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    元スレ妹「温もりがほしい笑いかけてほしい受け入れてほしい。寂しい。」

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    251 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 18:55:53.64 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-120)
    「ただい……うわっ」

    「……にぃ、さ……ん」

     玄関を開けてまず目の前に飛び込んできたのは、布団にくるまって小さく座っていた妹だった。

    「ばか……! ばかっ! 心配した!!」

     靴を脱ぐ間もなく、飛びついてきた妹がポカポカと俺の胸をたたく。

    「すまん……」

    「ずっと待ってた……待ってたんだから。長かったん、だからぁ……!」

    「ごめん。ちょっと、いろいろあって」

    「一人は、やだよぉ……」

    「……」

     妹の瞳から涙がポロポロ零れ落ち、嗚咽する。
     そんな妹を、俺はそっと抱き寄せた。
    252 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 19:15:12.35 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-160)
    「おみやげ、買ったんだけどさ。途中でだめにしちゃった」

    「そんなの、いいから……」
    「どんなおみやげなんかより、兄さんがいいの」

    「……」

    「兄さんと少しでも長くいられれば、それで、いいの……っ」

     妹の髪を、そっと撫でた。
     慰めというよりも、自分を求めてくれる妹が愛しくなった。
     自然に手が動いていた。

    「何にもいらないの……っ、何にも」
    「でも、一人は……寂しいのは、嫌なの……!」

     今日したことを、俺はあまり後悔していない。
     選択するということは、何かを犠牲にすることなのだと、実感するだけだ。

     もし妹の幸せだけを選ぶ事ができるのなら、生きることに迷いなんて少しもないのに。
    253 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 19:27:22.59 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-83)
    「うっ……う、うっ……」

    「ほんと、ごめんな。ごめん……ごめん」
    「もうこんなこと、無いから。側にいるから」

    「……一緒に、寝る」

    「うん、寝ような」

    「一人で、寝たくない」

    「……うん。いいよ。これから毎日、一緒に寝よう」

    「抱きついて寝ていい?」

    「夏以外なら」

    「……ばか」

    「……うん」
    254 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 19:40:31.06 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-131)
     それからすぐに、俺と妹は一緒の布団に入った。
     今日は歯磨きも風呂に入るのも出来そうに無い。

    「……あったかい」
    「あった、かい」

     俺の胸に頭を預けて、妹は何度もそう呟いた。

    「寝にくくないか?」

    「うぅん、落ち着く」
    「兄さんの音を聞いてると、すごく、落ち着くの」

     俺の音。
     心臓の鼓動の事だろうか。

    「でも」
    「まだ、しばらく、眠れないかも」
    255 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 19:42:10.38 ID:05M7tFMN0 (-21,-9,-1)
    支援
    256 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 20:14:30.95 ID:mTeHnhRrO (-24,-9,-1)
    支援
    257 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 20:25:06.13 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-106)
    「あのね、兄さん」
    「思ったの」

    「ん?」

    「胸が、少し大きくなってきたの」

    「え、……うん。」

    「わかる、かな」

     そう言って、妹は自分の胸を俺の体にこすり付けてくる。
     腹部のあたりに、感じる。
     気にしない振りをしていた、布一枚隔てた、やわらかみ。

     寝ているので、ブラはしていない。

    「あまり、そういう事、するなよ」

    「うれしいくせに」

    「そういう問題じゃなくて」
    258 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 20:32:05.87 ID:eg+6xxmW0 (-27,-15,+0)
    4
    259 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 20:32:20.18 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-122)
    「ちえ」
    「もう。……言いたいこと、わかるかな?」

    「今度、買いに行こうか」

    「……うん」

    「今まで、Bだっけ」

    「……デリカシーないんだ」

    「やましい気持ちで聞いてるんじゃないぞ。ブラを買う上で必要な知識だろう」

    「もう」
    「なら、私も必要な知識を調べておく必要あるかな」

    「え、何?」

    「兄さんはどんな柄が、……好き?」
    260 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 20:40:25.23 ID:JKKRxC/W0 (-21,-9,-1)
    支援
    261 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 20:44:19.66 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-178)
    「お、おまっ」

    「色でもいいよ。白とか、ピンクとか」
    「透けてるのとか……あと、ヒモとか」

    「後者はブラの話じゃなさそうだな」

    「最近は、ブラもショーツもセットが普通なんだよ」

    「そうだったのか」

     知らなかった。
     高校生も、みんなそうなのだろうか。
     体育の時間、着替えている時に、これまで妹は恥をかいてきたのだろうか。

    「だからね。兄さんが着けて欲しいもの、着たい」
    「それなら、……兄さんに見てもらえるためなら」
    「スーパーで売ってる下着、卒業してもいいかなって、思うの」

