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    元スレ平沢進「東京のヒラサワです」翠星石「まきますか?まきませんか?」平沢進「違います」

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    301 = 286 :

    平沢進「そんなものあるわけがない。ヒラサワはその善良さの余り八百万の神の9割超に忌避される存在なので、犯罪のハの字どころかノの字の気配もない。その証拠に、神の宿るという木や草や水に今まで一度も話しかけられたことがない」

    翠星石「んなの当たり前じゃねーですか!また屁理屈で言い逃れようとすんなですぅ!それにヒラサワが善良ですって?ふーんだ、へそが茶を沸かすですぅ!」

    平沢進「うわっ。今とうとう人形に話しかけられた。八百万のうちの一柱がついにヒラサワに興味を抱いたとでもいうのか。結構です。できれば人形に望郷の念の如く固執する幼児の前にその姿を現したまえ」

    翠星石「うるせーですぅ!突然翠星石を初対面の扱いにするのはやめるですよ!めんどくせーです!…ってあだっ!」ガサッ

    翠星石「な、なんですか?なにかに躓いたですぅ!もう、これだから道路を歩くのはイヤなんですぅ…」

    302 = 286 :

    平沢進「…あ。名案がそこに落ちているのを人形に宿る神々の一柱の有り難きお節介により発見」

    翠星石「え?これですか?…いちご大福の袋?中身も入ってるです。さっきのヤツが落としていったんですかね」

    平沢進「多分。ではそれを貸しなさい」

    翠星石「あ、はいですぅ。…どうするですか?それの匂いにつられてチビ苺が飛び出てくるのを待つですか?」

    平沢進「んなわけない」ピンポーン

    翠星石「ちょ、ヒラサワ…!?」

    303 = 286 :

    タッタッタッ…

    のり『は、は~い!どちら様ですか?』

    平沢進「えー、桜田さん。そこで苺と餡のつまった餅の入った袋を落としませんでしたでしょうか。善意に塗れた隣人としてお届けに参りました」

    のり『え?あっ!…わ、分かりました!今開けます~』

    翠星石「……えー」

    平沢進「えーじゃない。いいからとっとと人形は麦籠に隠れなさい」

    304 = 286 :

    短くて恐縮です
    今回もご意見ご批判ご質問何でもどうぞお願いします
    頑張ってもっと上手く早く書けるようにしたいです…

    305 :

    次のライブでは楽器に改造された翠星石の姿が

    306 :

    めっちゃうるさいなそれ

    307 :

    今回のヒラサワもキレッキレだった。乙です

    リカンベントを知らなかったからググッたら平沢さんの過去の破壊まとめが出てきたが
    デストロイヤーかってくらい物壊しまくってるなこの人wノートPC何回買い直してるんだよw

    308 :

    ちからつきたか

    309 :

    まあこういう文体で長く書くのはキツいだろうしな
    滅多に見ないヒラサワSSだから期待してたが…

    310 :

    今のところ終わりも見えないからなあ

    311 :

    一週間も経たずに急かしてやるなよ

    312 :

    ヒラサワ音楽がある限り私は不滅です
    ということで再開します

    313 = 312 :

    ガチャ…
    のり「す、すみません!買ってきたばかりなのに、そこで落としちゃったみたいで…私、うっかり屋なので…」

    翠星石(今です、ヒラサワ!そいつを突き飛ばして押し入るですぅ!鯖折りを決めてやれですぅ!)

    平沢進(お静かに)

    平沢進「…まあ、どこぞの食欲に正直な牛の骨か馬の骨に拾われず何よりで。どこぞの人形か何かに踏まれたようで一部分だけ凹んだりしているけれども」

    翠星石(…ちょ!?何でわざわざ疑われるようなこと言うですか!しー!ですよ!ヒラサワ!)

