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    元スレ平沢進「東京のヒラサワです」翠星石「まきますか?まきませんか?」平沢進「違います」

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    101 = 80 :

    一旦ここまで
    夢見る力に はイントロが好き過ぎて何度も死にかけました
    後PVについては見た後に起こる精神的な悪影響について何も責任は負いません

    102 = 80 :

    あと、平沢さんの笑いのツボは別に海よりも深くなければ山よりも高くないです

    103 :

    乙乙

    104 :

    ーあろるの舘(早朝)ー
    蒼星石「……」チラッ

    蒼星石「まだ誰も起きてないよね。よいしょ…っと」パタン

    平沢進「おはようございます」

    蒼星石「うわぁっ!?」ドテッ

    平沢進「おい、私は早起きする時にだけ現れる妖怪「三文の得じじい」じゃないぞ。妖怪と冠されたものとバンドを組んでたことはあるけど」

    蒼星石「ひ…ヒラサワさん?び、ビックリさせないでください…」

    105 = 104 :

    平沢進「別に人形を驚かせるために早起きするほどひねくれてはないので。ただ起きてただけ」

    蒼星石「そ、そうなんですか。早起きなんですね。…おはようございます」

    平沢進「そちらもイヤに早起きですね。まるでこっそりあろるの館から飛び出そうとしていたよう」

    蒼星石「い、いや、そんなこと…」

    平沢進「だが卓上にこんなものが」ピラッ

    106 = 104 :

    『ヒラサワさんと翠星石へ
    昨日は夕食ありがとうございました
    お話もとっても楽しかったです
    窓ガラスについては今日の内に直します
    翠星石も 美味しいスコーンをありがとう
    蒼星石より』

    蒼星石「あ……」

    平沢進「なんというか…」チラッ

    107 = 104 :

    蒼星石「!…ご、ごめんなさ…」

    平沢進「…欧州生まれの割に漢字に親しみがあることに驚愕。島国生まれのくせしてタイ語に親しみを感じているどこぞのステルスもいるというのに」

    蒼星石「え…ああ、それは…昔、練習したんです。日本に来たばかりの時に。マスターと円滑に意思疎通を図るには、その土地の文字が書けた方がいいと思って」

    平沢進「へえ。またまた驚いた。人形とは朝から晩まで古い洗濯機のごとくガタガタうるさく喚いて、取ってつけたような敬語を用いて、勉強などは蚊帳の数キロ外に置くものなのかと」

    蒼星石「ぷっ。…それ、翠星石のことですよね?」

    108 = 104 :

    平沢進「さあ。他にも人形がいるかもしれないし。鳥の一種とか」

    蒼星石「金糸雀ですか?あはは、確かに彼女も結構賑やかかもしれませんね。翠星石といい勝負かも」

    平沢進「寒気がしてきた。ヒラサワの器官は75db以上の騒音に耐えるようには造られていない。生まれる時の予算をやかましいモノへの対処に振り分けなかったので」

    蒼星石「それじゃ、あの二人を前にしたら大変ですね」

    平沢進「防音室に篭城するような真似は私は御免だ。何としても金か翠には蒼っぽくなって貰わなくてはならない」

    109 = 104 :

    蒼星石「あはは…とても無理ですよ。僕と翠星石は、何もかも真反対だから。性格も、考え方も…」

    平沢進「そう?」

    蒼星石「はい。見てて思いませんでしたか?」

    平沢進「ヒラサワの目は本質を見極める第三の目という訳でもないので。似てるとか似てないとかは顔認証システムに聞いて」

    蒼星石「そ、それは勿論顔は似てますけど…」

    平沢進「色も、名からくる色相だけで見れば大いに似ている。何せ…おっと」

    110 = 104 :

