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元スレ佐天「上条さん、か……クリスマスはどうするんだろう」
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――――――
・23日夜、ペットショップ前路地・
ガシャリ
初春「……う…うぅ…!」
御坂妹「そんなに怯えないでください、初春様」
初春「…な……なに…を」
御坂妹「心配しないで下さい」
御坂妹「私は…私たちはあなたの味方です」
初春「……え……?」
御坂妹「今日は、あなたと少しお話をしたいと思っただけです」
初春「…なっ……なにを……?」
御坂妹「いえ、そんな大したことじゃありません」
御坂妹「あなたの友達の、…佐天涙子様のことです」
初春「……佐天……さん?」
御坂妹「ええ」
・23日夜、ペットショップ前路地・
ガシャリ
初春「……う…うぅ…!」
御坂妹「そんなに怯えないでください、初春様」
初春「…な……なに…を」
御坂妹「心配しないで下さい」
御坂妹「私は…私たちはあなたの味方です」
初春「……え……?」
御坂妹「今日は、あなたと少しお話をしたいと思っただけです」
初春「…なっ……なにを……?」
御坂妹「いえ、そんな大したことじゃありません」
御坂妹「あなたの友達の、…佐天涙子様のことです」
初春「……佐天……さん?」
御坂妹「ええ」
御坂妹「私、あの方に少し恨みがございまして…」
初春「……うらみ……?」
御坂妹「はい」
御坂妹「…私の、大切なものが…彼女に奪われてしまったのですよ」
初春「…大切な……もの?」
御坂妹「とても、大切なものです」
初春「……………?」
御坂妹「彼女に、『彼』を、奪われてしまったんですよ」
初春「……!(彼って…)」
御坂妹「あなたも、ご存知でしょう?」
初春「…!」
御坂妹「…上条、当麻様です」
初春「…………」
御坂妹「ですからね、初春様」
御坂妹「少しばかり、私に協力してはいただけないでしょうか?」
初春「………」
御坂妹「あなたが私に協力してくれると言うのなら、あなたの身の安全は…」
初春「……嫌…です」
御坂妹「……」
初春「…それ…だけは」
初春「…絶対に、嫌…です」
御坂妹「…どうしてでしょう?」
初春「…わたし……は」
初春「…佐天さんと…約束……して、ますから…」
御坂妹「……」
初春「…もう…」
初春「…二度と……うらぎら…ない……って…」
御坂妹「……」
初春「……私は……いちど…」
初春「……佐天さん…を……裏切って…しまって…」
初春「…たく…さん……彼女を……傷付け……ました」
御坂妹「……」
初春「…だ、だから…」
初春「……私は……二度と……親友を……裏切ったり…しない……!」
御坂妹「……」
御坂妹「…そうですか」
初春「………」
御坂妹「…仕方ありませんね」
ガシャリ
初春「―――――っ!?」
バババババババッ!!!!!
初春「――――――!!!」
……シュー…
御坂妹「…恐いでしょう?」
御坂妹「何千もの銃弾が、あなたの周りを駆け回る様は」
初春「―――――」ガクガク
御坂妹「…言葉も、出ませんか」
御坂妹「仕方ありませんよね」
初春「―――――」ガクガク
御坂妹「…ねぇ、初春様」
初春「―――…?」
御坂妹「…どうして」
御坂妹「どうして、こんな目に遭うんでしょうね?」
初春「………」
御坂妹「…考えたことは、ありませんか?」
初春「………」
御坂妹「あなたは、何もしていない」
御坂妹「あなたは、何も関係ない」
御坂妹「ただ、ただ…」
御坂妹「佐天様と、友達であるというだけで」
御坂妹「…あなたは、こんな目に遭っている」
初春「………!」
御坂妹「そう考えたことは……ありませんか?」
初春「……そ……それ…は…」
御坂妹「…だって、おかしいでしょう?」
御坂妹「…あなたは、ただ『巻き込まれた』だけなんですよ?」
初春「……構い…ません…」
御坂妹「……」
初春「……わたし…は、そんなこと……覚悟の……上で…」
初春「……佐天…さんの……傍に……いるんです…」
初春「……あなたの……言うこと……なんか……!」
御坂妹「……はぁ」
ガシャリ
バババババ!!!!!
