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元スレ佐天「上条さん、か……クリスマスはどうするんだろう」
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…私がこの路地に入るときは…
確か…あっちの方角だったはず
…あれ、でもこっちだっけ…
いや、でも……あっち……
やば……わからない…
佐天「……はぁ…はぁ…」
出血も……そろそろ洒落にならなくなってきた
時々、足がふらつく…
まずい……こんなところで…
立ち止まってるわけには…いかないのに…
それに
次に、狙撃されるのは…
………右足
それは、まずい
足を撃たれたら、走れなくなる
それだけは、まずい…
私の希望が、どんどん小さくなっていく…
とにかく、早く……行かないと……
ニャーン
佐天「………!」
猫…?
ニャーン タタタタタ…
佐天「……」
何でだろう、付いてきてって、言ってるような気がした…
佐天「…よし」
あの猫に……付いていこう
どうせ…もう、方角もよくわからないんだ
がむしゃらに進んでいくしかない…
佐天「……はぁ……はぁ…」
…猫……猫……
確か、こっちの方に……
ニャーン
佐天「……居た!」
よし、こっちだ……
…もう、右肩と左腕を撃たれて、上手く上がらないけど
それでも、まだ……走れる…!
佐天「…はぁ…はぁ…はぁ」
なんだろう…あの猫
不思議だな…
猫なんていつもなら、歩み寄っただけでも、凄い速さで逃げちゃうから…
追いかけても、追い付けるはず、無いんだけど…
まるで、あの猫は…
私が追い付くのを待ってくれているような…
それに、この路地に来たときは猫の声を聞いた時は…
不吉な予感しかしなかったのに…
今は、私が追いかけてる
…変な感じだ…
佐天「…はぁ…はぁ…」
でも
さすがに、体力が持たなくなってきた…
私は陸上の長距離選手じゃないし、そんな体力は持ち合わせていない
…それに、両腕からの出血
加えて、視界には映らない、何千もの私を狙う殺気
体力だけじゃない…
精神が、持つかどうかわからない
正直、走ってないと、正気を保てそうにない
立ち止まったら、分かってしまう
自分が、どんな現実に立たされているか…
佐天「……」
……こんな時
こんな時、上条さんが居てくれたら
あの人が居てくれたら…
また、1ヶ月前みたいに、助けてくれるんだろうか
私と同じ、レベル0だけど…
イマジン……なんとかっていうのを持ってて
凄く…強い
私の……憧れの……人だ
また、あの右手で、私を救ってくれるんだろうか
この…悪夢みたいなゲームを…
終わらせてくれるんだろうか…
佐天「……はぁ……はぁ…」
そんな…
ありもしない、幻想
油断すると、またその現実から離れたくなる
……はは、ダメだなぁ私
結局、1ヶ月前と…何も変わってないや
すぐに、助けてもらおうとする
すぐに、人を頼ろうとする
そんなだから…
白井さんが戦っていたことも、御坂さんが捕まっていたことも……
ミサカちゃんが……捕まっていたことも……知らずに…
…能天気に、クリスマスを過ごそうなんて、考えてしまうんだ
佐天「……っ……」
……悔しい
いつも私は、後悔した後に気付く
きっと、これは罰なんだろうな
みんなを巻き込んでしまった…罰だ
だから、この痛みは……受け入れよう
佐天「……」
……なんか私、ドMっぽいな
気のせいか……
ニャーン
佐天「……ん?」
あれ…は……
佐天「…灯りが……!」
間違いない!あそこだ!
やっと、やっとこの路地から出れる!
あとはこのままあの方向に走っていけば……
バシュン!!
佐天「――――っ!!?」
右足………!?
…撃たれた……!?
嘘だ…
嘘だ……こんなところで…!
もう、灯りが見え始めてるのに………!!
こんなところで………!
