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元スレ新ジャンル「ともだち」
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男「あ、はい。今、自分が、やれることですね…?
何となく…分かりました」
先生「そう、なら良かった。あとね──」
先生「あまり心配するな。
諸々のややこしい件は私も調べておくから」
男「…先生」
男「ありがとうございます」
・ ・ ・
女「あれー…男どこ行ってたの?」
男「いや、ちょっと野暮用があって職員室に。
それで…、女はもう飯食っちゃった?」
女「ひどいぞー、待ってやったのに。
私、信用されてないのかな? ちょっと傷ついたぞ」
男「わ、悪かったって! 本当は心の底で信頼してたんだぜ?」
女「はは、うそうそ、別にそれぐらいじゃ傷つかないって。
ちょっと意地悪してやろうかなーっと思いまして、にしし」
男「何だよ…。今度はこっちが拗ねる…」
女「んー、そういうのいくない」
男「あ、はい。すみません…。って、俺が謝るんだ?」
女「そうだろー、元はと言えば、男が連絡しないで急に消えるから。
問題はそこだろーぶいぶい」
男「確かに授業終わった瞬間に飛び出したね俺。
先食べといて、とか一言あれば良かったわ。めんごめんご」
女「だろだろー? 今日は丁重に振る舞えよー。
一人昼食は寂しいと思って、待っててやったんだかんなー」
男「うぅ、その優しさに痺れる、憧れる!」
女「ま、本音を言うと私も一人は寂しいと思ったのですよ。
去年からずっと一緒にいたから、久しぶりの一人は堪えそうで」
男「そういえばそうだなー。去年、俺皆勤だし、
学校ある日はずっと一緒にいたことになるのかあ…」
女「うん、私はちょくちょく休むけど。男はほんといつでもいるよね」
男「ハハ、馬鹿は風邪引かないってか?
それ以前に、学校生活普通に面白いっしょ」
女「そういう男のボジティブなとこ、本当羨ましいぞ。
爪の垢でも煎じて飲みたいところ」
男「…え? ほれ、どうぞ」
女「いや…例えだから、飽くまでも例えだから。
ちょ、ちょっと近づけないでよ、汚い汚い」
男「ひっでぇ…。女が言うからあげようと思ったのに…」
女「その切り返し方は、幾ら私でも想像してなかったよ…。
いや、常識で考えるとね、有り得ない」
男「……んと、要約すると?」
女「キモい」
男「ぐはっ!」
・ ・ ・
──授業中
男友「……なあ」
男「ん?」
男友「ちょっと聞いてもいいか?」
男「ア? 俺はいいが…静かにしてねぇと、あの教師切れるぜ?
気が短いからな…あのオヤジ」
男友「まあいいじゃんよ。気付かれねぇーって。
でな、聞きたいことってのは──」
男友「他ならぬ、女のことなんだけどよー」
男「……え?」
男「ど、どういうことだ?」
男友「ププ、明から様にどもってんじゃねーよ。
さっきまでの眠そうな顔はどうしたよ」
男「う、うっせ。余計なお世話だ」
男友「はは。…で、どうなん?」
男「どうって…何だよ…」
男友「あー…もう、察しろよな。お前と女の関係だよ!
いつからお前ら付き合いだしたんだあ?」
男「俺と女が付き合う?」
男友「そうだよ。去年からずっと昼飯は一緒なのに、
お前は『おともだち』の一点張り。
そしたら今日、ふとお前らの会話が聞こえてくるわ」
男「…何だ…盗み聞きかよ…」
男友「ちげぇーよ、お前ら大きいんだよ声が。
んで話聞いてみたら、これまたどこのバカップルだよー的な。
教室の異常な空気感じ取らなかったのかね君?」
男「た、確かにいつもよりは静かだなあーと…」
男友「バカ、それガチ違う。
お前らがあまりにもラブラブっぷりを発揮するもんだから、
喋るに喋れなかったんだよ。俺達の気持ちが分かるかい?」
男「まあ…それは悪かったよ。
でも、断じて俺と女は付き合ってねぇー…」
男友「あれだけ当てられたら、そんな言葉信用出来るかよ…。
──で、どこまで進んだ?」
男「ちょっ…おまえ…声大きいだろ。
進むも何も、始まってねぇよ…」
男友「大体よー、去年の二学期の半ばに突然引っ越してきてさ。
いつの間にか、俺達より女と親しくしてるってどうなの?
