元スレ幼女店長「ウチではたらく?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
651 :
自警ども捕手まかせたぞ
652 :
これは先が気になるSSだな
寝る前に開くんじゃなかったぜw
653 = 647 :
男「日も暮れてきたし、そろそろ店じまいかな」
幼女「んー」
男「今日はお姉さん来なかったね」
幼女「ヤキソバンかも」
男「また懐かしいキャラがなぜ」
幼女「ちがた。オソバン」
男「そうか……。でも、お姉さん帰ってきてこの店見たら、なんていうかな」
幼女「タブン、へーき」
男「……そうなの?」
幼女「うん」
656 :
紫煙
658 = 647 :
幼女「オネーちゃ、いやじゃないんょ」
幼女「オミセのこと」
男「え? でもだって、あんなに『遊び』だとか言ってたのに」
幼女「うン……でも、ホントは」
幼女「う……」
男「お姉さんに怒られないなら、店は片付けないで、このままにしておくな」
幼女「うン」
男「じゃあ、そろそろ帰ろうかな」
幼女「ありがと。また!」
男「また明日!」
本日の売り上げ
運命のペアマグカップ 2個
計 ¥600
659 = 644 :
おっ?
運命の?
660 = 647 :
夜 自宅:寝室
男「やっと軌道に乗ってきた……と思いたい」
男「でも」
男「まだ壁はいっぱいある」
男「その中で一番大きいのは、やっぱり……」
男「……うん」
男「幼女ちゃんはああ言ってたけど、やっぱり不安だ」
男「お姉さんと、ちゃんはなそう」
男「まずはそこからだ」
男「……ふ、ぁ……」
男「今日もよく働いたし……おや、……す……」
663 :
朝まで残ってますように
おやすみなさい
664 = 647 :
6日目
朝 幼女のおみせ:店内
男「おはようっ!」
幼女「はお!」
男「今日も売るぜ!」
幼女「うんうんっ!」
665 = 647 :
昼 幼女のおみせ:店内
男「やっぱりなかなかお客は来ないなぁ」
幼女「らねー」
男「……なぁ、今日はお姉さん、いつごろ帰ってくる?」
幼女「なんれ?」
男「ちょっと、話がしたくって」
幼女「……んー、どだろ」
男「今日も遅番?」
幼女「あー、きのうオソバン。きょう、ちがうヤモ」
男「そうか。二日連続で遅く帰ることはないか」
666 = 647 :
男「だとすると……」
幼女「ね」
幼女「ハナシって?」
男「お姉さんに、ここで店を開く許可をもらうんだ」
幼女「はー……」
男「昨日、怒られなかった?」
幼女「えー」
幼女「ねちった」
男「お姉さんが帰ってくる前に?」
幼女「そそ」
667 :
かわゆ
669 = 647 :
男「なら、いつもどおり夕方ぐらいまで居れば帰ってくるかな……」
カランカラーン
爺「おじゃまするよ」
男「いらっしゃいませ」
幼女「らしゃーぃせ」
爺「……ほー、こりゃまた、かわっとるのー」
男「(杖ついた髭伸ばしてるおじいさん……)」
男「(ううん。長生きしてそう)」
爺「はて。これはなにかの」
男「あぁ、それは冠ですよ」
爺「かんむり? かぶるやつかの」
670 = 647 :
男「えぇまぁ、そうですね。被れば王様気分になれますよ」
爺「ほほ、それは愉快そうじゃの」
爺「だがそうじゃのー、ほしいものとは、ちっと違うんじゃ」
幼女「じい、じい」
爺「おや」
爺「こりゃかわいいお嬢さんじゃ。玉のようじゃわ」
幼女「おじょーちがウ。幼女は、オテンチョ」
幼女「ねー、じぃ。なにほしーの?」
671 :
ほしゅ
このスレ落ちたら続きなんて名前でだすの?
674 = 647 :
爺「おくりものじゃ」
幼女「だれへ?」
爺「ばあさんじゃ」
幼女「……ばぁ?」
爺「そうじゃ。まいわいふじゃ。わかるか? わいふ」
幼女「わいふ」
男「奥さんのことな」
爺「そうじゃ、そうじゃ」
爺「そのばあさんがな、昨日くたばっちまってなぁ」
男「……え!?」
幼女「……!」
675 = 647 :
爺「そんな顔せんでくれい。往生じゃ、往生」
爺「笑って逝ってくれたわい」
男「……はぁ」
幼女「……」
爺「しかし残されたわしは、なんだか落ち着かなくてのお」
爺「何かせんといかん気がしての」
爺「で、よくよく考えてみたらの。ばあさんが生きとったころ、ろくなもの買ってやれんかったな思ってな」
爺「せめてあの世にくらい、わしからの最後のおくりものをもっていってほしいんじゃと思うてなぁ」
爺「わしの家の近所にあったここに来たというわけじゃ」
男「なるほど……」
幼女「……」
676 :
俺「……!」
677 = 647 :
男「お気に召すものがあるかどうか分からないですが、どうぞ、ゆっくり見ていってください」
爺「ありがとう。そうするわい」
幼女「……ね、じぃ」
爺「なんじゃ」
幼女「くたばる、って?」
爺「死ぬってことじゃ」
幼女「しぬ……」
爺「お前さんの年頃には、まだ難しいじゃろて」
幼女「……ううン」フルフル
幼女「ね、……しぬって、なに?」
幼女「しぬと、あのヨにいくん?」
678 = 647 :
爺「そうじゃの。ほんとのことは、わからんのう」
幼女「……?」
爺「だれにも、わからんのじゃ」
爺「だから、皆、しぬのがこわいのじゃ」
幼女「……ばぁは、こわがった?」
