元スレ妹「おにいちゃん、なんか最近冷たいかも…」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
101 = 1 :
どうしてなのか、僕の妹は
他人の前ではいっつもこんな感じだった。
つまり、こいつは僕と母以外のだれとも話そうとしない――
それも、友人も承知している。
友人「ま、妹ちゃんによろしくな」
兄「ああ…、じゃまた学校で」
そう言うと、友人はその場から去っていった。
妹「……」
少し落ち込んだような様子で、妹は俯いた。
102 = 1 :
妹「……ごめんなさぃ」
なにを…。
兄「なんでおまえが謝るんだよ…。いいんだよ。そうしたいなら、無理に話さなくてもさ」
妹「うん…」
いったい、いつからこうなってしまったのか。
それすら、僕にもわからない。
そのままデパートを出て、僕たちは家に帰宅することにした。
.
.
.
104 = 1 :
夢。
夢をみていた。
おそらく、そう悪くはない夢だった。
お母さんと、お父さんと、出かけている時の夢だ――
手を繋いで、街を歩いていた。
そして、時が止まっていた。
道を行く人々は完全に静止していて、不気味は風景だ。
空は灰色で、地面は黒だか、白だか分からない色になっていて。
それでもお母さんとお父さんは、僕を連れて歩いてくれる。
それだけが、心の救いだった。
やがて、信号がみえてくる。
嫌な予感がした。
これから途轍もなく悲しいことが起きるような、そんな気がして。
105 :
>>100
わかってんじゃん
106 = 1 :
(いやだ…行きたくない)
2人の手を引くが、止まってくれやしない。
泣き叫んでも、2人の歩く足は止まらない。
(嫌だ……)
次第に青信号に変わり、僕は2人を繋いでいる手を離して――
そのまま硬直した。
右手からやってくる大きなトラック…
ああ…。そうか。これは…
なんて惨めな光景だろう。
これは、あのときの――
そして、両親が僕の方へ走り…
――僕を突き飛ばした。
そしてそのまま…
そのまま…?
107 :
白黒の夢はは正夢って聞いたような気がする
支援
108 = 1 :
兄「おはよう…」
妹「…だいじょうぶ? うなされてたみたい」
妹が、僕の手をさすっていた。
とても大事そうに、それが全てだと言わんばかりに。
兄「ん…」
妹「また、気分悪いの?」
兄「いや…大丈夫だ」
今回はやけにスッキリしすぎているような、そんな感じだ。
いったい何の夢をみていたのだろう。…思い出せない
妹「…………」
兄「ん…?」
なんだろう?
妹が、僕の顔を凝視している。
そして――
妹「…くす」
109 :
こんな妹欲しいです
110 = 1 :
(……?)
なんだろうか、先ほどの妹の笑い方は…。
そんなことを考えながら、目覚ましに顔を洗いにいこうと洗面所に向かった。
兄「……」
何だ…僕はいったいなんの夢をみたというのか。
鏡に映る、くしゃくしゃの泣き顔は、いったいだれのもの…?
真っ赤な目をして、情けなかった。
何を…悲しんでいるのだろう、僕は。
冷たい水で顔を洗うと、意識が鮮明になってくる。
今何時だろうか…? 眠りすぎたのか、随分サッパリしている。
111 = 1 :
心のモヤモヤとした感覚を振り払って、妹の部屋に戻った。
妹「おかえりー、お母さんがご飯できてるって」
兄「ああ、分かったよ」
妹「いこっ! おにいちゃん」
妹の後ろ続いて、部屋を出ようとする。
そこで、ふと思い出して妹を呼び止めた。
兄「そういえば、ちゃんと日記帳、机にしまったか?」
妹「え…? 日記帳? 何のこと?」
……ん?
112 = 105 :
欝はいらないぞ
114 = 109 :
心からハッピーエンドを願う
115 = 1 :
兄「今日、買ってやっただろ?雑貨屋で…」
妹「今日…?雑貨屋なんて行ったっけなぁ…?」
まさか…。
…よしてくれよ。
兄「ほらっ! ノートだよ…。黄色の、星のマークがついたやつ…」
妹「あたし、今日一日中どこにも出かけてないよ?」
(……そんな)
思わず、足が止まった。
気のような吐き気のような不快感な感覚が全身を駆け巡り、頭の中が真っ白に染まる。
妹「きゃっ…どうしたの」
気付けば、僕は妹の肩を両手で掴んでいた。
116 = 1 :
兄「思い出してくれっ、今日僕が床屋行った時にデパート行ったじゃないかっ」
妹「…ちょ、ちょっとまって。おにいちゃん…怖いよ」
どうしてこんなことになった?――
兄「探そう…」
妹「探すって…、これからご飯だよぉ?」
兄「…先に、行っててくれ」
妹「……うん」
もしこの世界に。
神様という存在がいるのならば。
教えて欲しい。
兄「あった…ノート。黄色の…」
どうして、妹にこんな酷い罰を与えたのか。
117 = 1 :
どうして、僕らだけ――
こんな目にあわなくちゃいけないのか。
兄「あったぞ! ほらっ!」
妹「…?」
母「どうしたの? 兄くん…」
何か悪いことをしましたか?――
兄「今日、一緒に買いに行ったノートだよ! 覚えてるだろっ?」
妹「…おにいちゃん…ごめんね、そんなノート覚えてない…」
どうして?――
兄「そんな…」
その場で、崩れそうになった。
母「兄くん、しっかりして。とりあえず、座りましょう?」
兄「は…はい」
118 = 1 :
.