初春「ひっ――――――!!!」
御坂妹「……」
初春「……うっ……うぅ…」
御坂妹「どうしましょう」
御坂妹「次は、当ててしまいそうです」
初春「―――――!!」
御坂妹「あなたが協力しないのが悪いんですよ、初春様」
御坂妹「だから私達は、あなたを次の瞬間に殺してしまう」
初春「―――――い、嫌――――」
御坂妹「……ね?」
初春「――――!?」
御坂妹「…こんなことに、なるでしょう?」
初春「―――…」
御坂妹「…いいですか、初春様」
初春「へ………?」
御坂妹「…あなたの友達の佐天様は、あなたのことをこう思っています」
御坂妹「『初春は可哀想だ』と」
初春「………!」
御坂妹「『私のせいで巻き込んでしまってごめんなさい』」
御坂妹「『でも』」
御坂妹「『私の幸せは初春のおかげで成り立ってるから、感謝してる』」
初春「………っ」
御坂妹「良かったじゃないですか」
御坂妹「あなたのお友達の佐天様は、あなたのおかげで幸せだそうですよ?」
初春「………」
御坂妹「あなたが…」
御坂妹「あなたが…………『不幸でいてくれるから』」
初春「……!」
御坂妹「そのおかげで、私は、幸せになれる」
初春「………」
御坂妹「良いものですね、友情って」
御坂妹「とても美しく……そして……」
御坂妹「とても、不公平」
初春「………っ」
御坂妹「良いんじゃないですか?」
初春「え……?」
なんかもう飽きた
御坂妹や打ち止めの口調があからさまに違いすぎるし
無駄に引っ張りすぎ
完全に落とし所を逃したな
御坂妹や打ち止めの口調があからさまに違いすぎるし
無駄に引っ張りすぎ
完全に落とし所を逃したな
御坂妹「あなたに、覚悟があるというなら…」
御坂妹「もう何も話すことも、考えることもない」
御坂妹「ただ…」
御坂妹「『佐天さんのために』殺されるだけ」
初春「…………っ!」
御坂妹「私は、構いませんよ?」
御坂妹「ただ、私はわからない」
御坂妹「こんなに友達思いで、こんなに頑張っている」
御坂妹「…そんな、あなたが」
御坂妹「たった一人の女の幸せの為に、その人生を棒に振ってしまいそうになっている」
初春「……!!」
御坂妹「…まぁ」
御坂妹「あなたがこの先ずっと、そうやって生きていくというなら、私は構いません」
初春「……っ」
御坂妹「――それでは、お話はこれで終わりにしましょうか」
初春「………」
御坂妹「あなたは、今から死にます」
初春「………」
御坂妹「それは、あなたの友達の佐天さんの、幸せのため」
初春「………」
御坂妹「そのためだけに、あなたは今から、数千の銃弾を体に受け…」
御坂妹「…その体に数千もの穴を空けて、絶命します」
初春「………」
御坂妹「私としては、とても残念です」
初春「………」
御坂妹「あなたの力になりたいと、願っていましたからね」
初春「……」
御坂妹「でも、仕方ありません」
御坂妹「あなたに、そんなにも死ぬ覚悟があるというのなら、仕方ありません」
初春「………」
御坂妹「……では」
御坂妹「―――参ります」
ガシャリ
初春「………い……や……」
御坂妹「……何でしょう?」
初春「……嫌……だ…」
御坂妹「……何がですか?」
初春「……死ぬ、のは……嫌だ……」
御坂妹「…しかし、それはあなたが決めたことなのでは?」
初春「……嫌…だ…死ぬ…の…嫌…」
御坂妹「困りましたね。…それでは、あなたのお友達の佐天様が幸せになれませんよ?」
御坂妹「あなたが……こうして不幸に巻き込まれ続けない限り」
初春「………嫌……だ……そんなの……」
初春「……なんで……わた…しが……佐天さんの……ために……」
御坂妹「……佐天様は、あなたが死んでくれたら、幸せだそうですよ?」
初春「……なん……ですって…?」
御坂妹「あなたがこうして悪い事件に巻き込まれている間…」
