のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:126,330,208人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報
    VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。

    元スレ唯「ムギちゃんのはつこい」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - けいおん! + - ヘテロ(NL) + - + - 完結 + - + - 琴吹紬 + - 百合 + - 神スレ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    1 :

    「さ、今日も練習するぞ」

    「えーもうちょっとだけお茶してようよー」

    「ばか、学園祭もうすぐだろ。
      今練習しないでどうすんだよ」

    「いーじゃんちょっとくらいー。
      ムギちゃーん、紅茶おかわりー」

    「……」

    「ムギちゃーん」

    「……」

    「ムギちゃん?」

    2 :

    ムギちゃんはしつこいに見えた

    3 :

    「ムギちゃんのはっこつに」見えた

    5 = 1 :

    「……」

    「ムギちゃん!」ゆさゆさ

    「はっ! な、何かしら?」

    「それはこっちのセリフだよ。
      ボーッとしちゃって、どうしたの?」

    「あ、ボーッとしちゃってた……?」

    「してたよー、すごくしてた。
      何度呼んでも返事ないんだもん」

    「あら、そう……ごめんなさい。
      それで、私を呼んだ用件は何?」

    「練習しようって言ってたんだ」

    「ああそうね、そろそろしなきゃね」

    「うぉい」

    6 = 1 :

    「よし、じゃあ始めるぞっ」

    「はーい」

    「いいわよ」

    「いくぞー、ワンツースリフォー」

    ジャカジャカージャッカジャカジャカジャカジャカ

    (……あれ?)

    (なんか……)

    (……変?)

    ジャーン♪

    9 = 1 :

    「……」

    「……」

    「……」

    「? どうしたの?」

    「うーん、ムギ……
      キーボードの音、だいぶずれてたぞ」

    「え、ほ、ホントに? ごめんなさい……」

    「いやそんな謝んなくてもいいけどさ」

    「でも珍しいな、ムギがこんなミスするなんて」

    「具合悪いんじゃない?
      さっきもボーッとしてたし……」

    「う、ううん、大丈夫……」

    「無理することないぞ、
      体調悪いんなら遠慮なく休んでくれていいんだから」

    「ほ、ほんとに大丈夫だから! もう一回やろ、もう一回」

    「え、うん……」

    10 :

    なんだ俺か

    11 = 1 :

    しかしその日の演奏は散々なままで終わった。

    「……ごめんなさい」

    「いいっていいって、今日はたまたま調子が出なかっただけだろ。
      また今度、いつもみたいに上手くやってくれればいいから」

    「……うん」

    「澪ってムギには甘いよな、
      私達の時はすげえ怒るクセに」

    「日頃の行いの差じゃない?
      ていうか『達』ってどういう意味」

    「あ、私、戸締りしとくから……
      みんなは先に帰ってていいわよ」

    「え、ああ、うん」

    「えー、ムギちゃんも一緒に帰ろうよー」

    「……ばか、ここは独りにさせてやれ」

    「じゃあな、ムギ」

    「うん……また明日」

    12 :

    「じゃあ唯ちゃん一緒に帰ろうか」

    13 = 1 :

    帰り道。

    「今日のムギちゃん、おかしかったね」

    「ああ、そうだなあ」

    「体調悪いようには見えなかったけど……」

    「とすると、なんか悩みでもあるのか」

    「悩みかー……」

    「でもムギに悩みごとなんて想像できねえな」

    「それはムギに失礼だ……」

    「もし悩みがあるとしたらさ、どんな悩みなんだろ」

    「うーん……家のこととか?」

    「あー、金持ちの家って複雑そうだよなー」

    「成績が落ちたとか」

    「それはないだろ、この前のテストでもクラスで上位だったし」

    14 :

    続けたまえ

    15 = 1 :

