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    元スレ麦野「・・・浜面が入院?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×6
    タグ : - 麦野「・・・浜面が入院?」 + - とある魔術の禁書目録 + - のび太 + - アイテム + - キャーリサ + - シロナ + - スネーク + - バカとテストと召喚獣 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 = 5 :




    数分後、息絶え絶えになった浜面と、満足そうに椅子に腰を下ろす絹旗。

    はまづら、すごく面白い動きしてた。と微笑む滝壺。

    やがて、その滝壺が口を開いた。


    「・・はまづら、前の仲間と喧嘩したの?」

    「ん、あぁ。スキルアウト時代の顔馴染みとな。
     俺の求心力のなさが生み出したようなモンだよ、自業自得だ。」


    スキルアウト内で浜面のことをよく思っていなかったのは、たった五、六人であった。

    スキルアウト全体の人数からすれば、大した派閥ではなかった上、

    浜面も幹部という建前、ちょっかいを出されることはなかったし、浜面自身も気に留めることはなかった。

    だが、駒場亡き今、統率が取れなくなった、ただのならず者集団と化していたスキルアウト内で、

    今まで、集団という中に埋もれていた、個人の考えや思想、反抗心が露になったのだろう。

    その結果、浜面のことを気に入らないと考えていた少数派が、ここに来て、刃を向けてきたのである。

    52 = 5 :



    「ただ、気になることがあってさ・・・・、昨日の奴らが言ってたんだよ。

     『能力者に媚びへつらって、お前にはプライドってものはないのか。』

     『仮にも俺たちの上に立っていた男は、こんなチキン野郎だったのか。』ってさ。」


    ボスン、と枕に頭を沈め、天井を仰ぎ見る。


    「そのときの俺は、無我夢中に戦ってただけで、そいつらの話なんて耳に入ってたなかったし、ましてや、言葉の意味なんて考える余裕もなかった。

     でも、今考えてみると、あいつらの言いたいことが何となく分かる気がするんだよ。」


    目を閉じると、瞼の裏に、昨日の夜、自分に襲い掛かってきた馴染みの顔が浮かぶ。

    全員が、浜面を恨んでいるような、憎んでいるような形相に思えて仕方なかった。

    53 = 5 :



    「どんな集団にも、それを纏め上げるリーダーが必要って言うよな。

     その点では、駒場って男には人を惹きつけるカリスマ性があったし、それ相応の実力もあった。

     でも、俺にはそんなものはなかった。

     駒場の威を借りていただけなのか、なんとなく幹部っていう肩書きに溺れていただけなのかはわからねぇけどさ。

     とにかく、あいつらは俺のことを恨んでたんだ、ろくに仕事もこなせなかった俺のことを。」


    虚ろな目で、長々と語る。

    スキルアウトが自分の居場所だと思っていた。

    でも、その場所すらも、自分にはふさわしくない場所だったんだな、と浜面は心の中で呟いた。


    「そんなことないと思うよ、私は。」


    そのとき、彼の話を真剣な面持ちで聞いていた滝壺が口を挟んだ。

    54 = 5 :



    「それでも、はまづらは一生懸命やろうとしてたんでしょ、いい加減にやろうとしてたわけじゃないよね?」


    浜面は、滝壺の問いかけに、すぐに頷くことはできなかった。


    当時、駒場が死んだ、と聞いたとき、彼はどうすれば良いのかわからなかった。

    周りの仲間たちにも、同じように動揺が広がっていたことも、すぐに感じ取ることができた。

    だからこそ、後に引くことはできない、そういう焦りもあった。

    自分たちスキルアウトには、社会的に、居ていい場所も、帰るべき場所もないのだから。

    駒場の側近だった自分が繰り上がりでリーダーにはなったが、

    初めの仕事でいきなり失敗すると、坂を転がるように落ちていった。

    自分に対する信頼も。

    そのうち、最初から自分に対する信頼なんてなかったんだ、と考えるようにもなった。

    55 = 45 :

    危ない危ない

    56 = 5 :



