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    元スレ士郎「……俺は、偽物なんだ」

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    101 :

    >>100
    ssでそれ尊重しちゃうとほのぼのかクロスしか書けなくなるぞ

    102 :

    >>101
    いやちゃんと理由があったりするssもあるにはあるから
    どっちなのかと思って

    103 :

    アインツベルンが有能だった世界線があるんだから凛がうっかりせずセイバー呼べた世界だってあるだろ(超適当)
    アサシンはSNと違ってしっかり魔翌力供給できるマスターと契約してるっぽいか

    104 :

    士郎を触媒にして凛がセイバー呼ぶssとかあったよな

    105 :

    >>102
    使用してた宝具や長い間連れ添った人間とその人物が所持していたペンダント以上の触媒なんて、仮に探しだしたとしてもそいつら以外が召喚されるなんて万に1つ程度の確率でしかない
    結局はどれだけ御託並べてもそういう世界線としか言えないんだからすっぱり切り捨ててもいいだろ

    106 :

    >>105
    別に文句言いたいわけじゃなくて
    考察に組み込んでいいのかなっていう
    >>1への疑問なんだ
    なんかすまん

    107 :

    ワカメが嫌味ったらしい無能じゃないだと……

    108 = 105 :

    >>106
    それこそ今後語られるかもしれないことで、完結した時に語られてなかった時に質問することだわ
    質問する意味がない

    109 = 106 :

    >>108
    何をそんなに否定したがるのか分からんけど
    そもそもその語られるかもって辺りの話だろうに

    110 = 105 :

    >>109
    否定してるんじゃなくてお前がキモイんだよ
    仮に>>1が「そうだよ」って言って、お前以外の誰が得するんだ

    111 :

    もー型月厨はすぐレスポンチバトルする
    他人のスレでマウントとってどうすんのよマウンテンゴリラか?

    112 = 106 :

    >>110
    別に誰かが損するわけではないだろ
    わざわざレスつけないでスルーすればええやん
    何をそんなにキレてるんだ

    113 = 101 :

    >>112
    最初に>>1にスルーされて何でスルーされたかも理解できずに聞き返しちゃったお前にスルーしろって言われるとか草はえる
    ネタバレになるかも知れないからスルーしたって考える頭が無いんだろうな
    ネタバレになるんで言えませんってレスを返すこと自体が既にネタバレになるなんて想像もつかないんだろうな

    114 :

    はいはいいつもの流れいつもの流れ
    お前らスレぶっ潰して楽しそうだな
    自分が荒らしじゃないって反論あるなら>>1が来るまで書き込まないという行動で示せ

    115 :

    >>113
    スルーはお前に言ってんだよ

    116 :

    >>115
    病気だな、お前

    117 :

    乙なの

    118 :

    乙乙楽しみにしてる

    119 :

    考察してって>>1自身が言ってるんだよなぁ
    そりゃそこに突っ込み入るのは当然な訳でどうみても病気なのはお前なんだよなぁ(呆れ)

    120 :

    そうか、考察って直接答えを聞くことだったのか
    俺の国の言葉じゃないと思うけどどこの国の言葉?

    121 :

    ーーーーー
    ーーーー
    ーーー
    ーー


    「ウオ■ォ……■■オォ……」
    月に向かい、その者は吠える。辺りに飛び散った真紅の液体には目も向けず、ただ拳を振るう。

    「クス……クスクス……」
    地に目を向け、その者は笑う。喜びと哀しみを一緒くたにしたようなその仮面の下で、ただただ"何か"を見つめる。

    その両者は狂気に包まれながら、まるで何かを探しているようで。
    失ってしまったものを、■■■いた何かを追い求めているようで。


    夜が明け、朝日が昇る。
    狂気に満ちた二人は姿を消し、血だらけの"何か"だけが後に残されていた。


    ーー
    ーーー
    ーーーー
    ーーーーー

    122 = 1 :

    生存報告を兼ねて1レスの幕間だけ投下しました。短くて申し訳ないです。
    次の更新はもうちょい早めに出来ると思います。

    123 :

    へいおー

    125 = 1 :

    「ーーということで、今日から部活動はしばらく禁止だから、学校が終わったらすぐ帰宅するように!HR終わり!」

    藤ねえ……藤村先生による朝のホームルームが終わり、一限が始まるチャイムが鳴る。
    部活動禁止令が出た理由は、先日から起きている通り魔事件だ。恐らく、この事件も聖杯戦争によるものだろう。

