや、うん……」
67 = 1 :
ある日。2人きりのラボ。
< ……になる長女を絞殺しようとしたとし、××県警は××県××市、会社員××××容疑者を殺人未遂容疑で……
ダル「……牧瀬氏? ちょ、どしたん?」
紅莉栖「……」
ダル「牧瀬氏ってば。……おい、牧瀬氏!」
紅莉栖「はッ!? あ、は、橋田……」
ダル「どうしたんだお。なんかスゴい顔してニュース見てたけど」
紅莉栖「な、なんでもないわ。大丈夫よ」
ダル「大丈夫なわけあるか。まだ顔ひきつってるお」ギュッ
紅莉栖「大丈夫……」
ダル「んな言い聞かせるように言わんでも……。今のニュースの人が知り合いだったとk」
紅莉栖「大丈夫だって言ってるでしょ!」
ダル「っ!」
紅莉栖「あ……」
ダル「ご、ごめんお……」
紅莉栖「は、橋田は何も悪くないわ。ごめん……」
68 = 1 :
紅莉栖「ごめん……ごめんなさい橋田。あんたに当たったって仕方がないことなのに」
ダル「ふ、ふひひ、気にすんなお。牧瀬氏の罵倒なんてどの業界でもご褒美ですしおすし」
紅莉栖「……何言ってんだか。ありがとHENTAI」
ダル「どういたしましてー」
紅莉栖「……」
ダル「……」
紅莉栖「……今は、ごめん。言いたくない」
ダル「……ん」
紅莉栖「いつか、もう少し整理が付いたらあんたにも話すわ。……話したい」
ダル「分かった。……それまで待つお」
紅莉栖「うん……」
ダル「……」
ダルクリ((……あれ、何この空気))
69 :
支援しとこう
70 = 1 :
紅莉栖「ア、アアアンタいつまで人の手引っ掴んでんのよ! いいかげん離せHENTAI!」バッ!
ダル「あっ、ご、ごめんお! い、いやぁー牧瀬氏の手があんまりプリチーだったもんで、ついつい握っちゃいましてー」
紅莉栖「お、女の子の手を気軽に握るんじゃない! 直接的なHENTAI行為はしないヤツだと思ってたのに!」
ダル「そ、それはその、あれだお、ま、真っ赤に燃えて光って唸った僕の手が牧瀬氏の手を掴めと轟き叫ん(ry」
紅莉栖「ワ、ワケわからんわこのHENTAI! 謝罪と賠償を要求する!」
ダル「ふ、震えてたもんだからあっためなきゃって思って! とっさに握っちゃったんだお! ごめん!」
紅莉栖「ッ……」
ダル(……な、何を僕は自分から誤爆してんだお……!?)
紅莉栖(あ、あああ、あっためなきゃとか、は、橋田何言って……!)
ダルクリ((……))モジモジ
ダルクリ((き、気まずい……! 誰か早く来t))
ガチャッ
まゆり「トゥットゥルー♪ まゆしぃでーす☆」
紅莉栖「まゆりぃぃぃぃぃいいいいいいいッッ!!」ダキッ!
ダル「まゆ氏ぃぃぃぃぃいいいいいいいッッ!!」ダキッ!