「残念、でしたね」
佐天「………っ!!」
御坂妹「もう灯りが見え始めているのに…」
御坂妹「残念なことに、10分過ぎてしまいました」
佐天「……うっ…うぅ…」
御坂妹「それにしてもよくここまで来れましたね」
御坂妹「あなたの為にこんな入り組んだ迷路のような場所を選んでいたのですが…」
御坂妹「なかなかの運のいい方だったようですね」
佐天「……うっ……」
…こんな…ところで…
倒れてちゃ……いけない…
御坂妹「…おや?両腕と片足が使い物にならない状態で、よく立ち上がろうと思いますね」
佐天「…はぁ…はぁ…まだ…」
佐天「…まだ…時間は……うっ……ありますから…」
御坂妹「……」
佐天「……すみません……はぁ…はぁ…あなたと…話してる時間は…無いんで…失礼します……はぁ…」
御坂妹「…ええ。それは失礼しました」
御坂妹「陰ながら、ご健闘をお祈りしています」
佐天「……はぁ…はぁ…」
…ぶっちゃけ…
あまり、虚勢を張るほど、余裕がない
言葉を発する度に、撃たれた傷口が痛む…
もう、走れないから…
壁に肩を擦り寄せながら前に進む
しかし、この体勢も…
正直、苦痛以外の何物でもない
一歩、踏み出す度に激痛
また一歩、踏み出す度に激痛
…もう、痛みに涙を流すことも忘れた
ただ、今はもう
僅かに見える灯りを…目指すしかない…
佐天「……うっ……はぁ……はぁ…」
視界が、ぼやけ始めた
遠くに見える灯りがぼやけて、もやもやとした模様に変わる
明らかに、血が足りなくなって来ている
おそらく、この路地の地面に落とした私の血液は…
普段の私なら、とっくに倒れ込んでいるであろう血の量になっている
死が
死が、近づく
希望の光に向かって歩いている私…
その後ろから迫ってくる、絶望の闇
タイムリミットが、そのまま私に終わりを告げる
あと、数分という時間が
今の私の、命の時間だ
佐天「…はぁ…はぁ……っ」
逃げる
必死で、逃げる
その暗闇から 絶望から
何千人という殺人鬼が
銃器を片手に私をじっと、見ている
そんな、夢でもお目にかかれないような
望みが、絶たれた世界から
佐天「…はぁ……もう……少し……っ…」
少しずつ、少しずつ
ぼやけた灯りが、段々大きくなってくる
その灯りに、近づこうと急ぐあまり
右肩から
左腕から
右足から
容赦なく溢れでる、血
一歩進む度に体の隅々まで駆け巡る、激痛
意識が飛びそうになるのを、必死でこらえる
弱音をはきそうになる度に
みんなの顔が浮かぶ
それが唯一、私の足をなんとか前に進めてくれている
残った左足を支えに
前へ、前へ進む
もうすぐ、辿り…着ける
彼の、待つ場所に……
…――
御坂妹「なかなか、頑張りますね」
…最初にこの路地に入ってきた彼女は
あまりに弱々しく
あまりにつまらない
まったく、壊しがいがない
なんだ、くだらない
そういった印象しかありませんでした
…同時に
腹も立ってきました
こんな、つまらない、くだらない、何の取り柄もない女に…
あの方を奪われてしまったことに
少しは、私に何か抵抗してくるのかと思えば…
会話はまともに出来ない
あげく、逃げてばかり
まぁ、最初から逃がすつもりはありませんでしたから、その点は別にいいのですが…
それにしたって、あの様
幻滅もいいところでした
いずれにせよ殺す予定でしたが…
私も呆れて、もう面倒になってきたので、さっさと殺そうと考えたぐらいでしたが…
御坂妹「…しかし、今の彼女は……なかなか興味深い」
『私と…賭けをしませんか?』
…あの時の、彼女の瞳
何千人の妹達に銃器を向けられた状況で
真っ直ぐに、私を見据えて言い放った言葉
…ゾクリとしました
まるで、何か新しい玩具を見つけたような感覚
…これはいい
…これはなかなか良い
絶対的な闇の世界で
その瞳だけが、小さく輝く
……面白い
それでこそ、壊しがいがある
暗闇の中で必死に生きようとする光
それを、葬り去る瞬間こそが
私の、至高の幸福の瞬間
………胸が、踊る
早く、その瞬間が来ないか、待ち遠しい限りです
御坂妹「……と、ミサカは思います」
白井様
あなたのお知り合いはなかなか面白い
しかし、申し訳ございませんが…勝つのは私です
御坂妹「……さて、もうすぐ……もう片方の足の時間です」
早いものですね、5分経つのも
うっかり考え事をする暇もありません
しかし、それはそれで良い
早く、見てみたいですからね
…僅かな希望にすがろうとする者の表情が…
…絶対の絶望にうちひしがれた時の表情を…
御坂妹「……ふふっ」
――さて、行きましょうか
バシュン!!
