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    元スレ唯「おいたち!」

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    みんなの評価 : ★★
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    101 :

    この話が終わったらどさくさにまぎれてあずにゃんを抱きしめる

    102 :

    紫煙

    103 = 40 :

    ギタリスト妻「隣の部屋で誰かが泣いてる・・・(隣は梓ちゃんのいる部屋よね・・・?)」

    ギタリスト妻「入るわよー・・・」

    「!?」フキフキ

    ガチャッ

    「な、何ですか?」

    ギタリスト妻「さっき、泣いてたでしょ」

    「そ、そんな事ないです」

    ギタリスト妻「強がらなくていいのよ・・・」ダキッ

    「えっ・・・」

    いきなり抱き着かれた。 暖かい・・・

    ギタリスト妻「泣きたい時には泣きなさい、まだ子供なんだから・・・」ギュッ・・・

    今まで、人前ではずっと抑えていた感情が一気に溢れてくる。

    「う・・・、う・・・」グスッ

    「うわ~~~ん!」ポロポロ

    104 = 40 :

    「・・・」zzz・・・

    ギタリスト妻「寝ちゃったみたいね」

    ギタリスト「ああ」

    ギタリスト妻「・・・で、さっきの話なんだけど・・・」

    ギタリスト「もう決めたよ、梓ちゃんの寝顔を見てごらん」

    ギタリスト「この娘の幸せそうな顔・・・久しぶりに見た気がする」

    ギタリスト「僕達が親になる事でこの娘が幸せになれるのなら・・・」

    ギタリスト「それは当然、実行すべきだと思うんだ・・・」

    106 = 40 :

    斎藤「・・・一人の人間として、」

    斎藤「あの娘を救って差し上げよう」

    カチャッ・・・


    次の日、私はマンション側から賃貸契約を破棄された。

    なので、とりあえずギタリストさんの家に居候する事になった。

    そして、もう一つ重大な知らせ。

    仮釈放中だった私の母が、何者かに射殺されたらしい。

    もしかしたら、父を消してくれたあの人が私のために・・・

    まあ、そんな訳はないだろうけど。


    数日後、ギタリストさん夫妻が引っ越しをするという事なので私もそれに従って転校する事になった。

    引っ越し先は・・・桜ヶ丘。

    私が学校に行っている間、ギタリストさん夫妻は先に向かっていろいろとやってくれているらしい。

    107 = 40 :

    やっと学校が終わった。

    今日でイジメから解放されると思うと、イジメられるのもあまり気にならなかった。

    タクシーでも呼んで、早く行こう。


    運転手「お嬢ちゃん、随分とご機嫌だねぇ」

    「そ、そんな事・・・ありますね」


    運転手「ほら、到着したよ・・・じゃあな」

    ここが・・・桜ヶ丘・・・

    ここが・・・私の新しい家・・・

    ギタリスト「お、やっと来たか」

    ギタリスト妻「ウフフ」

    「?」

    ギタリスト「今日は梓ちゃんにプレゼントがあります!」

    ギタリスト妻「はい、コレよ」

    108 = 40 :

    「コレって・・・新しいギター・・・!?」

    ギタリスト「フェンダー・ジャパン・ムスタングだよ」

    「でも・・・どうして突然?」

    ギタリスト「それは・・・今日が記念日だからだよ」

    「引っ越しの?」

    ギタリスト「梓ちゃんが僕達の娘になった記念日」

    「え?」

    ギタリスト妻「だから、今日からあなたの名前は中野梓ちゃんよ♪」

    「まさか・・・本当に養子縁組を・・・」

    ギタリスト「YES」

    「冗談だと思ってたんですけど・・・」

    ギタリスト妻「本気よ」

    109 :

    よかったね、あずにゃん…

    110 = 40 :

    「だって、あの時・・・」

    _
    __
    ___

    ギタリスト「梓ちゃん」

    「何ですか?」

    ギタリスト「僕達の養子にならない?」

    「突然凄い事を言いますね」

    ギタリスト「ダメか?」

    「別に・・・いいですけど・・・」

    ___
    __
    _

    ギタリスト「ああ、そんなんだったっけ? ごめんな~」

    「適当なのにも程がありますよ」

    111 = 40 :

    ギタリスト「とにかく、今からは僕が梓ちゃんのお父さんで」

    ギタリスト妻「私がお母さんよ♪」

    「お父さん・・・お母さん・・・?」

    新父母「その通り!」

    「じゃあ、私からも一言・・・」

    「もう家族なんだから、呼び捨てで梓って呼んでね?」

    ____
    ___
    __

    112 = 40 :

