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元スレ佐天「上条さん、か……クリスマスはどうするんだろう」
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黒子「………どれくらいですか?」
妹達「…え?」
黒子「それはどれくらいの人数ですか?」
妹達「……おそらく…200や300……」
黒子「あー、それではダメですね」
妹達「…………は?」
黒子「もう少し……」
黒子「もう少し…多くできませんでしょうか?」
妹達「な………何を言って…」
黒子「いやまぁ…別に、どちらでも構いませんの」
妹達「……??」
黒子「…向こうにいる戦力が、こちらに来てくださるのであれば…」
黒子「それはそれで、こちらとしては都合がいい」
妹達「………」
黒子「向こうの集団の戦力が削られるならそれもよし…」
黒子「…今、楽に人質を救出させてくれるのもよし」
黒子「……さぁ、果たして……」
黒子「…あなたたちにとっては、どちらの選択肢が良いのでしょうね?」
妹達「……っ……」
黒子「―――ああ、そういえば」
妹達「…?」
黒子「…あなたたちの情報は共有されるのでしたわね?」
妹達「…はい、そうですが?」
黒子「じゃあ、ちょうど良いですわ」
妹達「…?」
黒子「…昨日のあの方に、伝えて欲しいことがありますの」
妹達「……」
黒子「―――あなたは、精々後悔しなさい」
黒子「とんでもない物を、敵に回したことを」
妹達「……」
黒子「そして……」
―――私の後輩を、あまり舐めない方がいい
――――――
――――
――――
・路地・
佐天「……」
冷たい手で
冷たい携帯電話を取り出す
…三日前まで…クリスマスの誘いの電話をかけようと思って
なかなか押せなかった番号が、画面に表示される
いつもは、愛しく思えるその番号が
今は、とても……冷たく………恐い
御坂妹「…できれば、早くしていただけないでしょうか?」
佐天「…っ……はい…」
ピッ
・路地・
佐天「……」
冷たい手で
冷たい携帯電話を取り出す
…三日前まで…クリスマスの誘いの電話をかけようと思って
なかなか押せなかった番号が、画面に表示される
いつもは、愛しく思えるその番号が
今は、とても……冷たく………恐い
御坂妹「…できれば、早くしていただけないでしょうか?」
佐天「…っ……はい…」
ピッ
プルルル
プルルル
佐天「……」
御坂妹「……」
ガチャ
上条『はいよ』
佐天「…っ、あ……か、上条さん」
御坂妹「……」
上条『おう、佐天さん。どうしたんだ?待ち合わせ時間、結構過ぎてるけど』
佐天「あっ、あの……すみません。…ちょっと…用事があって遅れています……」
上条『なんだそうなのか。てっきり俺はすっぽかされちまったのかと思ってたぜ』
佐天「あ、い、いえ……す、すみません」
上条『いやいや、いいっていいって。まぁ、暇すぎて先に出店でたこ焼き買っちまったけどな。ははは』
佐天「……そうですか」
上条『ああ、なかなか美味いぜ?このたこ焼き。なんせこれ、たこがでっかくてな……ってあっちぃ!ちょ、手に!手に熱々のたこ焼きが!』
佐天「…あっ、あの、大丈夫ですか…?」
上条『…ふぅ、ふぅ……。あー、熱かった。…ああ、不幸だ……』
佐天「…ふふっ」
……あれ?
なんで私、笑ってるんだろ?
上条『…まぁ、あれだ。とにかく、待ってるから。用事が忙しいようなら、ゆっくり来てくれてもいいぜ』
佐天「あ……え、えっと……あの…」
御坂妹「……」
佐天「……っ」
上条『ん?どうしたんだ佐天さん』
佐天「あ、いえ、あの…上条さん…その…」
上条『どうした?…あ、もしかしてあれか。俺が先にたこ焼き食ったりして、一人で楽しんでるから怒ってる?』
佐天「い、いえ!違います!そういうことじゃ……ないんです」
…早く……早く、言わないと……
上条『おお、そうか。いや、それならこの際白状しとくけど、実はたこ焼きだけじゃなくて焼きそばも食べちまったんだ。すまん、あれもなかなか美味しかった』
佐天「あ、いえ…全然いいですよ?」
早く…言わないと…!