佐天「――――ああっ!!」
…唯一の支えだった左足
そこに、撃ち込まれた弾丸
支えを失って、私は前のめりに倒れ込む
佐天「…あ……ああっ…」
御坂妹「……15分、経過しました」
佐天「…うっ…うぅ…はぁ……はぁ…」
御坂妹「苦しいでしょう?」
御坂妹「…両腕、両足に弾丸で穴を開けられると」
佐天「…っ」
御坂妹「そろそろ、限界なのでは?」
御坂妹「出血量も……なかなかの量になっていますが?」
佐天「……うっ……」ガサッ
御坂妹「……」
佐天「……うぅ…くっ…」
御坂妹「…ふふっ」
御坂妹「その体で…這ってまで行こうと言うのですか?」
佐天「……うっ……はぁ…」
御坂妹「いいでしょう。まだ、あと5分あります」
御坂妹「頭を撃ち抜かれるその瞬間まで…」
御坂妹「精々、頑張ってくださいね」
佐天「……っ……」
…もう少し
…もう少し…なんだ
もう、前に光は見えてるんだ
…あそこに辿り着かないと…
どちらにしろ…もう、終わりだから
佐天「…うっ…っ…くっ…」
這ってでも……行く
支える足に力が入らなくとも…
前に……進む
灯りが射し込む出口と
暗闇が支配する路地
その、ちょうど境界線
私は、そんな位置にいる
それはまさに…生きるか、死ぬかの、境界線
この境界線の上で、私はどちらに転ぶか
神様が、選んでくれるはずだ
御坂妹「…1分経過」
佐天「……っ!」
私の後ろで、悪魔のサンタクロースが笑う
容赦なくタイムリミットまでのカウントダウンを告げる
佐天「……っ…うっ…」
時間が迫る
全ての終わりが、迫る
佐天「…ま…まだ……まだだ…」
ここで前に進むことを諦めたら、そこで終わりだ
まだ、終わっていない
残り、数十メートル先
少しずつ、少しずつ
明るいゴールテープが、見えてくる
もう少し…もう少し…
佐天「……くっ…うぅ…」
いつもの何十倍もの重さに感じる体を、引きずる
もう痛過ぎて、逆に痛みなんてどうでもよくなってくる
感覚が麻痺してきたようだ
そのわりに血は流れたまま
目の前が、さっきよりも霞む
意識があるのかどうかも、定かではない
佐天「……はぁ…っ…」
御坂妹「……2分20秒」
佐天「……っ」
くそっ………
時間が…こんなにも止まってほしいと願ったことはない
そんなこと、不可能なのはわかってる
だから、私から進んでいくしかない…
私から、掴みとるしかない…!
