元スレ妹「おにいちゃん、なんか最近冷たいかも…」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
201 = 1 :
なんで、バカなんだろう。
僕という、兄は。
こんな簡単なことなのに、妹を一人にさせて寂しい思いをさせてきた。
兄「…帰ろう」
妹「ぇ…?」
果たして、どこに?
多分、それは僕の居るべき場所なんだろう。
そっと頭を撫でて…
妹「…えへへ」
手を繋いで、帰った。
202 :
おい・・・ついたぁ!!!
203 = 1 :
妹「~♪」
妹の部屋に帰ると、妹は鼻歌を歌いながら机に向かっていた。
兄「何やってんだ?」
妹「んー?日記書いてるのぉ」
ああ、そうだっけ…。
そういえばそんなこと言ってたな。
妹「……」
兄「どうした?」
妹はずっと黙っていて、どうやら困っていた様子だった。
妹「み、みないでぇ!」
肩に置いた手を、妹が手で振り払った。
205 = 1 :
兄「お、おい…どうしたんだよ」
妹「ごっ、ごめんなさい…。日記みられると思って…」
兄「いや、見ないから大丈夫だよ」
妹「う、うん」
…なんだ?
こんなことで、ここまで必死になるような子じゃなかったはずだ。
いったい、どうしたというのだろう。
206 = 1 :
…っ。
(…まさか)
兄「…なあ、妹」
妹「なぁに?」
兄「今日のこと、ちゃんと覚えてるか?」
妹「……」
兄「悪いけど、日記帳…見せてくれないかな」
妹「…ん」
そして、妹が見せてくれたページは…
真っ白だった。
207 = 1 :
兄「どうして…」
妹「…ごめんなさい」
兄「…日記、書けないのか…」
妹「……」
その場で、うな垂れるように妹が頷いた。
妹「ねぇ…どうしよう…おにいちゃん…」
兄「大丈夫、お兄ちゃんがついてるから…」
妹「…ん」
その場で妹を抱き寄せた。
“僕がついているから”
しかしそんなところで、どうにもならないわけで…。
209 = 1 :
兄「あの、さ。明日…病院いこうか」
妹「え…病院? やだぁ!!」
大きな声言った。
部屋が揺れるくらいの、大きな声。
兄「ど、どうして?」
妹「病院は…やだ…」
どうしてなのか、妹が病院を嫌っている。
毛嫌いするような子だったのだろうか。
213 = 159 :
どんどん展開が嫌な方向に・・・
214 = 1 :
兄「どうして嫌なんだ?」
妹「だって……」
そのまま、黙り込んでしまった。
兄「そうか…わかったよ」
妹に無理強いすることはできない。
そんなこと、したくはない。
かといって、記憶喪失の原因は分からないままだ。
(どうすればいいんだ…)
その後、夕飯を食べに妹を連れて1階に下りていった…。
215 = 1 :
母は帰ってこない。
仕事で遅くなるということで、ラップをかけた夕飯がテーブルにおいてあった。
妹「……」
黄色の星のマークがついた、僕が買ってやったノート。
妹はそれを大事そうに…しっかりと抱えていた。
兄「それ持ったままじゃ食べずらいだろ? ほら…」
妹「あっ…」
ノートを取り上げると、妹は泣きそうになってしまった。
兄「大丈夫…、ここに置いておくだけだから」
そう言うと、テーブルの上にそれを置く。
兄「さあ、食べよう」
妹「…うん」
216 = 1 :
妹「おにいちゃん…」
食事中、妹が小さな声で話しかけてきた。
妹「あたし…今日何してた?」
記憶がないから自分が何をしていたのか、それがわからないのだろう。
兄「…どこまで覚えてる?」
妹「えっと、…たぶん、朝家出た所まで…」
たしか、妹が学校に行く時だ。
217 = 1 :
兄「えっとな…、たしか僕が学校の帰りに、おまえが迎えに来て…」
妹「うん…」
兄「それから…」
――「あたし達は兄妹なのに…」
あの時の妹の言葉がふと頭を過ぎった。
妹「それから?」
兄「それから…、一緒に帰ったんだよ。おまえを手を繋いでな」
妹「へぇー、そっかあ…。えへへ…」
妹は嬉しそうに、照れるように笑った。
218 = 1 :
兄「…なぁ、後で散歩にでもいこうか」
妹「散歩…?」
兄「うん、たまには…さ。いいだろ?」
妹のために、何かをしてやりたかった。
強いて言えば、日記をかかせたかったんだ。
兄「ほら、近くに海あるだろ。海。そこにいこう」
妹「海って…、もう夜だよ?」
兄「大丈夫だ。泳ぐわけじゃないから…」
記憶を作ってやりたかった。
少しでも兄と居た時間を忘れないように、日記に記録させたかったのかもしれない。
219 = 64 :
紫煙
220 :
やった追いついた!
面白いッス!
支援ッス!
221 = 1 :
妹「うん、わかったぁ…」
.
.
.
食事を摂り終わり、着替えて家を出る支度をする。
兄「ほら、もう行くぞ。着替えたか?」
妹「ぇ…何が?」
兄「何って…、まさかおまえ…」
妹「――?」
妹は着替えてなかった。
どうやら、これから出かけることすら忘れてしまったように。
222 = 191 :
なぜか悲しくなってくる
223 = 105 :
おい
おい
224 = 159 :
どんどん症状が酷くなってきてる…
225 = 1 :
妹「おにいちゃん、どこか行くの?」
兄「あ、…ああ。おまえも一緒に来るか?」
妹「うんっ!行く」
無邪気な笑顔。
兄「じゃあ…ほら、着替えて支度しような…」
泣き出してしまいそうなのをこらえて、僕はそう言った。
そして妹が着替え終わり、部屋から出てきた。
.