御坂妹「あなたのお友達の佐天様は、暢気にクリスマスの予定を考えてるみたいですね」
初春「……………」
御坂妹「…どうします?」
初春「………」
御坂妹「…このまま死にますか?」
初春「……い……嫌…」
御坂妹「それとも」
御坂妹「私と協力して……佐天さんに仕返しをしますか?」
初春「………仕返し…?」
御坂妹「ええ」
御坂妹「私なら……今のあなたを救うことができます」
御坂妹「…あなたのその胸にずっと溜め込んでいた…」
御坂妹「―――怒りを、恨みを、憎しみを」
御坂妹「綺麗さっぱり、吐き出させてあげられます」
初春「………本当…ですか……?」
御坂妹「ええ」
御坂妹「―――『約束』します」
初春「……ふふっ……ふふっ……」
初春「…仕返し……佐天さんに……ふふふ」
初春「……やったぁ……やっと……」
初春「……やっと……仕返しが、できる……」
御坂妹「……ふふっ」
初春「……もう、我慢……しくて……いいんですよね……?」
御坂妹「…ええ。そんなもの…必要はありません」
御坂妹「あとは、私に任せてください」
御坂妹「…あなたにとって、最高の舞台を用意しますから―――」
―――
・路地・
佐天「―――――!!?」
御坂妹「…以上が、私と初春様が話した内容であり…」
御坂妹「私達が交わした『約束』です」
佐天「……う、嘘だ……」
佐天「そんな……そんなことが……」
御坂妹「…嘘?」
御坂妹「私は初春様に嘘など一言も言った覚えはありませんが?」
佐天「…っ」
御坂妹「事実でしょう」
・路地・
佐天「―――――!!?」
御坂妹「…以上が、私と初春様が話した内容であり…」
御坂妹「私達が交わした『約束』です」
佐天「……う、嘘だ……」
佐天「そんな……そんなことが……」
御坂妹「…嘘?」
御坂妹「私は初春様に嘘など一言も言った覚えはありませんが?」
佐天「…っ」
御坂妹「事実でしょう」
御坂妹「1ヶ月前にしろ、今にしろ…」
御坂妹「…あなたのせいで、初春様に迷惑がかかっていることは」
佐天「……そ、れは……っ」
御坂妹「…まぁ」
御坂妹「そんなに疑うのであれば」
御坂妹「本人に聞いてみてはいかがですか?」
佐天「…っ」
初春「……」
佐天「…初……春…」
初春「……」
初春の目にはもう、光がなかった
―――――――
―――
・路地前・
一方「……おそらく、この辺か」
美琴「……ここに、佐天さんが…?」
一方「さぁな…」
一方「ただ、方角からして、ここしか考えられねーな」
打止「…早く行こう!」
美琴「…そうだね」
一方「…わかってらァ」
「…あら、追い付いてしまいましたね」
一方「……!」
美琴「……!」
打止「……あなたは」
「……『後で行く』と言いましたでしょう…」
・路地前・
一方「……おそらく、この辺か」
美琴「……ここに、佐天さんが…?」
一方「さぁな…」
一方「ただ、方角からして、ここしか考えられねーな」
打止「…早く行こう!」
美琴「…そうだね」
一方「…わかってらァ」
「…あら、追い付いてしまいましたね」
一方「……!」
美琴「……!」
打止「……あなたは」
「……『後で行く』と言いましたでしょう…」
黒子「……ねぇ、お姉さま」
美琴「黒子……っ!!」
黒子「ふふっ、そんな驚かれなくてもいいじゃないですか」
美琴「……だって…」
黒子「…心配しなくていいと、言ったでしょう?」
一方「…はっ、ンなボロボロな様で何言ってやがンだテメェは」
黒子「……うるさい人ですわねぇ。人がせっかくお姉さまとの再会を喜んでいると言うのに」
打止「無事で良かった!ってミサカはミサカはとびきりの笑顔で言ってみたり」
黒子「……ふふっ、ありがとうございます」
美琴「…黒子、それより早く佐天さんを…!」
黒子「ええ……時間がありませんわ」
黒子「…さっさと、行きましょう」
…王手をかけに
――――
佐天「…初春…?」