何、なんか力でも持ってるわけ? 分けれないのそれ?」
男「そんな裏設定ないです…。…んじゃ、何だ。
俺に一向に男の友達が出来ないのはそれが理由なのか。
男たちの醜い嫉妬なのか」
男友「正解☆」
男「あー…一年越しに明かされる…衝撃のじじつぅー。
かなり悩んだ時期もあったのになー…やべ、目から汗が」
男友「んま、ハブられてたのはお前だけじゃなかったけどな」
男「…………」
男友「ま、その辺の話はいいや。
で、付き合ってないなら、なんでそんな親しいのか教えろよ」
男「………振られた」
男友「え?」
男「…告って盛大に振られたんだよ…。
そこから『ともだち』期間絶賛継続中」
男友「あっ…ということは、その…」
男「…そうだよ、俺は今でも女のことがずっと好き。
以前より、親しくなってきたのは確かだけど
結局は…『ともだち』止まりなわけ」
男友「………き、君は」
男友「同志でありながら、勇者だったのか!」
男「うっせバーカ」
教師「おい!そこの二人うるさいぞ!」
二人「「へーい、すみませんでした」」
・ ・ ・
女「男ー、帰るよー」
男「あ、うん。ちょっと待って」
女「まーてーなーいー。
早くしろー。置いてくぞー」
男友「……………」
男友「…チッ」
男友「(理解したはずなのに…このイライラは何だ…?
くそっ…この愚足が勝手に…!)」
男友「……おっと! 悪いね」
バンッ…バタバタ
男「あ、あ、あ、おめぇぶつかんなよ! 落ちたじゃん!
急いでるってーのに…てか、そんなに急かさないで」
女「更にまた時間食ってる…。
あーーもう、早く早くぅー!」
男友「ああーごめんごめん、自分も手伝うよ」
男「ア、ありがと…。って、俺の手を掴まなくていいんだよ!
別にそれは落としてないからッ! いって…足つねんな!」
男友「こ、これは結構大きな荷物だな!」
男「痛いイタい、そこいいから。
ってお前、どこ掴んでんだよ! そこは空中に浮いてるだろうが。
男のデリケートゾーン何触ってんだ、リアル引くぞ」
男友「くっ…これは負けた」
男「っと、何が負けたのか知らないけどガンバ…」
男友「……くそっ…こんな予想外のアクシデントに見舞われるんて…。
だめだ…精神的にこれは来るぞ…」
女「……先行ってるよー?」
男「あ、オッケー、今終わった。すぐ行くから先歩いといて。
男友も……ん、大きさだけが全てじゃないぜ」
タタタタタタ…
男友「うぅ…」
男友「……く、くそおおおおお!!」
・ ・ ・
男「いやね。だからさ、
さっきみたいな場面は男性が主体であるべきだと思うんだ。
女が良く言う、“常識”ってやつよ」
女「ん? どういうこと?」
男「仕方ないな。参考に理想像を見せてやるよ。いくぞ」
女「あ、うん」
男「ゴホン。では、気を取り直して…」
男「…………」
男「『おーい、たらたらやってると先行くぞー』」
男「『あっ、○カ君待ってよー! 私もすぐ行くからー!
(バタバタ)って…あー落としちゃったよぉ…』」
男「『はは、そんなに慌てなくても先に行くのは嘘だからなー』」
男「『うぇーん、だったら初めから急かさないでよー。
もう、タ○君のいじわる!』」
男「…………」
男「ゴホン、こんな感じですな」
女「えっと、その微妙に声が高かった方を私がやるの?」
男「そうそう、物わかりが早い子で助かるねー。
これがベストな状況な。今後よろしく頼むよ」
>>131
違うよ
違うよ
女「………えっと」
女「悪いけど、私の常識で考えるとね、有り得ない」
男「……んと、要約すると?」
女「キモい」
男「ぐはっ! これがデジャブ…」
・ ・ ・
女「ふざけるのはこの辺にしといて、と。
じゃ本題。今日はこの後、駅の近くに出来た新しい
ケーキ屋さんにでも行こうかと思ってるんだけど、どう?」
男「異論なし。自分も結構甘党だしね。
最近出来たってことは、あの評判のお店?」
女「その通りー。なんかネットとか見ると結構騒がれてるよね。
甘さ加減がちょうどいいーとか、レビュー見た」
男「ほう。でも、この時間帯だと混んでないか?