    「また太っちゃったとか」

    「そう? 別に太ったようには見えないけど」

    「外見からは分からなくても、
      1つ2つの数値の上下には過敏に反応してしまうのさ」

    「そうか……それがストレスになって……
      太るのを気にするあまり食生活が乱れ……
      そして摂食障害……入院……退学……」

    「いきなり話が飛躍したな、
      ていうか真面目に考えろ」

    「考えろっつってもなあ」

    「ムギちゃんから直接聞かないことには分かんないよ」

    「まあ、そうだけどさ……」

    「みんなーっ!」たったった

    「あ、ムギちゃん」

    「噂をすれば……」

    16 = 1 :

    「はあはあ……唯ちゃん、これ」

    「あ、携帯!」

    「部室に忘れてたわよ」

    「ほんと? ありがとう、ムギちゃん!」

    「ううん、いいの。気にしないで」

    (さっきの話は今はしないほうがいいな)

    「なあムギ、なんか悩みごt」

    「オラァ!!」ボカッ

    「ゲフッ」

    「? なあに?」

    「いやーなんでもないなんでもない……
      そうだ本屋寄ってかない? 本屋」

    「お、いいね。確か今日は女性自身の発売日だし」

    「そんなん読んでんのかよ」

    「憂がね」

    「……」

    17 :

    安易な百合にしないでね

    18 :

    えっ百合?

    19 :

    えっ百合じゃないの?

    20 = 1 :

    本屋。

    「澪は何買うんだ」

    「好きな作家の新刊が出ててさ、それをね」

    「へえ」

    「あー、あったあった」

    「ほう、タイトルは……『16歳のはつこい』……
      いやあいかにも澪が好きそうな」

    「う、うるさい……! いいだろ別に」

    「……」

    「ん? ムギ?」

    「……」

    「またボーッとしてら……おい、ムギ」

    「……はっ!」

    21 = 1 :

    「どうしたんだよ、またボーッとしてたぞ」

    「そ、そうだったかしら、ごめんなさい……
      それよりこれ、素敵なタイトルの本ね。
      私も買おうかしら」

    「おお、ムギも澪ワールドにハマるか」

    「なんだ澪ワールドって。
      ていうかムギも恋愛小説とか好きなんだな」

    「好きっていうか、その……
      いいかな、って思って」

    「ふうん」

    「ところで唯はどこいった」

    「女性自身買ってんじゃないか?
      ……ん?」

    「……」

    手に取ったハードカバーの表紙をじっと見つめる紬。
    澪にはその紬の表情が、何か普通ではないように見えて……。

    「…………」

    22 = 12 :

    恋ですね

    23 = 18 :

    これは男

    24 :

    気持ちはうれしいけどまじで困る
    いくら金を積まれても流石に無理だわ…

    25 = 1 :

    「あ、みんないた」

    「買ったのか、女性自身」

    「うん」

    「憂ちゃん、そういうの好きなんだな……」

    「そうなんだよねー。
      休日なんかはお煎餅かじりながら
      楽しそうにワイドショーの芸能コーナー見てるよ」

    「憂ちゃんの育てかたを見直した方がいいぞ」

    「じゃあ、私達も会計済ませるか」

    「え、あ、そうね……」

    「りっちゃんは何も買わないの?」

    「私はいいや。お金ないし」

    「ふうん」

    その日、3人は本を買い、
    あとは何ごともなくそれぞれの家路についた。

    26 = 1 :

    翌日、放課後。

    ガチャ
    「ちょりーっす」

    「おう」

    「うぃーっす」

    「ムギちゃんはまだ来てないの」

    「うん、まだ」

    「そういえばさ、
      昨日のムギちゃんなんか変だったけど、
      どうだった? 今日は」

    澪と律と紬は3人とも同じクラス(1年2組)である。

    「今日は今日でまた……なあ」

    「え? ああ」

    「えーなになに?」

    27 :

    もしもしは気持ち悪い奴ばっかだな

    28 = 1 :