.
.
夕食を食べた後、僕は妹を部屋に連れた。
兄「さっきはごめんな。脅かして」
妹「うん…おにいちゃん、本当に大丈夫?」
そして、今度は落ち着いて質問をしてみる。
兄「これ、覚えてるか?」
黄色のノートを渡すと、妹はパラパラとめくり――
妹「うーん…」
やはり答えは同じで、「わからない」の言葉しか帰ってこなかった。
119 = 1 :
兄「……」
どうすればいいのか。
分からなかった。ただ、頭の中が混乱していた。
(そうだ…)
兄「今日、床屋行ったの覚えてるか?」
妹「…んーん。あれ? でもお兄ちゃん髪切ったようにみえる…」
兄「そっか…」
――記憶喪失。
そんな、馬鹿な話があってたまるか。
今日、あんなに楽しそうにしていたのに…。
妹に、いったいなにが起きたというのか。
…ただ、不安だった。
120 :
追いついちまった
期待してるよ
121 = 64 :
うわああああああうああうあうああああああああああ!
ハッピーエンドにしてえぇぇえ!
122 = 1 :
妹「…ねぇ、おにーちゃん」
兄「…ん?」
妹「やっぱり、変だよ…何か」
兄「どうした? …言ってごらん」
妹「今日、一日中家に居たような気がするけど、その時の記憶がないの…」
兄「……」
妹「お兄ちゃんが居たのかどうか…、何してたのかも分からないよぉ…」
兄「……」
妹「ねぇ、怖いよ…。助けて、おにいちゃん…」
今にも泣きそうな、震えた声で言った。
.
.
.
124 = 1 :
その日の夜、僕たち兄妹は一緒のベッドで寝た…。
妹のことが心配だった。…なにより妹が僕と一緒に居たがったから。
妹「……ん」
ぎゅっと抱きしめた。
これまでにないくらい、気持ちを込めて…強く。
ただ、守りたかった。
この世界が、僕の妹から全てを奪ってしまう気がして。
家族を失って――今度は記憶?
…ふざけている。そんなこと、この僕が許してたまるか、
僕が、妹を守るんだ――
125 :
肉親が死んだ
記憶喪失
126 = 1 :
妹「…ねぇ…おにいちゃん」
兄「…なんだい?」
2人がウトウトとし始めた頃、妹の方から話しかけてきた。
妹「あれ、日記帳なんだよね…?」
兄「ああ」
妹「なら――書かなきゃ」
兄「何を…?」
決まっている。
妹「日記…だよ」
また、自分の記憶が消えない内に、記録しておく。
そうすることで、自分の知らない“昨日”が分かるから。
でも…。
兄「今日は、もう寝ないと…な?」
妹「ん、んぅ…」
127 = 1 :
妹「わかったぁ、今日は寝る…。明日、日記…つけるね」
眠たそうな声で、布団に潜り込んむ妹。
しばらくその背中をさすってやると、妹の可愛らしい寝息が聞こえてきた。
兄「……」
果たして、僕たちに明日はやってくるのだろうか。
不意に、そんな不安が襲ってきた。
もし妹が、明日になって目覚めて。
また記憶がなくなっていたら――
そうしたら、僕はどうなるのだろう。
妹はどうなるのだろう。
次第に、意識が薄れてくるのが分かった。
そして、僕はそのまま眠りにつく。
…ただ、明日を願って…。
129 = 1 :
――ちゃん
声が聞こえる。
――い…ちゃん
ああ…。
妹「おにいちゃんっ」
目覚めて最初に耳に入ってきたのは、僕のことを呼ぶ妹の声。
半身を起こすと、既に妹が起きていた。
兄「……っ」
僕は妹の顔や体をペタペタと触り始める。
妹「あは…っ、くすぐったいよぉ。」
兄「昨日の…」
妹「大丈夫、覚えてるから。昨日の夜のことも、日記のことも」
兄「……そうか」
…良かった。妹のその言葉に、安堵に包まれた。
130 = 120 :
俺は見てるぞ
131 = 1 :
妹「ねぇ、今日はどうするの…?」
兄「ああ、今日か…、今日は…」
壁にかかっているカレンダーを指さした。
妹「んぅ…?」
兄「今日、月曜だから…」
.
.
.
朝のホームルーム。
僕は妹の部屋を出て、一度帰宅し、支度して学校に行った。
友人「なぁ…」
すると前の席の友人が、話しかけてきた。
友人「おまえ、なんか顔色悪いぞ? 大丈夫か?」
132 = 1 :
すまない・・・おまいら。
絶賛昼夜逆転中の俺にとって、ここまで眠さ限界MACうのようだ・・・。
このまま落としてもらっても構わないが、残ってたら続き書きます。
落ちててもちゃんと保存してあるから冒頭から書き直します。
134 :
ほす
135 = 1 :
ほすありがとう。
いい感じに眠れそうだ、起きたら続き書くよ
愛してる
137 = 66 :
愛されても困るけど保守 乙
140 :
おはようの保守
イイ作品に出会えてラッキーだぜ
141 :
なんかkeyっぽくて好きだ
保守
144 :
だ
149 :
ふ
150 :
ぇ
みんなの評価 : ★★
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