    「・・・っていう感じですね」

    「なあ、梓?」

    「はい?」

    「その斎藤さんって人との事は喋ったらまずいんじゃないか?」

    「確かに、ずっとそう思ってたんですけど・・・軽音部の中でなら大丈夫かなって・・・」チラッ

    「?」


    『電話帳』
    0000 中野 梓
    0001 お父さん
    0002 お母さん
    0003 唯センパイ
    0004 澪センパイ
    0005 ムギセンパイ
    0006 律センパイ
    0007 憂
    0008 純


    梓編おわり

    113 :

    よっつんばいならぬ乙んばい

    114 = 40 :

    残るは、澪編・律編・紬編・憂編です

    保守

    116 = 40 :

    次の日

    「さて・・・残るは澪先輩、律先輩、ムギ先輩の三人ですね」

    「さあ、白状するんだぁ~」

    「道連れにしたいだけだろ」

    「カツ丼用意しなきゃ!」

    「いや、わざわざ用意しなくていいから」

    「じゃあ、今日は・・・」

    >>117
    1澪
    2律
    3紬

    118 :

    むぎゅううううううう

    119 = 40 :

    「ムギ先輩の番です!」

    「えっ・・・?」ポカーン

    「おい」

    「・・・企業秘密だらけなのでノーコメントでお願いします」スタスタ

    「逃がさんぞ、ムギ~!」

    「大丈夫だよ~、バラしたりしないよ~」

    「・・・」

    「・・・じゃあ話すわ♪」ニコッ

    120 = 40 :

    __
    ___
    ____

    昔、日本には二つの大企業があった。

    一つ目は現在、世界最大の企業として君臨している琴吹グループ。

    二つ目は、これから話す一連の事件で滅亡した紫合グループ。

    私は前者、琴吹グループの一人娘として生まれた。

    大企業の一人娘というと親子関係は最悪で、外界から隔離されるイメージがあるかもしれないが、琴吹グループでは前者に関してはなかった。

    常に紫合グループの刺客に狙われていたので、後者はやむを得ない事だったが・・・

    なので必然的に家の中で暮らし、学校等へは行かなかった。

    もちろん家庭教師を呼ぶ事になるのだが、呼ぶ家庭教師は私が選んでいた。

    選ぶ基準はただ一つ、面白いかどうか。

    121 = 52 :

    憂編早くみたいわああ

    122 = 113 :

    >>121
    >>1のクオリティを下げかねんから黙ってろ

    124 = 40 :

    そして、私が10歳になった時。

    ついに学校へ行く事を許可された。

    覆面パトカーならぬ覆面SPが厳重に警備をしてたんだろうけど。


    初めての学校・・・初めての教室・・・緊張するなぁ

    担任「今日からみんなと一緒に勉強する事になった、琴吹紬さんです」

    「よ、よろひくお願いしましゅ・・・」

    か、噛んじゃった・・・

    125 = 123 :

    ろりむぎちゃんマジ天使

    126 = 40 :

    そうすると、クラスのみんなは一斉に笑い出す。

    でもそれは純粋な笑いであって、冷淡な嘲笑ではない。

    ちゃんと、クラスの一員になれた気がする・・・

    そう思っていられたのは、給食の前までだった。

    給食の時、当番の人が間違ってスープをこぼしてしまい、それが私にかかった。

    その時、周りから聞こえてきたのは・・・

    「あ~あ、あいつ終わったな」ボソボソ
    「あいつのお父さんの会社、明日には潰れてるぞ」ボソボソ
    「家が差し押さえられるかもしれないな」ボソボソ

    そして、その子はひたすら謝り続けた。

    土下座して、頭を何度も何度も床に叩き付けて・・・

    私は頭が真っ白になった。

    127 = 40 :

    みんなは私を受け入れている訳ではなく、恐れているだけだった。

    琴吹グループの一人娘である自分を・・・

    それでも私は、心の底から信頼し合える友達を作ろうと努力した。

    「ねぇ、一緒に遊ぼうよ♪」ニコニコ

    「あ、忘れ物!(棒読み)」スタスタ・・・

    「・・・」シュン


    「あ、私も入れて!」

    子数人「「「「あ、忘れ物!(棒読み)」」」」スタスタ

    「・・・」シュン

    でも、できなかった。

    頑張って仲良くしようと他の子に近づいても、まるでテンプレでもあるかのように、みんなが同じようなフレーズを棒読みして私から逃げていく。

    せっかく学校に来たのに、これじゃあ家にいた時と変わらない。

    128 = 40 :

    夕食のため、今から1時間程抜けます

    保守

    129 = 115 :

    むぎゅううううう・・・

    130 = 115 :

    保守のカービィ

    131 :

    保守



    規制ぬけたぁぁあ!!