    「あでっ!なんかつまづいたですぅ…」

    平沢進「そんなこんなで早起きした古い洗濯機がお出迎えです」

    翠星石「ふぁ~あ…おはようですぅ…そうせいせき…」

    蒼星石「す、翠星石!?起きてたの?珍しいね…」

    翠星石「いま、かおあらってきたとこです…それに…はやくおきるのは……あたりまえ……ですぅ…いもうとよりぃ…はやくおきるのが…あねのつとめ…なんです…から」カクン

    蒼星石「え、いやいや。僕より早く起きたことなんて今まであったっけ。それに大丈夫なの?なんだかふらふらしてるけど…」

    翠星石「やかましー…ですぅ。ふぁ……むにゃ…すいせいせきは……いつものように、げんきはつらつ、ですぅ…」ゴシゴシ

    111 = 104 :

    平沢進「目の上に漬物石が置かれたかのごとく瞼が落ちまくっている。はいこれ、眠気覚し」

    翠星石「あ、ありがと…ですぅ…ごくっ……ってつべたっ!?」

    平沢進「だって昨日作ったやつだし」

    翠星石「なんでそれを翠星石に飲ませるですか!手頃な紅茶処理機にすんじゃねーです!」

    平沢進「くるみ割り人形ならぬ紅茶飲み人形。少なくともバレエの題目にはなりそうもない」

    翠星石「ビミョーなイヤミ言うんじゃねーです!翠星石が主演になったらアカデミー賞だかグラミー賞だか間違いなしですぅ!…まあ、とりあえず目は覚めたのでいいですけど!」

    112 = 104 :

    蒼星石「…ふふっ」

    翠星石「あ!わ、笑うんじゃねーです!翠星石は真面目も真面目、大真面目なんですよ!さっきまでの眠そうなのは…そう、ヒラサワの催眠術ですぅ!呪術師ヒラサワの魔法で、クラッと来ちまってただけなんですぅ!」

    平沢進「魔法なのか催眠術なのか呪術なのか。どれも普通免許を取った覚えはないが」

    翠星石「仮免だろーと大型免許だろーとどうでもいいです!とにかく!眠そうだったのは翠星石のせいじゃねーんです!」

    平沢進「あ、そう」

    蒼星石「ぷっ…くくく」

    翠星石「あぁーー!!また笑ったですぅ!!なんで笑うですか、翠星石はこんなに真面目に頑張ってるのに!」ブンブン

    113 = 104 :

    蒼星石「い…いや…ふふっ、本当に息があってるなぁと思って」

    平沢進「昨日は聞き流しましたがそれは侮辱ですかね」

    翠星石「何言ってるですか!最大限の称賛ですよ!!」

    平沢進「称賛という皮肉とはまた高級な手を」

    翠星石「皮肉でもねーです!翠星石と並び立つなんて、並ぶもののない栄誉なんですよ!」

    平沢進「うそつけ」

    翠星石「ホントです!」

    蒼星石「ぷっ…くくっ…あははは!!」

    114 = 104 :

    翠星石「あ!ま、またまた笑ったです!な、何でですか!翠星石にはさっぱり分からねーですぅ!」

    平沢進「オマエの顔が面白いからでしょ」

    翠星石「むきーっ!!翠星石は面白い顔してねーです!どっちかといえば超絶美少女の顔をしてるですぅ!…って」

    翠星石「こほん。それは置いといて」

    翠星石「…ちょいと蒼星石。話があるですぅ」パラッ

    蒼星石「げほっけほっ!あは、あはははっ!!」

    115 = 104 :

    翠星石「わ、笑ってる場合じゃねーですよ!大切な話なんです!って、むせてるじゃーねですか。はいこれ紅茶ですぅ」

    蒼星石「ごほっ、こほん。ありがと…ってつめたっ!?…もう……えっと、何の話?」

    翠星石「えーとですね…」ピラッ…

    翠星石「…ちょっと待つですよ。えーと…」ジィー

    蒼星石「…手紙?なんだかしわくちゃだけど…」

    翠星石「行くですよ。すぅー…」

    116 = 104 :

    そうせいせき へ
    すいせいせきはしんぱいです
    それは そうせいせきがずっと
    なにかになやんでいるのがわかるからです
    そうせいせきは いい いもうとです
    だから ほとんどのことはそうせいせきだけで
    かいけつできるものだとおもっています
    それでも そうせいせきがずっとなやんでいるのは
    ひとりじゃかいけつできない なにかを
    かかえているからだとおもいます

    117 = 104 :