    「昨日ムギが私と同じ小説買ったんだよ。
      で、今日は一日中、それを貪るように読んでた。
      授業中も、休み時間も」

    「へえ~」

    「それはそんなに熱中するような本なのか?」

    「いや、私もまだ最初の方しか読んでないし……
      ていうか熱中するかどうかは人それぞれじゃない?」

    「ふうん……で、それどういう小説なの?」

    「16歳の女子高生の、初々しい初恋を描いた小説だよ。
      引っ込み思案な少女のひたむきな片想いの話……って
      あらすじには書いてあった」

    「ほう」

    「ボーッとしてて、演奏も手につかない……
      恋愛小説……片想い……
      それに熱中するムギちゃん……
      もはや導き出される答えはひとつ!!」

    「いや唯、それは私も考えたけど……短絡的すぎるぞ」

    「そうかなあ、これ以外ないと思うけど」

    29 = 1 :

    「何にせよ、ムギの口から直接聞かないことにはさ……」

    「んー、そっか」

    「なあなあなんだよ、
      何を2人で分かった気になってるんだよ、
      教えてくれよ」

    「落ち着け」

    「でも、どうやって聞き出す?」

    「うーん……」

    ガチャ
    「遅れてごめんなさい!」

    「あ、きた」

    「よ、よう」

    「今お茶の用意するわね♪」

    「……なんかゴキゲンだね」

    「……」

    30 = 1 :

    「そうだわ澪ちゃん、この小説とっても面白かった」

    紬はカバンから例の小説を取り出した。

    「ああ……今日一日中それ読んでたよな」

    「うん、読み出したら止まらなくなっちゃって……
      なんていうのかな、
      主人公の気持ちに共感できることばっかりで」

    (共感……)

    「片想いの切ない気持ちがすっごくリアルで」

    (切ない……)

    「最後、想い人と結ばれたときは私まで幸せな気分になったわ」

    「幸せ……ていうかオチを言うな!
      私まだ読んでないのに」

    「あ、ご、ご、ごめんなさい!
      私ったらついテンションが上がっちゃってうっかり……」

    「ああ、いやまあ、いいんだけどね……」

    31 = 8 :

    支援ぬ

    32 = 1 :

    「…………ああ、そういうことか」

    「? なあに?」

    「ムギ、好きな人いるんだろ!」

    「こら――――っ!!」

    「え? え? 好きな人……!?」

    「あ、ち、違うんだ! 唯に好きな人がいて、な、唯!」

    「え、ああああ、うん、そうなんだ! 実はね!」

    「へえ、そうなの」

    「それで、澪ちゃんに色々とアドバイスもらってたとこなんだー、
      あはははは……」

    「へえー」

    「律……ちょっとこっちに来なさい」

    「はい……」

    33 = 1 :

    音楽室の隅っこ。

    「おい……あんなダイレクトに聞いたらダメだろ」

    「でもそれが一番手っ取り早いじゃん!」

    「台無しになっちゃうだろ、色々と」

    「何がだよ、気にしすぎだよ」

    「おまえが気にしなすぎるんだよ」




    「あの二人は何を話しているのかしら」

    「さ、さあ……」

    「ところで、唯ちゃんの好きな人って誰なの?」

    「え、えーと……えー……
      ちゅ、中学の時に同じクラスだった人で……」

    「へえ」

    34 :

    スレタイが「むぎちゃんはしつこい」に見えて仕方がない

    36 = 12 :

    唯ちゃん僕のことが好きなんだね
    相思相愛で嬉しいよ!!

