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元スレ杏子「くうかい?」
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違う。最後の一言だけは、間違ってる。
「他の誰が恭介を見限っても、あたしは絶対、恭介のことを諦めない」
「ああ、そうだったね。
上條恭介が事故に遭って以来、足繁く通ってるあんたは例外だ。
なあ、これはほむらが直接教えてくれたわけじゃない、あたしの想像だが、」
杏子はストレートに訊いてきた。
「好きなんだろ、上條恭介のことが」
「そ、それは……」
言葉に詰まるさやか。
会話の脈絡からすれば、沈黙は肯定と同義だった。
「他の誰が恭介を見限っても、あたしは絶対、恭介のことを諦めない」
「ああ、そうだったね。
上條恭介が事故に遭って以来、足繁く通ってるあんたは例外だ。
なあ、これはほむらが直接教えてくれたわけじゃない、あたしの想像だが、」
杏子はストレートに訊いてきた。
「好きなんだろ、上條恭介のことが」
「そ、それは……」
言葉に詰まるさやか。
会話の脈絡からすれば、沈黙は肯定と同義だった。
幼馴染みに異性を意識したのはいつからだろう。
隣にいると胸がドキドキして、顔が熱くなるような、片思いの相手になったのはいつからだろう。
はっきりと『恭介のことが好き』だと自覚したのは、
奇しくも、恭介が交通事故に遭ってからだった。
それまでの恭介はあたしにとって、幼馴染みであると同時に、
雲の上の神様のような存在だったからかもしれない。
「確かにあんたがキュウべえに望めば、
上條恭介の腕は、元通り動くようになるだろう。
そうしたいって気持ちはよく分かるよ。
誰か大切な人の願いを、その誰かに代わって叶えてあげたいって気持ちはさ」
嘘ばっかり、とさやかは心の中で杏子を詰る。
でもね……、と杏子は低い声で続けた。
「……その気持ちは純粋なモンなのか?
上條恭介に恩を売って、好かれようって魂胆がないと言い切れるのか?」
隣にいると胸がドキドキして、顔が熱くなるような、片思いの相手になったのはいつからだろう。
はっきりと『恭介のことが好き』だと自覚したのは、
奇しくも、恭介が交通事故に遭ってからだった。
それまでの恭介はあたしにとって、幼馴染みであると同時に、
雲の上の神様のような存在だったからかもしれない。
「確かにあんたがキュウべえに望めば、
上條恭介の腕は、元通り動くようになるだろう。
そうしたいって気持ちはよく分かるよ。
誰か大切な人の願いを、その誰かに代わって叶えてあげたいって気持ちはさ」
嘘ばっかり、とさやかは心の中で杏子を詰る。
でもね……、と杏子は低い声で続けた。
「……その気持ちは純粋なモンなのか?
上條恭介に恩を売って、好かれようって魂胆がないと言い切れるのか?」
SS厨は無駄に保守してageまくるのと、スレを乗っ取っておいて「有効活用してるんじゃん(キリッ」とか言い出すのが気持ち悪い
さやかの耳許で、マミの言葉が蘇る。
『あなたは彼に夢を叶えてほしいの?
それとも、彼の夢を叶えた恩人になりたいの?』
訊き方さえ違えど、杏子の質問の本質はそれと同じだった。
あの夜から、随分と悩んできた。
何度も何度も、恭介の腕と自分を秤にかけてきた。
さやかは自分の胸に手を添え、両の瞼を閉じる。
走馬燈のように流れる、恭介の記憶。
晩ご飯
『あなたは彼に夢を叶えてほしいの?