    平沢進(うるさい)

    平沢進「では、どうぞ」

    314 = 312 :

    のり「あ、ありがとうございます~!よかった、これでヒナちゃんも泣き止んで…じゃなくて!え、ええっと、とにかく本当に助かりました!」ペコペコ

    平沢進「押し付けがましい隣人愛に溢れる現代人としては当然のことなので。はい」チラ

    平沢進「……」

    平沢進「…そういえば、えー、あなたのとこの姉弟の、えー」

    のり「えっ!?……じゅ、ジュンくんですか?」

    平沢進「そう。純くん。彼はえー、体調が優れないようで」

    のり「え、えっと?は、はい…その…?」

    315 = 312 :

    平沢進「教育に携わる者として、まあ、多少気掛かりというか」

    のり「あ!学校の先生ですか!すみません、わざわざいらしてくださって…」ペコッ

    平沢進「はあ。まあ。それで、少し様子を観ておこうかということになりまして」

    のり「え!えっと、その…大変申し訳ないんですが、今、その、お客さんが…」

    平沢進「お客さん?それはまた厄介な。ただ、少し顔を見るだけなので手間は取らせませんので」

    翠星石(心の声が漏れてるですよ!しー!です!ヒラサワ!)

    平沢進(やかましい)

    316 = 312 :

    のり「え、えーっと……で、でしたら!今ジュンくんをここにお呼びしますので…」

    平沢進「家庭訪問を玄関先で済ませるほどに病的な怠慢癖を持つ訳では無いので。別にそのお客さんが弟さんの異性交友相手だとしても目録に恨みったらしく記したりはしないので御安心を。…少し上がらせていただくということでよろしい?」

    のり「……う~っと……」

    のり「…………」

    平沢進「…………」

    のり「…わ、分かりました…ちょ、ちょっと、ジュンくんに話してきますねっ!まだちゃんとした格好もしてないと思うのでっ!だとしたら無礼ですからっ!」タッタッタッ…

    平沢進「……お客を呼んでいて着替えもしていないということがあるのだろうか。言語を絶する怠け屋とかなら別かもだけど」

    317 = 312 :

    翠星石「きっと、チビ苺を隠しに行ったんですね。それにしてもヒラサワ!ナイス誤魔化しだったですぅ!よく、休んでる弟がいるって分かったですね」

    平沢進「そこになにゆえか男物の中等制服がかかっているとなれば十中十一ぐらいまで弟の存在は確定。しかもそれがどう見てもパリッパリにクーリング・オフされたものだとすれば彼は暫く登校していない不良ということになる」

    翠星石「おお~…すごいです!ヒラサワ、まるで名探偵みたいですよ!あとそれはクリーニングですぅ。…でも、家に入ってからはどうするですか?学校の先生だなんてウソ、すぐにバレるですよ」

    平沢進「入ってしまいさえすれば問題は無い。人形さえ見つければ、持ち主達も私を通常の盗賊の如く扱う事は出来まい。闘いを挑んできた場合は、麦籠から奇襲を掛けるべし」

    翠星石「おーなるほど…了解ですぅ!ヒラサワがせっかく作ったチャンス、何としてもモノにして見せるですよ!ウソも方便とはこのことですね!」

    318 = 312 :

    平沢進「ウソツキはヒラサワの始まり。実践的な姿を見せたことで翠の人形のウソツキ癖が強まらぬことを切に願う」

    翠星石「なっ…ふーんだ!心配しなくても、翠星石はヒラサワみたいにならねーですよーだ!まったく、せっかく珍しく褒めたのに…」

    平沢進「それは一安心。では呼び付けるまで大人しくしているように」スッ

    翠星石「わひゃっ!?」スポン

    タッタッタッ…

    のり「…お、お待たせしました~!では、どうぞお上がりになってください」

    平沢進「はい」

    319 = 312 :