上条『それにしても、すっげー賑わってるぜこっち。なんかさ、クリスマスカードかなんかをツリーに吊るすんだってさ』
佐天「……」
早く…
上条『星形のやつでさ。んでなんかみんなそれをツリーに吊るしていってるみたいだぜ』
言わないと…
佐天「…そうですか…」
言わないと……
佐天「………」
別れの言葉、早く言わないと…
みんなに、会えなくなる…
佐天「上条さん…」
上条『…ん?』
佐天「…お話が、あります…」
上条『…?』
御坂妹「……」
佐天「あの…」
佐天「私…」
…仕方ないんだ…
佐天「……私…」
上条『………』
会えなくなるより、ずっと良いから
佐天「…上条さん、私」
上条『佐天さん』
佐天「……え?」
上条『もうすぐ…さ』
佐天「………は、はい?」
上条『ツリーの点灯式があるんだってよ』
佐天「………え?」
上条『あのでっけークリスマスツリーがな、綺麗に輝くらしいんだ』
佐天「……」
上条『あとどれぐらいだっけな……20分ぐらいかな』
上条『一斉にクリスマスツリーが点灯するんだってさ』
佐天「……」
上条『だからさ、佐天さん』
上条『待ってるからな』
佐天「…!」
上条『一緒に見ようぜ』
佐天「……上条…さん…」
上条『それまでにはできれば…来てほしいかな?』
佐天「………」
言わなきゃ、いけない
私には、選択肢なんて、それしか…ない
だから…
佐天「上条さん」
上条『…なんだ?佐天さん』
佐天「私………」
(あなたと、別れます)
黒子が言ってる後輩って初春のこと?
黒子、初春、佐天は中一で同級生じゃないか
ジャッジメントとしての後輩ということか
黒子、初春、佐天は中一で同級生じゃないか
ジャッジメントとしての後輩ということか
佐天「私、その……」
(あなたと、別れます)
佐天「あなたと……」
(あなたと、別れます)
佐天「上条さんと……」
『―…一緒に見ようぜ…―』
佐天「…………」
佐天「――――私」
佐天「上条さんが、大好きです」
佐天「だから」
佐天「これからも、よろしくお願いします」
御坂妹「――――!?」
上条『…ははっ、なんだよ急に。びっくりするじゃねーか』
佐天「ふふっ、すみません。」
上条『わかってるよ。俺こそ……よろしくな』
佐天「はい!…あの、もう少し、待っててくれますか?」
上条『ああ、いいぜ。リンゴ飴でも買って食べとくわ』
佐天「ふふっ、はい。じゃあ、またあとで」
上条『おう、じゃあ、またあとでな!』
プツッ
パタン
佐天「…ふぅ」
御坂妹「……佐天様」
佐天「…はい?」
御坂妹「…一体、どういうことでしょうか?」
佐天「…そういう、ことです」
御坂妹「……」
佐天「私は…」
佐天「私は、どちらの選択肢も選ばない」
御坂妹「………」
佐天「私は………あなたの言いなりには、ならない」
御坂妹「……」
佐天「生きることも、上条さんのことも、みんなとの生活も…」
佐天「…私が」
佐天「あなたから、勝ち取って見せます」
御坂妹「…そうですか」
御坂妹「では・・・交渉、決裂ですね」
――――――
―――
―倉庫地下―
妹達「……こちらです」
黒子「……こんな、ところに…」
一方「……こりゃあ、見つからねーわけだ」
黒子「…これは、あなた方が用意したものですか?」
妹達「はい。あのお二人を幽閉するために、本来なら地下5階まである階を、3階までで完全に封鎖しておりました」
一方「…それで、テメェらだけが地下5階までいけるこの別ルートを通って、あいつらに接触していたわけか?」
妹達「はい。その通りです。と、ミサカは答えます」
