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    元スレ麦野「・・・浜面が入院?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×6
    タグ : - 麦野「・・・浜面が入院?」 + - とある魔術の禁書目録 + - のび太 + - アイテム + - キャーリサ + - シロナ + - スネーク + - バカとテストと召喚獣 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    701 = 678 :



    少年は愚痴を吐きつつも、キョロキョロと辺りを見回し、空いているスペースを発見すると、足早にそこに向かう。

    「アイテム」がダベっている、ちょうど後ろ、座っている麦野に背を向けるように、少年は腰を下ろした。

    麦野が振り向くと、悪態をつきながらも、そっと幼女をマットに寝かせ、一息ついていた少年が見えた。

    さっきは名前すら聞けなかったが、今度こそ交流を深めようと麦野は決意した。

    なぜ仲良くなろう、と思ったのかは、麦野自身にも分からない。

    ただ、この少年は周囲から隔絶されたような雰囲気を持ちながらも、

    人を惹きつけるような、不思議な魅力が備わっているのである。


    「あ、またお会いしましたね。」

    「あン? ・・あァ、さっきの女か。」


    ほぼ初対面にも関わらず、人を「女」呼ばわり、ぶっきらぼうな態度、人を見下すような視線、機嫌の悪そうな表情。

    いつもの麦野なら、既に能力をフル発動して、相手を瞬殺していたところだったが、

    すぐに、そういう危険な行動に出てしまうところが、浜面と距離ができてしまう原因なのだ、とグッと堪える。

    自分のぎこちないスマイルを、依然として怒ったような顔をしている少年に向ける。

    704 :

    ここで上条さんも登場だ!

    705 = 678 :



    「そちらも妹さんがのぼせてしまったんですか?」

    「のぼせたっつーか、目を回しただけだ・・、つーかこのガキは妹なんかじゃねェよ。」

    「え、じゃぁどういうご関係なんです?」

    「・・ァー・・運命共同体みたいなもンかねェ・・。」


    素直に「妹」と言っておいた方が、事が丸く済んだな、と少し後悔する一方通行。

    よく分からないが、年齢差はあれど大事な人なんだろうな、と麦野は思う。


    「大切な子なんですか、その子。」

    「大切・・ねェ、まァ、少なくとも、俺が日常生活を人並に続けるためって見方じゃァ・・大切だな。」


    この少女が居なければ、一方通行は、超能力を使うどころか、言葉を話すことも、歩行することも不可能になる。

    そういう打算的な考えをすれば、確かに打ち止めは、一方通行にとって大切な存在だった。

    ただ、それ以外の考え方、例えば、自分の本心、感情的な面から見たとして、彼女はどういう存在か。

    いずれ、それは彼の想いとなって導き出されることになるが、その答えは、今の彼にはまだ分からなかった。

    707 :

    なんという俺得スレ支援

    708 = 678 :



    「そっちで倒れてる奴らは、お前のお友達か何かかァ?」

    「そんなところです。 長湯のせいか、倒れちゃったみたいで。」

    「そっちも苦労するなァ・・、お気の毒ッて奴だ。」

    「お互いに、ですけどね。」


    クスクス、と笑う麦野。

    その様を見て、理解できない、という風な表情の一方通行。


    「・・その人、麦野のお友達?」


    楽しそうに話す二人をすぐ横で眺めていた滝壺が、口を挟んできた。


    「ああ、さっきサウナで知り合ったのよ、・・えーと、お名前何て言いましたっけ?」

    「・・・何とでも呼びゃぁ良い、俺に名前なんてねェからな。」

    「は、はぁ・・・、えーと、それなら。」

    「スノープリンス。」

    710 = 679 :

    映画か?

    711 = 678 :



    え? と滝壺の顔を見る麦野と一方通行、スノープリンス、と再び口にする滝壺。


    「だって、髪の毛が真っ白だし、肌も白くて綺麗だし、何か雪の国に居そうだな、って思って。」

    「・・・・・・。」

    「ス、スノープリンス・・、ぷっ・・。」


    斜め上のネーミングセンスを発揮する滝壺に、目尻をピクピクさせている一方通行。

    そして、思わず、ププっと笑いを漏らしてしまった麦野。

    恐らく、滝壺は彼を馬鹿にしたつもりなどないだろう、思ったとおりの感想を彼の名前としてはめこんだだけなのだ。


    「・・・おィ。」

    「ダメですよー、自分で何とでも呼べば良いって言ったんですからねー。」

    「・・くッ・・くそッ、性格の悪ィ女どもだ・・。」


    また厄介な知り合いを作ってしまった、とばかりに舌打ちする雪の国の皇子。

    麦野は麦野で、思わず浜面に対しているときのような小悪魔モードのスイッチが入ってしまうところだった。

    713 = 678 :



