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    元スレ唯「おいたち!」

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    みんなの評価 : ★★
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    301 = 40 :

    あっ・・・!

    「あ・・・ご、ごめんなさい・・・」シュン・・・


    「ねえっ!!」

    「?」

    「今からうちにおいでよ!! 特訓しよう!!」

    「え・・・ええっ!?」

    「で・・・でも・・・」

    「いいからいいから!!」


    そのあと、彼女の家に連れていかれて特訓(?)をした。

    おかげでリラックスでき、全校集会ではちゃんと発表できた。

    302 = 40 :

    「りっちゃん、昨日はありがと・・・」

    「いいよいいよ、友達でしょ?」

    えっ・・・?

    友達・・・?

    「私なんかが友達でいいの・・・?」

    「もちろん!」

    その時、私はとても嬉しかった。

    生まれて初めて、友達ができたのだから。


    その後、りっちゃんには聡君という弟がいる事を知った。

    だからあんなに男っぽいのかなぁ・・・?

    303 = 40 :

    今度は、私の家に来てもらおうかな・・・

    「ねぇりっちゃん」

    「何?」

    「今度、私のおうちに遊びにこない?」

    「いいよー!」


    「ここが私のおうちだよ・・・」

    「ママ、ただいま~」

    ママ「澪ちゃん、おかえり♪ あれ?横の子は?」

    「私の友達のりっちゃんだよ」

    「田井中律です! お邪魔しまーす!」

    304 = 40 :

    その日は、ママが張り切っちゃって大変だった。

    おやつが特大ケーキになったり・・・


    「ごめんね、ママが迷惑かけて・・・」

    「大丈夫だよ、気にしないで!」

    「うん・・・」


    「あのね、りっちゃん・・・」

    「ずっと、一緒にいてね・・・」

    「もちろん! 私達、もう親友だよ!」

    りっちゃんが親友って言ってくれた。

    嬉しい・・・

    305 = 40 :

    次の日から、私はりっちゃんに宿題を見せてあげたり、勉強を教えてあげるようになった。


    そして6年生になった頃、りっちゃんが変な本を見つけてきた。

    まずは話し方から変えようとしたけど、なかなか慣れない。

    時間をかけてやるしかない・・・


    ママ「澪ちゃんももうすぐ中学生か・・・」

    「中学生ってどんなの?」

    ママ「いろいろ変わるわよ~! 制服があったり、部活があったり・・・」

    ママ「中3になったら受験もあるしね!」

    「受験?」

    ママ「高校受験の事よ」

    ママ「澪ちゃんみたいに頭のいい子は、レベルの高い高校に行けるの」

    ママ「でも・・・」

    306 = 40 :

    ママ「りっちゃんと同じ高校に行くのは、ちょっと無理ね・・・」

    「なんで?」

    ママ「ほら、りっちゃんって勉強苦手でしょ?」

    ママ「だから・・・」

    この時、私は初めて気が付いた。

    いつか、りっちゃんと別れる時が来る事に。


    だったら今のうちに、一人で生きていけるように特訓しよう。

    中学校に入る前に・・・

    307 = 40 :

    まず、私は本屋に行った。

    『ナマケモノでもできる!基礎トレーニング』
    『スポーツの天才になれる!応用編』
    『料理読本決定版!』
    『決定版!家事の仕方』
    『サルでもできる!護身術』

    勉強はできるので、それ以外の分野を補強しようといろいろな本を買った。

    りっちゃんにはバレないようにしよう。


    「み~お~、遊ぼうよ~!」

    「ごめん、今日は・・・」


    「澪~!遊ぼうぜ~!」

    「ちょっと用事が・・・」


    律が遊ぼうと言っているのを断るのは正直辛い。

    でも、頑張るしかない・・・

    だんだんあの話し方にも慣れてきたな・・・

    308 = 40 :

    スポーツ教室に通ったりもした。

    コーチ「秋山、だいぶ上手になってきたな!」

    「は、はい!」


    今日はこのあと、公園を10週して、家に帰ってからは料理の練習を・・・


    「ただ・・・いま・・・」ハァッ・・・ハァッ・・・

    ママ「澪ちゃん大丈夫? ちょっと無理し過ぎなんじゃ・・・?」

    「大丈夫・・・だよ・・・」フラッ・・・


    「・・・」バタッ!

    309 :

    向上心

    つまり俺と澪の差だな

    310 = 40 :

    仕事に行くので夕方ぐらいまで抜けます
    日曜にも仕事なんて憂鬱・・・

    保守よろしくお願いします

    311 = 281 :

    任せ

    314 :

    315 :

    319 :

    師艶

    320 :

    322 :

    まだかなまだかな

    323 = 286 :

    327 :

    今北。薩摩スレかと思ったら違うのかよ

    328 = 40 :

    目が覚めると、私は自分のベッドで横になっていた。

    もう夕方か・・・夕方の予定は公園10周だったはず・・・

    早く、練習を再開しないと・・・!


