元スレキョン「……また同じ日の繰り返しか…」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
1 :
違和感といって良いのかどうか分からない。
俺の記憶が根拠と言ったら頼りないが、この普段過ごしている日常がループしているような気がするのだ。
こうやってSOS団の部活でいつも通り朝比奈さんのお茶を飲みながら
古泉と代わり映えのしないオセロをしたとき。
ハルヒが俺に無理難題を言い、朝比奈さんがそれにフォローを加え古泉がバイトが
出来たと言い部室から出て行きそして長門が本を閉じる音で終わる。
デジャブというやつなんだろうか。
確かに普段からこんな日々を過ごしていると言われれば、そんな気がするが
俺の脳にチクリと何かが差しているようなそんな錯覚を覚えた。
「じゃあキョン。明日も来なさいよ」
そう言うや涼宮ハルヒは荷物を持ってドアから出て行った。
「ああ、また明日な」
俺は朱色に染まった部室でぼんやりと思索に耽っていた。
特に用事はないが、なぜかここにいなければならない…気がする。
「明日が来れば良いですよね」
ガラリとドアを開けて入ってきたのは古泉だった。
2 :
完
3 = 1 :
バイトはどうしたんだ?
そう尋ねようとする前に古泉はゆっくりとソファに座り込む。
そして、ポケットから優等生で通ってる古泉にふさわしくない四角い箱を取り出す。
そして箱の中からタバコを取り出して火をつけた。
俺はここで注意しなければならなかったのだが、なぜかそんな気がしなかった。
古泉がタバコを吸うのは当たり前と本来ならありえない認識をしていたからだ。
「あなたも吸います?」
古泉が手馴れた仕草で一本だけ飛びさせて俺に向ける。
「いや、俺は良いよ」
そう言って断ると、古泉がにやけ面を浮かべながらつぶやいた。
「あなたは何回勧めてもタバコだけは吸いませんよね」
そう言うとまた黙ってタバコを吸い始めた。
部室にふさわしくないタバコの煙がゆっくりと充満する。
「いつになったら今日が終わるんでしょうね…」
古泉が吐き捨てるように言った。
4 = 1 :
「今日はあの宇宙人がいないから何回目なのかも分かりませんね」
宇宙人?長門のことか。こいつがこんな言い方をするのも始めて聞いた…ような気がした。
「しかし涼宮さんもひどいことをしますよね。こんな解決法の分からない謎かけをするなんて」
自嘲気味に古泉は笑う。
普段の快活な笑い声と違ってのどの奥にひりつくようなかすれた笑い声だ。
そして古泉の顔はひどく疲れていて高校生が見せる顔ではなかった。狂気じみたものを感じる。
「なあ古泉。もしかしてこの世界はループしているのか?」
聞いてはいけない気がしたが、なぜか聞かないといけない気がした。
「はあ…今回はあなたは記憶なしですか」
愕然とした表情でゆっくりと灰皿でタバコの火を消す古泉。
「それじゃあなたは前回したことも忘れてしまったのですね?」
声色が変わる。
「何をしたんだ?」
古泉の目が怖かったので消えかけのタバコの火を眺めた。
「涼宮さんを殺害したことですよ」
タバコの火が完全に消えていなかったのだろう。
まだかすかに煙がくすぶっていた。
6 :
以前に古泉視点の似た話があったな
7 :
たしかエンドレスヘイトだっけ?
8 :
>>7
猟奇ストーリーかよw
11 = 1 :
「どういうことなんだ?」
「だから涼宮さんを殺したんですよ。僕たちで」
ひどく冷たい声に聞こえる。
「おい!まさかお前ハルヒを殺害したのか!」
思わず俺は古泉の胸倉を掴んだ。
「ええ、僕とあなたが共謀して部室にて涼宮ハルヒが来たときに金属バットで頭部を
激しく殴打して首を絞めましたね」
古泉は俺に首をつかまれながらもいつも通りの笑みを浮かべていた。
「そして死亡が確認されたあと焼却場まで持っていきましたね。いやああのとき
教師に血のりがばれて危なかったですね」
「お前!」
淡々と語る古泉に恐怖を覚える。こいつはこんなやつだったのか?
「僕が提案してあなたも同意したじゃないですか。そのことも忘れたんですか?
あなたも嬉々として涼宮さんをバットで殴ってたじゃないですか」
13 = 1 :
どういうことだ?
