元スレ阿良々木「・・・・・・学園都市?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×5
51 = 1 :
ちなみに火憐ちゃんは制服をちゃんと着こなしていた。
普段ならおよそありえないほどの生足の露出。
こいつが制服を着た姿なんて、現在の日本の就職率くらいの確率なので、兄であっても割と見るのは久しぶりだった。
ただし、栂の木二中のものでないため、そしてその着用者が火燐ちゃんであるためコスプレにしかみえない。
女子中学生が制服を着たりスカートをはくことをコスプレとはいわないだろうけれど。
というか、都会の女子高生はこんなにも山吹色が基本配色でいいのだろうか?
閑話休題
52 = 1 :
それにしてもやばかった。ビーム撃ってきたよこの子!!!
忍が突き飛ばしてくれなかったら死んでたな。
「あんたが黒子に手を出したって言う不法侵入者ねぇ・・・ へぇそんな装備で随分と余裕じゃない?」
この世界ではバトル=生きることなのだろうか、生きることは闘いであるという教えがたくましく広まっている。
加えて、日本刀はバカにされるくらいの装備でしかないらしい。
「シュールな空気で心理戦を繰り広げるような戦いが今時の主人公の在り方なんだよ!!」
吸血鬼の回復力頼りで常に闘ってきた僕にとってそれは負け惜しみでしかなかった。
そして同時にそれはこの場を打開する唯一の手段だった。
力と力のドンパチならば、そうするしかないのだ。 シュールな心理戦なんて柄じゃない。
「ま、いいわ。とっとと終わらせてあげる!!!」
そう言うと、美琴は体中から電撃を放った。
53 = 39 :
おい眠い
明日まで残ってますように
54 = 1 :
人間の反射神経で電撃を避けるなんてことは不可能ということで、結果僕に直撃したはずだった。
いや、実際直撃したのは間違いない、が何とも無いのだ。
「どうなって・・・」
「お前様!!心渡を抜け!!それでイオナズンは防げる!!」
状況が把握できない僕に忍が叫び、
イオナズンの使える女子中学生は「なんで!?まさかあいつと同じ!?!?」と気が動転していた。
僕はというと、僕の家にはないはずのドラクエ関連の知識をいったいこいつがどこで仕入れたのかが気がかりだった
まぁ嘘だけど!!
とにかく僕は心渡を抜き身構える。
55 :
俺の嫁こと姫神さんの出番はまだですか?
吸血鬼的に考えて
56 = 1 :
「・・・っ!!させない!!」
彼女は再びイオナズンを撃ってきたが、心渡に触れたとたんにイオナズンは消えた。
「まさか、あのバカと同じで能力を打ち消すなんて・・・・・っ!! でもこれなら!!」
そう言うと彼女はコインを指に持ち、
「音速の三倍飛んでくるコインは打ち消せるかしら?」
言い終えた瞬間、閃光。 爆発的な音が広がり、
(しまっ・・・・)
バシィィィン!!
57 :
いいよいいよー
58 = 42 :
どうやってかりんちゃんが馴染んだのかが気になる
59 = 1 :
主人公としてかくあるべきだという条件のようなものがあるとして、
明確な基準があるとして、
最低限何を満たせば主人公になれるのかと考えた場合
僕はこう考える
こういう絶対絶命のピンチに駆けつけてくれるやつは
主人公になれる才能と資格があると!
「ったく・・・・・・何やってんだよビリビリ?」
ツンツンの頭の少年が右手を前に出して僕の前に立っていた。
「あ!あんた!!」
どうやらビリビリと呼ばれて反応したのはイオナズンの少女であり、なるほど確かにと思わざるえない。
少年は日本刀片手に突っ立っている僕の姿を一瞥し、
周りの様子を伺って一言
「・・・・・・はぁ、不幸だ」
61 = 1 :
事態は収拾した。 と言っても力技で、僕と忍の不法侵入者扱いから端を発した今回の件は、
こっちの世界の火燐ちゃん―――ジャッジメントという警察のような組織にいて、自称ではなく正義の味方をやっている我が妹、
火燐ちゃんの家族だからということで僕と忍の件が有耶無耶になった。
加えて火燐ちゃんとイオナズン少女の御坂はこの学園都市では七人しかいないレベル5の超能力者らしく、
その家族だからというのが一番効果絶大だったらしい。
学園都市内を自由に動けるパス、観光ビザのようなものが発行されたことで解決した。
「まかせろ兄ちゃん!!そんなもんあたしの権限の範囲だ!!」と男らしい啖呵をきってくれたこっちの世界の火燐ちゃん。
僕の世界の火憐ちゃんは生まれてこの方十五年間、兄にとっては全く役に立たなかった妹だったのに!!!