    ママ「ダメよ澪ちゃん! まだ横になってないと・・・」

    「もう大丈夫・・・だから・・・」

    ママ「でも・・・!」

    「行って・・・くる・・・」

    329 = 40 :

    まだ半周もしていないのに、目眩がする。

    足元がおぼつかない、呼吸が苦しい。


    数分後、私はとうとう倒れてしまった。

    立ち上がろうとしても、手足に力が入らない・・・

    やっぱり、私ってダメなままなのかなぁ・・・


    パパ「澪~!」

    「パパ・・・?」

    パパ「心配したじゃないか・・・何でこんなに無茶するんだ?」

    「それは・・・」

    パパ「大丈夫、他の人にバラしたりはしないから・・・」

    331 = 40 :

    「律やママやパパとも、いつかは離れ離れになっちゃうでしょ・・・? その前に・・・」

    「一人で生きられるようになりたかったから・・・」

    「何にもできない自分を、変えたかったから・・・!」

    「でも、結局はママやパパに迷惑をかけてるだけなんだよね・・・」

    「私なんて、生きてる意味ないんだよ・・・!」ウルウル

    ダキッ・・・

    パパ「そんな事ないさ・・・」

    パパ「澪は、僕達にとって一番大事な・・・」

    パパ「たった一人の可愛い娘なんだから・・・」


    「パパ・・・」

    パパ「さあ、今日はもう家に帰ってゆっくり休もうな」

    「うん・・・!」

    332 = 40 :

    そして、春休み最終日。

    両親が明日の昼まで出かけるそうなので、私が家事をする事になった。

    澪ママ&パパ「「じゃあ行ってきま~す!」」

    「行ってらっしゃ~い!」

    パパ「明日の入学式には、ちゃんと出席するからな~!」

    ママ「くれぐれも、無理はしないでね?」

    「うん!」


    家事を一通り終えた後、公園で走っていると・・・とうとう律に見つかってしまった。

    律が競争しようとか言ってきたので、仕方なくそれを了承した。

    まあ、特訓の成果を試すチャンスでもあるしいいか。

    「位置について・・・よーい、ドン!」


    あれ?律が随分遅い・・・私が早くなったのかなぁ?


    すると突然、律が倒れてしまった。

    333 = 40 :

    落ち着け、私・・・こういう時は・・・


    なんとか律を私の部屋まで運び、私のベッドに寝かせておいた。

    なかなか目を覚まさないので、夕食の材料を買いに出かける事にした。

    今日は律もいるし・・・二人分買っておこうかな。


    帰ってきても、まだ律は寝ているみたいだった。

    今のうちに洗濯物の取り込みと、夕食作りをしておこう。


    しばらくすると、私の部屋から物音がした。

    律が起きたみたいだ。

    334 = 40 :

    ガチャッ

    「律! 大丈夫か!?」

    「大丈夫だよ、そんなに気にすんなって」

    よかった・・・!

    「律に何かあったら・・・私・・・」グスッ

    「はいはい、分かったから」


    「夜ご飯は食べれるか?」

    「ああ、平気だよ」

    「じゃあ、もうリビングに用意してあるから・・・」

    「ほーい」

    私の手料理・・・律は気に入ってくれるかなぁ?

    335 = 40 :

    「この包み焼きハンバーグうめー!」

    「そ、そうか?」モジモジ

    「最近のインスタントってすげーなー!」

    「えっ・・・」


    「それ、私の手作りなんだけど・・・」


    「えっ!?」

    「・・・」グスッ

    「今日は澪のお母さんやお父さんいないからてっきりインスタントかと・・・」

    「せっかく、頑張って、作ったのにぃ・・・」ポロポロ

    「ごめんごめん! でも確かに美味いぞコレ」

    「・・・ほんとぉ?」グスッ

    「ああ、マジで!」

    やったぁ・・・!

    「・・・!」パアアッ

    336 :

    澪かわええ

    337 = 40 :

    「じゃあ、そろそろ帰りますか」

    「えっ・・・」

    「今日、うちに泊まるんじゃないの・・・?」

    「無理無理、明日中学の入学式だぞ?」

    「でも・・・今日パパもママも帰ってこないから・・・」

    「ひとりぼっちは、ヤだよぉ・・・」グスッ

    「でもなぁ・・・」

    「り~つ~ぅ・・・」ウルウル

    「分かった分かった!じゃあ荷物取ってくるから!」

    338 = 40 :

    こうして、律が私の家に泊まる事になった。

    律が一緒にお風呂に入ろうと言ってきたので、そうする事にした。

    二人でお風呂に入るの・・・久しぶりだなぁ・・・


    そして私がお風呂から上がると、先に上がった律が牛乳を飲んでいた。

    多分、背が低いのを気にしてるんだろう。

    そして律は私に牛乳を渡すと、こう言った。

    「そういえば・・・澪っていつから特訓してたんだ?」

    私はとても驚いた。なんでバレてるんだ・・・?