    「俺が着けて欲しいったってな……」

    「無いなら、別にいつものでも、いいかな」

    「う、むぅ」
    262 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 21:04:17.33 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-117)
    「あのさ……」

    「うん」

    「俺の為とか、そういうのさ」
    「あんまり考えて、欲しくないかもしれない」

    「……」

    「あ、いや。もちろん嬉しいんだけど、さ……」

     そう、嬉しい。
     妹に想われて、妹に好かれて、妹に愛されて嬉しい。
     妹のすべての行動は、俺ありきで成り立っている事実は、しごく甘美だ。
     このまま酔いしれて、妹に溺れるのもきっと幸せな人生なのかもしれない。

     ……けれど。

    「普通の家族に、なりたいんだ」
    263 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 21:20:00.56 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-95)
    「……」

    「だから、……だから」
    「……うまく、言えないんだけど」
    「妹は、もっとわがままでも、いいと……思う」

     何度か同じ様な事は言ってきた。
     十分わがままさせてもらってるよ、と返されてきた。
     けれど、何度だって言うのだ。
     
     俺の過去も将来も命も、妹の為にあるのだから。
     妹が妹たりえる為なら、俺は何だってするのだから。

    「兄さん」
    「……話」
    「もどす、ね」

    「……?」

    「思ったの」
    264 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 21:32:12.54 ID:SGUqo5i/O (-21,-9,-1)
    支援
    265 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 21:34:26.71 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-142)
    「下着ひとつとっても、私は兄さんが居なければ、用意することが出来ないの」

    「それは違う」

    「聞いて」

    「……」

    「……私は、ずっと兄さんに甘えてきた」

    「もう何万回って後悔したよ」
    「高校なんて行かずに働けば良かった」
    「勉強なんか鼻にかければよかった」

    「ずっとずっと、悔やんでる」
    「ずっとずっと、甘えちゃってる」

    「こうなるって……後悔するって、分かってた」
    「でも無理だったの」
    「私が一人で生きていけるようになったら、きっと兄さん」

    「私から離れていっちゃう……」
    266 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 21:46:53.17 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-122)
    「そんな、こと……」

     言い切れなかった。
     もし、……もし、妹が自分の力で生活できるようになったとして。
     今と同じぐらいの距離を保って居られるだろうか。

    「兄さん……」

     妹は、俺の手のひらを掴んで、自分の胸に押し付けた。
     はっきりとした乳房の感触。
     ぞくりと何かが掻き立てられる。
     
    「わかりますか?」
    「私の、気持ち」

    「……」

    「もっと、兄さんとの繋がりが欲しいの……」
    268 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 22:04:47.15 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-103)
    「そうすれば、もっと安心して兄さんに甘えられると思う」
    「兄さんが望む姿の私で居ることに自信が持てると思う」

    「……愛してる」

    「愛してるなら、抱いて、ください」

    「嘘じゃない」

    「たとえ嘘じゃなくても、言葉は残らないから」

    「私の体に、残してほしいの」
    「傷を」

    「だめだ……、出来ない」

    「兄さん」
    「私を傷つけて……」
    269 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 22:05:50.39 ID:2v2eYBnP0 (-24,-9,-1)
    支援
    270 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 22:06:19.38 ID:jK5E3R/q0 (-28,-16,+0)
    キター!!
    271 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 22:25:29.71 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-108)
     キスをした、あの頃。

     唇と唇を重ね合わせて幸せを感じた、あの時。

     『結婚できるのは4等親から』が産まれるもっともっと前に決められていた事を、知らなかった頃。


     よく、物語を読んで聞かせた。
     いつも絵本のお姫様にあこがれていた。

     運命の王子様とお姫様を演じて、誓いのキスをした。
     何度も。


     けれど。
     そんな「ごっこ」はすぐ卒業した。

     「お姫様と王子様」から「兄と妹」になるのだと
     どこにでもいる兄妹になるのだと

     ぼんやり分かってきた、その頃。


     父が命を絶った。
    272 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 22:47:36.35 ID:b1oFRd090 (+13,+28,-1)
    私怨
    273 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 22:48:35.03 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-200)
     死の際に、父の声を聞いた。

     学校で「グリーングリーン」という唄を習っていたから、父はなにか大切なことを言ってくれるのかと思っていた。
     しかしそうではなかった。
     
     父は何度も何度も、謝るだけだった。
     弱弱しい声で、死んだ後も謝り続けるのかと思うくらい「すまない」を繰り返していた。

     その時、なぜ謝るのか理解できなかった俺は、父に聞いた。

     「ぼくはこれから どうすればいいですか」

     謝る事を辞めた父は、2つの答えを言った。
     言い終わると、もう一度だけ「すまない」と言って、静かになった。


     それから数年が経ち
     中学3年生になり、担任がこう言った。

     「高校には行きなさい。将来を決めるには、まだ幼すぎる」

     違うんだ、先生。
     俺の将来を決めたのは、俺だけど、父さんなんだ。
    274 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 23:06:45.62 ID:mTeHnhRrO (-5,+9,-1)
    紫炎
    275 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 23:07:43.99 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-136)
    「俺は妹を傷つけたりなんか出来ない」

