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    元スレ超王道ジャンル「君といた場所」

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    153 = 1 :

    「ところが『神』はその可能性の結末を見る前に、世界の崩壊を選んでしまった。
        『神』は再び同じ過ちを繰り返してしまったのです」

    「…同じ過ち?」

    「最後まで…最後まで可能性を信じることが出来なかった」

    「………」

    「すなわち、この可能性の結末はもはや消失しか残されていません。
        アナタも、そして私も―――しかし」

    「…しかし?」

    156 = 1 :

    「しかしアナタなら…たとえ消失の結末しか残されていなかったとしても…
        『神』を救うことが出来るかもしれない」

    「俺、が…?」

    「可能性の結末が消失であっても、その結末から生まれる希望があるのかもしれません。
        私はそれに賭けています」

    「………」

    「全てはアナタにかかっています」

    157 = 1 :

    「だが何も教えられないと?」

    「何も教えないからこそ、アナタに賭けられるんです」

    「そうかい、もういい。何も聞かないさ」

    「ありがとうございます…そうそう、これだけ言っておきましょう」

    「なんだ?」

    「アナタがすべきことは『アナタの心を1番占めていること』です」

    「俺の心…?」

    「…それでは、世界の終末でお会いしましょう」

    159 = 1 :

    「………」

    ―――気がつくと、少女は初めから存在しなかったかのようにそこにいなかった。

    「俺がいますべきこと…」

    ―――日常と非日常の境目はどこだろうか。

    「………」

    ―――いま俺はその境目にいるのだと思う。

    160 = 1 :

    -?-

    「………」

    ―――再びこの夢を見るのは分かっていた。なぜならば、ここが全ての始まりだからだ。
         いや、そんな気がしているだけではあるが。

    「………」

    ―――無数の機器にはワケの分からないデータやオーロラが表示されている。

    「…!」

    ―――やがて部屋の片隅に腰をかけているあの研究者を見つけた。

    「…?」

    ―――食い入るようにモニターを見つめ続けている。

    162 = 1 :

    「………」

    ―――モニターには何が映っているんだ?

    「…?」

    ―――82%…?何だ82%って…。あ、83%になった。

    「…!」

    ―――『No,70”$‘+、。+‘@』「pl……83%』…?

    「…?」

    ―――『No,70』で何かが83%進行している、ということだろうか。

    164 = 1 :

    「…!」

    ―――研究者がイスから立ち上がった。そわそわしているらしい。

    「…?」

    ―――まるで、昆虫を分解しながら一方で良心の呵責と戦っている子どものような表情だ。

    「…!」

    ―――しかしその顔は…。

    「―――――ッ!!??」

    ―――その顔は…俺そのものだった。

    167 = 1 :

    -4月2日早朝 自宅-

    「ハア…ハア…うぐ…」

    ―――何かとてつもない夢を見ていた気がする…だが思い出せない。

    「…?」

    ―――…何だ?

    「いや、気のせいか…?」

    ―――凄まじいまでの違和感。

    170 = 1 :

    「………」 ジャブジャブ

    ―――もう1本の歯ブラシは意識的に見ないようにしている。

    「…ふう。寝ぐせ直しておくか」

    ―――本能的な予想ではあるが。

    「…やっべ、ワックスつけすぎた」

    ―――おそらく見ると「エラー」を起こして苦しくなる。

    171 = 1 :

    「…いただきまーす」

    ―――1人で使うには大きい食卓。

    「そろそろカップ焼きそば止めないと体壊しそうだな」

    ―――しかしそれを深く考えてはいけない。

    「…マヨネーズあったかな」

    ―――元から存在しないものは存在しない。

    「ふう…ごちそーさん」

    ―――存在しなくなったものも存在しない。

    172 = 1 :

    -駅前-

    「…静かだ」

    ―――周囲には誰もいない。

    「………」

    ―――ゴーストタウンってこんな感じなんだろうか…いや、違うな。

    「…学校行くか」

    ―――だって細い道路が1本ヒョロヒョロと続いてるだけなんだぜ?

    「こっちでいいよな?」

    ―――もはや駅前ですらないだろ、なあ?

    175 = 1 :

    「…あ」

    ―――ひと際彩りに溢れた場所が視界に入る。

    「公園…?」

    ―――無機質なまでに何もない駅前に、ただ一つ生気に溢れた場所。

    「………」

    ―――桜はまだ咲いているようだ。

    「…急がないと」

    ―――そういえばなぜ急がなくてはいけないのだろうか?

    176 = 1 :

    -同日昼過ぎ 学校裏山-

    「ハア…ハア…学校ってこんなに遠かったっけ?」

    「まあいいや。とりあえず…」

    「………」

    「…あれ?そういえば俺は何でここに来たんだっけ?」

    178 = 173 :

    しぇん

    179 = 1 :

    「確かなんかの用事だか約束だかで…」

    「とりあえず…1番景色のいい大桜の根元に行けばいいのかな」

    「ここで待ち合わせをするとすれば大概そこだし」

    「…うん、まあそれでいいや」

    181 = 1 :

    「…おーい、誰かいませんかぁ?」

    ―――大桜の周囲にもやはり誰もいない。

    「とすると、俺は一体なんでここに来たんだろうか」

    ―――確か、何かの約束で…。

    「ん?」

    ―――根元に何か落ちてる?

    183 = 1 :

    「…これは」

    ―――クレープのストラップ?

    「確かこれ、俺が昨日―――」

    『思い出しちゃだめッ!!』

    「…え?」

    ―――刹那、頭蓋の裏側にすさまじいまでの衝撃が走った。

    「―――ッ!?」

    186 = 1 :

    「あ…ぐがあ…あううう…」

    ―――割れるような痛み。

    「ハア…ハア…」

    ―――ほとばしる涙。

    「あ…ああああ…」

    ―――そうか、『これ』は失われたものへの未練だったんだ。

    「―――ッ!!」

    ―――すべてを悟った瞬間、視界はホワイトアウトした。

    ―――――
    ―――

    189 = 5 :

    ごめんいい加減>>188がうざい

    191 :

    >>189
    さるよけなんだから許してやれよ

    192 = 34 :

    紫煙

    198 = 5 :

    >>191
    そうなんだろうけどさ

    199 = 1 :

    -?-

    「………」

    ―――再びここにやってきたか。

    「………」

    ―――だが、おそらくそれもこれで最後だろう。なぜなら世界はもうほとんどが失われているからだ。

    「…ッ!」

    ―――『NO,70』では既に93%進行している。

    「………」

    ―――つまり世界は残すところわずか7%なのだ。

    200 = 1 :

    「………」

    ―――研究者はもはやモニターを見ていない。

    「………」

    ―――いや、『神』と呼ぶ方が正確だろうか。

    「………ッ」

    ―――注射器に何かを注いでいる。

    「―――ッ!」

    ―――『神』は自らをも『デリート』する気なのだ。


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