    ー桜田家応接間ー

    ジュン「な、なんだよ…急に先生が来るなんて、聞いてないぞ。まさか、担任のあの人じゃ…」

    トモエ「あの人なら有り得るかも。熱血だし。…取り敢えず隣の部屋にいるね」

    雛苺「うにゅ~が戻ってきたのは嬉しいけど…ひ、ヒナも隠れるのっ!トモエ、ヒナを抱っこするのー!」ピョン

    トモエ「わっ。…うん。一緒に隠れよう」ギュッ

    ジュン「わ、悪いな。すぐ済むと思うから…」

    トモエ「うん」雛苺「わかったのー!」タッタッタッ…

    320 = 312 :

    ジュン「…ふー……落ち着け…」

    ジュン「あの人が来たって、もう大丈夫だ。僕はもう変わったんだから…どんな風に、何を言われたって……よし!」バチン

    タッタッタッ……

    のり「……こ、こちらです~。どうぞ」

    「はあ、どうも」スッ

    ジュン「……」ゴクッ

    平沢進「こんばんは、ヒラサワです」ヌッ

    ジュン「こ、こんば……」

    ジュン「…………?」

    ジュン「…失礼ですけど…どなたですか?僕、あなたのこと知らないんですけど」

    平沢進「でしょうね」

    のり「………えっ?」

    321 = 312 :

    ジュン「もしかして…きょ、教育委員会の人とかですか?」

    平沢進「委員会審議的なものとは相応の距離を置いておりまして。過去にそういったものに傾倒していた憶えもございません」

    ジュン「え?…って、ことは…僕とどういう…?」

    平沢進「まあ。俗に言うと、社会主義的な表現とは違う意味での赤色な他人という関係で」

    のり「あ、あれ!?が、学校の先生じゃ…」

    平沢進「学業的なものに携わっていたことが無いことも無いと言えないことも無いという表現が、あなたの脳内では学校教師に変換されていたらしく」

    ジュン「………」

    のり「え?え?…っていうことは、あなたは……」

    322 = 312 :

    のり「い…居直り強盗!?す、すみません家には特にお値打ちものは置いてなくて!さ、さっき買ったいちご大福ならそこのお皿にありますけど…」

    ジュン「バカ!きっとセールスマンだよ!姉ちゃんは騙されやすい顔してるから付け込まれたんだ!それに居直り強盗じゃ意味が違う!」

    のり「え!?せ、セールス!?すみません、家には余計なものを買うお金もなくて!ちょっと前にジュンくんがネット通販で買ってきたヘンなものを返品し忘れちゃって…」

    ジュン「ちょ!そんなこと言わなくていいだろ!僕らが騙しやすい相手だと思われちゃうだろ!」

    平沢進「大丈夫。そちらの方は騙しやすく与しやすい系ジョシだということが玄関先にて既に露呈している」

    323 = 312 :

    ジュン「あっ、なら大…丈夫じゃない!姉ちゃん、この人に何言ったんだよ!通帳とか印鑑とか持ち出してないだろうな!」

    のり「えっ!だ、大丈夫よ、そんなもの見せたりしてないよ…あっ!」

    ジュン「え!ど、どうしたんだよ!まさか…」

    のり「…通帳と印鑑、前どこにしまったっけ!すっかり忘れちゃった~!どうしようジュンくん!」

    ジュン「はあ!?今そんな話じゃないだろ!」

    平沢進「敵宅に侵入したかと思えば、ここは新喜劇の劇場であったか。しかも、テンプレートに沿いすぎて不発ぎみ」ボソッ

    324 = 312 :

    <ワーワーキャーキャー
    雛苺「…うゆ?」

    雛苺「せんせー?が来たにしてはすごく楽しそうなのー!ジュンったら、あんなにイヤそうだったのにおかしいのー!」ヒソヒソ

    トモエ「確かにおかしいね。それに、私もあの人見たことないし…本当に先生なのかな」

    雛苺「え!せんせーじゃないのぉ?じゃあ……居直り強盗っ!?」

    トモエ「その言い方は過激だけど…似たようなものかもね。場合によっては、私もジュンくんたちに加勢しようかな。二人とも混乱してるみたいだし」

    雛苺「わ、分かったの!ヒナもこっそりここから応援するの!トモエ、ジュンとのりを助けてあげてね!えいえいおー!なのー!」

    トモエ「そこまで深刻に考えなくても大丈夫だよ。…でも、頑張ってくるね」スッ

    325 = 312 :