    132 :

    むぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ

    133 = 40 :

    放課後になると、斎藤がリムジンで迎えに来た。

    斎藤「紬お嬢様、どうかなさいましたか?」

    「もう学校行かない・・・」

    斎藤「(今朝行く前はあんなに楽しみにしておられたのに・・・)学校で何かありましたか?」

    「・・・」

    斎藤「邪魔な人間がいればいつでも抹殺いたしますが・・・」

    「・・・・・・やめて」

    斎藤「・・・?」

    「そういうのは・・・やめて・・・」グスッ

    斎藤「!?」

    「斎藤やパパがそういうことをするから、みんな怖がって私と仲良くしてくれないんだよ・・・」ポロポロ

    斎藤「ならば全校生徒に圧力をかk」

    「もういいよ・・・」

    「私が学校なんて行かなければいいだけだから・・・」

    134 = 40 :

    「・・・」

    コンコン

    斎藤「紬お嬢様、夕食の時間でございます」

    「いらない・・・」

    学校から帰ってきてからずっと、自分の部屋に引き込もっていた。

    もうこんな家は嫌だ。

    何で私はこんな家に生まれてきてしまったのだろうか・・・


    窓から外を見ると、友達同士で仲良くしている子供達が見えた。

    私だってみんなと仲良くしたい。

    でも、みんなは琴吹の名を恐れて私を避ける・・・


    ・・・そうだ、家出しよう。


    135 = 88 :

    しえむ

    136 = 40 :

    「斎藤、ちょっと来て・・・」

    斎藤「何でございましょうか?」

    私は、斎藤に家出したいという事を伝えた。

    「二人だけの秘密だからね・・・」

    斎藤「承知いたしました、できる限り協力させていただきます」

    その日の夜、私は斎藤に案内されて裏口から家を出た。

    私の家ってこんなに広かったんだなぁ・・・

    斎藤「私が手助けできるのはここまででございます、どうか御無事で・・・」

    ここからは私一人の単独行動だ。

    137 = 40 :

    とりあえず、家から離れよう。

    数分程歩いていると、駅が見えた。

    駅のタクシー乗り場でタクシーに乗ろう。

    運転手「どこまで行きますか?」

    珍しい事に、運転手は女性だった。

    「運転手さんのオススメの場所・・・」

    運転手「ちょっと遠いので高速を利用しますが、それでもいいですか?」

    「大丈夫です、お金はあるから・・・」


    運転手「あーあ・・・凄い渋滞ですねぇ」

    トラックの爆発事故の影響で、大渋滞になっていた。

    時計を見ると、もう夜の10時だ。


    運転手「ふぅ・・・やっと高速を抜けましたよ・・・」

    「・・・」zzz・・・

    運転手「寝ちゃってますね・・・」

    138 = 99 :

    運転手が女でよかった

    139 :

    斎藤が手回ししてそう

    140 = 40 :

    朝になって私が目を覚ますと、運転手さんがおはようと言ってくれた。

    ずっと起きるのを待っていてくれたらしい。

    既に目的地らしき場所には到着していた。

    「桜ヶ丘女子高等学校・・・?」

    運転手「ここは、私の母校なんですよ」

    運転手「人生の中で一番楽しかった三年間をここで過ごしたんです」

    運転手「今日は確か学園祭の日だったので、思う存分楽しんできてください!」

    141 = 40 :

    私がゲートをくぐると、一斉にクラッカーが炸裂した。

    「「「おめでとうございます!あなたが今年度桜高祭お客様第一号です!」」」

    「・・・?」

    「お名前は?」

    「琴吹紬です・・・」

    「今年度桜高祭お客様第一号は琴吹紬さんに決定しました~!」

    ワーワー!
    パチパチパチパチ!

    「今年度の特別賞は・・・」

    「軽音部の特別ライブでーす!

    ワーワー!
    パチパチパチパチ!

    「けいおんぶ・・・?」

    「では、演奏スタート!」

    142 = 101 :

    欝なのに良い話…

    ふしぎ!