初春「すみません、佐天さん」
佐天「…え…?」
初春「…あなたの声を聞くと、イライラします」
佐天「………!?」
初春「考えてみたら、簡単なことだったんですよ」
初春「…私がどうして、いつも不利な役割ばかりになってしまうのか」
佐天「……っ」
初春「あなたです」
初春「あなたですよ、佐天さん」
初春「私の人生を、滅茶苦茶にしようとしているのは」
佐天「…っ、ち、違……」
初春「…何が、違うんですか?」
佐天「…初春…?」
初春「すみません、佐天さん」
佐天「…え…?」
初春「…あなたの声を聞くと、イライラします」
佐天「………!?」
初春「考えてみたら、簡単なことだったんですよ」
初春「…私がどうして、いつも不利な役割ばかりになってしまうのか」
佐天「……っ」
初春「あなたです」
初春「あなたですよ、佐天さん」
初春「私の人生を、滅茶苦茶にしようとしているのは」
佐天「…っ、ち、違……」
初春「…何が、違うんですか?」
佐天「……そ、それは…」
初春「ほら、言えない」
初春「人を馬鹿にするのもいい加減にしてください」
佐天「……っ、初春、違うの…」
佐天「わ…私は……初春が不幸に…なるから…幸せなんて……思ってない…!」
初春「でも」
初春「現に、そうなっている」
佐天「…………っ!」
初春「もう、疲れました」
佐天「…」
初春「嫌なんですよ、もう」
初春「あなたに関わるのは」
佐天「…う…い…はる…」
初春「だから…」
初春「さようなら、佐天さん」
佐天「……っ」
何も
何も、言い返せない
結局は、何も考えていない
何も、わかっていない
初春が、どうしてそんな目に遭ってしまうのか
…私の
私の、せいだ
私のせいなのに……
私のせいで、初春を傷つけているのに…
初春を……そんな目に遭わせたくない…なんて
…都合が、良すぎた
ただの、私の勝手な思い込みで
そのせいで、初春を追い詰める
佐天「…うっ……うぅっ…」
初春「…何、泣いてるんですか?」
佐天「…ひぐっ……うっ…うぅ……」
初春「泣きたいのはこっちですよ」
初春「…そうでしょう?佐天さん」
佐天「…うっ…うぅ…」
一人の親友も守ることが出来ない
守るどころか…
自分で、追い詰めて、傷付けて…
佐天「……うぅ…っ……」
初春「……」
佐天「……はぁ……はぁ…」
そんな私に…出来ることは…
初春「……」
佐天「……はぁ…はぁ…」
初春「……」
佐天「………はぁ…」
初春「…やっと、泣き止みましたか」
佐天「……」
初春「…私は」
初春「あなたとの、このくだらない関係を…」
初春「…今、断ち切ります」
佐天「……」
初春「…なかなか」
初春「楽しかったですよ。あなたと過ごした日々」
佐天「……」
初春「それ以上に、不愉快な気持ちがたくさんありましたがね」
佐天「……」
ガシャ
初春「……お別れです」
佐天「……」
初春「…最後に…何か言い残すことは?」
佐天「……」
初春「…何も、ありませんか?」
佐天「……」
初春「…わかりました」
初春「…では…」
佐天「……が……と…」
初春「……?」
佐天「ありがとう、初春」
初春「……は?」
佐天「…ありがとう、初春」
初春「…何を…言ってるんですか?」
佐天「…ありがとう」
初春「……だから、何を……!」
佐天「…手袋」
初春「……え?」
佐天「…手袋、付けててくれて、ありがとう」
初春「…………!」
佐天「私ね、初春」
佐天「…もう、初春に…何もかける言葉がないの」
初春「………?」
佐天「……でも、嬉しいの」
初春「……え?」
佐天「…その手袋、付けて…」
佐天「…その引き金を引いてもらえることが」
初春「……っ」
佐天「…私にとって、もう、それだけで十分なの」
初春「……これは………寒いから……付けてるだけで……!」
佐天「……うん、ありがとう」
初春「……っ」