    ごまかそうとしたけど無駄だったので、正直に話す事にした。

    339 = 40 :

    「中学校の次は、高校だろ?」

    「律と同じ高校は無理だと思うから、律と離れ離れになっちゃうだろうから・・・」

    「今のうちに、律に頼らなくても生きていけるようになりたかったんだ・・・」

    「それでも、恥ずかしがり屋だったり、怖い話や痛い話が苦手だったりするのは克服できなかったんだけどな・・・」


    「澪・・・」

    「変わろうと思っても、完全には変われなかった・・・」

    「私って、ダメなやつだよな・・・」


    「・・・いや、澪は十分変わったよ」

    「運動もできるようになったし、家事もこなせるし・・・」

    「私なんて、もう不要なんじゃないのかな・・・」

    340 = 40 :

    律がそんな事を思ってたなんて・・・

    意外だった。でも・・・!

    「そんな事ないよ・・・律は、私を孤独から解放してくれたヒーローなんだから・・・」

    「私の唯一無二の友達・・・いや、親友だから・・・」

    「これからも、ずっと一緒にいてくれる・・・?」


    「当たり前だろ!」


    341 = 40 :

    「じゃあ、私はリビングで寝るから」

    えっ・・・?

    律と一緒に寝たいなぁ・・・

    「・・・」ジーッ

    「?」

    「・・・一緒に寝てもいい?」

    「いいけど・・・私、寝相悪いぞ?」

    「別にいいよ、律と一緒がいいから・・・」


    「「おやすみー」」


    律と一緒のベッド・・・

    何だか、あったかい・・・


    翌朝、私が起きると・・・

    やはり、律はまだ寝ていた。

    342 = 40 :

    しかしいつまで経っても律が起きてこないので、無理矢理起こす事にした。

    「律!起きろ!」

    「う~ん、あと3時間・・・」ムニャムニャ・・・

    「早く起きろ!遅刻するぞ!」

    ゴチン!


    そして、中学校の入学式。

    律が寝坊したせいで遅刻しそうになったが、なんとか間に合った。


    その次は、入学式後のクラス分け発表。

    律と一緒じゃなかったら・・・どうしよう・・・


    「よかったぁ~! また律と一緒だよぉ~!」

    「でも、そろそろ別の友達も作らないと・・・」

    「律だけでいい!」

    「あのなぁ・・・」

    343 :

    かわ唯

    344 = 40 :

    教室に入ると、いきなり男子達が群がってきた。

    今までとは大違いだったので驚いた・・・なんで!?

    「ひぃぃっ!」

    「り、律! 助けてぇ~!」

    しかし、律は助けてくれなかった。

    私のあわてふためく姿を見て笑っていたに違いない。


    そのせいで、既に私はグダグダになっていた。

    「もう死にたい・・・」

    「死ぬな」


    そのあと自己紹介させられたような気もするが、頭の中が真っ白だったのでよく覚えていない。

    開始早々、今までとは別の意味で学校に来るのが嫌になった。

    345 = 40 :

    そんなある日、律がとあるライブのDVDを入手してきたので一緒にそれを見た。

    そうすると・・・

    「バンドやろうよバンド~!」

    ・・・予想通りの発言だ。

    「・・・」

    でも・・・面白いかもしれない。

    「はぁ・・・仕方ないな」


    そして、私達は楽器を買うために貯金を続け・・・

    半年後、ようやく楽器を手に入れた。

    「私がドラムで・・・澪がベースか」

    「ギターもキーボードもボーカルもいないじゃん・・・」

    「それに、ベースはまだしもドラムなんて誰に教わるんだ?」

    「ああ、それならマキちゃんに頼んであるから」

    「律のくせに用意周到だな」

    346 :

    347 = 40 :

    「バンドを組めるのは高校に入ってからかなぁ・・・」

    「でも、この辺で軽音部のある学校は桜高ぐらいしかないぞ?」

    「だったらそこに行けばいいじゃん」

    「あのなあ・・・」

    そのあと私が高校の偏差値表を見せたら、律は唖然としていた。

    それでも諦めたくないらしく、勉強を教えてくれと頼んできた。

    もちろん、律の事なので三日程でいつも通りに戻ったが。

    348 = 40 :

    そして、中3になると・・・

    「志望校どこにした?」

    「桜高」

    まだ諦めてなかったのか。

    「無理があるだろ・・・」

    「澪は私と同じ高校に行くのが嫌なのか!?」

    「そうじゃないけど・・・」

    「じゃあいいじゃん!」

    はぁ・・・私の仕事がまた一つ増えそうだ。

    「だったら今日から猛勉強だな!」

    「え~・・・」

    「私が教えてやるから・・・」

    「さっすが澪~!」

    349 = 40 :

    それから約一年間、律に勉強を教えながら自分も勉強し・・・

    ついに、運命の時がやってきた。

    合格発表の日だ。


    「・・・」ジーッ

    「・・・」ジーッ


    「あっ・・・あった・・・」

    「私も・・・」

    「合格だぁー!!」

    「良かった・・・」ホッ

    これからも、律と一緒にいられる・・・!

    ____
    ___
    __

    350 = 346 :


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