    「・・ぷ、ぷぷッ・・、スノープリンスだって・・、とミサカはミサカは笑いを堪えきれないで居るぅ、ぷぷっ」

    「て、てめェ、聞いてやがッたのかァッ!?」

    「だってこんなに近くで話してたら、嫌でも耳に入っちゃう、ってミサカはミサカは自分の過失を否定してみるっ。」


    むくり、と何事もなかったかのように起き上がった打ち止め。

    先ほどまで真っ青な顔をしていたにもかかわらず、今はケロッとしている。

    おはよー、と微笑みかける天使モードの麦野。


    「あー、よく見てみれば、さっきのサウナのお姉ちゃん! ってミサカはミサカは瞬く間の再会に感動してみるっ!」

    「目を回したって聞いたけど、どうしたのー? のぼせたわけじゃないらしいけど。」

    「それがねー、ちよっと聞いて欲しいの、ミサカが倒れちゃったのは、この人のせいなのー、

     ってミサカはミサカはビシッと貴方に指を突きつけてみるっ!」


    と、一方通行を指差す打ち止め。

    716 = 678 :



    「お、俺のせいじゃねェだろうがァッ! クソガキの自業自得だッつーの!」

    「まぁまぁ、子供の言う事なんですし、スノープリンス。」

    「だァから、それを止めろッつッてんだろォがよォッ!!!」

    「・・・お姉ちゃん、ミサカの話聞いてくれるー?」

    「うん、話してごらん、このロリコンプリンスがどうしたの?」

    「変なレッテルつけてんじゃねェェェェッッッ!!」







    717 = 678 :


    ―――――


    それは一方通行と打ち止めが仮眠コーナーを訪れる、つい三十分前のこと。

    麦野とフレンダと別れ、サウナを離れた二人は、同じく1階にある温水プールに向かおうとしていた。

    かなりの面積を陣取っていた温水プールは、サウナや温泉と同じフロアではなく、

    健康ランドの1階と通路でつないだ、別館のような建物の中にあった。

    サウナから5分ほど歩いた場所に、お目当ての温水プールがある。


    「わーい、プールだブール! とミサカはミサカは年甲斐もなくはしゃいでみるー!」

    「年甲斐もなくッて・・、てめェはまだガキだろォがよ・・・。」


    タターッと先走る打ち止めを後ろからマイペースに追う一方通行。


    「あ、そういやァ・・。」


    あることに気が付いた一方通行、そのことを打ち止めに話しておこうと思ったが、既に彼女の姿はなかった。

    いつものことながら、頭を抱える一方通行。

    718 = 682 :

    ロリコンプリンスwwww

    719 = 678 :


    仕方ねェなァ・・、と呟き、温水プールのある別館のドアを開けようとすると、

    なぜか建物の中側から、打ち止めが引き返してきていた。

    何故か今にも泣きそうな表情をしている。


    「み、水着がないと、温水プール入れないみたい・・、とミサカはミサカは・・、ぇぐっ・・。」

    「みっともねェから、泣くンじゃねェッつーの。水着はレンタルできるから、受付行くぞ。」

    「本当!? とミサカはミサカは太陽のような笑顔で貴方のことを見上げてみるっ!」

    「・・・・、太陽が見上げる。とはクソガキにしちゃァ、なかなか面白ェことを言いやがる。」


    ほら、行くぞ、と催促する一方通行。

    催促するまでもなく、ドアを開け、中に入るとタターッと受付に猛ダッシュする打ち止め。

    彼女が受付に行っても、水着のレンタルどころか、相手にもされないだろうが。


    「(単純な奴だな・・・。)」


    単純だからこそ、子供は可愛らしいもンだ、by 一方通行

    721 = 678 :


    ―――――


    「わはーい!! 流れる温水プールだーっとミサカはミサカは天真爛漫にはしゃぎまくってみるーッ!」

    「こンの、クソガキが・・ッ。」


    ここは温水プールの中でも、特に子供に人気のある流れるプール。

    学園都市外の市民プールでもよく見かけるような、楕円を描くような形のプールであり、水の流れもある。

    水着だけでなく、浮き輪も借りた打ち止めは、バシャバシャーっとバタ足をしながら、流れに乗って泳いでいた。

    その水しぶきは全て一方通行に降りかかっていたが。


    「おい、あンまりはしゃいで面倒起こすンじゃねェぞ?」

    「はーい! ってミサカはミサカは貴方の忠告を、左の耳から右の耳に流してみるっー!」

    「聞いてねェじゃねェかァッ!!」

    723 = 678 :