    ジュン「と、ともかく!僕らは何も買ったりしないからな!ヘンな壺とかネックレスとか売ろうとしても無駄だよ!」

    のり「そ、そうだよね!もうヘンなものは十分たくさんあるもんね!」

    ジュン「バカ!そういう意味じゃない!あれはネットでまたどこかに流すからいいんだって!」

    平沢進「はあ、変なものが足りすぎている。それは大変嘆かわしいことで。しかし案ずるなかれ。多忙で知られる『百足らず様』も、年度の変わり目という繁茂期を切り抜けて居られる。いずれこの館にも訪れ、足りすぎたものを引いて下さるかと」

    ジュン「は?百足らず…様?や、やっぱりカルト宗教かなにかの押し売りか!」

    平沢進「なんと無礼な。…しかし、ヘンなものの数を引くという程度では『百足らず様』の行動周期上から外れている可能性も。その場合は社会主義的でない赤の他人に押し付けるか、ゴミ収集のおじさんに押し付けるかするとよろしい」

    ジュン「は、はあ…って、捨てたりしたら僕の大損じゃないか!そんなこと僕はしないぞ!何としてでもそれなりの値段で赤の他人に押し付けてやる!」


    『百足らず様』大量消費文明社会である現代において、あらゆるものが足りすぎているのにも関わらず何かが足りていないと常に錯覚する人類に警鐘を鳴らすため、あらゆる事物から何かを引いて足りていない状況を作り出す神様。詳しくはwebで

    326 = 312 :

    のり「じゅ、ジュンくん?そんな話じゃなかったような…」

    ジュン「…あ!そうだった!まったく、セールスマンは口が上手いから、つい…」

    平沢進「失敬な。私はセールスメンと付き合いはない。何故ならセールストークは家を焼く。そのウザったいほどに烈しい言葉は財産から購買欲から全てに火をつけてしまう」

    ジュン「え…まあ、そうかもだけど」

    平沢進「Sell(売る)Stoke(火をたく)などという職業を作り出すとは、資本主義の見えざる神様もどこまで強欲なのか」

    ジュン「?…それ、英単語が違うんじゃ…」

    平沢進「外来語は新たな土地に入って次第に次第に意味合いが変容するものなので」

    ジュン「いや、それとは別問題というか…」

    327 = 312 :

    のり「ジュンくん!む、難しい話でよく分からないけど、また違う話になっちゃってるんじゃ…」

    ジュン「あ…くそっ、口車に乗せられた…この人、かなりのやり手だぞ。気をつけないと…」

    ガラッ。タッタッタッ…

    トモエ「…二人とも。取り敢えず落ち着いてください」

    ジュン「わ、おい!ちょっと、今出てこないほうが…」

    トモエ「でも、このままじゃ話が終わらないでしょ。それに、この人はまだお金を出せって大声も出してないし、何かを買えって押し売り文句を言ったわけじゃないよ」

    のり「た、たしかにそうだけど…」

    328 = 312 :

    平沢進「あ、お客さん?こんばんは、ヒラサワです」

    トモエ「…こんばんは。柏葉巴です。ほら、二人とも」

    ジュン「…桜田ジュン、です」

    のり「さ、桜田のりです…けど…」

    平沢進「ようやく会話になって何より」

    ジュン「じ、自覚はあったのかよ…」

    平沢進「自身の話す内容の与える影響程度を予測するのは当然。話がコンガラがれば、調停者が引っ張り出されるのは世の定理」

    329 = 312 :