黒子「……しかし、私が調査した時にはこの倉庫は既に地下3階までしかないとデータで表示されていましたが…」
妹達「データの改ざん作業は一昨日には済んでいましたから」
黒子「…はぁ。抜かりないですわねぇ」
一方「面倒くせぇことしやがって」
―――
―倉庫地下―
妹達「……こちらです」
黒子「……こんな、ところに…」
一方「……こりゃあ、見つからねーわけだ」
黒子「…これは、あなた方が用意したものですか?」
妹達「はい。あのお二人を幽閉するために、本来なら地下5階まである階を、3階までで完全に封鎖しておりました」
一方「…それで、テメェらだけが地下5階までいけるこの別ルートを通って、あいつらに接触していたわけか?」
妹達「はい。その通りです。と、ミサカは答えます」
黒子「……しかし、私が調査した時にはこの倉庫は既に地下3階までしかないとデータで表示されていましたが…」
妹達「データの改ざん作業は一昨日には済んでいましたから」
黒子「…はぁ。抜かりないですわねぇ」
一方「面倒くせぇことしやがって」
妹達「…こちらも」
妹達「それだけ、あなた方に対して本気だったということです」
黒子「…ふふっ、まぁ、それぐらいしてもらわないと、確かにこちらも潰しがいがありませんものね」
一方「全くだな」
妹達「……」
妹達「…着きました」
妹達「どうぞ、お二人はこの中です」
黒子「…っ、お姉さま!!」
美琴「……え?…黒子?」
黒子「お姉さま!大丈夫でしたの?怪我はないですの?ああああ縛られているではありませんのぉー!」
美琴「ちょ、ちょっと黒子!落ち着いて!とりあえず縄ほどいて!」
黒子「ほどきます!今すぐほどきますわ!……あ、でも、待ってください。お姉さまが身動きが出来ないこの状況………チャンスでは!?(性的な意味で)」
美琴「この期に及んで何言ってんだあんたは!早くほどきなさい!」
黒子「…ぐふふふ……よいではありませんかぁ~。久しぶりの再開ですから…」
美琴「……あんたって…奴は……」ビリビリ
黒子「うわ、ちょっ、お姉さま!?じょ、冗談ですわよ~。そんなまさかこんなところでビリビリ……ああああああん!!」
美琴「どうでもいいから、は・や・く解放しなさい!!」
黒子「ああ……でも久しぶりの感覚ぅ…」
美琴「…あ。ていうかちゃんと電気出せるようになってる」
黒子「……私、実験台でしたの?」
一方「……」
打止「……」
一方「…おい、クソガキ」
打止「……」
一方「いつまで寝てやがンだ」
打止「……」
一方「…今日が、テメェの言ってたクリスマスってやつだぜ」
打止「……」
一方「……おい」
打止「……」
一方「…いつまでもシカトしてんじゃねぇぞ」
打止「……うるさいの」
一方「あァ?テメェ…せっかく助けに来てやったのになンだその…」
打止「…か……ったの」
一方「…?」
打止「…寂しかったの」
一方「……」
打止「…来るのが…遅いの……」
一方「…」
打止「……ごめんなさい」
一方「…」
打止「…ミサカがミサカが猫飼いたいって言って……それで…その猫を追い掛けてしまったから……」
一方「…」
打止「……ミサカの……ミサカのせいなの」
打止「本当に……ごめんなさい」
一方「……」
打止「……」
一方「……」
打止「…あ、あの……やっぱり、まだ怒って…」
一方「猫ってよ」
打止「…?」
一方「猫って……なかなか良いモンだよな」
打止「……え?」
一方「そりゃあ、仕方ねーわ」
一方「俺も、多分追い掛けちまうだろうしな」
打止「…!」
一方「…行くぞ」
打止「……あ」
一方「…クリスマス、楽しみにしてたんだろ?」