    もう一度、教え込もうと打ち止めを捕まえようとする一方通行。

    しかし、勢いに乗った打ち止めは、かなりのスピードで前に進んでいくため、

    一方通行のヒョロい身体能力ではとても追いつけなかった。

    数秒で息切れした一方通行を見て、5メートルほど離れた場所で悠々自適に浮かんでいる打ち止めが叫んだ。


    「へへーん! 悔しかったら、追いついてくるんだねッ! ってミサカはミサカは勝利を確信してみるーっ!」

    「ンの野郎ッ・・・・。」


    再び、背を向け、前進していく打ち止め。

    そのとき、ピカーン、と一方通行の頭の豆電球が光った。


    「(あンの、クソガキ・・、この俺様をなめるのも大概にしやがれよォ・・。)」


    思い切り息を吸うと、ザブンッと潜った一方通行。

    725 = 679 :

    セロリの身体能力パネェけどな

    726 = 678 :



    一方、作戦を開始した一方通行に気づかず、そのまま何の障害もなく泳いでいく打ち止め。


    「およ・・?」


    気づけば、後ろから猛然と追いかけてきていた一方通行の姿が見えなくなっていた。

    人の群れに紛れ込んでいるのか、目を凝らして探してみたが、あの特徴的な白髪は見当たらない。

    自分を置いて、上がってしまったのだろうか、と不安になる打ち止め。


    「ねー、どこー? どこに行ったのー? 一方通行ー!とミサカはミサカはちょっぴり寂しく、」

    「ぐッひゃァァァァッッッッッ!!! 呼ンだかなァァァッッッ!!?? クソガキィィィッ!!!」

    「わひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!???」


    打ち止めの真下から、方向感覚を失った魚雷のようなスピードで一方通行が浮上していた。

    どうやら、一方通行は、打ち止めとの真っ向勝負を諦め、彼女が流れに身を任せ、

    彼が居る位置に、一周して戻ってくるのを、水底で息を潜めて待っていたらしい。

    驚いてひっくり返った打ち止めは、浮き輪から身体が抜けてしまい、プールに背中から沈んでいく。

    727 = 682 :

    仲のいい兄妹にしか見えん

    728 = 678 :



    「わ・・わぷッ!! た、たすけ、たすけてぇッ!! ってミサカはミサカは・・ぶくぶくぶく」

    「あァ、そういやあのクソガキ、泳げないンだったな・・。」


    仕方なく右手を差し出して、水中でもがき苦しんでいた打ち止めの手を取り、引き上げる。

    もう一方の手には、打ち止めが離してしまった浮き輪があった。


    「なかなか・・。考えたね・・って。・・はぁ・・、はぁ、ミサカは・・、ミサカは・・。」

    「てめェが俺を撒こうなンて、100年早ェッてンだよ。」

    「てぃッ!!」

    「あでェッ!!?」


    釣り上げられた深海魚みたいになっていたはずの打ち止めは、一方通行のお家芸である、空中ミサカチョップを彼の額に食らわせると、浮き輪を奪って、再び逃走をはかった。

    初めて打ち止めの反抗をまともに受けた一方通行は、額をさすりながら、逃亡者を睨みつける。


    「へへーん! 次は水の中にも注意しながら、泳ぐから、もうさっきの手は通じないからねーっ

     ってミサカはミサカは、胸を張って貴方に勝利宣言してみるーっ!」

    729 = 678 :



    「ンの・・クソガキィ・・・・・、がァァァァァァァッッッッッッッッッッッッ!!!!!」


    カチッ


    一方通行が絶叫した瞬間、それは起こった。


    「お、およ、およよよよよよよよ!!!!!????」


    グォォォォォッという轟音と共に流れるプールが流れている。

    流れることは至極当然のことだが、そのスピードが半端ではない速度になっていた。

    一方通行のベクトル操作によって激流と化したプールは、大勢のお客を巻き込んで、それはもう大災害。

    阿鼻叫喚、地獄絵図、はじき出されたお客たちは死屍累々。

    プールの監視員が慌てて走ってくるが、それすらも弾き飛ばす。


    「ちょ、ちょっと、能力を使うのは、反則かもぉぉぉぉっ!!!ってミサカはミサカはぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」


    「ヒャッハァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」

    731 = 678 :