こっちの火憐ちゃんはなかなかグレードが高い。 ゲータレードくらいのグレードの高さはあるだろう。
62 = 46 :
上条さんキター
63 :
よく考えたら昔の姫神と遭遇したら吸血鬼は即死か
今は能力抑えてるから大丈夫なんだっけか
64 = 42 :
かりんちゃんレベル5www
65 = 47 :
火燐ちゃんもレベル5なのか
66 :
予想以上に面白いな
ちょっとまよいフォックス思い出す
67 = 1 :
○火憐 ×火燐
間違えました・・・。
それにしても、だ。前回の世界の滅亡に続いて今回は超能力・・・・・・。
絶対可憐なものしか知らない僕にとっては空想的過ぎて頭がいまいち追いつかない。
でも、目の前でああも力いっぱい使われてしまえば信じるしかないよなぁ。
というか、怪異だの吸血鬼だのっている時点であっても不思議じゃあねぇか。
ともあれ、無事に汚名も晴れた僕と忍はさきほどのミスタードーナッツで、火憐ちゃんや僕を助けてくれた少年、上条当麻君たちに学園都市について教わっていた。
「やーん、この子超かーわーいーいー!!!食べたいものがあったら遠慮なく言ってね」
「わーい!!美琴おねーちゃん!!ありがとー!!じゃあじゃあじゃあ!これとこれもー!!」
見た目は幼女、頭脳は五百九十八歳と十一ヶ月な忍たんであった。
68 = 1 :
外見を極限まで駆使した交渉術を行使中である。女子中学生にたかってんじゃねえ!
これとこれもー、とか言いながらおそらく全種類選んだのだろう。 となりのテーブルで御坂に抱かれてドーナツを頬張っている忍の
目の前はドーナツがマンガ盛りになっている。
「暦お兄ちゃん! このお姉ちゃんにいっぱいドーナツ貰っちゃったー!!」
「一人称変わってますよぉぉぉぉぉ!?!?」
それとそれじゃあ千石と被っちまう。
ちなみに、忍の快活な『暦お兄ちゃん』が千石の甘えてるような感じとはまた違って心臓のあたりがキュンときたなんてことは断じてない!
「うちのシスターもこれくらい愛嬌があればな・・・・・・ん?悪い!着信きた!少し外すな?」
といって上条君は席外した。
シスター? 妹がいるのだろうか?
69 = 1 :
さて、
「ところで火憐ちゃん、悪いがもう少しだけ訊きたいことがある」
「なんだ兄ちゃん!!なんでも聞いてくれ!!兄ちゃんにだったら私の今日つけている下着の色以上のことでもさらっと答えるぜ!!」
「ぶっふぉぉぉ!!!それは是非お願いしますの!!」
「黒子ぉ!!」
ツインテールの女の子にイオが放たれた。
「戦場ヶ原や羽川や神原や千石や月火ちゃんは今どうしてる?」
この世界のみんなはどこら辺のポジションにいるのだろうか?というのが八九寺を探す手がかりになるかもしれない。
あわよくば力を貸してほしかった。
「戦場ヶ原? もしかして第四位の戦場ヶ原さんのことかー、面識は全くないから分かんねーな。ちなみに私は第六位だぜー!!」
うわー何気にすげーんじゃねーのこいつら?
この調子でいくと羽川なんかは神か魔王の扱いだよな。
70 = 1 :
・・・・・・・
えっ?
「もしかして終わり?」
いくらなんでもこれはないだろ!
羽川は?千石は?神原は?月火ちゃんは?