    143 = 40 :

    宝箱に詰めてたアレコレ 小さいもの
    いつなくしたか どこかへまるっと消えたけど
    ビーズ チャーム キャンドル リボン シャボン クローバー
    でもね ほんとの宝箱は胸にあったんだ
    みんなのそばで 消えない宝 知ったみたい
    おかしい たのしい うれしい おいしい かわいい いとしい

    慈しむってこういうことかな 1日が 毎日が
    早送りで過ぎてくの なんか もったいないくせに明日も待ち遠しい

    このままでいいよ このままがいいよ
    好きな歌うたって みんなとお茶でホッとして
    宝物の日々 まばゆく光る日々
    ハートの五線譜に書いてある 無数のリフマーク
    大きな声で伝え合ってゆこう・・・しあわせ!!

    144 = 40 :

    「以上、軽音部の演奏でした~!」

    ワーワー!
    パチパチパチパチ!

    演奏を聞いて、何か不思議な感じがした。

    これが感動するっていう事なのかな・・・?

    「琴吹紬さん、いかがでしたか?」

    「えっと・・・とても、感動しました」

    この高校の人達は、私が琴吹の人間だと知っても、何ら変わりなく接してくれる・・・

    高校はここがいいなぁ・・・

    「私も将来、ここに入学したいです!」

    ワーワー!
    パチパチパチパチ!


    斎藤「紬お嬢様が望んでいたのはこういう事だったのですね・・・」

    「私は間違っていたようだ・・・」

    145 = 40 :

    その後、私は桜高祭を思う存分楽しんだ。

    お化け屋敷や喫茶店、演劇などいろいろなものがあり、とても面白かった。

    家でのパーティーなんか、いらないと思う程だ。

    そして楽しんだのはいいものの、泊まる場所がない事に気付いた。

    どこかにホテルはないかと歩き回っているうちに、どんどん暗くなってきてしまった。

    そんな時、一人のおばあさんが声をかけてきた。

    「お嬢ちゃん、夜にこんなところを歩き回ってどうしたんだい?」

    「泊まる場所がないんです・・・」

    「あらまあ、じゃあ今日は私の家に泊まっていきなさい!」

    「えっ・・・でも・・・」

    「いいのよ、ところでお名前は?」

    「琴吹紬です・・・」

    とみ「ああ、私は一文字とみって言うのよ、よろしくね」

    146 = 40 :

    とみ「さあさあ、どんどん食べていいのよ」

    「いただきます・・・」

    こういうご飯を食べるのは、初めてだった。

    「美味しい・・・!」

    これが・・・家庭の味なのかな?


    とみ「お風呂入っていいわよ~」

    「あっ・・・、はい」

    「暖かい・・・」


    とみ「それじゃあ寝ましょうね」

    「おやすみなさい・・・」

    どうして、ここの人達は私が琴吹の人間だと知っても逃げないんだろう。

    どうして、こんなに親切なんだろう。

    桜ヶ丘って、いい町だなぁ・・・

    そんな事を考えているうちに、私は眠っていた。

    147 :

    「どすこいって言ってみてよ~」

    「はぁ~どすこい、どすこい!」

    「オイたちは~…」

    「おいたち!」

    148 = 40 :

    「う~ん・・・」

    とみ「あら、起きたのね」

    とみ「朝ご飯を作るから、ちょっと待っててね」


    とみ「じゃあ・・・」

    とみ「いただきます!」


    「一晩お世話になりました」

    とみ「もう帰っちゃうのかい?」

    「はい」

    とみ「気をつけて帰るのよ」


    その日、私は久しぶりに家に帰った。

    たった一日だけど、とても充実していた家出の旅だった。

    149 = 40 :

    私は家に帰ったあと、父に私の思いを伝えた。

    桜ヶ丘に住んであの高校に進学したいと、もう権力や財力を乱用するのはやめて欲しいと。

    何故か父は、それをすんなり受け入れてくれた。

    何かあったのだろうか?


    翌月、私達一家は桜ヶ丘に家を建て、そこに引っ越す事を決定した。

    家を建てるのに一年半ぐらいかかったので、桜ヶ丘に引っ越すのは中学生になる直前になった。

    しかしこの時、私は知らなかった。

    紫合グループの本当の恐ろしさを・・・

    紬編第一部おわり

    150 = 40 :

    すいません、紬編は二部構成にしたいと思います・・・

    あと、トリップ付けました


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