    「必死でやってくれる人に対して、周りの人は悪い印象はもたないはずだよ。」


    滝壺は、口を閉ざしたままの浜面に、心に思ったとおりの言葉を投げかけた。

    やがて、二人のやり取りを静観していた絹旗も口を開く。


    「昨日の夜、浜面を襲った奴らの言葉は、『期待』の裏返しだったのかもしれませんね。

     能力者の下で働いている、かつての同僚を知って、超我慢できなくなったのかもしれません。」

    「『期待』? はッ・・無能力者で、人を殴ることしか脳がないこんな俺に『期待』か・・。」

    「・・そう。『期待』です。だからこそ、そんな超後ろ向きな考えをしている浜面に、やがて、『失望』の色を隠せなくなったんでしょう。」

    「何を勘違いしてんのか知らないけどよ、俺がスキルアウトのリーダーだったのはたった数時間程度のことだぜ。

     そんなリーダーに『期待』も『失望』もないだろうよ。

     ってか、リーダーかどうかも怪しかったしよ・・。」

    57 = 5 :



    「浜面も何を超勘違いしているのか分かりませんが、リーダーにだけ信頼が集まるものでもないでしょう。

     リーダーだろうが、下っ端だろうが、やることをやっていれば自然と信頼が芽生えるものなんですよ。

     逆に言えば、必死に仕事をしないリーダーなら、少なくともこの世界では、寝首を掻かれます。」

    「私も、はまづらのこと、信頼してるよ。絹旗も。フレンダも。麦野だって、きっと。」


    滝壺はそう呟くと、目を細める。他の「アイテム」のメンバーのことでも考えているのだろうか。


    「・・暗部組織っていうのは、そういうモンじゃないって聞いてるけどな。」


    メンバーが死んだら補充する、そんな機械的な構造。 期待も失望も信頼もへったくれもない、それが学園都市の裏側、暗部組織だ。

    少なくとも浜面はそう思っていた。


    「まぁ、どう思うかは個人差がありますから。浜面の居た場所にも通じているかどうかは分かりませんけどね。」

    「俺の居た場所・・か。」

    58 = 5 :



    一言で言えば、スキルアウトをやっていた頃は、楽しかった。

    その中に居る限り、能力者からの生ゴミや羽虫でも見るような視線は感じなかったし、

    劣等感もそれほど感じはしなかった、思う存分、自分の存在をアピールできた。

    スキルアウトは、能力者を見返してやりたい、その一つの思いから一丸となって行動していた。

    もちろん、それが社会的に外れたことだとは分かっていた。

    しかし、そうでもしなければ、能力優先の学園都市では、自分の存在を再確認することができなかったのだ。

    そんな中で、自分と仲間たちとはどうだったのか。


    「・・まぁ、どっちにしろ、俺はあの場所には戻れない。

     スキルアウトをダメにしちまったのは俺の責任だ。

     今更になってのこのこ戻ることなんて、できやしねぇよ。」

    59 = 5 :



    「当たり前でしょう、今になってスキルアウトに戻ろうなんて、私が超許しませんから。」

    「・・お前がかよ。」

    「超当然です、丁度良いパシリ(玩具)を見つけたのに、易々と手を離してなるものですか。」


    あはは、と滝壺が小さく笑い、浜面はガシガシと頭を掻く。

    どうも最近、自分は女の尻に敷かれるタイプになってきている気がする、とゲンナリしていた。


    ともかく、あれだけ能力者を嫌っていた自分が、今や、少女であるとはいえ能力者たちと行動している。

    そうしているうちに、能力者に対する見方、考えが変容していくのが自分でも分かった。

    能力者たち全員が全員、同じように無能力者に対して侮蔑の思いを持っているわけじゃないことも分かった。


    「そういうことの答えは簡単に出ませんよ、ま、ない知恵絞って超考えてみると良いんじゃないんですか?」

    「そうか。・・何か、ありがとな。

     俺、意味わかんねぇこと言ってたのに、ちゃんと聞いてくれてよ。何か少しすっきりした気がする。」

    60 = 5 :