「終わりも何も、兄ちゃんの今言った人で知ってるのは戦場ヶ原さんだけだぜ?会ったことはないけどなー」
火憐ちゃんはバカだ、真性のバカだ。でも嘘はつかない。つく頭もない。
つまり、この世界の僕にはみんなと面識がないということだ。きっとそれはみんなも同じはずだろうけれど。
戦場ヶ原がいるんだから、きっとこの世界で生きているだろうがきっとこの世界ではお互いに交わることはないんだろうな。
そう思うと寂しかった。
「ちょっと待てよ? 月火ちゃんはどうした?妹だろ!?」
この質問の答えによっては、この世界に対する認識を改めなければいけないと思いつつ、
しかし僕は予想はできていた。
71 = 1 :
「誰?それ?」
僕らは二人兄妹・・・だそうだ。
新しく妹が生まれたのか?と終始騒いで、忍を指してそうなのか!?とテンション高めに尋ねてきた我が妹の様子を見るにつけ、やはり嘘だとは思えない。
おそらく忍も色々と考えているだろうがここでは同じ結論に達したと思う。
認識を改める、つまり、元の僕の世界と深い因果関係にあるはずだという前提を取り払い、全く別の世界、FFとドラクエくらいの違いはある世界と見なすということ。
・・・・・・いやぁどうせならおじゃ魔女とプリキュアくらいの世界観なら僕としても夢ひろがりんぐだったのに・・・不幸だ・・・・・・。
「ところで兄ちゃんは外の学校休んでまで学園都市に何の用なんだ?」
「おいおい、兄が妹に会いに来るのに理由なんていらないだろ?」
僕はキメ顔で即座に切り替えした。
「兄ちゃん!かっけー!」
火憐ちゃん曰く、この世界の僕は学園都市の外側にある―――私立直江津高校に通っている『ただの』学生らしい。
73 = 1 :
「さて今回の事件に関して、私は今回の件をアンチスキルに報告してこなければいけませんの」
「そっかー、んじゃあたしは兄ちゃんと兄妹愛が何たるかを確かめ合わねーといけないんですのー」
「火燐さん? あなたは公共物破損への始末書がありますのよ? とっとと支部へ帰りますの!」
「えー!?!?それなら美琴だって暴れてたじゃんか!」
「もちろん今回はお姉さまも連れて行きますの!!」
「なんで!?」
「あの類人猿がいるようなところにお姉さまを置いてなんて行けませんわ!!」
「ちょっ!」
ヒュン!
・・・・・・・。
74 = 1 :
便利だよなぁテレポート。
あんなのあったら遅刻気にして走らなくても済む上に、さっきの杭みたいに物まで自由に動かせるんだぜ?
例えば、羽川にちょこっと触れてブラジャーを抜き取ることも、マッパにすることも可能な能力なんておいしすぎる。
第六位の火燐ちゃんは名前的に火を操るのかと思いきや、期待を裏切り、肉体強化系の能力者らしい。
聞く限りでは吸血鬼のそれみたいなものらしいが、そこは火を使えよ。
忍を抱いていた第三位の御坂は電気、第四位の戦場ヶ原は不明ときている。
いや、戦場ヶ原についてはドロデレな感じは期待できない。
こんなバトル展開が行く先々で待ち受けているような世界だ。
全開のヶ原ノリで大量虐殺とかやっちゃえるくらいの危ない能力に目覚めているかもしれない。
75 = 39 :
おさるさん防止
76 = 47 :
月火ちゃんは原作考えると死んでる可能性もあるな
77 = 1 :
女性陣が居なくなって、入れ替わりに上条君は通話を終えたのか、席に戻ってきた。
で、開口一番
「阿良々木さんたちは魔術師なのか?」
また濃厚なワードいただきました! 超能力に続いて魔術師て!!!
なにこの世界! 本当におじゃ魔女とドラクエでクロスオーバーしてんの!?!?
「その右手・・・」
僕の思考が停止しているのを見計らって、忍が口を出す
「随分とおかしなものみたいじゃの?」
言うと忍は先ほど僕を助けてくれた際に使われた右手を指す。
「かかかっ!それに魔術ときたか・・・やれやれ、話がいよいよ壮大になっておるの」
凄惨な笑みを浮かべる忍だが、こいつはこいつで多少の理解があるようだ。
78 = 17 :
ヶ原さんは一体なんの能力を使うんだ…
79 = 1 :
「えーっと、ただでさえ超能力だなんだので、話を合わせるのに精一杯なのに魔術? ごめんもう無理! わけ分かんねーよ!」
超能力であの学園異能バトル展開だったのに!!