    そうせいせきはまじめさんなので
    ひとりでかいけつすべきだとおもっているかもです
    でもそんなことないんです
    まよったりこまったりしたら
    たよってもいいんです
    ……えーと、えーと」

    翠星石「えーと…えーと…なにせ、その…す」

    翠星石「翠星石は蒼星石のお姉さんなんですから!いつでもこの翠星石の胸にドカンとぶつかってこいってんですこんちくしょー!ですぅ!」

    118 = 104 :

    平沢進「…」

    蒼星石「…」

    翠星石「…い、以上ですぅ!な、なんですか!文句あるなら言ってみるです!」

    蒼星石「………」

    翠星石「えっ!あ、あわわっ!な、何泣いてるですか!泣かせるために書いたわけじゃねーんですよ!ただ、口で喋ってるとごちゃごちゃしてくるから、それで…」

    蒼星石「ごめん……翠星石…」

    翠星石「な、何謝ってるですか!謝ってほしくて書いたわけでもねーんですぅ。ただ、ちゃんと翠星石の気持ちを伝えたくて…」

    蒼星石「うん…ごめん、分かってるよ、翠星石…」

    119 = 104 :

    翠星石「ほ、ほら。ハンカチですぅ!これでシャキッとするですぅ!」

    平沢進「それはティシューなるものだが。最近ハンカチという名のブランドティシューが販売されたなら別だけど」

    翠星石「え、あっ!!…まあティッシュでも事足りるですぅ。ほ、ほらほら、蒼星石…」

    蒼星石「あ、ありがとう…」

    翠星石「よしよし…ですぅ。まったく、蒼星石も甘えんぼさんですね。…別に、いつも、こんな風に甘えたっていいんですよ」

    蒼星石「………」

    蒼星石「……いや」バッ

    翠星石「あっ…」

    120 = 104 :

    蒼星石「ごめん、翠星石……手紙、ありがとう。それじゃ」

    翠星石「えっ、ま、待つです!蒼星石!えっと、えっと」

    平沢進「手紙だけでも良かったらどうぞ」パシッ

    蒼星石「あ…」

    翠星石「そ、そうです!手紙だけでも持ってくです!そこに、翠星石の気持ちがしっかり書いてあるですから!!迷ったら読み返したりしてみるですよ!…翠星石はいつでも蒼星石の味方ですから!」

    蒼星石「………」ギュッ

    121 = 104 :

    翠星石「……またですよーー!!蒼星石!!」

    蒼星石「うん…」フワー ヒューン…

    翠星石「………蒼星石…」

    平沢進「……人形にも涙腺があるとは」

    翠星石「ルイセン?…まあ、嬉しかったり悲しかったりすれば泣くこともありますよ。ローゼンメイデンは魂のある人形なんですから」

    平沢進「へえ」

    122 = 104 :

    翠星石「はぁ、それにしても……やっぱり、文章にしてもあんまり上手くいかねぇですぅ。頑張って考えたんですけど…」

    平沢進「そう?」

    翠星石「ですぅ。翠星石にも、何かはっきりくっきり心の中を伝える手段があったらいいのに…」

    平沢進「……」

    翠星石「…ま、気を取り直すですぅ。あとは蒼星石を信じるのみです。なんてったって、この翠星石の妹なんですからね!」

    平沢進「ふーん、そう」

    123 = 104 :

    翠星石「ご協力ありがとでした、ヒラサワ。じゃあ翠星石は…翠星……せき……は…」

    平沢進「ん?」

    翠星石「……にどね…する……で…すぅ……」パタッ

    平沢進「えー」

    翠星石「すぅ……すぅ…」

    平沢進「……」ガシッ

    平沢進「人形の鞄詰め一丁。英国ではこれが静かな休日をぶち壊すアイテムとして大人気。んなわけない」

    124 = 104 :

    …………
    蒼星石「………」ヒューン

    蒼星石「翠星石……」

    蒼星石「…だって、言えるわけないよ…」

    蒼星石「…君と…そのマスターを……」

    蒼星石「………」

    蒼星石「[ピーーー]かどうかで……悩んでるなんて」

    125 = 104 :