佐天「…もう、私は十分に幸せになったよ」
初春「……」
佐天「…だから、初春にも、分けてあげたい」
初春「…っ、勝手な…ことを…!」
佐天「…だからさ」
佐天「…その引き金を引いて、初春が幸せになれるんだったら…」
佐天「…私は、喜んでそれを受け入れようと思う」
初春「……っ!」
佐天「…だって私は」
佐天「…初春の、親友だから」
初春「……っ!」
佐天「…親友の幸せを願わないやつが、親友なんて……言えないでしょう?」
初春「………っ」
佐天「…親友を信頼できないやつが、親友なんて…言えないでしょう?」
初春「……め……て」
佐天「…だから、初春」
初春「……や……め…て…」
佐天「……私を―――」
初春「…やめて!!」
佐天「…!」
初春「…やめて、ください」
初春「…これ以上、あなたと、話していたら…」
初春「…頭が……痛い…」
佐天「……」
初春「…何が……何が、信頼、ですか…」
黒子『―…私たちは、あなたを信頼しています…―』
初春「……そんな……安っぽい……言葉……っ!」
黒子『―…ですから、あなたも…―』
初春「……そんな……そんな……」
黒子『―…私達を…―』
初春「………こと……ば……」
「――――初春様」
初春「…!」
御坂妹「…どうかなさいましたか?」
初春「……あ……」
御坂妹「…何か、躊躇うことでもあるのですか?」
初春「…………い、いえ」
御坂妹「…そうでしょう?」
御坂妹「あなたの目の前には今…絶好のチャンスがあります」
初春「……はい」
御坂妹「……なら……やることは、わかっていらっしゃいますよね?」
初春「………はい」
佐天「…っ、初春…!」
御坂妹「―――おっと」
佐天「…!」
御坂妹「…あなたには…もう何も言える権利はないはずですが?」
佐天「………っ!」
御坂妹「あなたは、勝負に負けた」
御坂妹「あなたが提案した、賭けにね」
佐天「……っ」
御坂妹「…ですから」
御坂妹「…潔く、負けた罰を……受けとるべきでは?」
佐天「………」
御坂妹「……ふふっ……それでいい」
佐天「……」
御坂妹「では、初春様」
御坂妹「…お願いします」
初春「…はい」
佐天「……!」
「―――やめなさい初春」
初春「え――――?」
佐天「――――!」
御坂妹「………!」
「…もう、やめなさい。初春」
初春「……あ…ああ…」
佐天「……あなたは……」
御坂妹「………白井……黒子……!」
黒子「……ふぅ」
黒子「……なんとか、間に合ったみたいですね」
佐天「……白井……さん」
黒子「…佐天さん」
佐天「……無事……だったん…ですね」
黒子「ふふっ……私が、簡単にやられるわけないでしょう?」
佐天「…ふふっ…そう、ですね………良かった……」
黒子「……佐天さん」
佐天「……?」
黒子「…本当に、すみません」
佐天「……え?」
黒子「…少し………少し、来るのが…遅れました」
佐天「……そ、そんな…」
黒子「……あなたを、そんなに傷付ける前に…」
黒子「……もっと早くに、来るべきでした」
黒子「……本当に、すみません」
佐天「……良いんです…!わ、私のことは…!私は、私は…白井さんを…巻き込んで…」
黒子「……ええ、そうですね」
佐天「……え?」
黒子「…巻き込まれましたよ、あなたに」
佐天「……っ、じゃあ……私を……恨んで…」
黒子「ふふっ…」
佐天「……?」
黒子「何を言っていらっしゃるんですか?」
佐天「…え…?…だ、だって……私の…せいで…」
黒子「ええ、あなたの『おかげ』で」
黒子「私は、随分と楽しませていただいていますよ?」
佐天「…え……?」
黒子「…佐天さん。……あなたは、何か勘違いをしていらっしゃいませんか?」
佐天「……?」
黒子「…あなたは、私の大切な友達です」
黒子「…そんなあなたが、そんな姿になるまで、頑張っていらっしゃる」
