元スレ超王道ジャンル「君といた場所」
新ジャンル覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
101 = 5 :
任せろ
102 = 34 :
ほす
106 :
>>1の作品全部好き
107 = 1 :
-同日朝 学校-
男「ういっす」
男友「よっす!」
男「もう病院はいいのか?」
男友「まあ、何ともないしな。あれ、そういや女は…?」
男「一緒じゃねーよ」
男友「ええッ!?珍しいな…ケンカしたのか?」
男「してねえって!うるせえなッ!」
男友「あ、ああ…?すまん」
109 = 1 :
男「…あれ?カピバラは? 」
男友「カピバラ…?」
男「いや、カピバラ教室に来てねーじゃん」
男友「は?なんでカピバラが教室に来るんだよ」
男「あれ…そういや、俺は何でカピバラとか言い出したんだ?」
男友「知るか。動物園にでも行けばいるんじゃねーか」
男「あ、ああ…変だな。なんでカピバラとか思いついたんだろ…」
110 = 1 :
男「まあカピバラはいいや。俺、日直だから出席確認しないと」
男友「…お前、マジでどうしたんだ?」
男「どうしたって…だから出席確認を…」
男友「くはははははッ!笑わせるなよ、なんで出席確認なんかする必要があるんだよ!」
男「なんでってそりゃいるだろうが…」
男友「もうしてるじゃん」
男「…は?」
男友「だってこのクラスは俺ら2人しかいねえだろ?」
111 = 1 :
-同日昼 校舎内-
男「ハア…ハア…そっちはどうだ!?」
男友「いや、ほとんどいない。いてもクラスに2、3人がせいぜいだ」
男「どう思う?」
男友「信じられないが…信じられないという思いより違和感の方が強いな」
男「お前もそう思うか」
男友「ああ、頭の中ではこれが当然なんだが、本能的にこの状態がおかしいといっている気がする」
112 = 1 :
男「それだよな。俺たちは頭の中ではこれが『いつもの状態』として受け止めている。
だがどう考えてもこれだけ教室に机や椅子が余っていたり、駅前に人がいなかったりするのはおかしい」
男友「うん…一体どういう…」
男「これ…『奇病』と何か関係あるんじゃないかな」
113 = 1 :
男友「奇病って…突然涙が出て苦しくなるやつか」
男「俺も昨日の夜に襲われた。その時は例えようもない苦しさがあったんだが…なぜか思い出せない」
男友「どう関係しているんだ…?」
男「分からん…ただ、無関係ではない気がする」
男友「………」
男「何かが起こっているんだ。俺たちの知らないところで、とんでもないことが」
115 = 1 :
-?-
男「……?」
―――またこの夢だ。
男「………」
―――ところ狭しと並ぶ機器、蠢くオーロラ。
男「…?」
―――研究者のような男はいない。
男「…!」
―――デスクの上に握り潰された1枚の写真が置かれていることに気づいた。
117 = 1 :
男「…?」
―――ぐしゃぐしゃになった1枚の写真には何が写っているのだろう。
男「………」
―――ゆっくりと近づいて目を凝らす。
男「………」
―――やがて焦点が定まり、被写体が網膜に映り始める。
男「…ッ!?」
―――そこに写っていたのは、噴水の前で屈託なく笑う俺と女だった。
119 = 34 :
さあそろそろか
121 = 1 :
-同日夕方 校舎内-
男「…は!?」
男「ハア…ハア…あうう…」
―――俺、靴箱にもたれかかりながら夢を見ていたのか?