まさか…俺がハルヒを…?
頭が痛い。脳裏に断片的に記憶がよぎる。
…俺が古泉と一緒に居ていつも通り来たハルヒ。振りかぶる。殴る。
何が起こったか理解できない表情のハルヒ。そこを俺が高々とバットを振り上げて…。
蒼白としたハルヒから血が血が血が…。
「うわああああああああああああああああああああああああああ」
何だ何だ何だ。今の記憶は。
本当に俺がハルヒを殺したのか。
「ふん、ようやく思い出したんですか。まったく」
崩れた襟を直しながら古泉は立ち上がる。
「次はどうすれば戻れるかでも相談しようとしたんですが、この調子じゃ無理ですね
しょうがないので、帰らせてもらいます」
古泉は頭を抱えて坐っている俺を一瞥した後、部室のドアを開けた。
「それじゃあまた明日…いや今日にでも会いましょうか」
再び部室に沈黙が残る。
「キョン君入りますよ」
困惑していた俺に声をかけたのは朝比奈さんだった。
14 :
長門いなかったか?
16 = 1 :
「…朝比奈さん?」
朝比奈さんがよいしょと軽い掛け声を出しながら俺の横に座った。
いつものように天使のような笑顔をしているが、部屋でさっきまで古泉が
吸っていたタバコの臭いに気づいたのだろう。顔を軽くしかめた。
「やだ。またあいつが来たのね」
あいつとは古泉のことなんだろう。聞いてみることにした。
「古泉のことですか?」
「そうよ。あいついつもキョン君にまとわりついてるから私大嫌い」
話題に出すだけでも嫌そうな顔をしている。
いつもというのは、普段の日常なんかじゃなくて古泉が言ってたループしている世界?の
ことなんだろうか。
「もう何をしても無駄だってのにね」
クスクスと朝比奈さんが笑う。
普段ならこの笑顔によって癒されていたが、今の笑顔からは
嫌なものしか感じない。
「朝比奈さん。これはどういうことなんですか?」
いつもと違う朝比奈さんに困惑するが、まだ朝比奈さんなら教えてくれるかもしれない。
「キョン君は今回は記憶無しですか」
「古泉も言ってましたが、記憶無しってどういうことなんですか?
あとハルヒは何を…」
まだしゃべろうとする俺の口が急に柔らかいものでふさがれた。
朝比奈さんが俺にキスをしたのだ。
「朝比奈さん!!な、何するんですか?」
17 :
この前書いてたな
支援
18 = 1 :
「どうでも良いじゃないですか。そんなこと」
キスをした後朝比奈さんがゆっくりと俺の顔をなでる。
その顔はとても妖艶なものだった。
「あ、朝比奈さん変ですよ。何があったんですか?」
緊張で喉がカラカラになった。
「ただ今日が永遠に続くだけなんです。未来も過去もありません。だから
難しいことなんか考えないで今を楽しみましょう」
そう言うとまたキスをしようとしたので俺は思い切り朝比奈さんを突き飛ばした。
「きゃあ!」
「失礼します」
俺は足早に部室を出ることにした。古泉も朝比奈さんもおかしい。
俺は知らず知らずの内に長門に電話をしていた。
19 = 1 :
「お、おい長門。一体これはどういうことなんだ!?」
ワンコールも立たずに出た長門に対して俺は声を荒げた。
「…この時刻に電話をするのはこれで873回目」
やや物憂げな声で長門が答える。
「何を言ってるんだ!?」
「あなたの記憶がなくて私に説明を求めるのも688回目」
淡々と事務的に答える長門にも恐怖を覚える。
一体この世界はどうなっているのだ。
「な、長門!今から俺の家に行くからな」
「あなたが私の家に来るのも646回…」
糞!これ以上電話で話してもきりがない。
俺は通話ボタンを切って長門の家へと向かうことにした。
20 = 1 :
長門のマンションには数えるくらいしか行ったことがないのに何故か一度も迷わずに着いた。
まるで何度もこのマンションに来たかのように…。
この出来事も俺の焦りを加速させていく。
ピンポンピンポンピンポーン。
非常識だとは分かっていたが、チャイムを何度も鳴らした。
早く、長門に会って、この事態を、どうにかしてもらわねば。
ドアが開く。
「入って」
普段通り制服姿の長門がそこにはいた。
靴を脱ぎ、通路を歩き、居間で机をはさんで長門と向かい合う。
「長門。この世界はどうなってるんだ!?」