佐天「……!」
黒子「…これを……この私が、放っておくとお思いですか?」
佐天「……で、でも…」
黒子「だ・か・ら、勘違いしちゃダメですって」
佐天「……え?」
黒子「…正確には、あなたが、巻き込んだのではない」
佐天「……?」
黒子「…私が、自ら巻き込まれていっただけの話ですよ」
黒子「…馬鹿みたいに、首を突っ込んでいるだけの話ですわ」
佐天「……!」
黒子「だから、あなたが気に病むことは、何もない」
佐天「……でも……」
黒子「…ふふっ、納得いきませんか?」
黒子「…なら」
佐天「……?」
黒子「…これが片付いたら……パフェでも奢っていただきましょう」
佐天「……!」
黒子「それで…ちゃらですわ」
黒子「いいですね?佐天さん」
佐天「……は…はい!」
黒子「……ふふっ、よろしい」
初春「……白井…さん…?」
黒子「……あら、初春」
黒子「どうしたのですか?そんな物騒な物を持って」
初春「……こ…これ…は…」
黒子「…まったく…似合っていませんわよ?」
初春「……え……?」
黒子「あなたには、そんなもの、似合いません」
黒子「…違いますか?初春」
初春「……わ……わたしは……」
黒子「…そんなものを佐天さんに向けて、何をしていらっしゃるのですか?」
初春「…っ、私は…これで…」
黒子「…それで撃てば、何か変わるのですか?」
初春「……!」
黒子「…いいでしょう」
黒子「それで、何かがあなたにとって良い方向に行くと言うのなら…」
黒子「…試しに、引き金を引いてみてはどうですか?」
初春「………っ」
佐天「……」
黒子「巻き込まれるのが、嫌なんでしょう?」
黒子「佐天さんの友達だからという理由だけで、嫌な事態に巻き込まれるのが」
初春「………」
黒子「…確かに、嫌ですよね」
初春「………」
黒子「…でも、だからこそ……あなた方は、友達なんですよ」
初春「……!」
黒子「…辛いことを、分けあえ……楽しいことを、分かち合い…」
黒子「…その繋がりがあるからこそ……二人の世界がある」
黒子「…私は、友達とはそういう物だと思いますね」
初春「……っ!」
佐天「…白井さん……」
黒子「…ねぇ、初春」
黒子「…それで、いかがいたしますか?」
初春「……わ、私は……」
黒子「…その上で、まだ佐天さんを…」
佐天「…!白井さん!危ない!!」
黒子「――――!」
バシュン!!!
黒子「―――っと、危ないですわね」
御坂妹「……」
黒子「…ああ、そういえば……居らっしゃったんですね、あなたも」
御坂妹「……久しぶりの再会なのに、随分な挨拶ですね……白井様」
黒子「あなたこそ……なかなかのご挨拶ですわね」
御坂妹「邪魔しないでいただけますか?」
御坂妹「初春様は今、自分の意思でそこに立っていらっしゃるんです」
御坂妹「ですから、あなたに邪魔をする権利などない」
黒子「…ふふっ……何を言っていらっしゃるのですか?」
御坂妹「……私は、事実を……」
黒子「それは、おかしいですわねぇ…」
御坂妹「……?」
黒子「…本当に、初春の意思で、初春が佐天さんを殺そうとしているなら…」
黒子「……既に、初春は佐天さんの頭を撃ち抜いていても良いのでは?」
御坂妹「……」
黒子「なんせ、躊躇う意味がわかりませんからね」
黒子「自分が本当に殺したいと思うなら…」
黒子「さっさと引き金なんか引いてしまえば良いのに」
御坂妹「……死に損ないが、言いますね」
黒子「いえいえ……生き勝っただけの話ですわ」
御坂妹「…建物が崩壊して、生きていらっしゃるとは驚きです」
黒子「……ふふっ。お褒めいただき光栄ですわ……サンタさん」
御坂妹「…いえいえ…。…しかし、どうして生きていらっしゃるので?」
黒子「…どうして?」
黒子「そんなもの、あなた方が教えてくださったではありませんか」
御坂妹「……!?」
黒子「…なら、聞きますが」
