元スレ妹「軽度のブラコンだから」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
652 :
男「い、いや、咄嗟だったから……」
妹「……まあ、いいや」
良かった、乗ってこなかった。
これで、本題に移れる。
妹「……女さんとは、最近どうなの?」
彼はこちらに顔を向けるだけで、話さない。
妹「……付き合ってたり、する?」
答えて、くれるかな。
男「そんなわけ、ねえだろ」
あれ、既視感。
653 = 652 :
妹「ふうん……」
男「そ、そうだ」
このどもり、怪しい。
妹「あの人以上に、仲良い人いるの」
畳みかけてみる。
強い瞳をして。
すこし悩んだ末に。
男「……いません」
妹「……ふぅん」
やっぱりね。
654 = 652 :
男「ま、まあそういうことだ」
一番仲が良いのは、女さん。
妹「そうなんだ」
『私じゃ、ないんだ』
って、思ってる。
嘘でもいいから、言って欲しかった。
……あれ、また、言葉にしてた?
聞こえて、ないよね。
657 :
わっふる
658 = 652 :
男「……あのな、妹よ」
妹「……」
聞いてるけど、返事はしない。
男「俺はお前と仲が良いのではない」
……やっぱり、聞こえてたんだ。
男「むしろ、愛している、LOVEだ」
妹「なんでやねん」
恥ずかしさのあまりに、ツッコんじゃった。
いきなり、そんなこと言われたら、ビックリするじゃん。
659 = 652 :
こういう冗談は、タチが悪い。
男「引いたか?」
妹「冗談はやめてよ」
気持ちのこもってないLOVEなんて――
男「冗談じゃない、愛してる!」
――いらないから。
妹「そういう冗談をやめてって言ってるの!」
大きな声を出して、私は怒った。
『愛してる』なんて、言わないで。
660 = 652 :
男「俺の目を見ろ! 俺が冗談を言ってるように見えるか」
妹「っ……」
熱い視線。
直視できない。
私は瞳をそらす。
男「さあ!」
妹「っ!」
また、そらす。
妹「そ、そんな目で……み、見るな」
恥ずかしい、見つめないで。
661 = 652 :
男「見ろおおおお!」
楽しんでる。
ひどい。
こっちは本当に、恥ずかしいのに。
妹「!」
すっごく悪いことをしたと思ってる。
でも、仕方ないよね。
私は、彼の頬をビンタした。
ごめんなさい、でも。
酷いのは、お互いさま。
妹「はぁ……はぁ……」
男「い、妹……」
妹「そういう冗談が、一番嫌い!」
662 = 652 :
すっごい拒絶した顔をして。
おまけに舌を出して。
私は走って行った。
食べ物を持っているのに、走ったらダメなのに。
私は、彼から逃げたかった。
からかう、『兄』から。
663 = 652 :
仕方ないこと。
私が異常なのだから。
それでも私は。
彼が好きだから。
彼以外はありえない。
どこに行っても、私はいつもそう思う。
彼じゃなきゃ――。
664 = 652 :
家に着いた。
誰もいない、いるわけがない。
妹「……」
荷物を置いて、階段を上る。
私は、無意識に。
服をすこしずつ脱いでいた。
665 :
妹が欲しくなってきた
父よ母よ、もう一人分ぐらい余裕あったでしょうよ
666 = 652 :
体が火照っているのだ。
熱くて熱くて。
心臓が激しく高鳴っていて。
自分が自分じゃないみたいな、感覚。
玄関のドアの音。
彼が帰って来た。
667 :
すすすこしずつ服を抜いでるんだなあ…
669 = 652 :
小さく、下の階から『ただいま』と聞こえる。
彼の声だ。
おかえりなんて、もちろん言えない。
トントントン。
階段を上る音。
彼が、上ってきている。
男「おーい、妹?」
ドアがノックされる。
私の体はさらに、熱くなった。
670 :
きたきたきた
671 = 652 :
男「いるかー」
私は、会いたくなかった。
話したくなかった。
話したくないのに。
妹「いません」
話したい。
矛盾する気持ちのせいで、声を出してしまった。
男「そうか、いないのか」
673 = 656 :
紫煙
674 = 652 :
妹「もっとくまなく探しましょう」
先生みたいな、言い方。
男「妹の下着が目当てだったんだが」
よく見ると。
私の服装は、下着に近い。
恥ずかしくて、ドアを内側から押して、開けないようにする。
汗もかいてて、なんだか変な感じ。
妹「絶対に入れないから」
男「冗談だ、冗談」
また冗談。もう。
675 = 652 :
妹「……」
やっぱり、冗談なのだ。
さっきの、LOVEも。
私はドアを抑えるのをやめた。
男「入っていいか?」
妹「やだ」
男「どうして」
妹「顔、見たくないから」
顔を見たら。
私じゃなくなりそうだから。
男「……俺はお前の顔が見たいぞ」
妹「……自分勝手だよ」
私は見たくない。
まただ。
見たくないのに、会いたい。
676 = 652 :
こういう気持ちって、どうすればいいの?
男「そうなのかね」
ちょっと呆れるような声。
私だって呆れる。
自分の、意味不明さに。
男「……入るぞ」
妹「待って」
心の準備も。
それ以上に何も考えてない。
入ってきたら、どうすればいいのだろう。
わからない。体がさらにさらに熱くなる。
そして、私は変なことを口走った。
妹「あんたが入ってきたら、私はあんたの妹らしくない行動をするかもしれない」
すこし、間を空けて。
妹「それでも……いい?」
677 :
よんえん!
678 = 652 :
この沈黙は、了解の意味なのだろう。
男「開けるぞ」
意を決した(のかな?)彼が入ってくる。
ゆっくりとドアを開ける。
彼はすこし、ギョッとして、私を見る。
あああ。
こんな姿を、見られたくない。
恥じる顔も、見られたくない。
だから。
私は顔を隠す。
彼に抱きついて。
男「……」
妹「……」
とっても、暖かい。
でも、冷たい沈黙だった。
679 = 652 :
でも、いいのだ。
妹「……」
顔は見られていないし。
これは、さっき私が言った通り。
男「いやあ、あのな?」
妹「さっきの、約束」
約束通りの行動だから。
男「……」
妹「どうしてこんなことしてるかわかる?」
男「……見当もつかん」
ギュッと、抱きしめ、さらに見えないように顔をつける。
妹「顔、見たくないから」
見たくない、見られたくない。
でも。
見たい。
680 = 652 :
妹「それと――離れたくないから」
離れたくない。
私はそう言った。
男「じゃあ、顔見せろよ」
『顔見せろ』と言われて。
私はすこし心配になった。
どうか、私の心臓の音、聞こえませんように、と。
妹「やだ」
男「どうして?」
妹「恥ずかしいじゃん」
意識が朦朧としている。ドキドキが止まらない。
682 :
しえん
683 = 672 :
私怨
684 :
軽度のドラゴンってなんだ?と思ってwktkして開いたらコレだよ
691 = 651 :
よ
695 :
お
みんなの評価 : ★★
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