    トモエ「!…私はそれに引っかかったということですか」

    平沢進「いや。異性交友のお客さんを呼び立てる気では無かったような。…もっと小さいお客が出てくるものかと」

    ジュン「え?小さいって…まさか…!」

    トモエ「…私とジュンくんはただの友達です。ヘンな付き合いをしてる訳じゃありません」

    平沢進「あ、そう」

    ジュン「いや、気にするところはそっちじゃ…」

    トモエ「だって。勘違いされたら困るから」

    平沢進「ははあ」

    トモエ「…何がははあ、なんですか」

    平沢進「いや、言い分に納得した時に用いられる感嘆符の一つを漏らしただけなので」

    トモエ「……そうですか」

    330 = 312 :

    ジュン「お、おい…話がズレてるぞ」

    トモエ「あ。…ごめん」

    ジュン「…とにかく、ヒラサワさん。一体何の目的でウチに?それに、さっき言った小さいお客っていうのは何のことですか?」

    平沢進「一度に二つも質問するとは。流石歳若い者は活力が違う。私など5W1Hの私用については用法用量を守るよう義務付けられているというのに」

    ジュン「ぐ…落ち着け、乗っちゃダメだ…」

    トモエ「…じゃあ、まず一つだけ質問します。その麦わら籠には何が入ってるんですか?」

    平沢進「これ?まあ、音の爆弾というか。そういうもの」

    331 = 312 :

    のり「ば、爆弾!?ふ、二人とも伏せてっ!」バッ

    ジュン「どわっ!!ち、違うだろ!音の爆弾って!きっとヘンな名前でアホな人を釣ろうとする新商品の一つだよ!ホントの爆弾を僕ん家で爆発させて誰が得するんだよ!」

    トモエ「……のりさん、重いです。音の爆弾って…抽象的な表現じゃ分かりません。正式な名前を教えてく……」

    ドタッ!バタバタバタ…

    「うゆ~っ!」

    ジュン「え…!?この声…」

    雛苺「ば、爆弾からみんなを守るのーっ!薔薇乙女第六ドール雛苺、ここに参上っ!なのーっ!!」

    332 = 312 :

    平沢進「あ、出た」

    トモエ「あ」

    ジュン「お、おいっ!」

    のり「ひ、ヒナちゃんっ!?」

    雛苺「ば、爆弾はどこなのーっ!?ヒナが蔓で外にえーいって放り出しちゃうのよ!ほら、ジュン、おしえて!みんなのためなら爆弾なんて、ぜーんぜん怖くないんだから!」

    トモエ「ひ、雛苺…!」

    ジュン「か、感動してる場合かよ!この状況どうするんだ、思いっ切りバレちゃったぞ!」

    のり「え、えーとですね、ヒナちゃんは近頃流行りのおしゃべりの出来るお人形さんで…えっとえっと、AIが入ってて、えっと」

    平沢進「はあ。そんなものが流行っていたとは初耳。そんなものが人口に膾炙するまでに後十年以上はかかるかと思っていたが」

    333 = 312 :

    雛苺「あ、そこのおじさんが爆弾持ってるのっ!?のり、伏せてっ!いま、ヒナが…」

    平沢進「………」チラッ

    雛苺「……っ…!」ピタッ

    のり「ひ、ヒナちゃん!?どうしたの!?」

    雛苺「こ、この人……」

    ジュン「…知り合いか?」

    平沢進「……」

    雛苺「こ……こわいのーっ!そこのおじさん、お顔がとってもこわいのぉーっ!!」ガタガタ

    平沢進「翠の人形の言った通り。国道沿いの民泊並のやかましさ」ボソッ

    334 = 312 :