    は?(半ギレ)
    こういう規制ってどうすりゃええのかしら…初めてなんで分からぬ
    まあ言ってることはわかると思うんだけどさ…

    あと今回で話をどうするか真面目に考えだしたので蒼星石が多少情緒不安定っぽくなってるけどゆるして
    指摘や感想ありましたらいくらでもどうぞ

    126 :

    ああ何かと思えば「殺す」が消えてるってことか
    メールアドレス欄に「saga」って入れるんやで

    127 = 104 :

    おおなるほど!ありがとうございます!
    おためし 殺す
    お試しでころすってこわい

    128 = 104 :

    …………
    蒼星石「………」ヒューン

    蒼星石「翠星石……」

    蒼星石「…だって、言えるわけないよ…」

    蒼星石「…君と…そのマスターを……」

    蒼星石「………」

    蒼星石「殺すかどうかで……悩んでるなんて」

    129 = 104 :

    締まらないですがこれで補完お願いします
    ではまた!

    130 :



    アリスゲームって要はバトロワだもんな

    131 :

    数時間後
    ーあろるの館(庭)ー

    「フッフッフッ…見ぃつけた!」

    金糸雀「ついに見つけちゃったのかしら!翠星石のアジトを!」

    金糸雀「よくやったのかしらピチカート♪ついに24回の失敗を乗り越えて、ようやく居場所を突き止めたわ~」

    金糸雀「ふー…。最近、なんだか分からないけどすごくイライラするのかしら!まるで、どこかの誰かに四六時中陰口を叩かれてるみたいに…だから!」

    金糸雀「今日は翠星石を打ち倒して、スカッとして帰るのかしら!みっちゃんのためにも、お父様の悲願の為にも!」

    132 = 131 :

    金糸雀「じゃあさっそく呼び鈴を押しましょう。呼び鈴を押せば家主は出てくる!計算高いカナにはこのぐらいお茶の子さいさいなのかしら!さてっと!……あら?」

    金糸雀「あらあら!窓が壊れてるのかしら!なんて不用心なの。こんな風になっていたら、空き巣とか、泥棒とか、強盗とか…」

    金糸雀「…この薔薇乙女いちの頭脳派である金糸雀とかにも!カンタンに入れちゃったりしちゃうのかしら!ホ~ホッホッホ!!」

    金糸雀「さてさてっ!さっそく……あら?でもこの窓までどうやって登ればいいのかしら……?」

    133 = 131 :

    ♪♪♪……

    金糸雀「うーん、難問ね…この天才軍師たるカナの知識を持ってしても……あら?何やら音楽が…この窓から?」

    金糸雀「?…翠星石のマスターは歌手さんなのかしら?」

    金糸雀「……」

    金糸雀「音楽家としてちょっと気になるかも。窓に登る手段を考えながら、聴いててみようかしら…」

    平沢進「………」カタカタ

    134 = 131 :

    http://youtu.be/KbxO515VuUA
    ♪Big Brother 核P-MODEL(平沢進) 2004
    路上 スタンガンの
    電撃が撃つ群衆の影

    ヤイヤイと人は行き
    秘密裏に事は成る

    聞けよ物陰で
    「良き事の為」
    と囁く

    見えないブラザーが
    暗示のようにキミを追う

    列を成せ
    汝従順のマシン
    享受せよ
    さあ 思慮は今罪と知るべし

    夜景
    遍く
    憎悪の声は歓喜する

    ヤイヤイと踏み鳴らし
    逸脱の民を撃てと

    聞けよ窓辺で
    「良き事の為」
    と連呼する

    見えないブラザーが
    保護者のように
    キミを見る

    踏み鳴らせ
    汝 善良のマシン
    連呼せよ
    さあ 思慮は今罪と知るべし

    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを追う
    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを見る
    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを追う
    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを見る
    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを追う


    無情
    明日の日は
    キミの為にはあらずと

    隅々に地を覆い
    逃亡の夢も砕く

    聞けよ目の前で
    「良き事の為」
    と囁く
    見えないブラザーが
    暗示のように
    キミを見る

    列に立て
    汝 従順の下僕

    享受せよ
    さあ 思慮は今罪と知るべし

    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを追う
    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを見る
    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを追う
    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを見る
    ヤイヤイと
    人 人 人の目がキミを追う