打止「!」
一方「さっさと、行くぜ」
打止「………うんっ!」
美琴「あ、ミサカちゃん…」
打止「美琴!」
美琴「やっと……顔が、見れたわね」
打止「うん!ありがとう美琴!美琴のおかげでミサカはミサカは頑張れたの!」
美琴「…うん……私も、ありがとう」
美琴「(ミサカちゃんがしてるマフラー……やっぱり……そうだったんだね)」
打止「…?」
黒子「……さて」
黒子「人質も無事救出したことですし…」
黒子「早く行きましょうか」
美琴「そうね……早くしないと、佐天さんが危ないわ!」
打止「そうなの!あの人が危ないの!」
黒子「…そうですか。やはり、彼女の狙いは……」
美琴「うん。……やっぱり……血は争えないみたい」
一方「ははっ…たいそう迷惑なこった。姉妹揃って、たかが色恋沙汰で人殺ししようなんてなァ。ハハハッ」
美琴「……」
黒子「…あなた」
一方「…なンだよ」
黒子「次にそれを言ったら許しませんわよ?」
一方「…はァ?何言ってやがンだよ。俺は事実を…」
黒子「いいんですの?私、言ってしまいますわよ?」
一方「…何を…」
黒子「…あなたが打ち止めさんのことを心配し過ぎて……」
一方「なっ…テメェ!それ以上言うな!」
打止「…?」
黒子「あら、よろしいんですの?」
一方「…………チッ」
黒子「ふふっ……では、参りましょうか」
「お待ちください」
ガシャ
ガシャリガシャリ
黒子「……!?」
一方「こいつら…」
美琴「…っ」
打止「……!」
妹達「申し遅れていましたが…」
妹達「あなたたちがこれから向かおうとしている『集団』には…」
妹達「『私達』の、半数程度の人数しかいません」
黒子「……」
妹達「…ですから」
妹達「あなたたちがここに来た時に備えて…」
妹達「『予備』はたくさん用意させていただいておりました」
黒子「…!」
一方「…はっ、関係ねぇな」
一方「さっきも言っただろ?数でかかってこようが同じことだってよ」
妹達「…確かに、あなた一人に対してなら、そうなりますが…」
妹達「…では」
一方「…?」
妹達「…果たしてあなたの守りたい物を守りながら、この人数を相手にできますか?」
一方「……!」
妹達「そして…」
妹達「この部屋は狭い」
妹達「入り口しか出口がないこの場所の……その入り口さえ塞いでしまえば…」
妹達「あなたたちの実力がどれほどの物であっても…」
妹達「…全員、全くの無事では済みませんよ?」
黒子「……」
妹達「さぁ、どうなさいますか?」
美琴「…あんたたち…!」
美琴「もう、やめなさい!」
妹達「……」
美琴「こんなことしても……何もならないわ」
美琴「それは、私自身が……一番、よくわかってる」
美琴「……だから……もう、やめて」
妹達「…」
妹達「…申し訳ございません」
美琴「…!」
妹達「例え、お姉さまのお願いでも…」
妹達「今回ばかりは、引き下がるわけにはいきません」
美琴「そんな…!」
妹達「お姉さまは、甘すぎるのです」
美琴「…!」
妹達「…本当に自分の好きな人のためなら…」
妹達「…その人のために、全てを犠牲にしてでも」
妹達「その目標に向かって、突き進むべきでした」
美琴「…」
妹達「お姉さまは優しすぎた…」
妹達「だから、逃したのですよ」
妹達「彼を……手に入れるチャンスを」
美琴「…!」
妹達「私達は、お姉さまとは違う」
妹達「お姉さまとは……覚悟が違うのですよ」
美琴「……っ」
黒子「―――そんなこと」
黒子「当たり前ですわ」
美琴「!……黒子?」
黒子「あなた方なんかと、私のお姉さまを、一緒にしないでいただきたいですわ」
