のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,063,108人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ超王道ジャンル「君といた場所」

    新ジャンル覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    201 = 1 :

    「―――ッ!―――ッ!」

    ―――必死で止めようとするが、俺の声は『神』に届かない。

    「―――ッ!―――ッ!」

    ―――『神』はこの薄暗い場所で俺に何を求めたのだろうか。

    「―――ッ!―――ッ!」

    『それはもうアナタなら分かっているでしょう?』 

    「………ッ」

    ―――『70』がどこかで呼んでいる。

    204 = 1 :

    『時間がありません。もうすぐ世界はすべて跡形もなく失われます』

    「そんなこと言われてもどうしろと…」

    『まだです。まだ終わっていません。きっとアナタなら救えます』

    「何を…」

    『神を…いえ、父をです』

    「だからどうやって―――」

    ―――気がつくと、俺は公園に倒れていた。

    205 = 1 :

    -駅前公園-

    「………」

    ―――無限に広がる真っ白の空間にポツリと公園だけが存在している。

    「…?」

    ―――ここは本当に現実だろうか、それとも…。

    「おーい、誰かいるのか?」

    ―――返事はない。分かってはいるが、声をかける。

    「いない…のか?」

    ―――『アイツ』がまだ消えていないという一縷の望みを抱いて。

    208 :

    こんなタイミングで追いつくとは…

    209 = 1 :

    サアアアアアア…

    ―――満開の桜が舞い散る中、噴水が静かに水を湛えている。

    「…あ」

    ―――噴水の傍に何か落ちている?

    「これは…ノート?」

    ―――日記…帳?

    「………ッ」

    ―――これをめくればおそらく真実が分かる。

    「…くっ」

    ―――だが手が震えるのはなぜだろうか。

    211 = 1 :

    『3月31日

     今日で男クンとお別れだ。幼い頃から一緒だったけれど、ついに男クンに彼女が出来る。
     
     仕方がないことだ。ずっとずっと迷ってきた。男クンに気持ちを打ち明けるべきかどうか。
     
     でも私には「病気」がある。もし男クンが付き合ってくれても…それは私の「病気」に男クンを巻き込むことになる。

     それだけはイヤだ。好きな人を苦しめるなんて…そんなことは出来ない。それだけは絶対に。

     さっき電話に出た男クン、元気なかったよね。バカ、そうやって私のことばっかりに気にしてるから。

     後輩女ちゃん、大切にしてあげなよ?いい娘なんだからさ。バイバイ男クン。今まで本当にありがとう。

     もし私が生きていたら…またどこかで仲良くできるといいね。今日撮った写真、ずっと大切にするから。
     
     私の


         宝物。



     本当


       に、本当    に

                     ありが』

    212 :

    うわあああ
    支援

    214 :

    か ゆ い
    う ま

    215 = 5 :

    支援

    >>213
    わざわざID変えなくても

    216 = 1 :

    ―――日記の最後は読めなかった。

    「………」

    「くそっ…くそっ…」

    ―――言葉にならない怒りをぶちまける。

    「なんで…どうして…」

    ―――全部俺が悪いんじゃないか。

    「どうして気づいてやれなかったんだよ!」

    ―――ドウシテキヅカナカッタンダ?

    「ああああああああああああああああああああッ!!」

    218 = 1 :

    ズドムッ!!

    「ッ!?」

    ―――ガラガラと音を立てて公園が崩れてゆく。

    「………」

    ―――いよいよ最後の消失が始まったようだ。

    「ちくしょう…」

    ―――崩れた公園が真っ白の空間に消えてゆく。

    「はは…はははははは…」

    ―――ああ、世界が滅びてゆく。

    「…大丈夫ですか?」

    219 = 208 :

    女…女アァァァァッ

    220 :

    超王道ジャンルは全シリーズ見てきたぞ!

    222 = 1 :

    「ああ…君か」

    「お疲れ様でした」

    「何を言ってるんだ。結局俺は何も出来なかった」

    「…仕方ありません。もとより、たとえやり直してもこうなる運命だったのです」

    「君は…これからどうなる?」

    「私はこの世界です。この世界が完全に滅んだとき、私も消えます」

    「そう、か…」

    223 = 1 :

    「1つ聞いていいか?」

    「何でしょう?」

    「『神』はどのタイミングで世界を放棄したんだ?この世界の3月31日?」

    「いえ…もっと前です」

    「だよな。だって奇病が世界の崩壊を示すものなら…。
      てことはさ、『神』は最初からこの世界は自殺のきっかけにしか―――」

    「―――止めましょう」

    「………」

    「…そうだな。意味のない話だ」

    224 = 1 :

    スゥウウウウ…

    「…ついに俺の体も消え始めてきたか」

    「お別れですね」

    「だな。ははは、手首から先がなくなってきちゃった」

    「…私も1つ聞いていいですか?」

    「なんだ?」

    「アナタは…少なくともこの世界のアナタは…最初から真相に気づいていたのではないですか?」

    227 = 214 :

    久し振りだなぁ

    228 = 1 :

    「…かもな。漠然とだけど」

    「ずっと…この場所を気にしておられました」

    「この場所は…俺と女の始まりの場所で…共に過ごした場所で…そして…」

    「…っ」

    「グスッ…ヒグッ…ずっとずっと…俺と女はここで過ごして…俺はいつのまにかアイツのことが…!」

    「ええ…ええ…」

    「なあ…君にお願いがある」

    229 = 1 :

    「何ですか?」

    「それは…ッ!?」

    ―――やっべ…もう体が消えちまった?

