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    元スレ懐古ジャンル「素直クール」

    新ジャンル覧 / PC版 /
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    51 :

    戦車のやつの髪の毛ぼさぼさの説明してくれる娘ってなんてジャンルなの?なんか好き
    ミニミニのアニメCMの「最後「なんと!?」って言う方も好き

    52 = 28 :

    >>50
    総合スレから持ってきてたからスレタイは特にないかと

    ちなみにメモ帳にはこのシリーズはあと15話分くらいある

    53 :

    10点満点と目でイかすが好き

    54 :

    他人のSSパクるとか
    こんなたち悪いのしかいないんじゃそりゃ廃れるわな

    55 = 20 :

    >>52
    じゃあ探すの大変だなー
    気が向いたら続き張ってよ。読む方としてはぶっちゃけ作者が誰かとか関係ない

    56 :

    てか投下速度と題材考えたらどう見ても転載コピペだろ

    懐古スレなんだから過去の作品貼って懐かしむなり新規開拓するなりしても良いじゃねーか


    というわけで続きはよ

    57 = 28 :

    続けます


    ただ、これは転載であり筆者は私じゃないので注意してください

    あと、まとめサイトへの二次転載などは絶対にやめてください

    58 = 28 :

    キッチンが沈黙した。
    早朝4時から一時間の奮闘ぶりは、ドア越しに十分伝わってきていた。

    そろそろ頃合かな。
    私はカップの底のぬるい紅茶を飲み干して立ち上がった。

    「──ま、ママ」

    「おはよう、ツン。料理か?」

    泣きそうな顔で振り向いた愛娘の前にあるのは──大量の、卵焼き。
    焦げていたり、崩れていたり、生焼けだったり、様々だ。

    先日のやり取りが脳裏に浮かぶ。


    ,

    59 = 28 :

    「──ねえ、ママ。パパって何が好きなの?」

    「ダンナはツンと私のことが大好きだと思うぞ」

    「そうじゃなくって! 食べ物とか……」

    「難しい質問だな。ダンナは何でもおいしく食べてくれる人だ」

    それは、私が何でも作る、という意味でもある。

    「と、特に好きなものとかはないの?」

    私はちょっと考えた。ダンナに最近好評だったのは、
    自家製ローストビーフ、鯉の唐揚げ甘酢餡掛け、香辛料のブレンドからはじめるカレー……。
    どれもツンの手に負えないものばかりだ。

    いや、とっておきのメニューがある。

    60 = 28 :

    .

    「──強いて言えば、卵焼きだな」

    「卵焼き?」

    ツンの目が輝く。ツンの年齢でもなんとか作れるものだし、ツン本人も大好きだ。

    「卵焼きは、私も好きだ」

    「ママも? じゃ、ツンがそのうち作ってあげる。 
    ──ま、ママに食べさせてあげたいのよ!? 別にパパに食べさせたいわけじゃないのよ!?」

    「楽しみにしている」

    61 = 28 :

    二日後の朝──つまり今だ──に展開する惨状を、私は見ない振りをした。

    3パック買っておいた卵は、今や残り3個まで使い尽くされていたし、
    流しを中心にステンレスには黄色いどろどろがこびり付き、空気は焦げ臭い。

    だが、掃除は出社前にどうにでもできるし、フライパンは買いなおせば済む。

    「たくさん作ったな」

    ツンの頭をふわりとなでる。

    「失敗しちゃった……」

    ツンは唇をかんだ。目に涙を浮かべている。

    「料理は経験の蓄積だ。最初からうまくできる人間などいない」

    「ママはあんなにうまく作るのに、私のは……」

    「私が最初に作った卵焼きは、こんなに上手ではなかった」

    事実だ。ツンのそれは卵焼きの範疇に入る。だが、私の卵焼きは──。

    ツンが驚いたように顔を上げて私を見つめる。

    「ツン。料理がうまくなる極意を教えてやろう。──大好きな人と一緒に作り、一緒に食べること、だ」

    62 = 28 :

    ──私にその極意を教えてくれた人物は、そう笑って消炭を平らげた。

    この男は、私が作ったものなら毒物でも食べてしまうにちがいない。

    食事とは、最低限の栄養素を取り込むだけの行為。
    そう考え、ビスケットタイプのバランス栄養食とビタミン剤を主食にしていた私が、
    料理を覚えよう、と思ったのはその瞬間だ。