妹達「……」
黒子「お姉さまは、確かに優しすぎるところがあります」
黒子「他の人よりあまり器用な方でもありませんし、素直でもありません」
黒子「…でも」
黒子「そこがお姉さまの良いところであり、魅力なのですよ」
美琴「…黒子…」
妹達「……」
黒子「…私の…お姉さまのことを……わかったような口を聞くんじゃない!」
妹達「……わかりました」
妹達「そのことは、謝りましょう」
黒子「……」
妹達「…では…その違いを見ていただくために…」
妹達「あなた方には……ここで、死んでもらいます」
美琴「…!」
黒子「…結局、こうなるのですわね」
一方「チッ……くだらねぇことに巻き込まれちまったモンだな」
打止「戦うの!私達も一緒に……戦うの!」
一方「…はっ、わかってらァ」
妹達「…それでは…」
妹達「開始します」
黒子「…!」
なんかさっきから打ち止めの口調がリップルラップルみたいなことになってるんだが
全員ミサカミサカいってないのは仕様?
全員ミサカミサカいってないのは仕様?
――――
・路地・
バシュン!
佐天「…ぐっ…!」
御坂妹「そんな携帯電話など、もうあなたには必要ありませんよね」
佐天「……っ」
御坂妹「まったく…」
御坂妹「あなたもなかなか、物分かりの悪い方ですね」
佐天「……」
御坂妹「素直に取り引きに応じていれば…」
御坂妹「……また、あの方と話す機会もあったかもしれませんのに」
佐天「……」
御坂妹「ああ、そういえばあなたは…」
御坂妹「私から勝ち取って見せるとおっしゃいましたが…」
御坂妹「一体、私から何を勝ち取るおつもりですか?」
・路地・
バシュン!
佐天「…ぐっ…!」
御坂妹「そんな携帯電話など、もうあなたには必要ありませんよね」
佐天「……っ」
御坂妹「まったく…」
御坂妹「あなたもなかなか、物分かりの悪い方ですね」
佐天「……」
御坂妹「素直に取り引きに応じていれば…」
御坂妹「……また、あの方と話す機会もあったかもしれませんのに」
佐天「……」
御坂妹「ああ、そういえばあなたは…」
御坂妹「私から勝ち取って見せるとおっしゃいましたが…」
御坂妹「一体、私から何を勝ち取るおつもりですか?」
佐天「……」
御坂妹「…ご覧のように、あなたの視界には今も尚、妹達が銃口をあなたに向けています」
佐天「……」
御坂妹「そして、逃げ場もない」
佐天「……」
御坂妹「ちなみに…」
御坂妹「あなたはご存知でないようなので、一応言っておきますが…」
佐天「…?」
御坂妹「あなたの先輩にあたります、『白井黒子』様が、実は私達の企みにいち早く気付き…」
御坂妹「監禁していたお姉さまの居場所も突き止め、人質を解放したようです」
佐天「…!!白井さんが…!?」
御坂妹「彼女は、あなたやお姉さまを助けるために…尽力なさっていたようですよ?」
佐天「白井さん…」
御坂妹「しかし」
佐天「…え?」
御坂妹「とても残念なことに……」
御坂妹「今頃、無事には…済んでいないでしょうね」
佐天「…なっ…」
御坂妹「…なにせ…」
御坂妹「お姉さま達の監禁していた場所には…」
御坂妹「ここにいない『妹達』が、待ち構えていますからね」
佐天「……!!」
御坂妹「あの方はとても聡明な方でした」
御坂妹「私としても…もう一度、お話がしてみたかったんですけどね……残念です」
佐天「…っ」
御坂妹「…というわけで…」
御坂妹「あなたを助けようとしていた人達も、ここには来ないでしょう」
御坂妹「それを知った上で……あなた一人で、私から何か勝ち取るなんてことができるとお思いでしょうか?」
佐天「……っ…」