    「俺は妹を守るために生きているから」

     妹の目をまっすぐ見据えて、俺は言った。
     言葉が残らないなんて言わせない。
     俺は父さんの言葉を頼りに、ずっと生きてきたのだから。 

    「……言うと、思った」

    「父さん言ってた。兄は妹を守るものだって」

    「意気地なし」

    「……」

    「父さんのせいにしたって駄目なんだから……」
    「知ってるんだから。私に手を出す勇気が無いんだって……知ってるんだからっ」

     ボロボロと涙を零しながら、ずっと堪えていたものを妹は吐き出した。

    「……」

    「ほら、否定できない……っ」
    276 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 23:28:09.58 ID:nFMlVDSY0 (+19,+29,-5)
    ちぢれとか久々に見た
    しえ
    277 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 23:28:22.10 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-127)
     妹を大切に想う気持ち。
     妹を手に入れたい気持ち。

     ずっと抱え続けてきた、二律背反の苦しみ。
     大切に思えば思うほど、妹への想いは募ってきた。

     そんな俺に否定できるはずもない。 

    「お願い……もう、限界なの……!」
    「兄さんが今日、いろいろあったように、私にもいっぱいいっぱいあるんだよぅ」
    「兄さんはずっとコンビニで働いて、私を養ってればいいと思ってるの?」
    「違うんだよ……」

    「私も、選ばなきゃいけない」
    「何かを犠牲にして、前に進まなきゃいけない」
    「……言ってること、分かる?」

    「お願い」
    「私に兄さんを選ばせて……」

    「……」
    279 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 23:36:32.14 ID:qKMQEeMN0 (-21,-9,-1)
    支援
    280 : 以下、名無しにか - 2011/02/11(金) 23:41:01.75 ID:xJnWRAigO (+0,+14,-12)
    しえん
    281 : ちぢれ - 2011/02/11(金) 23:51:37.93 ID:aPdCeNsoP (+35,+30,-183)
    「兄さん、お願い……兄さんっ」

     俺を求めて、俺の名前をを呼んでくれる。
     嬉しい。心地が、いい。
     こんなに自分の事を想ってくれる人が居ることを、幸せに思う。

    「もういいの……。私の為に、父さんの為に、苦しまないで」
    「私が、父さんの呪いを解くから……」

     父さんの、呪い。
     そう、俺は父さんの言葉に忠実に……
     兄は妹を守るものだと、忠実に……
     常に俺を衝き動かしていたものは、父さんの言葉―――

     ―――いや

     違う


    「思い出して」

    「兄さんは、兄さんである前に」

    「王子様だったこと」
    282 : ちぢれ - 2011/02/12(土) 00:02:23.80 ID:KJ+M5pDUP (+35,+30,-137)
     王子は竜と戦った。
     王子は悪い魔女をこらしめた。
     王子は姫を永遠の眠りから解き放った。

     なんてことはない。
     父の言葉はきっかけにすぎない。

     俺を衝き動かしていたものは、父が死ぬよりもずっと前にあったじゃないか。


    「王子は、姫を、守る」

    「それから、姫と王子は、幸せになる」

    「……もう、兄と妹には戻れないかもしれない」

    「いいよ」

    「幸せにしてやれないかもしれない」

    「兄さんと一緒に居られる以上の幸せなんて、ないよ」
    283 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 00:07:25.80 ID:wGbXppHy0 (-21,-9,-1)
    支援
    284 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 00:11:32.94 ID:ZfFKC6Wn0 (-21,-9,-1)
    支援
    285 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 00:13:32.73 ID:esIT61lB0 (+22,+29,+0)
    やっとですよはい
    286 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 00:18:46.01 ID:VQwArMSdO (+11,+26,+0)
    面白いよ
    287 : ちぢれ - 2011/02/12(土) 00:19:29.11 ID:KJ+M5pDUP (+35,+30,-165)
    「なら、俺は王子として呪いを解かなきゃいけないな」