男「…ちっ」
―――汗でびっしょりだな。よほどの悪夢を見たんだろう。
男「一体何だって言うんだよ…」
―――もう、何が確かで何が不確かなのかさえ分からない。
122 = 1 :
男「後輩女はまだ来ないな」
シーン…
男「静かだ」
―――まるで誰もいないように静まり返っている玄関ホール。
男「…まぶし」
―――ガラスの吹き抜けから燃え上がるように夕陽が差し込む。
男「…まるで」
―――本当に世界の終末のような気がしてきた。
124 = 1 :
後輩女「お待たせしました!遅れてゴメンナサイっ」
男「いや、俺もいま来たばっかりだ」
―――まあ嘘だけど。
後輩女「すぐに靴はきかえますねっ」 パタパタパタ…
男「俺もはきかえるわ」
―――大量の靴箱、なのに使われているのは全体の1割程度か。
125 = 1 :
後輩女「お、お待たせしました!」
男「お、じゃあ行くか」
後輩女「はいっ!」
男「そんなに急がなくていいからさ、ゆっくり行こうな」
後輩女「あ、はい…どもですっ///////」
男「うし、行くか…ん?」
―――上履き1足だけ…?
男「俺のクラスって俺1人だったんだ…」
後輩女「どうしたんですか?」
男「何でもない。行くか」
127 = 34 :
人が消えていってるってことか
129 = 1 :
-駅前-
後輩女「――――。――――。」
―――後輩女の話に相槌を打つものの、まったく耳に入る気配はない。
男「………」
―――駅前の『小さな』交差点は黄色信号がずっと点滅している。
男「…?」
―――強烈な違和感。しかしその正体は分からない。
後輩女「ねえセンパイッ!!」
男「うおッ!?」
後輩女「さっきからずっと考え事してますけど…大丈夫ですか?」
131 = 1 :
男「あ、ああゴメン」
後輩女「も、もしかして私といるのそんなに…」
男「あ!そういや駅前に旨いクレープ屋があるんだよな!食う?」
後輩女「え、いいんですか!?」
男「時間ギリギリかな…なんだ!まだ学校出て6分くらいか。なら閉店に間に合うな」
後輩女「やったぁ♪」
男「うっし、行くか」
133 = 1 :
男「…あれ、おかしいな確かこの辺にクレープ屋あった気がしたんだけど」
後輩女「ないですね…」
男「気のせいか…?」
―――いや、間違いなくあったはずだが…。
男「ごめん、勘違いだったみたいだ」
後輩女「いえっ!気にしないでください!」
135 = 1 :
男「あ!じゃあさ、せめてこれあげる」
後輩女「…これは?」
男「クレープをかたどったストラップ。まあ、俺こんなの持ってても使わないしさ」
後輩女「い、いいんですか?」
男「ああ、本物には及ばないだろうけどさ」
後輩女「ありがとうございます!大切に使いますっ」
男「そんな大したものじゃないから…あはははは」
136 = 1 :
男「じゃ、ここからは別々の道だな」
後輩女「はい!えっと…その明日は…?」
男「俺、ちょっといろいろしたことがあるから…そうだな、昼に学校の裏山集合でいいか?」
後輩女「分かりました!お弁当作ってきますね」
男「お!ありがとっ!じゃあな」
後輩女「ではまた!」 タタタタタタタタッ
男「………」
男「いい娘、なんだよな…」
137 = 5 :
任せろ
145 = 1 :
男「さて俺も帰る―――」
少女「………」
男「…また君か」
少女「…はい」
男「何となく、いま自分が置かれている状況の奇妙さに気づいた気がするよ」
少女「『神』の存在に気づいたのですか」
男「いや君の言う『神』が何なのかは分からん。
でもこれだけは言える。君の言う世界の崩壊って…
もしかして俺がいま漠然と感じている違和感のことじゃないか?」
少女「…たぶんそれで正解だと思います」
146 = 1 :
男「じゃあ教えてくれ。具体的に世界の崩壊とやらについて」
少女「それは出来ません」
男「なぜだ?君は知っているんだろう?この表現しがたい違和感の正体について」
少女「…ですが、アナタには教えられません」
男「なぜだ!?」
少女「アナタが…『神』を救う唯一の希望だからです」
147 = 1 :
男「意味が分からない。『神』って何だ?『救い』って何だよ!?」
少女「これは可能性なんです」
男「可能性…?」
少女「アナタもアナタ以外の人も建築物も時の流れも起こる出来事も、
そしてこの私でさえも全て1つの可能性のためだけに『神』が再生したのです」
男「…再生?」
―――不思議だ。まったく要領を得ないのに圧倒的なまでの説得力がある。
みんなの評価 : ☆
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