御坂妹「…ああ、それと」
佐天「…?」
御坂妹「この際ですから言っておきますが…」
御坂妹「お姉さまと一緒に監禁されている人物が、もう一人います」
佐天「…え?」
御坂妹「…それは」
御坂妹「私たちのこの行いを止めることのできる最終手段…」
御坂妹「…『ラストオーダー』です」
佐天「…!(この人達を止める…最終手段!?)」
御坂妹「その子は、私たちがこのように独自の判断で暴走を始めた時…」
御坂妹「それを止める最終手段として作られた……20001番目の『妹達』です」
佐天「…!」
御坂妹「…最後に、もう一つ」
佐天「…?」
御坂妹「あなたは…あのマフラーを手放してしまったようですね」
佐天「…!」
御坂妹「あなたにとってあのマフラーがどれだけ重要だったか、また、あなたにとってどれだけ希望であったか…」
御坂妹「私は把握していたつもりですが…」
御坂妹「どうして、手放してしまったんでしょうね?」
佐天「…っ」
御坂妹「それも…」
御坂妹「まさか、その……『ラストオーダー』に渡してしまうなんて」
佐天「なっ……まさか…」
御坂妹「ええ、そうです」
御坂妹「あなたがマフラーを渡した相手は…私達を止める最終手段ラストオーダー」
御坂妹「つまり……あなたは、その小さな希望すらも、自ら二度と手に入らない場所に『置いてきてしまった』」
佐天「……っ」
御坂妹「残念です」
御坂妹「非常に、残念です」
御坂妹「あなたは、あの方が選んだ女性です」
御坂妹「あなたが私から勝ち取って見せると言った時は、少しは楽しませていただけると思ったのですが……」
御坂妹「今やあなたは、まともに私と会話出来ずにいる」
御坂妹「とても、残念です」
佐天「……」
御坂妹「それでは……」
御坂妹「そろそろお別れの時間ですね」
御坂妹「さような…」
佐天「―――妹さん」
御坂妹「…?」
佐天「……1つ…提案が、あります」
御坂妹「……提案?」
佐天「…はい」
御坂妹「今更、命乞いなら受け付けませんが?」
佐天「……違います」
御坂妹「…」
佐天「…私には」
佐天「…確かに、もう、希望はない」
佐天「正直、こんな状況で……私が今、生きていること事態が不思議なぐらいです」
御坂妹「……」
佐天「…ですから…」
佐天「…命乞いはしません」
御坂妹「……」
佐天「ただ…」
佐天「最後に…私と…」
佐天「…賭けを、しませんか?」
御坂妹「………賭け?」
佐天「…ええ」
佐天「あなたも言った通り……今の私には、あなたから勝ち取れる物なんて……1万分の1もありません」
佐天「つまり、私があなたに勝てる可能性は……0%です」
御坂妹「…そうなるように仕組んだのは私達ですが?」
佐天「…はい。わかっています」
佐天「ですから、これは私からのただの、提案です…」
御坂妹「……」
佐天「……」
御坂妹「…一応、聞いておきましょうか」
佐天「…ありがとうございます」
御坂妹「…」
佐天「…妹さん」
佐天「…この近くで、クリスマスツリーのイベントをやっていることを、ご存知ですか?」
御坂妹「…はい。あの方と、行かれる予定であったのでしょう?」
佐天「はい。…実は、そのクリスマスツリーが…」
佐天「あと、20分で、一斉に点灯するそうなんですよ」
御坂妹「……それで」
御坂妹「あなたはそれまでにそのクリスマスツリーに辿り着けたらあなたの勝ちにして欲しいと?」
佐天「…あなたたちが、私に道を開けてくださることが……前提ですけどね」
御坂妹「ふふ」
御坂妹「何を言ってるんですか?」
佐天「……」
御坂妹「…私達が、あなたをこの路地から簡単に出すとでも?」