    ―――――


    「そういうわけで、ミサカは目をぐるぐる回しちゃったんだよ・・ってミサカはミサカは自分の無実を証明してみる。」


    エヘン、と鼻高々に、ない胸を張る打ち止め。

    麦野は耳を傾けていたが、あまりにも、打ち止めが身振り手振りを交え、キャッキャと嬉しそうに話すため、あまり内容が頭に入らなかった。


    「ご、ごめん、最後の方よく聞いてなかったんだけど、何でプールがすごいことになっちゃったの?」

    「いや、聞かなくていい、とりあえず、このクソガキには後で俺がお灸を吸えておくからよ・・。」

    「・・・ほどほどにしてあげてね、かわいそうだから。」


    なんでミサカが悪いことになってるのー! と麦野をひっかくようなアクションをする打ち止め。

    ああ、ごめんごめん、と軽く謝る麦野。

    733 = 678 :



    「おい、目が覚めたンなら、そろそろ帰ンぞ。」

    「えー、もっとお姉ちゃんたちと話してたいー、ってミサカはミサカは、」

    「ばーか、もう4時間になンだよ。これ以上は無理だ、タイムオーバーなンだよ。」


    ううー、とうなだれる打ち止め、やはり、子供は子供なのか、涙ぐむ。


    「泣くんじゃないの、この扇子あげるからさ。」

    「え、ほんと!? ってミサカはミサカは女神のようなお姉ちゃんを見つめてみる!」


    フレンダを扇ぐのに使っていた、和風花柄の扇子。

    大したものではないし、麦野にとっては吐いて捨てるような額のものだ。

    とりあえず、この少女が後味良く帰れるように、という麦野の気遣いである。


    「ありがとうー、ぇーと・・。」

    「麦野よ、麦野沈利。」

    「ありがとう、沈利お姉ちゃん!、とミサカはミサカは家法のように扇子を天に掲げてみるっ!」

    735 = 678 :



    えへへー、と愛らしい笑みを浮かべる打ち止め。

    それにつられるように、麦野も思わず笑顔になってしまう。


    「近くで見ると、本当に貴方可愛いわねー。」

    「笑ってるお姉ちゃんもすっごく可愛いよ! ってミサカはミサカはそのまま言葉をお返ししてみるっ!」

    「・・・そ、そう?」


    幼女に、可愛いと言われたとはいえ、思わず顔を赤くする麦野。

    そんな麦野の背中にもたれかかり、ばいばいー、と手を振る滝壺。


    「おィ、さっさと行くぞ。」

    「ばいばーい! また会おうねー! ってミサカはミサカは沈利お姉ちゃんたちに別れのご挨拶―っ!」


    麦野から譲ってもらった扇子を、ぶんぶんと振り回しながら、120%の笑顔も振りまく幼女。

    甲高い幼女の声は、その姿が見えなくなるまで麦野たちの耳に届いていた。

    737 = 678 :



    なんだかんだで微笑ましい二人組だったなー、と目を細める麦野。


    「あの白い髪の人・・、なんだか不思議な人だった・・。」

    「まぁ、変人の部類だとは思うけどねー。」

    「ううん、違う、そういうのじゃないの。 楽しそうにはしてたけど、なにか後ろめたいものを持っているように感じたな、私は。」

    「・・私にはよく分からないわ、そういう第六感みたいなのは。」


    外見も内面もおかしな少年だった。

    口を開いては文句を言ってばかりだが、そのくせ、世話のかかる幼女の面倒をみている。

    しかし、それは義務的なものからではなく、好きで一緒に居てあげているような、そんな不思議な感覚。

    いつか、自分の想い人と彼らのように自然な関係になりたい、そう心の中で麦野は呟いた。


    「たぶん、あの人たちには、また何処かで会う気がするな・・。」

    「私もそう思うわ、・・・・何でかはわかんないけどね。」



    738 = 678 :


    今回の分は、これにて終了です。

    さすがに月曜日前の深夜だけあって、盛り上がりに欠けてしまったでしょうか?

    ちなみに、健康ランド編は次で完結ですが、このシリーズはもう少し続く予定です。


    夜遅くまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

    では、おやすみなさい。

    739 = 736 :

    乙なんだよ!

    740 :

    おやすみ
    いつまでもまってるよ!

    741 = 682 :

    >>738

    明日も頼むぜ

    743 :

    乙なのだよ!

    744 :

    >>11
    vipで初めてボーダーブレイクの単語を見た
    少し感動

    745 = 740 :

    ほしゅしときますね

    746 :

    >>738超乙ですよ! 

    749 :


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