    この男とずっと一緒にいたい。この男に長生きして欲しい。この男に消炭など食べさせたくない。
    その想いと、その男が一緒に作ってくれた卵焼きは、私を料理好きの女に変えた。

    63 = 28 :

    .
    「おはよう。──お、卵焼きか。うまそうだな」

    寝癖をつけたまま起き出してきたダンナがひょいと手を伸ばす。
    焦げついた卵焼きを頬張るダンナに、ツンがあっ、と声を上げた。


    「──うん。うまい」

    にっこりと笑った父親に、ツンは真っ赤になった。

    「な、な、な、パパに食べさせるために作ったんじゃないもん! 勝手に食べちゃって!!」

    「あ、それはすまん。うまかったからもう一個食べていいかな?」

    言ったときにはすでに隣の生焼けに手が伸びている。
    ツンは、さらに真っ赤になったが、皿をひっこめはしなかった。

    その胸の中のいろいろな入り混じった感情──羞恥、喜び、自分への不満、努力への誓い。
    きっとツンは、私よりもずっと料理がうまくなる。

    だが、今のところは、手本を見せてあげるか。

    64 = 28 :

    「今日は三人とも、朝食も弁当も卵焼き三昧だな」

    「そりゃ、いいな」

    「ついでだ。残りの卵も卵焼きにしてしまおう」

    「卵、三つ残ってるね」

    「ダンナと、私と、ツンで一個ずつ作るか」

    「え? ──パパ、卵焼き作れるの?」

    「パパだって作れるぞー。ママに卵焼き教えたのはパパなんだから」

    「うそばっかり! ぶきっちょのパパがママに教えたなんて」

    「ふふ。本当だ。私は久しぶりにダンナの卵焼きを食べたい」

    「なっ──、べ、別に食べたくないけど、……ツンも食べてあげてもいい…わよ」

    「よーし、じゃ、頑張って作るか!」

    ダンナの卵焼きは、型崩れだが、あの味がした。

    ツンにも忘れられない味になっただろう。


    終わり

    65 = 28 :

    同い年の人間が集まる同級会ならともかく、親の世代や下手すれば祖父母の世代も集まる
    高校の同窓会なんて、正直、全然期待していなかった。

    母も同じ学校だったので、その付き添い代わりについてきたのだが、
    ──まさか先輩が来ているとは思わなかった。

    立食パーティーの人ごみをかきわけ、壁際に駆け寄る。

    「クー先輩!」

    「ああ、──君か」

    私を確認した後、先輩は小さく頷いた。

    「そうか、高校には君がいたな。同窓会で好きな奴がまるでいないわけではなかった」

    ぼそりという言葉が相変わらずストレート。私は顔が赤くなるのがわかった。
    先輩の言う「好き」はあくまでもLikeのことだ。
    でも私は、一時期、Loveのつもりで先輩に「好き」といったことがあった。
    放課後、校門で待ち伏せしてラブレターを差し出してきた二つ年下の女の子を眺め、
    困ったような表情をしていた先輩のことが今でも忘れられない。

    結局それは、恋に恋する乙女の、思春期の不安定な気持ちの発露でしかなかったし、
    先輩はあくまで「同じ部の先輩と後輩」として接してくれたのだが、
    先輩が卒業するまでの一年間は、私の青春の一番のキラキラだった。

    退屈な同窓会が、突然ばら色の世界に変わった気がする。
    たわいのないおしゃべりと近況報告。

    66 = 28 :

    クー先輩、結婚したんだ。

    私も──。

    私も……。


    ちょっと言葉が途切れてしまった。


    あわてて話題を探す。また、おしゃべりが続く。
    もっともしゃべっているのは、ほとんど私なのだが。

    この辺は、高校時代からちっとも変わらない。
    騒々しい私と、静かな先輩。何もかも対照的な二人の会話はいつもこんな感じだった。

    もう一つ変わらないことがあった。
    一通りしゃべり終えて会話が途切れたとき、クー先輩が私の瞳を覗き込んだ。

    「──何か、心配事があるのか?」

    クー先輩は、いつでも物事の核心をまっすぐ突いてくる。

    67 = 28 :

    会場をそっと抜け出して、ラウンジの片隅でコーヒーをすする。
    クー先輩は紅茶。紙カップで飲む姿さえも様になる人だ。

    私はぽつぽつと語り始めた。

    「最近、彼氏と……うまくいってないんです」

    大学に入ってから恋人とは、付き合ってもう○年になる。
    そろそろ結婚を真剣に考えはじめている間柄だった。
    クー先輩対象に抱いた、恋に恋するものではない、本当の恋を経て愛情を抱いている相手だ。