    135 = 131 :

    金糸雀「………」(゜д゜)ポカーン

    金糸雀「す……!」

    金糸雀「すごいのかしら…!!」

    金糸雀「初めてこういう曲を聴いたのかしら!どういうジャンルなの?見たカンジだと、機械から音楽が流れてたみたいだけど…」ジーッ

    金糸雀「歌詞の意味も…どういう事なのかしら?監視についての曲?そういえばみっちゃんが前、ゲンダイ社会っていうのは監視社会なんだって言ってたけど、それについてもよく分かってないのかしら…」

    金糸雀「帰ったら調べてみようかしら。天才軍師たるもの、情報収集もしっかりするのが当然のこと!みっちゃんに頼んで、ケータイの力を駆使すればきっと…てっ!!?」

    窓)平沢進<●><●>

    136 = 131 :

    金糸雀「きゃあっ!?」ドテッ

    金糸雀(ば、バレちゃった!!に、逃げなきゃなのかしら!取り敢えずその植木鉢の横に!|)彡 サッ

    平沢進「……」

    植木鉢|Δ`*)ジー

    平沢進「…噂に違わぬ、鳥類の金糸雀も悲しむような人形だ。さて、どうしてくれようか。……ん?」サッ

    137 = 131 :

    「ここなの?蒼星石」

    金糸雀「う、うっひゃあ!?」ガサッ

    蒼星石「そうだよ、真紅。わざわざ来てくれてありがとう」

    金糸雀(真紅!?それに蒼星石!?なんで一番戦いたくない二人が来るのかしら!!な、なんとかやり過ごさないと!頭脳明晰の代名詞、カナなら絶対にこの危機も切り抜けられるはず!)

    真紅「…まあ、事情が事情なのだし。蒼星石に全ての非がある訳でも無いみたいだし。それに、窓を直すなんて造作もないことなのだわ」

    蒼星石「うん、ありがとう。じゃあ、御礼に…ほら、『くんくん探偵switch』持ってきたよ」

    138 = 131 :

    真紅「!!!………こほん。蒼星石、あなたは約束を守るいい薔薇乙女なのだわ。それに報いて、私も約束を守りましょう」パアァ…

    金糸雀(!!あぁっ!窓が直っちゃったのかしら!これじゃ翠星石のアジトにも入れないし、こっそり曲を聴くことも出来ないのかしら…)

    真紅「これでよし、と。…でもまさか、本当に『くんくん探偵switch』をくれるなんて思っていなかったのだわ。割に合っていないのではなくて?」

    真紅「…あと、そこの植え込みから生えている黄色い物体はどうすればいいのかしら」

    蒼星石「きっと隠れてるつもりなんだよ。放っておいてあげようよ」

    139 = 131 :

    真紅「ここに居るってことは、翠星石のマスターに害を成そうと……いや、まあ金糸雀にはそんなこと出来ないのだわ。放っておいても大丈夫でしょう」

    蒼星石「それはそれで酷いね…。でも、彼女は彼女なりに、ローゼンメイデンとしての義務を果たそうとしてるんだよ。…それじゃ」フワー

    真紅「……」

    真紅「はぁ。金糸雀も蒼星石も…手間のかかる姉たちなのだわ」フワー

    金糸雀(あ!か、帰っていくのかしら!さすがカナ!幸運も持ち合わせるのが天才軍師たる所以なのよ!ホ~ホッホ!!じゃあ今のうちにスタコラサッサなのかしら!待ってなさい翠星石!またカナは帰ってくるわよ!)ピューン

    140 = 131 :

    平沢進「…やっと行ったか。真剣にこのあろるの館を人形の館に改名すべきかと思った瞬間だった。だが、悩むだけで済んでなにより」

    平沢進「特に黄色い鳥類。軒先にCDでもぶら下げておけば集まってこないだろうか。いや、ムリか」

    平沢進「……」

    平沢進「取り敢えずなにがしかの力で窓が治ったことに一周遅れの驚嘆の念を抱いて、昼の粗食を摂ることにする。鳥類人形対策は翠の娘に詳しかろう」

    141 = 131 :

    短いですがここまで
    ホントに気軽に文句とか書いていいのよ…

    142 :

    すき

    144 :

    いや、面白いよ。平沢音楽の勉強にもなるし

    ちなみに真紅の能力ってなんなんだ?
    窓を直したから時間系?