黒子「…妹達は……あの倉庫にいた、妹達は…」
黒子「…一体、どこから来ていらしたんですか?」
御坂妹「…それは…」
黒子「…私達が入っていった別ルートでは…」
黒子「あの数の妹達が短時間で地下に一斉に来るのは不可能」
黒子「…なら、一体どこから?」
御坂妹「…っ、…まさか」
黒子「私がこうして生きているのは…」
黒子「…妹達の通ってきた『道』を、通ってきただけですわ」
御坂妹「…!」
黒子「…どうせ、隠れているだろうことはわかっていましたからね」
黒子「…それに、人質を救出しにきた私達を襲撃するのであれば……」
黒子「…人質が居る場所から近ければ近い方が良い」
黒子「…なら、後は一体どこから出てきたのか」
御坂妹「……」
黒子「…建物の崩壊が始まった直後、妹達は、不自然な行動に出始めました」
黒子「…おそらく、自分達がこの崩壊から巻き込まれない場所に、避難しようと考えたんでしょう」
黒子「…しかし、私達が来たときにはそんな場所は見当たらなかった」
黒子「…ですから……その妹達の行動が、彼女達の通ってきたもう一つの別ルートの存在を意味した」
御坂妹「……」
黒子「…私は、妹達に言いました」
黒子「『もう、テレポートするだけの体力も残っていない』と」
御坂妹「…!」
黒子「律儀に信じていただけて、こちらとしてもやり易かったですね」
御坂妹「……あれだけやって……まだ、妹達が出てきたもう一つのルートまで先にテレポートできたと?」
黒子「…ええ。…まぁ、実際ギリギリでしたけどね」
御坂妹「……っ」
黒子「先回りして、その道を塞ぐ作業もなかなか骨が折れましたが…」
黒子「…驚いたのは、そのルートが、地下5階の下……つまり、地下6階に存在したということ」
御坂妹「……」
黒子「しかも…」
黒子「そこを通っていけば、辿り着く先が……あなたがいる、この路地の近くであった」
御坂妹「……」
黒子「よくもまぁ…あんな手の凝った独自のルートを、作り出したものですね」
御坂妹「……」
黒子「……それで」
黒子「そのあなたの言う『死に損ない』が、こうしてわざわざ来てあげているのです」
黒子「…そろそろ、あなたの野望も…終わりにしてはいかがですか?」
御坂妹「―――寝言を」
ガシャ ガシャリ ガシャ
御坂妹「…あなたの能力も、そろそろ限界でしょう?」
黒子「……妹達の集団……ですか」
御坂妹「…仕方ありません」
御坂妹「…あなたから、排除しましょう」
黒子「……」
佐天「…白井さん!」
御坂妹「……よく、ここまで来てくれました」
黒子「……」
御坂妹「またあなたとお話ができて…感謝しています」
黒子「……」
御坂妹「……それでは……さようなら」
佐天「……白井さ……!!」
バババババババッ!!!!!
御坂妹「……」
御坂妹「…残念、でしたね」
御坂妹「惜しい人を、亡くしました」
佐天「…っ、白井…さん……」
初春「………っ」
御坂妹「…あなた方に悲しんでいる暇はありませんよ?」
佐天「…っ」
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- 佐天「御坂さんって学校じゃどんな感じなんだろ?」 (1001) - [56%] - 2010/3/2 9:47 ★★★×6
- 佐天「能力者なんて……みんないなくなればいいのに」 (181) - [52%] - 2010/2/10 17:15 ★★
- 千早「私、みんなにニックネームを付けたいのだけれど」 (346) - [50%] - 2012/4/22 8:15 ★★★
- 妹「お兄ちゃんは何も言わないけどわかってるんだよ?」 (112) - [47%] - 2013/1/30 12:45 ★
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