    雛苺「爆弾は止めなきゃ…で、でも怖いのっ!!ひ、ヒナはどうすればいいのぉー!?」

    トモエ「取り敢えず雛苺、こっちに…」

    のり「トモエちゃん!動いたら危な…!」

    ジュン「いだっ!姉ちゃん、僕に手が当たったぞ!大体、絶対爆弾なんかじゃないって!」

    ギャーギャーワイワイ…

    平沢進「……」

    平沢進「宇宙開闢の以前、世界はケイオスと呼ばれる秩序なき状態を保っていたというが、これはその138億年来の現出であろうか。もしくは宇宙の転寝の夢として生きる我々生物は、皆このような児戯的地獄を内包しているのだろうか」

    335 = 312 :

    「……~~っ!!」

    「あーもーっ!!しゃらくせーですっ!!」バッ

    平沢進「あ」

    翠星石「全員しゃらーっぷ!ですぅ!話がにっちもさっちもいかねーじゃねーですか!ほら、ちゅうもく!注目ですぅ!!」

    336 = 312 :

    一旦ここまでです
    人数が増えた途端テンポグダグダで申し訳ない
    お待たせした割に雑な気がします
    好きにご意見ご批判ご質問お願いします

    337 :

    煙に巻くヒラサワええぞ
    よくもまぁこんなに言葉が出てくるなあ

    338 :

    すき

    339 :

    面白いよ

    340 :

    すき
    百足らず様わけわからんけど面白いよね

    341 :

    面白いと言ってくださって大変嬉しいです
    ホントに恐縮です 精一杯頑張ります
    更新が遅くなったとしてもナメクジ並の地道さで書いてるので長い目と広めの心でどうぞお待ちください
    今夜あたり短いですが更新します

    あと批判もいくら書いてもいいんでっせマジで

    342 = 341 :

    ジュン「!!…新しいローゼンメイデン!」

    雛苺「!……す、翠星石…なの?」

    翠星石「ですよ!久しぶりですね、チビ苺!」

    トモエ「えっと、雛苺…?」

    雛苺「え、えっとね!翠星石は、ローゼンメイデンの第三ドールで、それでね…」

    真紅「…さっきから騒々しいわね。いったい何の騒ぎ?」タッ

    343 = 341 :

    翠星石「げっ!?真紅ぅ!?」

    真紅「あら翠星石。18759時間28分ぶりね。ごきげんよう」

    翠星石「ご、ごきげんようです!真紅もここに居たですか…」

    平沢進「はあ。例の紅くてヒラヒラしており血に飢えている…って翠の人形が言っていた人形」

    翠星石「し、しーですヒラサワ!…ていうか前半のほうはヒラサワが言ってたんじゃねーですか!主観と客観をごっちゃにすんなですぅ!」

    真紅「…あら。知らない所で悪口を言う人は一番信用されないのよ、翠星石?血に飢えただなんて、人聞きの悪い」

    翠星石「ち、違うんですよ真紅ぅ!それは、ただの比喩で言っただけで、本当に思ってた訳じゃあ…」

    344 = 341 :

    平沢進「あれほど真に迫っていたというのに?ヒラサワはあの語り口に恐慌をきたし、連夜悪夢に血を啜る人形が現れたが」

    翠星石「は、はぁ!?ウソつくなですぅ!顔をピクリとも動かさなかったクセにぃ!そういうデタラメ連発するのはやめるです!翠星石が悪いヤツみてーに思われるじゃないですか!」

    平沢進「表情を動かさずとも心が動いていないとは限らないのが人間の分かりづらさ。まあ、心より先に口がダムの水流の如く回る人形には分からないかもしれないが」

    翠星石「むきーっ!翠星石だってちゃんと色々考えて喋ってるですぅ!乙女の純心をバカにすると、後で痛い目に遭うですよ!」

    平沢進「あ、そう」

    翠星石「む~っ!!」

    345 = 341 :