    145 :

    物体の時間を巻き戻す能力を真紅に付いてる精霊?が持ってたような

    146 :

    記憶が曖昧なんですが窓を直せることに具体的な理屈や説明は特についてなかった気がします
    たぶん…
    では再開します

    147 = 146 :

    翠星石「う~~………んっ!!はーーー!よく寝たですぅ!!!」

    平沢進「うわっ。驚いた。あんまり動かないもんだから鞄での早すぎた埋葬ごっこでもしてたのかと思った」

    翠星石「は、はぁ?起きて早々やかましいです!鞄を棺桶にする気は毛頭ねーです!」

    平沢進「いや、でも人形の棺桶にしてはかなり上等かと。副葬品も既に如雨露があるし。身一つ鞄一つがじいさんばあさんの最終目標とか言われてるし」

    翠星石「なんで終活の話になってるですか!今の翠星石は元気いっぱいに起きたとこなんですよ?もうちょっと明るい話題をもってきやがれですぅ」

    148 = 146 :

    平沢進「明るい話題…では黄色く光る人形について」

    翠星石「ズコー!そっちの明るいですか!…こほん。まあいいです。で、金糸雀がどうかしたですか?」

    平沢進「さっきあろるの館にその姿を現し、植木鉢と木々にマクロな被害を与えたあと、逃げ去った」

    翠星石「あのヤローもうここを見つけたですか!まったく、悪運の強いヤツですぅ。翠星石が起きてたらコテンパンのコンコンチキにのしてやったのに。で、逃げたのは何でですか?ヒラサワがその拳で闘ったんですか?」

    平沢進「んなわけない。蒼い娘に、紅いヒラヒラしたのがやって来たら勝手に蒸発した」

    149 = 146 :

    翠星石「えっ!?二人が来たですか?…ああ、だから窓が直ってるんですね。というか、そっちの方がずっと大事じゃねーですか!蒼星石……それに真紅まで来るなんて」

    平沢進「そう?人形の色は平安朝のごとく階級でも示すのか」

    翠星石「んなこたねーですけど。真紅は第五ドールで、翠星石の二番めの妹に当たるです。普段から冷静な上に機転も効く、なかなか侮れん奴ですぅ。まあでも、翠星石が戦ったら八分二分で翠星石の勝ちってところですかね!」

    平沢進「ふーん。つまり三分七分で分が悪いと」

    翠星石「なんで数字が変わってるですか!まあ今のところ敵対はしてねーですし、向こうもその気はないハズです。相手にしたら厄介ですが、放っといても問題無いですぅ」

    150 = 146 :

    平沢進「なるほど。別に真紅とは血の歴史を歩んだから通り名となったわけではないと」

    翠星石「はぁ?当たり前ですぅ。んなわけねーで…(!)」

    翠星石「……」

    翠星石「うーん……違うとも言いきれねーです。これはあくまでウワサなんですけど?真紅は夜な夜なマスターが寝てるとこに近寄って、ムリヤリ力を奪うらしいんですぅ。おしとやかそーなお口をかっ!と開いたその内には鋼鉄の牙がズラリと並んでて、それで…」

    平沢進「……」

    翠星石「ゆっくりゆっくり、気づかれないようにマスターの首元に近づいて…きゃーーっ!頸動脈にがぶりと噛み付いて、ごくごくと血を啜るんだそうですぅ!!そのおかげで、真紅は翠星石の妹のくせに邪悪なほど強くて、マスターはポックリ早死する…っていう話ですぅ…」

    平沢進「……」

    翠星石「うう~真紅恐るべし!コワイですぅ身が震えるですぅ!ヒラサワもコワイですよね!!ほら、よしよししてあげるですよ!」

    平沢進「人形劇『エセ吸血鬼人形のヨタ話』はこれにて終幕」


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