まゆり「わわわ~!? ど、ど~したの~2人とも~」
71 = 1 :
僕と牧瀬氏は、気付けば一緒に行動することが多くなっていた。
特別な何かがあったわけじゃない。けれど、いつも隣でバカ話に花を咲かせていたように思う。
笑った顔、怒った顔、真面目な顔、真っ赤な顔。
目まぐるしく変わる彼女の表情を独り占めしている時、僕の心はどうしようもなく浮かれた。
彼女との時間がとても切なくて、愛おしかった。
72 = 1 :
私と橋田は、気付けば一緒に行動することが多くなっていた。
特別は何もなかったけど、彼との他愛ない話を楽しんでいる私が居た。
毎日の橋田との出会いに心を躍らせ、毎日の橋田との別れに甘い感傷を滲ませた。
彼との時間がとても切なくて、愛おしかった。
73 :
SG世界線でオカクリにならないって何か複雑だな…
でも支援
74 = 1 :
そして、僕と私の運命の日。
75 = 1 :
2010年10月下旬。秋葉原駅前。
まゆり「紅莉栖ちゃん~……寂しいよ~……」
紅莉栖「私も寂しい……。でも、こんな長い期間こっちに居られただけでも僥倖だったのよ。年末にはまた来るから、泣かないでまゆり」
ダル「キマシタワー……」
紅莉栖「聞こえてるわよ橋田!」
フェイリス「ニャ~……クーニャン、あっちでも猫耳メイドの素晴らしさを伝えてくれニャ!」
紅莉栖「だが断る、私ゃメイクイーンの広告塔か。日本に面白いお店があったことくらいは伝えてあげるわよ。元気でね、留未穂」
るか「ふ、冬コミこそコスプレしましょうね牧瀬さん。お待ちしております!」
紅莉栖「そこはお待ちしなくていい。あんたのコスだけ見に来るわよ。それまでバイバイ、るか」
萌郁「……」カシャ
紅莉栖「そこ! 勝手に撮らない! 肖像権の侵害よ!」
萌郁「……今さら……」カシャ
紅莉栖「たしかに今さらだけど! 開き直るな! 次来るまでにデータ消しといてよ萌郁さん!」
76 = 1 :
綯「紅莉栖おねえちゃん……行っちゃうの……?」
紅莉栖「あーあー泣かない泣かない。12月にはまた戻ってくるから。笑顔で送ってほしいな、綯には」
店長「んじゃあな、紅莉栖嬢。また一段と別嬪さんになって帰ってくるだろうあんたを待ってるぜ」
紅莉栖「店長さん……綯が睨んでますよ?
引き続き岡部たちがご迷惑お掛けしますが、上階の鼠がバカ騒ぎしてるだけと思って、どうか追い出さないでやって下さいね」
岡部「助手の分際で保護者気取りかッ!
むしろミスターブラウンには我が未来ガジェット研究所の下階に居られることを誇りに思ってもらいt」
店長「家賃が5000円アップしそうな気配がするなぁ岡部。どうしてだろうなぁ、なぁ?」
岡部「ブラウン管工房あっての我らが未ガ研なのだ、不敬があってはならないぞ! いいなラボメン諸君! フゥーハハハハハ!」
まゆり「オカリン変わり身早いね~♪」
岡部「柔軟と言えまゆり!」
フェイリス「こすいニャ、キョーマ」
萌郁「……節操なし……」
岡部「柔軟なの!! 柔軟って言え!!」
ダル(……みんながオカリンに注目してる。今、この瞬間しかない。もう牧瀬氏は行ってしまう……)
ダル(ずっとずっと言えなかった……これが、最後のチャンスだ……!)
77 = 1 :
ダル「……ま、牧瀬氏」
紅莉栖「ん? なに橋田」
ダル「……ぼ、僕、僕……」
紅莉栖「? うん……」
78 = 1 :
ダル「キ、キミのことが、牧瀬氏のことが……!」
79 = 73 :
さるくらったか?
保守
80 = 69 :
さるさんか
81 = 30 :
ほ
82 :
今北産業
取り敢えず保守
83 = 73 :
鈴羽誕生日記念
ダルクリ
ばいばいさるさん
で、地味にクライマックス。さるさんの空気の読めなさは異常。
ソースは俺。
84 = 31 :
うむ
85 = 82 :
>>83
㌧。さるさんには禿同。
86 = 1 :
ダル「……す、好き……です! 大好きです……!」
87 = 1 :
この世に生を受けて19年。
これほど勇気を振り絞ったことがあったろうか。
他のみんなはオカリンを見てて、端っこに僕と牧瀬氏が居て、見つめ合ってる。
牧瀬氏は口を半開きにしたまま固まっていた。本当に驚いたときの表情。
目を逸らしてしまいたい。いっそ抱きつくかして事態を泥沼にしてしまいたい。時間の進みが遅い。冷や汗がうざったい。10月なのに暑い。鼓動がうるさい。
永遠とも思える一瞬ののち、彼女の口がふるると震える。
何かを発しようとして。
88 = 31 :
しえん
89 = 1 :
紅莉栖「橋」