.
.
226 :
く…くそう…
227 :
空白の日記帳は、妹の記憶を体現したものなのか
日付だけが記されて、他は空白なのを想像した・・・泣きそうだ
229 = 157 :
お、俺は信じているからな!
妹の記憶喪失はただの演技であり、ただ単純に兄に近づきたい、
兄に自分のことを想っていてほしいだけである、とな!
231 = 159 :
これはハッピーエンド…これはハッピーエンド…これは…
保守
232 = 1 :
兄「寒いか…?」
妹「んーんぅ…だいじょぶ。コートきてきたから」
兄「…行こう、か」
妹「うん…」
僕は夜の闇に向かい、歩いた。
小さな、妹の手を引きながら。
妹「……きれい」
夜空には満天の星――。
吐く息が、白く染まる。
兄「ああ…」
それはさながら、散らばった宝石のようで。
233 :
なんか急展開だな
234 = 1 :
黄色の日記帳を、大事に抱える妹。
本当に、大事そうに。
妹「ねぇ、どこに行くの…?」
兄「海だよ。きっと、星がよく見えるさ」
妹「…楽しみだね」
手を繋いで、僕たちは歩いた。
何時間経ったのだろう。
しばらく歩くと、視線の先には何もない場所がみえた。
真っ暗で、広漠とした砂浜。
兄「ほら、見えてきた」
妹「あれが…海?」
兄「うん…、夜だからあんまり見えないけど」
235 = 220 :
鬱だけは・・・・
236 = 1 :
僕たちは砂浜に座り込むと、夜空を見上げた
妹「……」
兄「……」
波の音を聴きながら、僕たちは黙ったままでいた。
目の前に広がる真っ暗な海。
月の光に照らされた海。
不思議な時間が流れる砂浜で、時を過ごす。
妹「ぁ……」
何かを思い出したかのように、妹はノートをパラパラとめくる。
妹「今度こそ書かなきゃ…」
兄「ああ、日記か…」
237 = 1 :
妹は可愛らしいシャーペンを取り出すと、ノートに書き始める。
妹「…ふふ」
書いている途中、笑いを漏らした。
いったい、どんなことを書いているのだろう。
少し気になってしまう。
だから、訊きたくもなった。
兄「どんなこと書いてるんだ?」
妹「んー? 内緒ぉ…」
そう言い、くすくすと笑う僕の妹。
ゆっくりと、ただ時間だけが流れていった。
238 = 1 :
妹「…書き終わったぁ」
妹はノートを閉じた。
そして――
妹「んぅ…」
妹が、僕の膝の上に寝転んだ。
兄「…ったく、甘えん坊め」
そういいつつも、妹の頭を優しく撫でている自分。
妹「甘えん坊じゃ……だめ?」
兄「……いいよ、別に」
妹「…んぅ」
背中を撫でると、心地よさそうな声を上げた。
240 = 1 :
妹「ねぇおにーちゃん」
兄「なんだ?」
妹「あたしのこと、好きー?」
兄「……ああ」
好き。
それはどう言った意味で?
家族として――
兄妹として――
あるいは、また別の意味で?
妹「じゃあ、ちゅーしよーよ」
兄「……は?」
どうやら、つまりこれはそういうことらしい。
241 = 180 :
発売してもおかしくないな
期待
242 :
追いついた。
―追いついた・・・。
243 = 1 :
兄「何言ってるか、分かってるのか?」
妹「だめ…?」
兄「ダメっていうか…」
困った。
どう対応していいのやら。
兄「おまえは、なんでしたいと思うんだ?」
妹「えー、だって好きだから」
好きだから。
だからキスをしたい。
ただ、好きといってもそれには色んな意味があるわけで。
244 = 154 :
俺の予想
妹は自分と兄が血のつながりがないことに気づいている
病気かなにかで妹が死に兄が日記をみて泣く
上はいいが下はダメ絶対
245 = 1 :
家族としての好意。
友達としての好意。
恋人としての好意。
兄「おまえは、僕のこと…いや、兄のことをどう思ってるんだ?」
妹「だからぁ、好き」
兄「いや、そうじゃなくて…家族だと思って好きだとか、恋人だと思って好きとか…いろいろあるだろ?」
妹「んー…、でも“好き”は“好き”でしょ?」
兄「…そうか」
思わず笑ってしまう――
…どうやら、こいつにとって『好き』というのは特別な意味を持ってなくて
ただ、単純に『好き』なんだ。
246 :
>>244
予想ってすげえ邪魔になるって知ってる?
247 :
もうハッピーでもバッドでもいい!
どっちでも受け入れられる気がする
248 :
絶対ハッピーエンドだよな絶対に
保守
249 = 159 :
>>244
何故書き込んだ。
250 = 1 :
兄だとか、家族だとかそんなものは関係なくて。
兄「わかったよ」
妹「…してくれるの?」
兄「いいよ。…でも、ほっぺにな」
妹「…うん」
――ちゅっ
そして膝の上で、僕は妹のほっぺにキスをした。
妹「……えへへ」
兄「満足か?」
妹「んー」
みんなの評価 : ★★
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