それとも、彼の夢を叶えた恩人になりたいの?』
訊き方さえ違えど、杏子の質問の本質はそれと同じだった。
あの夜から、随分と悩んできた。
何度も何度も、恭介の腕と自分を秤にかけてきた。
さやかは自分の胸に手を添え、両の瞼を閉じる。
走馬燈のように流れる、恭介の記憶。
晩ご飯
「恭介はね、本物の天才なんだ。
どんな難しい曲も、少し聞いただけで自分のものに出来たし、
小さな頃から何度も大舞台に立って、たくさんの人を感動させてきたの」
恭介のしなやかな指は『バイオリンの神自ら鑿を振るった』と謳われ、
その指が奏でる旋律は『ヤッシュ・ハイフェッツの再来』と評された。
「あんな不幸な事故さえなかったら、
恭介は絶対に、世界で認められるヴァイオリニストになってた。
お見舞いに行くたびに、思うんだ。
どうして恭介なんだろうって。
どうして才能のある恭介が事故に遭って、
何の取り柄もないあたしが事故に遭わなかったんだろうって」
代われるものなら、代わってあげたい。
時折遠い目になる恭介を見て、何度そう願ったかしれない。
どんな難しい曲も、少し聞いただけで自分のものに出来たし、
小さな頃から何度も大舞台に立って、たくさんの人を感動させてきたの」
恭介のしなやかな指は『バイオリンの神自ら鑿を振るった』と謳われ、
その指が奏でる旋律は『ヤッシュ・ハイフェッツの再来』と評された。
「あんな不幸な事故さえなかったら、
恭介は絶対に、世界で認められるヴァイオリニストになってた。
お見舞いに行くたびに、思うんだ。
どうして恭介なんだろうって。
どうして才能のある恭介が事故に遭って、
何の取り柄もないあたしが事故に遭わなかったんだろうって」
代われるものなら、代わってあげたい。
時折遠い目になる恭介を見て、何度そう願ったかしれない。
「上條恭介の幸福のためなら、自分が不幸を背負ってもいい。
あんたは本気でそう思ってるわけだ」
さやかは頷く。
あたしは恭介の夢を叶えたい。
間違った神様の差配を、正したい。
たとえ魔女を滅ぼすことを運命付けられることになっても。
たとえこの命を結晶化して、元の肉体を失うことになっても。
「見返りなんて、求めない。
後から恭介が夢を叶えられたのは、
あたしのおかげだったなんて言うつもりもないよ」
杏子は肩を竦めて言った。
「ふーっ、熱い熱い。純愛だねえ。じゃあ……」
不意に一陣の風が吹き抜け、咲き乱れたオオアマナを揺らした。
純白の花びらが大量に舞い、
黄昏時の屋上に、目も綾な光景を作り出す。
「……なおのことあんたを、魔法少女にするわけにはいかないな」
あんたは本気でそう思ってるわけだ」
さやかは頷く。
あたしは恭介の夢を叶えたい。
間違った神様の差配を、正したい。
たとえ魔女を滅ぼすことを運命付けられることになっても。
たとえこの命を結晶化して、元の肉体を失うことになっても。
「見返りなんて、求めない。
後から恭介が夢を叶えられたのは、
あたしのおかげだったなんて言うつもりもないよ」
杏子は肩を竦めて言った。
「ふーっ、熱い熱い。純愛だねえ。じゃあ……」
不意に一陣の風が吹き抜け、咲き乱れたオオアマナを揺らした。
純白の花びらが大量に舞い、
黄昏時の屋上に、目も綾な光景を作り出す。
「……なおのことあんたを、魔法少女にするわけにはいかないな」
あんこちゃんとほむほむが幸せになれば俺はそれでいいんだ
あんほむが幸せになればそれで
あんほむが幸せになればそれで
治ったら今まで親身になってくれてた幼なじみポイするクズ条さんだからなあ
◇◆◇◆
マミの現実は崩れかけていた。
一秒が無限の長さに感じられた。
いくら空気を吸っても、息苦しさが消えなかった。
酷い寒気が全身を粟立たせ、冷たい汗が背筋を流れ落ちるのが分かった。
『ほむらちゃん!』
まどかの悲鳴が響き渡り、反射的に顔を上げた。
ぐらり、とほむらの体が頽れる。
『ほむらちゃん、返事して!返事してよぉっ!』
泣き喚くまどか。
『嘘、でしょ……?
何とか言いなよ、転校生』
立ち竦むさやか。
マミは奥歯を噛み締め、ともすれば発狂しそうなほどの恐怖を押し殺した。
わたしが確かめなければ。
ソウルジェムから引き離された鹿目さんの体が、本当に死んでいるのかどうかを。
マミの現実は崩れかけていた。
一秒が無限の長さに感じられた。
いくら空気を吸っても、息苦しさが消えなかった。
酷い寒気が全身を粟立たせ、冷たい汗が背筋を流れ落ちるのが分かった。
『ほむらちゃん!』
まどかの悲鳴が響き渡り、反射的に顔を上げた。
ぐらり、とほむらの体が頽れる。
『ほむらちゃん、返事して!返事してよぉっ!』
泣き喚くまどか。
『嘘、でしょ……?