この俺の一連の行動はすべて既知の事なんだろうか。
うんざりしているような顔で長門が俺の疑問に答えた。
21 = 17 :
646回でうんざりは早いぜ長門
22 :
キョンめ長門に迷惑掛けやがって
23 = 1 :
「涼宮ハルヒが何らかの原因によってこの世界をループさせた。今の世界は4325回目」
4325回…。どうやらとんでもないくらい世界は今日を繰り返してたみたいだ。
思わず気が遠くなるのを感じる。
「それで長門!げ…」
「原因は不明」
長門は俺の疑問の声にはさむ形で答える。
俺のこの疑問もまた何回もしたものだというのか…。
「最初はあなたたちには記憶が残らなかった。しかし世界が幾度か繰り返されると
あなたたちにも記憶が残るようになった。しかし、あなたは記憶がないときのほうが多い」
この台詞も何度も使いまわされたものなんだろうな。
定年間際の教師がテープレコーダーのように授業をきっちり進めていくさまを思い出した。
「…じゃあ俺たちは今まで何をしたのかも知っているのか?」
「知っている」
長門の黒曜石のように黒い瞳が俺をじっと見つめる。
24 = 1 :
「最初にあなたたちは涼宮ハルヒが機嫌を損ねているのかと話し合い機嫌を直させようと行動した
しかし、物事は改善しなかった。そこであなたたちはやり方を変えて、あえて彼女に閉鎖空間を作ってもらう方針へと変えた」
いつの間にか用意したのだろうお茶が置いてあった。
すすりながら黙って説明を聞く。
「最初は部活をボイコットしたりして、あえて彼女の機嫌を損ねたりしたが閉鎖空間は特に発生せず
物事は改善しなかった」
「そのためあなたたちは次第に何をしても無駄ということに気づく」
いつの間にか夜になったのだろうか窓の外が真っ暗になっていた。
電気もつけていないため長門の白い肌がぼんやりと見える。
「そこであなたたちは原因が涼宮ハルヒの存在にあると思い始め、彼女の存在を
抹消しようとし始めた。そして涼宮ハルヒの殺害を繰り返す」
何だって?じゃあ俺と古泉が殺したのは一回だけじゃなくて。
「そう。涼宮ハルヒを98回殺害した」
25 = 1 :
ということは俺はハルヒを…何度も殺して…。
全身に鳥肌が立つ。
「あなたと古泉一樹が共謀して殺すのが38回、古泉一樹が単独で殺した回数が17回…」
「やめろ」
「あなたが単独で殺したのが31回…」
「長門。これ以上言うな」
「回数の傾向から判断するにあなたが一番積極的に涼宮ハルヒを殺…」
「言うなって言ってるのが聞こえないのか!!!!」
いつの間にか俺は長門を押し倒していた。
そんな俺に長門は抵抗もせずじっと見つめる。
「あなたが説明を求めたから言っただけ」
そう言ったきり長門は口を閉ざした。部屋を沈黙が包む。
あるのは俺と長門の息が微かに聞こえる程度。
長門の上に乗っている部分から長門の体温を感じる。
このまま時間が永遠に経ちそうな錯覚を覚える。
「あなたが逆上して私を押し倒したのは342回」
沈黙を破ったのは長門だった。
「そして欲情したあなたが私に性交渉をしたのは198回」
暗闇で長門の表情が良く見えない。
「今回あなたはどうする?」
26 = 1 :
伸びないな
ちょっと用事あるから離れる
27 = 17 :
なんだって
30 :
スレ立ってた!この続きがすごく読みたい
前もここらへんで落ちたんだっけ
>>1が来るまで保守
31 :
続きが気になる
32 :
前も同じようなやつ立たなかったか?
33 :
これは面白い支援
34 = 7 :
しえしえ
36 :
続き?
それとも最初から?
俺見逃したから待ってた支援
37 :
前に途中で落ちてたな
今度こそ完結してくれ
38 = 33 :
あげ
39 :
はげ
40 = 31 :
ひげ
41 = 10 :
かげ
42 :
松崎しげ
43 = 31 :
ぬげ
44 :
前も落ちた?違うな繰り返してるのさ
46 :
需要あるよ!
47 :
>>44
おま…
48 = 17 :
うわあああああああああああああ
50 = 33 :
続きがほしーの☆
みんなの評価 : ★★★
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