    37 = 1 :

    「い、今は別の高校でサッカーやってて……」

    「その人とは仲が良いの?」

    「う、うーん……電話とかメールとかしたり……
      あとサッカーの試合観に行ったりとかして……」

    「そうなんだ。
      付き合ったりとかはしないの?」

    「それを澪ちゃんに相談してたとこだよ、うん」

    「あら、そうだったの」

    「でもムギちゃんがこんな話に乗ってくるなんて珍しいね。
      まあ興味あるか~、高校生なら誰でも」

    「え、あ、うん、そうね……」もじもじ

    「……?」

    「興味あるっていうか~、その、……」

    「もしかしてムギちゃん……」

    「……」

    38 :

    なんだこの漠然とした口調の違和感…

    40 = 1 :

    「ははーん」

    「……、……」

    「ムギちゃんも好きな人がいたりして……?」

    「…………」もじもじ

    「誰にも言わないから教えて、ね、ね」

    「でもそんな……いない、いないわよ、うん」

    「ウソだー、絶対いるでしょー……」

    「いないってばあ……」

    「誰にも言わないからさ……
      いるかいないかだけ教えて!
      それ以上は突っ込まないから!」

    「ええ……」

    「いる?」

    「……」

    「いるんだよね?」

    「……………………」こくん

    41 = 24 :

    俺だったら嫌だなあ…(チラッ

    42 = 1 :

    「!!!!」

    「だ、誰にも言わないでね……」

    「う、うん……安心して」
     (まさかホントにいるとは思わなかった……)

    「絶対秘密よ、ねっ」

    「うん、大丈夫。私、口は堅いから」

    「そう、ならいいんだけど……」

    「恋に悩んだときはいつでも言ってね、
      相談くらいなら乗るから」

    「う、うん……ありがとう」





    「あの二人は何を話しているんだろ」

    「よくは分からないけど
      問題の確信に迫るような会話をしている気がする」

    43 = 1 :

    「……」チラチラッ


    「唯のアイコンタクト……」

    「そろそろテーブルに戻るか……」



    「よ、よう、何の話してたんだ」

    「なんでもないよー、ね、ムギちゃん」

    「ええ、なんでもないわ。
      りっちゃんと澪ちゃんこそ、隅っこで何の話してたの?」

    「こっちこそ何でもないよ」

    「アヤシイね」

    「なんでもいいだろ、じゃあ早く練習するぞ」

    「ふぇーい」

    「あ、ごめんなさい、私その前にお手洗いに……」

    「おう」

    「すぐ戻るから……」
    ガチャ

    44 = 1 :

    「……」

    「……」

    「……で?」

    「ムギちゃん、好きな人いるんだって」

    「おお、やっぱりか」

    「でもそれ以上のことは分からないよ」

    「いや、それだけでも大手柄だ、唯。
      ムギが悩んでたっぽいのはこのことで決まりだな」

    「いやあ、でもムギがねえ、片想いねえ」

    「想像もつかないな……相手が誰なのか」

    「うーん……女子校だから男の人とは縁遠いはずなんだけど」

    「校内で男っつったら」

    「教師?」

    45 = 1 :

    「男の教師といえば……」

    「古典の豊崎先生、物理の日笠先生、英語の佐藤先生、
      数学の竹達先生……あとは~」

    「オッサン教師ばっかじゃん」

    「流石に恋愛対象には……」

    「あ、生物の米澤先生は?」

    「えー、あの人は若いけど……
      なんかみんなから嫌われてんじゃん。
      生徒のこと変な目で見たりさ」

    「うーん、じゃあダメか」

    「いや……ムギのやつ、マゾっ気があるから……
      米澤から変な視線を送られているうち、それが快感に変わり、
      恋が芽生え……」

    「嫌すぎるわ」

    46 = 24 :

    やる夫かと思ったら佐藤先生だった…

    47 = 8 :

    さるよけ支援

    48 = 1 :

    「うーん……あ」

    「なんだ?」

    「いやあ……
      ムギちゃんって女の子同士の恋愛が好きだから……
      そのー」

    「ムギ自身も女の子が好き……ってことか?」

    「考えられない?」

    「可能性としちゃ捨てきれないけど……
      同性を好きだった場合、相手は誰になるんだろうな」

    「……」

    「……」

    「?」

    「……」

    「……」

    「え、私!?」


    1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - けいおん! + - ヘテロ(NL) + - + - 完結 + - + - 琴吹紬 + - 百合 + - 神スレ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について