岡部「うおい紅莉栖! 発車時間は大丈夫なのか? 臀部に蒙古斑が無いと言うなら、大人らしく時間くらいちゃんと守れ!」
紅莉栖「田…………」
まゆり「く、紅莉栖ちゃん!? 発車4分前だよぉ~!」
紅莉栖「…………、え、4分前!?」
店長「おいおい紅莉栖嬢、時間はもっと余裕見て作んな。コイツらと名残惜しいのは分かるがよ」
紅莉栖「は、はいすみません! 間に合え私~ッ!」
ダル「あ……」
返事をもらう時間は、ない。一世一代の告白がうやむやになった気がして、僕の目線は気持ちとともに落ちていった。
牧瀬氏と僕のちょうど間に立っていたスーツケースが目に留まって、それに彼女が手を伸ばして。
そのまま、彼女の手とスーツケースは視界から滑っていくだろう。
そう、思っていた。でも牧瀬氏は。
彼女はスーツケースのタイヤを反転させた勢いで、僕の、隣に。
90 = 1 :
紅莉栖「また後でメールする。私も好き、橋田」
ダル「……え」
91 = 31 :
しえんぬ
92 = 1 :
紅莉栖「じゃあねみんな! また12月に!」
耳をくすぐった、彼女の小さな声。
幻聴かと思ってしまいそうなほど、かすかな声。
岡部「ではなクリスティーナよ! 貴様の身柄は未ガ研が確保していることを忘れるな~!」
まゆり「またね~紅莉栖ちゃ~ん! トゥットゥル~☆」
友人たちが僕を通り越して牧瀬氏に別れの言葉を投げかける中、僕は走り去る彼女の背を見つめることしか出来なかった。
囁かれた言葉を捕まえるように、片耳を押さえる。
後でメール、好き、橋田、メール、好き、橋田、橋田。
短かいセンテンスを何度も耳のうちで反芻し、心に確かめていく。
ダル「まき……せし……」
牧瀬氏が見えなくなって、オカリンに肩を叩かれるまで、僕は彼女の幻を目と耳で追い続けていた。
93 = 73 :
基本オカクリ派だが、こういうストイックな関係もいいな。
この人数なら4,5分間隔で投下するのがオヌヌメだぞ。
94 = 1 :
帰り道。
ダル「…………」
綯「あの……ダルおじさん」
ダル「…………」
綯「あの、ダルおじさん? ねぇっ、ダルおじさんてば」
ダル「……え、あ、綯たん。どしたん?」
綯「さっき、紅莉栖おねえちゃんと何話してたんですか?」
ダル「……綯たん、見てたんだ」
綯「はい。なんか2人とも変な感じだったから、気になったんです」
ダル「変な感じ、か……はは、そうだったかも」
綯「?」
ダル「……綯たん、誰にも言わないって約束してくれる?」
綯「あ、嘘ついたら針千本飲ます奴ですか? いいですよ!」
ダル「うん……あっ」ブーン ブーン
95 = 1 :
メールの着信があって、ダルおじさんはすごい早さでケータイを取り出しました。
目が上から下、上から下、って何回も往復してて、メールを何度も何度も読んでいることが分かりました。
その後、泣きそうな、でもとても幸せそうな顔で、ダルおじさんはゆっくり微笑みました。
おじさんのそんな顔はあんまり見たことがなかったので、少し驚きました。
そのままおじさんは、ラボまでずっとケータイをイジってて。たぶんメールをし合ってたんだと思います。
なんの話をしていたのかは、なんとなく分かったので、けっきょく聞きませんでした。
96 = 31 :
どんだけ書いたんだ
頑張るな
97 = 1 :
Fro:牧瀬氏
Sub:( ∵) ←あのときの私の顔
Tex:どうしてあんなギリギリで告
白したコノヤロー! これ打
ちながら2828してたら隣の人
に変な目で見られたじゃない
! ばーか! HENTAI! 向
こうに着いて時間が出来たら
すぐ電話してやるから、大丈
夫な時間を教えろ! 橋田の
気持ちもっと聞きたい。好き
って気持ちもっと言いたい!
もー! 2828が止まんない
んですけど! 気を付けろ!
私が通報されても知らんぞー
っ! そうなったらあんたの
せいなんだからな! HENTAI
橋田!
大好きっ!ヽ(///д//)ノ
98 :
さすが綯様天使やで踏んでくれ
99 = 1 :
To:牧瀬氏
Sub:拝啓フヒヒwwwwww
Tex:サーセンwwwwww僕こそ28り
過ぎて通報28秒前ですぞww
wwフォカヌポウwwwwコポォw
wwwwwwwwwwwww
wwwwwwww去り際の牧
瀬氏の囁きに僕の心は鷲掴み
にされました。鳥のさえずり
のようなあなたの声がまた聞
きたいです。愛の奴隷より。
敬具。
100 = 73 :
そうか…
まぁ頑張れ。出来る限り保守すっから
みんなの評価 : ★★★×4
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