佐天「……くぅ……っ」
…そして
これほど雪が降ってほしいと願ったことはない
今日の朝は、天気予報を見て…
良い天気だから、喜んでいた自分がいたけど…
今は…
今すぐ……私の頭上から、雪が降ってほしいと…切に願う
凍えるこの寒さが
空から降る雨を雪に変え…
私の元に届いてほしい…
10%の降水確率が
今…当たってくれないだろうか…
御坂妹「……3分」
……現実は厳しい
本来なら、優しいプレゼントを届けてくれるはずのサンタクロースは…
私にとびきり『不都合』な…
最悪のプレゼントをしてくれようとしている
なんて、クリスマスだ
サンタクロースが殺人鬼だったなんて…笑えなさすぎる冗談だ
佐天「……っ…」
あと、20メートル
この…たちの悪すぎるゲームを終わらせるために、私が進まなきゃいけない…距離だ
ずるずると、体を這わせる
周りから見れば、よっぽどみっともない格好だろう
力の入らない両腕の肘を付けて…
不器用に前に進もうとするその姿は。
佐天「……はぁ……うっ……はぁ…」
御坂妹「……3分30秒」
残り、15メートル
まさかこんな距離に、1分30秒もかかるだろうか
そんなわけないって、普段の私なら笑い飛ばしていたことだろう
こんな……まさかこんな…
両腕と両足に弾丸を貫通させられた体で…
その距離を進んでいくなんて、思ってもいなかったから
佐天「…っ…はぁ…」
もうすぐ…もう少しで、みんなに、会える
また、会える
そう思えば、まだ、進める
絶対、間に合わせる
勝つんだ…この、ゲームに…
御坂妹「……4分」
残り、10メートル
希望までの道程は、長い
もう、やるしかない
一分後に、私は笑って勝つことができるか
それとも、頭を撃ち抜かれて負けるのか
そんなの、わからない
私が前に進み続ける限りは…
まだ、わからない…!
御坂妹「……4分15秒」
もう少し…!
もう少しで、取り戻せる…!
失いかけた……大切なものを…!
佐天「…うっ…ああ…!」
言うことをきかない体を、無理やり前に推し進める
もう光が、目の前にある…!
すぐそこに、私の希望が…ある
御坂妹「……4分40秒」
悪魔が囁く
佐天「……はぁあああ!」
必死で、もがく
御坂妹「……4分45秒」
悪魔が囁く
佐天「……うあああ!」
必死で、叫ぶ
御坂妹「……4分50秒」
悪魔が囁く
佐天「―――――!」
もう叫び声にもならない
御坂妹「――――」
悪魔の囁きも、聞こえない
ゴールが手の届くところにある
あと少し、体を引きずれば届く距離
光が私を照らす
手の届く距離に、目の前に、希望がある
そんな…
そんな、場面で
「――――タイムリミットです」
終わりを告げた
「残念でしたね。もう少しだったのに」
しかし、告げたのは悪魔ではなく…
「本当に、残念です」
光を遮り、私の目の前に立ちはだかったのは…
初春「こんなこと、私にさせないでくださいよ」
私の額に銃口を向ける
親友の姿だった
――――――――
・・・・・・
・クリスマスツリーイベント出店前
上条「……うーん」
たこ焼きは食ったし、焼きそばも食った
りんご飴もまぁ、なかなか美味かったな
…次は、何食うかなぁ…
上条「……しかしなぁ」
あんまり食っちまったら、佐天さん来たときに申し訳ないか…
…にしても遅いな、佐天さん
何やってんだろ
用事ってなんだ?なんか家の用事か?
まぁ、もうすぐ着くみたいなこと言ってたし…別にいいか
上条「……もう、ツリー点灯しちまったか」
一緒に見ようって、言ったんだがな…
・・・・・・
・クリスマスツリーイベント出店前
上条「……うーん」
たこ焼きは食ったし、焼きそばも食った
りんご飴もまぁ、なかなか美味かったな
…次は、何食うかなぁ…
上条「……しかしなぁ」
あんまり食っちまったら、佐天さん来たときに申し訳ないか…
…にしても遅いな、佐天さん
何やってんだろ
用事ってなんだ?なんか家の用事か?
まぁ、もうすぐ着くみたいなこと言ってたし…別にいいか
上条「……もう、ツリー点灯しちまったか」
一緒に見ようって、言ったんだがな…
まぁ、仕方ない
今はとりあえず、気長に待ってるしかなさそうだ
上条「……」
『私は』
『上条さんが、大好きです』
上条「……」
……急に、どうしたってんだ?
まぁ、別にそう言ってくれるのは嬉しいは嬉しいんだが…
どうにも、調子狂っちまうな
なんか良いことでもあったか?