御坂妹「冗談を言うのも程々にしてください」
佐天「……そうですよね」
御坂妹「当たり前です」
佐天「…やっぱその提案は、さすがにダメでしたか…」
御坂妹「…?」
佐天「…確かに、図々し過ぎますよね」
御坂妹「……」
佐天「…妹さん」
御坂妹「……はい?」
佐天「…じゃあ、こういうのは、どうでしょうか?」
御坂妹「……?」
佐天「……あと、20分の間に…」
佐天「―――雪が、降ったら」
御坂妹「……」
佐天「雪が降ったら………私の、勝ちというのは?」
御坂妹「……」
佐天「……今日の…降水確率は…10%です」
佐天「ですから……」
佐天「勝率0%の私に…」
佐天「…その10%だけ、私にくださいませんか?」
御坂妹「……」
佐天「20分の間に……」
佐天「私は、その10%の希望だけを持って……あなたたちから生きる方法を探します」
佐天「…もちろん、この状況で、20分もあなたたちから生きれることは、1%もないでしょう」
佐天「…それに、雪も、降らないかもしれない」
御坂妹「…」
佐天「……しかし」
佐天「…現に私は、あなたとこうして話している」
佐天「まだ、生きている」
御坂妹「……」
佐天「…なら」
佐天「…その、1と0の間にある可能性に……賭けてもいい」
佐天「そこが……私の希望です」
御坂妹「……それは」
佐天「……?」
御坂妹「あなたの今言ったことは、賭けにはならないのではないですか?」
佐天「……」
御坂妹「確かに、あなたはまだ生きている」
御坂妹「でも、勘違いしないでいただきたいのです」
御坂妹「あなたはただ、私達に『生かされている』だけであって」
御坂妹「『生きている』のではない」
御坂妹「その気になれば、今この瞬間にでもあなたの存在を消し去ることが可能ですが?」
佐天「―――でも」
佐天「まだ、わからない」
御坂妹「……」
佐天「現に、あなたは…」
佐天「その今すぐにでも出来ることを、私にしようとしない」
御坂妹「……」
佐天「…それで、どうでしょうか?」
佐天「私の賭けに……乗ってくださいますか?」
御坂妹「……」
佐天「……もし、承諾していただけないのでしたら、今すぐ私を…」
御坂妹「…いいでしょう」
佐天「…!!」
御坂妹「…ただ」
御坂妹「条件を、私からも提案させてください」
佐天「……条件?」
御坂妹「…あなたの言う通り…」
御坂妹「私はあなたを今すぐに殺せるというのに…」
御坂妹「私はそれをしようとしない」
佐天「……」
御坂妹「それはなぜか?」
佐天「……」
御坂妹「単純に」
御坂妹「―――楽しくないんですよ」
御坂妹「あなたを簡単に殺してしまっては」
佐天「……」
御坂妹「私は、あなたに少し期待していました」
御坂妹「あの方が選ぶほどの方です」
御坂妹「よほど、魅力的な方で……そして……」
御坂妹「…私を楽しませてくれる方なのではないか、と」
佐天「……」
御坂妹「…それが…」
御坂妹「蓋を開けてみれば、このざまです」
御坂妹「はっきり言って……あなたには期待を裏切った責任を取ってもらいたいものだと思いましたね」
佐天「…はは……すみません」
御坂妹「しかし、だからこそ…」
御坂妹「あなたの提案は、なかなか魅力的だと思いました」
佐天「……」
御坂妹「…ちょうど退屈していたところです」
御坂妹「少しばかり、そういった遊びをしてもいいでしょう」
佐天「……」
御坂妹「そして、先ほど申し上げました条件ですが…」
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