魔術に対して空中楼閣張り巡らせるなら、それこそドラグスレイブあたりの打ち合いになんじゃねーの!?
ごめん八九寺!!僕超絶帰りたい!!
「いや・・ハハハ・・・・その反応だと違うみたいだな!! 悪い!!変なこと言っちまった!!」
バツが悪そうに笑いながら上条君は笑う
そして阿良々木暦は本能で感じていた。
この話題はこれ以上踏み込んでは駄目だと、確かに八九寺を探すのに手がかりはないが、だからといって無闇に飛び込んではいけないものがある。
こんなバトルワールドで間違いなく踏んではいけない地雷に、今差し掛かっているのだと。
話をそらさねば!
80 = 1 :
「魔術師ではないがの、儂らは吸血鬼じゃ」
・・・・・・
誇るようにそう答えた。
何を恥じることがある?と言わんばかりの不遜な表情だった。
得意気で小生意気な顔だった。
これがあと5年後くらい姿の忍であったなら、ぶっ飛ばしていただろう。
「しのぶさあああああん!!!!!」
おそらく忍に悪気はない、悪気なんて感じるほど意識して言ったはずもないだろう。
ただ聞かれたから、それに答えただけなのだろう?
あーあ。
一方で、上条君もやっぱりかと言いたそうに、それでいて僕と同じように地雷を踏んでしまったことを改めて再確認するかのように溜息をついた。
こういうときなんていうんだっけ?
ああそうだ
「「不幸だ・・・・・・・」」
81 = 47 :
忍野とかギロチンカッター考えたら化世界でも魔術的ななにかはあるのかな
82 = 66 :
そういやこの設定だと・・・
メメに期待せざるを得ないwww
83 = 42 :
メメとか自前で歩く教会クラスのもの作ってそうだな
84 :
土御門とメメってキャラ被ってないか?
85 = 1 :
「さっき魔術方面に関して詳しいツレと電話してたんですよ」
「なるほど! 魔術ね魔術!! そういえば小学校のとき家庭科で習った!! 魔術!!」
マジ鬱になりそうなくらい危険度のあるワードにともかく話を合わせる僕。
いやラップパートとかじゃなくて。
「お前様、それは引くわ」
「YOっていってないからか!?!?」
「・・・・・と、ともかく、魔術師じゃないんならよかった。 ほら、つい最近第三次世界大戦があったばっかりだしさ・・・・・・」
だ、第三次世界大戦!?!? 恋愛革命じゃなくて!?!?
なにこの世界、まじやめて。
血で血を洗う展開しか予想できないんですけど!!
86 :
いやーこの二人の会話おもしろいw
87 :
支援するしかないよね。戯れ言だけど。
88 :
トイレットペーパーがなくなったから気をつけて!!!
89 = 1 :
第三次世界大戦のこと、魔術師のことを上条君からこの後も詳しく説明をうけた僕であったが、
さすがに理解には遠かった。
先ほどの電話の相手、上条くんのお連れさんが朝、「大きな魔術の反応がある」とのことで、ただ事ではない風に騒いでいて
それを覚えていた上条君は学校から帰宅する際、公園を通りかかったところ、
能力者同士のバトルに遭遇。
それを止めようとして介入したら、自分の顔見知りから攻撃されていた男とそれに同伴する幼女の感じが
いかにもな感じだった為、ひとまず場を落ち着かせて、連絡をとっていた―――と。
「もうすぐここに来るはずだけど・・・・・・あっ!おーいインデックス!こっちだこっち!」
こちらに気づいた少女×2が近づいてくる。
一人は腰までかかる黒髪にコスプレなのか巫女さんの衣装を身に着けている線の細い凛々しい顔つきの美人さん。
もう一人は白い修道服に身を包んだ小柄で幼い感じの漂うシスターだった。顔は隠れて見えにくいがこちらも可愛い。
91 = 88 :
誤爆しましたごめんなさい
92 = 22 :
姫神いいいいい
93 = 1 :
「いてててててっ!!!!!」
隣に座っている忍に太ももを抓られた。肉が抉れるかと錯覚するほどの抓るではなく毟るだった。
一体こいつは何がしたいんだ!
「阿良々木さん、紹介する。 この巫女さんが姫神。で、この白い修道服のシスターがインデックスだ」
「よろ、しく・・・・・・」
「よろしくなんだよ!」
ん?普通に可愛い女の子達だった。
どちらも明らかに浮世離れしているが。
「とーまだけずるいんだよ! ドーナツ食べてたんだね!?」
むぐっ!