    それが最近、にわかに雲行きが怪しくなってきている。
    ここ一ヶ月は、遭うたびに喧嘩ばかりしていた。

    原因は分かっている。私のせいだ。

    「──ふむ。君はいつも笑顔で人当たりもよいのに、意外だな」

    お世辞や社交辞令を抜きにした、本心からの率直な感想。
    相談相手として、本当にありがたいのは先輩のこういうところだ。
    だから、私も他の人には言えないことも素直に話せる。

    「私、家では結構わがままなんです。なんというか、外では気を使ったり、おしとやかに振舞っている分、
    気を許せる人には、がさつに接したり、強く当たっちゃうというか……」

    「ああ、なるほど。──君は、いわゆる、家族には甘えるタイプなのだな」

    一歩間違えば、容赦がないと形容されてもおかしくないほど、ストレートな指摘。
    だが、今の私が必要としているのはまさにそれだった。

    68 = 28 :

    「そうなんです! それで、彼との仲が深くなればなるほど喧嘩になっちゃうんです」

    会社や同僚や学生時代の友人が聞いたら、きっと信じないだろうが、
    ありのままの私は、「外」で見せるより、わがままで、嫉妬深くて、依存心が強い。
    クー先輩ですら、一年間のつきあいでは、そこまでむき出しの自分を出せなかった。

    ──というより、先輩はどこまでも憧れの対象だったから、そうだったのかも知れないが。

    そんな私は、家の中では、家族の前では、自分に貼り付けた色々な仮面を脱ぐことができる。
    しかし、それが諸刃の剣だった。

    69 = 28 :

    親しくなって、私の中で彼がどんどん大きな存在になっていくのと比例して、
    私は「ありのままの自分」をさらけ出すことが多くなっていた。
    それが彼とのすれ違いを生んでいく。

    彼が好きになったのは、穏やかで周りに気配りができる私の「仮面」の部分。

    でも私が、これから一生一緒に暮らして行く人に認めてもらいたいのは、「素」の私。

    彼だけではない──親しくなったとたんに地をさらけだした私の元から去っていった友人は何人もいる。
    でも一緒に暮らしていく人の前で、一生この仮面をかぶり続けていくなんて、私にはムリだ。

    結婚するということは、彼と家族になるということ。
    家族の前で偽りの自分を演じることはできない。

    だから、もっと「本当の私」を受け入れて欲しい。
    ──それが彼に重い要求となっているのだろうか。


    (しばらく考える時間を置こうよ)

    一週間前、喧嘩の後でそう言われたばかりだった。

    70 = 28 :

    「ふむ」

    先輩は、私のうまくまとまらない長い話の間にすっかり冷めてしまった紅茶を、くーっと一息で空けた。

    「最愛の人に、ありのままの自分を見せられないとしたら、つらいな。
    ──私も、ダンナに、装った仮面を見せ続けなければならないとしたら、とても苦しいだろう」

    それはつまり、先輩は、それをしなくても済む人と一緒になれたということ。

    私はうつむいた。

    「順当に行けば、配偶者とは、親よりも子供よりも長く付き合う家族だ。
    その相手に、作った自分で一生を接し続けるのは、事実上不可能なことだと思う」

    私はますますうつむいた。

    「──だが、良く思われようと装うということが、いちがいに仮面──偽りの君とは言えまい。
    それも、やっぱり君だ。現に私は、君の事を、優しくてよく気が回る子と認識している。私は好きだぞ」

    顔から火が出た。

    クー先輩のことばは、いつだって直球。それも時速160キロは軽く出ている。
    別の意味でうつむいてしまった私の頭に、意外な言葉が降ってきた。

    「──それに私は、配偶者の役目は、家族だけではない、とも思う」

    ……どういうことだろう。

    私がはっと顔を上げたとき、クー先輩はソファから立ち上がっていた。

    71 = 28 :

    「先輩?」

    「あちらはそろそろお開きの時間だな。義理だ、〆の挨拶くらいは聞いていこう」

    もうそんな時間。──私は長い間、とりとめもなく愚痴っていたことになる。

    馬鹿だな。こんなこと、誰も解決策なんか教えられないのに。
    これは、私自身の問題──たとえ、自分で解決できなくても。

    「……」

    私は悄然として先輩の後を付いて行った。

    ホテルの廊下を会場へと戻る先輩が化粧室の前でふと立ち止まった。

    「メイクを直す。──つきあってくれるか?」

    72 = 28 :