    「まぁ、浜面も超浜面とはいえ、真剣に悩むこともあったんですね。何か超意外でした。」

    「・・それ、褒めてんのか?」


    ええ、もちろん。と絹旗が言う。

    絹旗の目は笑っていた。 これは馬鹿にしてるな。と察する浜面。

    すると、隣で同じく笑っていた滝壺がハッとしたように、声をあげた。


    「そうだ、お花だけじゃないんだよ、お見舞いの品。」

    「ああ、そういえばメインイベントを忘れていましたね。」


    絹旗もポン、と手を叩き同調する。

    つい数秒前までの真面目な顔はどこへやら、絹旗はまたリトルデビルと化していた。

    一方の浜面は、怪訝そうな目で二人を見回す。

    61 :

    しえん

    62 = 5 :



    「メ、メインイベント?」

    「はい、つい先日、浜面の携帯を拝借したときに見つけたんですけど・・。」

    「なッ! お前、いつそんなことしやがった! プライバシーの侵害だぞこの野郎!?」


    浜面は身を乗り出そうとするが、右足のせいで動けない。

    仕方なく我慢して、絹旗を精一杯睨みつけることにする。


    「ふふ、怖い顔しちゃ、い・や☆

     ま、そんな顔してられるのも、今のうちですけどねー。」


    ??? と首を傾げる浜面。

    この少女の腹の内が見えない。

    見ずとも墨のように真っ黒なのは容易に推測できるが。

    63 = 5 :



    「ほいッと♪」


    ひょうきんな掛け声と共に、浜面がかけていた布団を勢い良く奪い取り、

    カーテンのように、浜面と滝壺の間を遮る絹旗。

    浜面からは、滝壺の姿が少しも見えなくなってしまった。


    「おいコラ! 何しやがんだよ!」


    まぁまぁ、とそれを制する絹旗。

    耳をすませると、滝壺が何やら作業をしているのが音でわかる。

    ジーッと何やらチャックを下ろす音も。怪しい。


    「お、おい。滝壺?」


    浜面が声をかけるも、滝壺からは応答がない。

    64 = 5 :



    絹旗は滝壺が居るであろう側を覗くと、キャッ☆だの、いやん☆だの、気持ちの悪い声をあげている。

    あまり良い感じはしない、むしろ不吉な予感しか。


    「・・両の目ン玉を超おッ広げて、しかと見るが良いでしょう! そして、その超空っぽの頭に超焼き付けなさい!!」


    何やら準備ができたのか、絹旗が一段と大きな声をあげる。

    な、なんだよ、と浜面はよく分からないまま、うろたえる。

    その瞬間、絹旗が遮っていた布団をガバッと横へ投げ捨てた。



    「これがッ! 滝壺さんの!!! バニーガール姿どぅぁぁぁぁぁッ!!!!!」



    「・・・ぉ、おおぉぉぉぉぉぉブぅぅぅぅぅがぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!?????」


    そこには、ややサイズの大きい愛らしいウサ耳、普段の彼女にはとても似つかわしくない網タイツ、

    そして、露出度の超高いキンキラピンクのレオタードに身を包んだ滝壺が居た。

    65 = 5 :



    滝壺の表情は、何処となく火照っており(浜面視点)、

    浜面の強靭な(自称)ハートに、ドスゥゥッ、と鈍い音をたてて突き刺さる。

    そのときの彼の姿は、先ほどのムンクどころの騒ぎではなく、

    右足の痛みなど忘れ、ベッドの上で、カンフーの達人みたいな格好になっている。


    「(なッ・・な、なんだ!?これは!? 何が・・何が、起きているッ・・!?)」


    毎日、中学校用みたいなジャージしか着ていなかった滝壺が、こんな派手な格好をしているのを見るのは初めてだった。

    いや、恐らく彼女自身、こんな格好をすること自体、初めてのはずだ。

    男の本能的に、露出された胸やら足やらに、つい目が行ってしまうのが悔しい。

    それだけ、彼の目を惹くエロチックな光景だった。

    66 :

    しえん

    67 = 5 :



    「(が・・ぐ・・、落ち着け、落ち着くんだッ、浜面仕上ッ・・。

     山羊を・・、違う!! 素数を数えるんだ! いや待て、その前に素数って何だッ!?