    真紅「……こほん。私たちが置いてけぼりにされてるのだけれど」

    翠星石「…あ」

    平沢進「まったく、これだから」

    翠星石「す、翠星石だけのせいじゃねーでしょーが!」

    真紅「こほん!」

    翠星石「う……」

    翠星石「すまんです…またゴチャゴチャしてきちまったです。…じゃあ!この翠星石が今から来た理由をちゃんと説明してやるから皆静粛にするです!そこのチビ苺もチビ人間も!ほらほら大人しく神妙にしやがれですぅ!」

    346 = 341 :

    雛苺「む~っ!ヒナはチビじゃないもん!ビッグだもん!」

    翠星石「そういうところがチビなんですよ!ほら、もう一人のチビもそこになおれです!」

    ジュン「…は?もしかして僕のことか?」

    翠星石「他にどこにチビがいるですか!ほら、はっきりくっきり目ん玉見開いてこっち見るですよ!」

    ジュン「なんだ、この失礼な人形…僕の家でエラそうに」

    トモエ「私はジュンくん、そこまで小さくないと思うよ」

    ジュン「そこまで…って…小さいとは思ってるのか…」

    トモエ「あ……えっと」

    のり「だ、大丈夫だよ!ジュンくんはまだ成長期なんだから!」

    ジュン「そういうフォローは別にいいよ!」

    のり「えっと、えっとぉ…」

    347 = 341 :

    翠星石「むぅ~っ!この翠星石が話しかけてるのに余所見するなんて無礼な…」

    真紅「……」ジー

    翠星石「…こほん。ま、まあいいです。んじゃヒラサワ、ちょっと頭借りるですよ」ピョン

    平沢進「あ、こら」

    翠星石「ふーん、問答無用ですぅ!…ヒラサワ、さっきのカオスな状況を楽しんでたですよね?わざとしっちゃかめっちゃかなこと言って…その分のツケをいま払ってもらうですぅ」ヒソヒソ

    平沢進「言い掛かりも甚だしい。突発性ケイオスの乱気流をヒラサワが制御したとでも言うのか」

    翠星石「ええ、そうに違いねーです!話をごちゃごちゃした責任があるんですから、大人しく頭の一つや二つ使わせろですぅ!」

    348 = 341 :

    平沢進「やかましい。頭蓋に高周波が無駄に響く。私の頭は英国のスピーカーズ・コーナーではないし、無償で演説場所を提供するほど私は親切ではない。だから、とっとと降りなさい」

    翠星石「イヤですぅ!話するって言ったらするんですぅ!ほらほら、皆の衆、改めて注目ですぅ!!」パンパン!

    真紅「…やっと話に入れそうね」

    雛苺「うゆ…」

    ジュン「はあ……」

    のり「え、えっと…」

    トモエ「…」

    翠星石「………………」

    平沢進「…?」

    翠星石「………」ピョンッ

    平沢進「はい?」

    349 = 341 :

    ジュン「は?…何がしたいんだよ?」

    トモエ「…鞄にまた戻っちゃった」

    のり「あら、かわいいわねぇ~」

    ジュン「いや、その感想言うとこか!?」

    平沢進「…あのねぇ。自ら衆目の目を集めておいてトンズラとは。聴衆に天の声でも聞いていろと言うのか」

    翠星石「ち、ちげーです。その……翠星石は人見知りなんですぅ。知らない人がちょっと怖いんですよ。だから、一旦ここに隠れさせてですぅ…」

    平沢進「うそつけ」

    350 = 341 :

    翠星石「………ホントです」

    平沢進「はあ。流石に人形劇の端役だけあって演技がお達者で」

    真紅「……本当よ。その子は昔から人見知りな子だったの」

    雛苺「うん。翠星石ってば、恥ずかしがり屋さんだもんね!」

    平沢進「……えー」

    翠星石「えーじゃねーですぅ…」

    真紅「急に元気になったりしおらしくなったり。忙しい子ね」

    翠星石「う、うるせーです。そういう性分なんだから仕方ねーじゃねーですか」

    真紅「…まあ、そうね」


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