    クー先輩は、熱心にメイクを直している。
    先輩が鏡に向かう姿なんて、新鮮だった。

    お化粧なんかしなくても、先輩はとても美人だったし、
    第一、高校時代は、そんなことに無頓着な女性だった。

    「──誰かと二次会に行く約束でもしているんですか?」

    今からそんなに熱心に化粧を直すというのは、そういうことだろうか。

    「ん? ああ、いや。二次会には行かない。これから、ダンナとデートでな」

    先輩は鏡の前で笑ったようだった。

    「先輩……」

    「何かな?」

    「あの、さっきの……配偶者の役目は家族だけじゃないって話……」

    「うん」

    「あれ、どういう意味なんでしょう?」

    私はさっきからその言葉が頭の中に引っかかっていた。

    73 = 28 :

    「ああ、あれか──答えは簡単だ」

    クー先輩はくるりと振り向き、私は息を飲んだ。


    ──初めて見る、いつもの何倍も綺麗なクー先輩が、いた。

    美人は、最低限のナチュラル・メイクだけでこんなになるものなのか。

    「ふむ。変かね? ──普段は化粧などしないからメイクの腕が落ちたかな?」

    「い、いえっ。とんでもないっ、すごく綺麗ですっ!」

    「ありがとう。君がそう言うということは、本当なのだろう。信頼できる」

    クー先輩はにっこりと笑った。

    「そうだ、質問の答えだが──ダンナは私にとって、
    「家族」であるのと同時に、「最愛の男」でもあるということ、さ」

    「……最愛の、男……?」

    「そう。ダンナは私にとって、素のままの私を見せられる「家族」だ。
    だが、同時に、私の一番良く装ったところを見て欲しい「最愛の男」でもある。
    ──二つの事象は、決して矛盾しない」

    74 = 28 :

    クー先輩の、艶やかさが増した唇から発せられた言葉に、私は愕然とした。

    そういえば、私は最近、彼と一緒のときに、きちんと何かをした覚えがない。
    付き合い始めた最初の頃は、一生懸命お化粧して、デートコースを何度も確認して、
    ──お互いなれてくるのに従って、そんな気持ちがだんだん惰性に飲み込まれてきた。
    心地よい、自分を飾らないですむ関係。

    でも、自分を装わなければならない緊張感が永遠に続かないように
    飾らなすぎる弛緩は、相手を自分の一部のように粗末に扱う危険への第一歩だ。

    (──最近の君は怒ってばっかりだ。寂しいよ)

    喧嘩のあとの彼の言葉が思い出される。

    作った笑顔を見せたくないから、笑顔そのものを見せないことが、ありのままなの?

    ちがう。
    違うんだ。私にとって彼は──心からの笑顔を見せたい人。

    「……<ありのままの自分>を見せられる相手は、何より大切だ。
    ──だから<とっておきの自分>を捧げるのに値する、とは思わないかね?」

    クー先輩はにっこりと笑った。
    くらくらするほど素敵な笑顔だった。

    でも、もう私はわかっていた。

    クー先輩の旦那様は今夜、クー先輩の、これよりもっと素敵な笑顔を見るんだろう。
    私の<とっておき>が、クー先輩ではない、他の人物に捧げられるべきであるように。

    75 = 28 :

    「……先輩、提案があります」

    「何かな?」

    「私、これから彼に会いに行きます。時間が惜しいんで、同窓会場には戻らないつもりです」

    「奇遇だな。私も、化粧をしたら早くダンナに会いたくなったので、このまま失礼するつもりだった」

    「ホテルの出口まではご一緒しますよ」

    走り出したいくらいに高鳴る胸を押さえながら、クー先輩と私は、会場を後にした。


    終わり

    76 :

    懐かしいなぁ
    また新ジャンル(てか素クール)流行らないかなぁ

    77 :

    最後にみたのは女装のやつだな
    あれからなんか立ったっけ?

    ss速報やパー速パート化してるのもあるけどどれも過疎ってるよな

    78 :

    素クールwikiにある既婚素クールだな 転載ってどうなんだ

    79 :

    新ジャンルの元祖って何だっけ?
    今は当たり前みたいなジャンルになってるんだろうな


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