    「大丈夫です、まだ意識だけは残っています」

    ―――そっか。じゃあ伝える。あのな…*****。

    「それはどういう…?」

    ―――『神』を…君のお父さんを救うんだよ。たとえ世界が滅びたとしても。

    「―――。分かりました。全力を尽くします」

    ―――たぶん本当は『俺』を救いたいんだろうな。

    231 = 1 :

    ―――じゃあな。もう俺は終わりだ。

    「さようなら。もう一人のお父さん」

    ―――ああ。本物のお父さんにもよろしく伝えてくれ。

    「―――」

    ―――無限に広がる真っ白な空間に噴水がポツリと浮かんでいる。

    「―――」

    ―――そこに佇む一人の少女。まるで天国のようだと思った瞬間、俺の意識も真っ白い空間に堕ちていった。

    ―――――
    ―――

    232 :

    なんかよくわからんFPS思い出した

    233 = 1 :

    -研究室-

    ビー ビー ビー

    研究者「…終わったか」

    ―――全データの消去に4日間と少々、か。結構かかったな。

    研究者「そんなもんだろう」

    ―――何しろ莫大なデータだったからな。

    研究者「これですべてが終わる」

    ―――そう、あの過ちに苦しんだ俺の人生も。

    研究者「疲れた、本当に」

    ―――すまんな、女。

    234 = 214 :

    なんかもうひとりのお父さんでうたわれるもの思い出した

    235 = 1 :

    研究者「………」

    ―――あの時選ばなかった未来を見たくて俺は『神』になった。

    研究者「…だが」

    ―――わかっていたんだ。所詮はプログラム。

    研究者「俺自身を仮想世界に投影したところで」

    ―――未来は変わるはずもないんだ。

    研究者「女はいまどうなっているのだろう」

    ―――死んだのだろうか。たぶんそうだろう。消息は聞いてない。

    238 :

    猿さんなのか・・・支援

    240 = 106 :

    >>232
    フィアー乙

    違うか

    241 :

    ふむ

    242 = 1 :

    ―――あの年の3月31日深夜、女の病状は急激に悪化したらしい。
         以来、ずっと植物状態だと数年前に聞いたことがある。

    研究者「………」

    ―――あの時、違う選択をしていれば、未来は違っていたのだろうか。

    研究者「そればかり気にして生きてきたな」

    ―――結局、あのとき付き合った娘とうまくいくはずもなく数ヶ月で分かれた。

    研究者「当然の結果だ…」

    245 = 1 :

    ―――無我夢中でその未来を見たくて、『70』を作り上げた。

    研究者「考えてみればここにいきつくまでに69回の失敗をしたのか。

    ―――コンピューターの中の仮想であっても、違う未来が見たかった。

    研究者「でも…でも…」

    ―――怖くて…結局は早々に自爆プログラムのスイッチを…。

    研究者「もういい」

    ―――注射器を手に取る。これを腕に注入すれば終わりだ。

    研究者「…ふう、疲れたよ」

    ―――ピストンを押す瞬間、ふとモニターにはありえない数値が記録されていた。

    247 = 212 :

    支援んん

    248 = 1 :

    研究者「………ん?」

    ―――モニターには99,9%と表示されていた。

    研究者「…完全に消去できなかった、のか?」

    ―――何のデータが残ったんだ?完全に消えるようしたはずだが。

    研究者「視覚化できるように変換して…」

    ―――俺はデータの残滓に何を期待しているのだろう。

    研究者「一体何のデータが…」

    ―――必要な処理をして残ったデータを画面に映し出す。

    研究者「…なっ」

    ―――そこに映し出されたのは、噴水だった。

    249 = 241 :

    うわあああああああ

    250 = 1 :

    研究者「あの噴水だ…」

    ―――アイツと昔ずっといた場所。

    研究者「なぜ…消えなかった…?」

    ―――このデータだけが…そんなことあるはずが。

    カカカカ…カカカカカカカ…

    研究者「ッ!?」

    ―――画面に勝手に文字が打ち込まれていく。

    研究者「だ、誰が一体…」

    ―――そこに記されていたのは。

    研究者「live…alive…?」


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / 新ジャンル一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について