     っていうか滝壺ッ、いつも目立たない服装してるから分からなかったが、

     意外と良いモノをお持ちになっていらっしゃるッ・・!!)」

    「いやー、浜面の携帯フォルダのバニーさん含有率が超高かったので、

     こういうのが超ストライクなのかなー、と思ってましたが、超ヒットしたようですねー。」


    ウヒャヒャヒャ、と絹旗が視界の端で笑い出していたが、そんなものには反応しなかった。

    というか、反応できなかった。

    滝壺は一般的にはそれほどスタイルが良い方ではないかもしれない、

    それでも、浜面の脳髄から足の先まで、激しい衝撃がほとばしり、浜面に致命傷を与えるには十分であった。

    まさに、思考停止である。

    68 = 5 :



    「く、くそッ・・な、なんだ! これは!? ドッキリか! ドッキリなんだな!

     おい、出てこい! 麦野! フレンダ! お前らも共犯で、何処かに居るんだろう!!

     いや待て! その前にカメラだ!! ビデオカメラは何処だ! ぶっ潰してやるゥゥッッ!!!」


    もはや、支離滅裂なことを言い放ち、身体をぐりんぐりん回す浜面。

    これが世に言うトリプルアクセルである。

    渦中の滝壺は棒立ちでありながら、依然として彼の情欲をそそる状態を保っていた。


    「ああ、カメラ! 携帯のムービーでこの浜面の超壊れっぷりを撮っておきましょう。

     明日辺り、麦野たちに見せてやりますかねー。」

    「やめろォォォォッッッ!!!!!」


    絹旗を止めようとするも、滝壺の姿がどうしても視野に入ってしまう。

    浜面は、理性的判断から両腕で自分の目を隠そうとするが、本能がそれを邪魔するのか、やはりチラチラ見ている。

    69 = 5 :



    「うへぇ、さすが浜面。あまりの衝撃にオツムが超機能停止してますねコレ。」

    「・・・はまづら、よろこんでくれた?」


    ガクンガクン、と赤色の某お土産みたいな首の動きをしている浜面。

    足だけではなく、首の骨もイカれてしまう勢いである。


    「あ、いや待て! 別に喜んではいな・・、 いや、でも滝壺のことを考えるとッ・・!」

    「そっか、それなら・・。」

    「・・え! ちょ、滝壺!? ちょちょちょ、ちょっと!?」

    70 = 22 :

    ぬほああああああああ

    71 = 5 :



    滝壺は椅子から立ち上がると、そのままの魅力あふれるバニー姿で、身体を浜面に近づけた。

    横で腹を抱えて笑っている絹旗はなぜかそれを止めようとしない。

    愛しのバニーガールに寄られた浜面は、理性のアクセルを全力で踏み、ベッドの端まで身を引いた。

    しかし、固定された右足のせいで、ベッドの外には逃げ切れない。


    近づく。

    離れられない。

    触れる。

    のけぞる。


    そして、理性の崩壊が訪れる。


    「・・ォォォオアああああああああああァァァァァァァッッッッッッッッ!!!!????」


    本能と理性が交差するとき、物語は始まる―――

    72 = 5 :



    今日は夜も遅いので、ここまで。ということで勘弁してください。

    明日も同じ時間に来れれば良いのですが、スレが生きてるかどうか・・。

    次は、スレタイの子を登場させる予定ですので、目を通していただければ幸いです。

    では、おやすみなさい。

    75 :

    心底羨ましいぞ浜面ァ

    76 = 22 :


    にやける

    77 :

    アニメじゃまだ出演してないから浜面が出るSSは珍しいと思って読んだ

    とってもよかった

    乙です

    78 :

    麦のん麦のん!

    84 :

    落とさせない
    ほしゅ

    86 :

    イレギュラーが発生している・・・ 

    88 :


    >>1に聞くけど今日あわせて何日くらいで終わらせるつもり?

    89 :

    むぎのんマーダー?

    90 :

    これはまさに俺得スレ
    アイテム最高や

    92 :

    麦のんはぜひチバトシロウに書いてもらいたい保守

    96 :

    97 = 96 :

    99 :


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