ちょうど学生が溜る時間帯だと思うけど、その辺の不安要素は?」
女「うーーん、お店の席は全部埋まってる可能性が高いなー。
その時は、持ち帰りにしてもらって、私の家で食べるぞ」
男「ああ、それなら大丈夫だな。…って、女の家に行くの!?」
女「あれ? 男って来たことなかったっけ?」
男「な、ないですよ。てか、そんな簡単に入れていいもん?」
女「あー…確かにないかー。気付かないうちに、
相当前からの仲だと錯覚してしまった。まー、別に男ならいい」
男「そ、それは素直に嬉しいけどよ…。
あとで後悔とかすんなよ」
女「はは、何それ。『襲っちゃいますよー』とかそういうこと?
大丈夫大丈夫。男はそんなこと絶対しないってわかってるから」
男「……ッ」
男「(不意打ちかよ…ま、信頼されてるのは嬉しいけどさ。
結局は『ともだち』止まりってことだもんなあ…複雑…)」
男「ど、どうせ、チキンですよーだ。ベー」
女「ふふ、その顔面白い。よっしゃー、じゃーケーキを猟りに行くぞー。
皆の衆、私に続けー! 敵は目の前だー!」
男「おおー!…って一人しかいねえけどな」
・
・
・
女「そのー…」
女「あなたの言う『ともだち』ってなんだろう?」
男「──え?」
男「……『ともだち』?」
女「そう、あなたが考える『ともだち』」
男「はあ…」
女「あ、別にふざけてるとか、そういうことじゃなくて。
本当に真剣に…純粋に…聞いてみたいなって」
女「ご、ごめん」
女「意味不明な質問だった…。やっぱ、今の取り消──」
男「……例えば」
女「え?」
男「『ともだち』が持つ意味って色々あると思うけど…
例えばさ、とても辛くて逃げ出したい現実が自分に降り掛かった時」
男「それをそっと隣で支えてくれるのが、『ともだち』」
男「時には些細なことですれ違って、傷つけ合ったとしても──」
女「すぐに仲直り出来るのが、『ともだち』?」
女「出来なかった場合は、『ともだち』じゃなかったってこと?」
男「ううん、俺の考える『ともだち』はそんなに強くない」
女「…………」
男「時には、すれ違いが大きくて修復が無理な場合もある。
断絶とまではいかないけど、何かがきっかけで、
前の関係に戻れないことも多々ある」
男「『ともだち』は…ひどく壊れ易い…。思った以上に、脆いんだ」
女「…………私もあなたと同意見。でも…」
女「あなたもそう考えているのなら…」
女「私とその『ともだち』になる意味は、……本当にある?
少しの亀裂で壊れてしまう関係に、価値を持てる?」
女「今以上に親密になって、いつも二人でいるだけで楽しくて…
でも、その時は皮肉にも訪れる──」
男「その時が来ない場合だってあるさ」
女「違う、“来る”“来ない”の問題じゃない。
“来る”かもしれない…その可能性があること自体が問題なの」
男「そんなこと言っても、百パーセントの事象なんて有り得ない。
全てのことに危険はつきものだ」
女「私は嫌。仲良くなったのに壊れてしまう事実に耐えられない。
そんな危険性に怯えるのなら…そもそも──」
女「『ともだち』なんていらない」
・
・
・
女「もう少しで着くぞー。あの角曲がったすぐ先だったかなあ?」
男「ん。多分そうだと思う」
女「よっし、迷わずにいけたー! んじゃ、私何頼もうかなー。
やっぱ、モンブランだよね。それが美味しいとこは大体いいお店」
男「気が早いなー、ハハ。もう買うケーキ決めてんだ。
んじゃー俺は、イチショー」
女「いいじゃーん。混んでるかもしんないし、早めに決めとくのだ!
あ、私もショートケーキ食べたい…」
男「ちょっと…俺の食うとか止めてよね…?」
女「あーうんと、一人三つ買って、分けて食べようよ」
男「三つ!? 一人一つでいいんじゃないの?」
女「そんな、少ないし」
男「えー…太るぞー…まあ、ちょっとぷっくりした女も見てみたいけど」
女「あ、ひどいしー…。ふん! ベーだ、いいもんねー。
男がのる気じゃないなら、私が全部食べるから」
男「もう何食う意地張ってんだよー。
──とこの角曲がればいいんだな」
女「ん、多分そう。それで…、食い意地って何それ!」
男「ははっ、おっと、危ないから前向け…って」
男「──あ」
バンッ
女「キャ!」
?「…ッ」
男「おいおい、大丈夫かよ! きちんと前向いとかないからだぞ!」
女「うー…、ごめん」
?「ッ…いったいわね…誰よ……」
男「あーええと、連れがすみません」
?「もう、マジでふざけんなって……前向いて歩けよ…」
女「あ、ごめんなさ──」
?「──ン?」
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