僕はたまらず噎せた。
油断していたぜ・・・・・・なるほどこういう展開か。
94 = 1 :
火憐ちゃんに続いて、恐るべしパラレルワールド。
「落ち着けインデックス!! まだ買ってない!! お前と電話してたろうが!!」
「まだって言ったねとーま!! じゃあ私たちがもう少しくるの遅かったら先に食べていたんだね!?」
「言い方が悪かった!!ってちょ!!インデックスさん!?」
「許さないんだよとーま!!」
シスターさんは修道服の中からバールを取り出し、上条君めがけて構えた。
そんな彼女を僕は知っている。
だから驚かない、騒がない。
『栂の木二中のファイヤーシスターズ』、自称『正義そのもの』
僕の妹―――阿良々木 月火 がそこにいた。
95 :
前半読んでないけど④
96 = 47 :
これは予想できんかった
97 = 1 :
以下 月火ちゃんと呼称
「つっっっきひちゃああああああん!!!!!」
となりのトトロで「さっつきちゃああああああん!!!!!」と叫んでいた少女ばりに心から叫んで、僕は月火ちゃんに抱きついた。
「きゃああああああああっ!!!!!」
妹そっくりのシスターの身体を揉みしだきまくる男の姿がそこにはあった。
ていうか僕だった。
同時にバールが僕の頭に振り下ろされる。
98 = 1 :
忍はそのやり取りを眺めることもなく、真剣な顔になった。
姫神さんも同じく忍に対して、目を丸くして驚きながら反応した。
「小娘、おもしろい匂いをさせておるな。この姿の儂でなければ、襲っておったろうよ」
抑揚のある声とは対照的に無表情。
忍は強く警戒していた。
「なぜ・・・?・・・あなたがここに・・・・・?」
姫神が言葉を発したところで、ようやく僕や月火ちゃんと上条君もそのやり取りに気づく。
「あなたは死んだはずじゃあ・・・?なぜ生きているの・・・・・・?ハートアンダーブレード・・・・・・」
忍野忍―――化物の中の化物、怪異の王
誰よりも美しく、鉄のように冷たくて、血のように熱かった吸血鬼の成れの果て
元キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード
その彼女を指して姫神さんはそう言った。
99 = 1 :
~第七学区とあるファミレス~
「浜面ー!炭酸系のジュースを持ってきて欲しいわけよ。この味の新境地ハヤシライス風味のサバ缶に合う―――」
「何を言っているのかしら、この子は。サバ缶?そんなパンピー御用達なものに魅力なんてないわ。今をときめくナウなヤングなら蟹缶に決まっているでしょう?
ああそれと、生ゴ・・・浜面、私はコーヒーをお願いできるかしら?」
「今生ゴミって言おうとしたよね!?!?」
「大丈夫、そんな浜面でも立派な花を咲かせる為の肥料になれる・・・」
「フォローになってねえよ!!!」
「さすが戦場ヶ原先輩だ!!言うに事欠いて生ゴミ!! その冷ややかな表情で言われるとかなり興奮するなぁ!」
ファミレスのボックス席にひときわ騒がしい集団が居た。
彼女たちはアイテム、学園都市の裏組織のひとつ。
フレンダ、滝壺理后、そして
「あら、仕事ね。・・・・・・学園都市へ侵入した不穏分子の抹殺、だそうよ」
「了解した!!」
そう言うとアイテムのリーダー、戦場ヶ原ひたぎとその後輩神原駿河は立ち上がった。
100 = 1 :
八九寺真宵は彷徨っていた。
どういうわけか、気がついたら見たこともない―――生前であっても訪れたこともないような街並みの中
彷徨っていた。
有り体に言ってしまえば迷子だった。
どう言ったところでも迷子だった。
むしろ迷子なのか? とやや間を置いて考えてみた。
目的地を定め、その過程の中で道を見失うのを迷子だといえないだろうか?
見失う道すらないのが現状である。
迷えるほど知っていることはなく、全くもって無知。
哲学的な方面で考えて解決できるほど、多くの可能性は現状用意されてはない。
オーバーランさえ許されてはいない。
みんなの評価 : ★★★×5
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