上条「……」
もしくは…その、逆か……なんてな
クリスマスに限って、んな不幸な目にはあわんだろう
俺じゃあるまいしな
上条「……はは。俺が考え事なんてしても、しゃーねーか」
上条「あんまり、難しいこと考えんのも、柄じゃねーしな」
上条「…うし、佐天さん用に…たこ焼きでも買いに行きますか」
もうすぐ、来るだろうしな
…あ、でも、なんか食ってきてるか?
腹一杯なのにたこ焼きってのも、なかなか酷だよなぁ…
上条「うーん……まぁ、いいか」
そん時はそん時だ
俺も一緒に食えばいい話だしな
うっし、買いに行くか…
プルルル プルルル
上条「…ん?…電話か…」
ピッ
上条「…もしもし――――」
保守サンクス
投下します
今度こそ最後の(ry
投下します
今度こそ最後の(ry
考えないようにしていた事がある
この路地に、入った原因を
本当は、心の中では、わかっていたことで
本当は、心の中では、気づいていたことで
それでも
信じようと、思っていたこと
まさか、二度と、1ヶ月前のように
自分の親友が
自分を裏切るようなことをするわけないって、思っていた
佐天「…どう……して……」
初春「……」
佐天「…うい…はる……」
初春「…佐天さんのせいですよ」
佐天「……!」
初春「あなたのせいです、佐天さん」
御坂妹「どうも、佐天さん」
佐天「…!」
御坂妹「あなたの勇姿、なかなかの見物でした」
御坂妹「私も、少し感動いたしました」
佐天「…っ…、あなた……ういはる…を……!」
御坂妹「…ああ、そのことですか」
御坂妹「すみません。申し遅れていました」
佐天「……な、にを…」
御坂妹「今日の、特別ゲストです」
佐天「…ゲスト…?」
御坂妹「ええ」
御坂妹「あなたに、最後に止めをさしてくださる―――大切なゲストですよ」
佐天「……!」
御坂妹「いかがですか?」
御坂妹「自分の親友に…銃口を向けられる気持ちは」
初春「……」
佐天「……っ…!」
御坂妹「あなたは、どんな気持ちでした?」
佐天「え………?」
御坂妹「…私達に」
御坂妹「数千人の妹達に、銃口を向けられた時の気持ちは、どうでしたか?」
佐天「…っ」
御坂妹「きっと、想像もしていなかった恐怖を覚えたんではないでしょうか?」
佐天「……っ!!」
御坂妹「……さて」
御坂妹「ここで、問題です」
佐天「……?」
御坂妹「…とある一人の女学生が」
御坂妹「…とある路地に連れて来られました」
佐天「……!」
御坂妹「そこには…」
御坂妹「たくさんの猫と…」
御坂妹「たくさんの…銃器を持った人間がいました」
佐天「…!!」
御坂妹「そしてその銃口を…」
御坂妹「――――一斉に、その女学生に向けました」
佐天「……っ…!!」
御坂妹「…果たして」
御坂妹「そんな状況に陥った純粋無垢な女学生が…」
御坂妹「まともな精神状態を保てたでしょうか?」
佐天「…あな…た…っ!初春に……っ!」
御坂妹「勘違いなさらないでくださいね?」
佐天「え……?」
御坂妹「…初春様は」
御坂妹「ご自分の意思で、あなたの前に立ち塞がっている」
佐天「そんな…わけ…!」
御坂妹「…あなたも今、初春様の口から聞いたでしょう?」
御坂妹「『あなたのせいだ』と」
佐天「……っ!それは…あなたが…っ」
御坂妹「…初春様はずっと、苦しんでいらしたんですよ」
佐天「…え?」
御坂妹「自分の友人が幸せになっていくのに対し…」
御坂妹「自分はその友人のせいで、不幸な事態に巻き込まれていく」
佐天「……!!」
御坂妹「…ですからね」
御坂妹「少し、初春様とそのことで、お話したんですよ」
佐天「……話……?」
御坂妹「…二日前の夜」
御坂妹「あなたがあの路地に到着する……前にね」
佐天「―――!!」
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