何とか言いなよ、転校生』
立ち竦むさやか。
マミは奥歯を噛み締め、ともすれば発狂しそうなほどの恐怖を押し殺した。
わたしが確かめなければ。
ソウルジェムから引き離された鹿目さんの体が、本当に死んでいるのかどうかを。
そりゃあ目をそむけたくなるような現実を目の当たりにした瞬間だ
うっかり名前も間違えるさ
うっかり名前も間違えるさ
>>534
ほむほむ乙
ほむほむ乙
このスレにはあんこちゃんとほむほむがいるんだね!!
あんこちゃんマジあんあん
あんこちゃんマジあんあん
>>518
吹いたじゃねーか
吹いたじゃねーか
まああんこちゃんが幸せならそれでいいやあんこちゃんマジあんあん
乗っ取りだからかすごい遅いけどこのスレで終わるのか?
乗っ取りだからかすごい遅いけどこのスレで終わるのか?
>>530
ソウルジェムから引き離された鹿目さんの体が、本当に死んでいるのかどうかを。 ×
ソウルジェムから引き離された暁美さんの体が、本当に死んでいるのかどうかを。 ○
マミは努めて冷静に言った。
暁美さんがまだ生きていると仮定することで、鹿目さんは落ち着きを取り戻すはず。
『暁美さんを横にしてあげて。
その姿勢だと呼吸がしにくいだろうから』
『は、はいっ』
マミはスツールをいくつか寄せて即席のベッドを作り、そこにほむらを寝かせた。
『ほむらちゃんは、気を失ってるだけですよね?
すぐに目を覚ましますよね?ほむらちゃんは――』
マミは片手でまどかを制し、身を屈めた。
保健体育で習った応急救護の知識が、こんなところで生きるなんてね……。
ほむらの額と顎先を押さえて気道を確保し、
口と鼻に自分の耳を近づけ、目線で胸が上下しているか確認する。
ソウルジェムから引き離された鹿目さんの体が、本当に死んでいるのかどうかを。 ×
ソウルジェムから引き離された暁美さんの体が、本当に死んでいるのかどうかを。 ○
マミは努めて冷静に言った。
暁美さんがまだ生きていると仮定することで、鹿目さんは落ち着きを取り戻すはず。
『暁美さんを横にしてあげて。
その姿勢だと呼吸がしにくいだろうから』
『は、はいっ』
マミはスツールをいくつか寄せて即席のベッドを作り、そこにほむらを寝かせた。
『ほむらちゃんは、気を失ってるだけですよね?
すぐに目を覚ましますよね?ほむらちゃんは――』
マミは片手でまどかを制し、身を屈めた。
保健体育で習った応急救護の知識が、こんなところで生きるなんてね……。
ほむらの額と顎先を押さえて気道を確保し、
口と鼻に自分の耳を近づけ、目線で胸が上下しているか確認する。
それからマミは人工呼吸を二度行い、頸動脈の脈拍を確かめて、
暁美ほむらの心肺が完全に停止していると判断した。
彼女の表情を見て悟ったのか、まどかの瞳から、再び大粒の涙が零れ出す。
『酷いよ……こんなのって、ないよ……』
心臓マッサージに取りかかろうとしたマミに、キュウべえが言った。
『無駄だよ、マミ。
それはもはや、暁美ほむらの魂を失った、ただの抜け殻だ。
どんな蘇生措置を施したところで、その目に光が戻ることはない』
『暁美さんの言っていたことは、本当だったのね?』
『幾分、悲観的に脚色されていたけれど、概ねは彼女の言うとおりだ』
あっさりと認めるキュウべえに、さやかが詰め寄る。
『どうしてそんな大事なことを、あたしやまどかに黙ってたの?
良いことばかり言って、都合の悪いことは隠して、騙して契約させるつもりだったの?』
暁美ほむらの心肺が完全に停止していると判断した。
彼女の表情を見て悟ったのか、まどかの瞳から、再び大粒の涙が零れ出す。
『酷いよ……こんなのって、ないよ……』
心臓マッサージに取りかかろうとしたマミに、キュウべえが言った。
『無駄だよ、マミ。
それはもはや、暁美ほむらの魂を失った、ただの抜け殻だ。
どんな蘇生措置を施したところで、その目に光が戻ることはない』
『暁美さんの言っていたことは、本当だったのね?』
『幾分、悲観的に脚色されていたけれど、概ねは彼女の言うとおりだ』
あっさりと認めるキュウべえに、さやかが詰め寄る。
『どうしてそんな大事なことを、あたしやまどかに黙ってたの?
良いことばかり言って、都合の悪いことは隠して、騙して契約させるつもりだったの?』
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