爺「ばあさんか。……そうじゃのお。怖くないわけが、なかったとおもうがのお」
幼女「……爺もこわい」
爺「あぁ、怖いの。死んでばあさんのところにいけるともかぎらんしの」
幼女「そか……」
681 = 647 :
爺「だがな、死ぬも、生きるも、自然なことじゃ」
爺「生きて死なぬは、おかしなことなんじゃ」
幼女「……?」
爺「ほほ、少し難しかったかの」
爺「さて……ばあさんに、何をやろうかの……」
爺「……おや、これは」
男「あ、その時計、動かないんですよ」
男「多分電池が切れてて」
爺「どれ。はたしてそうかのお」
682 :
追い付いた…
明日まで残しといてくれ
俺は寝る
683 = 647 :
爺「……ふむ。こうじゃの」
ギコ ギコ
……チッチッチッチッチッチッ
幼女「!」
男「……動いた」
爺「若いの。これは手巻きの時計じゃったな」
男「そうでしたか。すいません、よく調べもせず」
爺「なんの。……ふむ、しかしずいぶん凝った作りじゃの」
チッチッチッチッ……チッ…………チッ……チ……
男「あれ。……また、とまった」
爺「古そうなものじゃからのぉ。もっと巻かねばもたんのじゃろな」
684 = 668 :
大丈夫だと思うけど朝まで残ってますように
おやすみ
686 :
お休み前の支援
687 = 647 :
幼女「……とけい、シんじゃた?」
爺「そうじゃのお」
爺「……生き返すかい?」
幼女「いき……かえ……す……?」
爺「ああ、そうじゃ」
爺「またネジを巻いて、巻いて。動かしてやるんじゃ」
爺「そしてそれを、お嬢ちゃんがつけてあげるんじゃ」
幼女「……わたし、が?」
爺「そうじゃ」
爺「この時計はずいぶん凝ったつくりになっておるが、いかんせん時代遅れじゃ」
爺「この時計を欲しがるものなどおらんじゃろ」
爺「じゃから、この時計が動く動かないに限らず、もう死んでるようなもんなんじゃ」
爺「……だが、お嬢ちゃん。おまえさんがこの時計を必要とするなら、話は別なんじゃ」
幼女「……」
688 = 643 :
なんか
明日の朝の11時までこのスレがあればいいなって思った
689 :
追いついてしまった
支援
691 = 647 :
爺「どうかな? つけるかい?」
幼女「……わかん、ない」
幼女「とけいは、どう、オモテるの?」
爺「さぁのぉ。死んでいくものの気持ちは、これだけ長生きしててもまだあやふやじゃ」
幼女「そか……」
幼女「でも……幼女のに、できない、から」
幼女「幼女は、ウラなきゃ、だから」
爺「そうか」
爺「なら、わしが買おう」
爺「いいんじゃな」
幼女「…………う」
幼女「……うん」
692 = 647 :
爺「わしは、この時計を殺すじゃろう」
幼女「……」
爺「ものを売るとは、そういう事じゃろうて」
爺「お嬢さん。その気持ちを、大切にしなさい」
幼女「……はい」
爺「よしよし。いい子じゃ。孫にしたいくらいじゃのお」
幼女「はぅ」
爺「さて、……いくらかの」
男「800円になります」
爺「そんな値段でいいのかのぉ。お嬢ちゃんへの小遣いついでにもっと出してもいいんじゃが」
男「僕はこれで高いぐらいだと思ってました」
爺「ほほ、それが古物の難しいところで面白いところじゃろな」
爺「ま、勉強代じゃの。万札3枚損したの」
男「ぶっ。そんなですか」
693 :
すももで再生されるしえん
694 = 672 :
支援
朝まで残ってますように
695 = 647 :
爺「そういうもんじゃ」
爺「結局、金は金じゃからの。幾らはたいても買う事だってある」
男「いやはやなんとも。……はい、200円のおつりです」
爺「うむ」
幼女「ねー、じぃ。またくる?」
爺「そうじゃの。ばあさんの四十九日すぎたら来ようかのう」
幼女「そか」
幼女「……そか」
爺「時計は、ばあさんと一緒に焼かせてもらうよ」
爺「一緒に逝けなかったわしの代わりにのぅ」
爺「……はてさて。婆さんに巻いてもらったゼンマイは、あとどれくらい残ってるかのぉ」
696 = 673 :
なんか安易に見てたがけっこう深いんだな
697 = 647 :
爺「したらな」
男「はい。ありがとうございました」
幼女「ありがーシタ」
爺「……昔からここらに住んでおって、この店の開店を楽しみにしとった老人の独り言じゃがの」
幼女「……?」
爺「死は、受け入れるものではない。乗り越えるもんじゃ」
爺「じゃから、おまえさんは間違っておらんよ」
幼女「……はい」
爺「ほほ、久しぶりに喋りすぎたわい。しかし、楽しかった。ばあさんへのいい土産話ができそうじゃ」
爺「じゃあのぉ」
カランカラーン
男「……」
幼女「……」
698 :
話し掛けれる人一人も居ない地獄のバイト先から帰ってきました
落ちてなくて本当よかった、④
699 :
落とさんよ
700 = 647 :
男「不思議なお客さんだったね」
幼女「……うん」
男「ねぇ、店長」
幼女「ふぃ?」
男「……ごめん、えっと、その」
男「売れて……よかった」
幼女「……よかた、……カナ?」
男「多分。だって、あの時計は、あのおじいさんじゃないと、きっと買ってくれなかった」
幼女「うん」
幼女「……そう……だよ、ネ」
幼女「……」シュン
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