    「お約束だね」

     いっぱいの涙で濡れている妹に、笑顔がこぼれた。

    「あぁ、お約束だ」

     笑顔に引き寄せられるように、妹を近くに引き寄せた。
     ぐっ、と顔が近づく。
     吐息が熱く、くすぐったい。

    「呪いを解く方法は?」

     まるで秘密を言い合う様な、ささやきあい。
     昔もこうやって、親に内緒の秘密を教えあった。

    「もちろん―――

     ずっとずっと隔てていた、保ってきた距離を、今、縮めた。
     唇が、誓いを帯びて、妹の唇と触れ合った。

     そして兄妹の呪いは解かれ、男女の契りへと変わる。
    288 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 00:30:59.53 ID:Frj+cO6K0 (-2,+9,-13)
    シエンタ
    289 : ちぢれ - 2011/02/12(土) 00:39:36.35 ID:KJ+M5pDUP (+30,+30,-132)
     ずっと見ていた肢体。
     狭い家だ。成熟してきた妹の裸を見たのは、一度や二度ではない。
     感じぬ振りをしていた。嘘を自分についていた。

     いつだって、この肢体を手に入れたくて仕方なかった。

    「ごめん」

    「なに……が……?」

    「待たせて、ごめん」

     ふくよかな双丘。ツンと勃ちあがった乳首。
     折れそうな程細い腰。その中央の薄い茂みに隠れた、妹の秘密の部分。
     
     すべて、いつも近くにあった。

    「好きだ」

     祈るようにつぶやいて、やがて妹と繋がった。

     俺は生まれて初めて、妹を傷つけた。
    290 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 00:42:31.87 ID:ZfFKC6Wn0 (-14,-2,+0)
    イイヨ
    291 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 01:09:50.30 ID:GnMO7Sue0 (-13,+1,+0)
    ほしゅ
    292 : ちぢれ - 2011/02/12(土) 01:11:52.41 ID:KJ+M5pDUP (+35,+30,-208)
     「死ぬほど」という言葉が使いたくなるほど、妹の粘膜は気持ちが良かった。
     狭くきつかったが、俺自身が締め付けられれば締め付けられるほど、求められているような気がした。
     快楽に夢中になって、妹を壊してしまうのではないかと怖くもなった。

     それでも妹は、俺の欲望の全てを肯定して、受け入れてくれた。

     この行為が命を産み出す行為だと、もちろん知っていた。
     妹が俺を求めて、俺も妹を求めて、お互いを受け入れ合っているのだ。
     兄妹で無くなった今、引け目を感じる必要などまったく無かった。
     
     俺はむしろ、もっと先の事を想像していた。
     1年後の事すら想像できなかった、あの頃とは違う。
     10年以上先の、未来を。
     この行為の結果を。

    「兄さんの温もりが、全部、ほしい……!」

     最高だ。幸せだ。
     やっと、叶えられる。
     妹の願いを。

    「妹―――」

     ずっと、ずっと耐えてきたものを、妹の中に解き放つ。
     生まれてからずっと、何か足りないと感じたものが埋まった充足感に、俺は打ち震えた。
    293 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 01:37:50.93 ID:Up8k5SnvO (-21,-9,-1)
    支援
    294 : ちぢれ - 2011/02/12(土) 01:38:25.09 ID:KJ+M5pDUP (+30,+30,-111)
    「透けてるやつが、いいな」

    「え?」

    「下着」
    「一緒に買いに行くんだろ?」

    「あ……」

     俺の腕を枕に寝ている妹の、にごった返事。
     顔に「しまった」と書いてある。

    「エッチな下着をはいてる妹、見たいな」

    「も、もう……兄さん、調子に乗りすぎ」

     そう言って、赤くなった顔を隠すように布団に隠れた。

    「嫌?」

    「べ、別に嫌じゃないけど……」
    295 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 01:40:26.36 ID:z60hVJzVO (-24,-9,-1)
    支援
    296 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 01:44:50.73 ID:k+uqqj2VO (+6,+21,-2)
    紫煙
    298 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 01:55:36.36 ID:ZfFKC6Wn0 (-27,-15,+0)
    299 : ちぢれ - 2011/02/12(土) 01:58:54.90 ID:KJ+M5pDUP (+35,+30,-98)
    「心配しなくても、普通の下着も買ってやるって」

    「……ほんと?」

    「ただし、条件がある」

    「条件?」

    「遠慮なく、妹の好きな柄を選ぶこと」

    「……兄さん」

     そうだ。
     もう、我慢しなくていい。
     もっと俺に甘えていい。わがままを言っていい。望みを持っていい。
     いいんだ。

    「ほしいものはほしいって、ちゃんと言っていいから」

    「……うん」

     小さい体を、愛しい気持ちを込めて抱きしめる。
     妹を守り、共に生きていくのだと、そっと自分に約束をした。


     第2章 おわり
    300 : 以下、名無しにか - 2011/02/12(土) 02:07:20.46 ID:esIT61lB0 (+27,+29,-5)
    知的でかわいくてお兄ちゃんっことか最高過ぎ



    4円
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