    サーヴァントは人の魂を喰らうことで魔力を蓄え、パワーアップすることが出来る。俗に言う魂喰いだ。
    もしこの通り魔事件が魂喰いによるものだとすれば、時間が経てば取り返しのつかないことになる。早急に手をつけないといけない。

    そもそも、無関係な人々が犠牲になっている時点で放っておくわけにはいかないのだ。一刻も早く、この事件を止めなければいけない。
    一人でも多くの人を守る。それが、今の自分のやるべきことなのだから。

    126 = 1 :

    『流石です、ご主人様!……でも、何故なんですか?』
    (何故って……?)

    突然、『キャスター』が話しかけてきた。授業中なので念話で答える。
    ……というかこのサーヴァント、また頭の中を勝手に読んだらしい。正直なところ、出来れば自重してほしいのだが。

    『……率直に申し上げます。ご主人様は気負いすぎです!もっと気楽に、自分の幸せのことも考えていいんです!』
    (自分の幸せ……か。……でもさ、それは『キャスター』だってそうじゃない?)
    『それは、まあ、私はサーヴァントでございますし?それに、ご主人様と一緒にいれれば私は……』

    (じゃあ、こっちだって同じだ。俺は、誰かの役にたてれば、誰かを助けることが出来ればそれで十分だ)
    『むぅ……本当ですか?』
    (あぁ、もちろん。じゃないと、こんな酔狂な真似は出来ないさ)

    127 = 1 :

    放課後、商店街で買い物をするついでに探索をすることにした。通り魔事件がサーヴァントやマスターによるものなら、何かしらの痕跡が残っていると踏んでのことだ。
    ただ、今回は慎二とは別行動をとっている。常に一緒に行動していては他のマスターに怪しまれるだろうという独断によるものだ。
    それ以前に、彼がわざわざこういう自分の身勝手な行動に付き合ってくれると思っていなかったというのもあるが。

    商店街のメインストリートは普段通りに営業していたが、心なしか客が少なく活気がないように思われた。
    そして、事件現場と思しき細長い路地裏の入り口にはキープアウトテープが張られていた。警察の姿は見えないが、すでにはけてしまったのだろうか。
    時間が経っているので血の匂いなどは全くしなかったが、不穏な雰囲気は消えることなく残っていた。


    ……否。それは、雰囲気なんて漠然としたものではない。

    128 = 1 :

    『魔力、ですね。しかも、時間が経ってもご主人様が体感出来るほどのものとなると……』
    「……あぁ。間違いなく、サーヴァント絡みのものだろうな」

    戦闘行為等において放出された魔力はすぐに消えるわけではない。しばらくの間はそこに残存魔力として僅かに留まり続けるのだ。
    もっとも、普通なら長い間残り続けるほどのものではない。よほどのことがない限り、精々1~2時間程度で消えるはずだ。
    それが今も残り続けているとなると、人の尺度では測れないほど桁外れの魔力を持つ者……サーヴァントによるものだと考えるのが自然だろう。

    しかし……いくらサーヴァントとはいえ、単なる魂喰いで、これほど長時間残るものなのだろうか?

    129 = 1 :

    昨晩サーヴァント同士の戦闘行為が行われた弓道場の魔力痕は、朝の時点でほぼ完全に消えていた。一方、同じく昨晩発生したらしいこちらの事件跡ではまだ魔力が感じられる。

    この差はどういうことだろう。普通に考えれば逆なはずなのに、何が起きているのか。
    事件痕でサーヴァント同士の戦いがあって、被害者はそれに巻き込まれた?それなら魔力痕が残っているのは納得出来る。
    納得出来るが……あんなに狭い路地裏で戦いが起きるとは思えない。闇討ちのようなものならまだ分かるが、小規模な戦闘だけで弓道場以上に魔力が残るはずがない。

    じゃあ、逆に弓道場の方が自然でないとしたら?例えば、戦闘後に何者かが弓道場の魔力痕を消したとしたら……
    ……いや、いくら桁外れなサーヴァントの魔力量とはいえ、半日以上経っても魔力が感じられるのは不自然だ。
    やはり、路地裏の方が異常だ。だが、何が異常だったのかがまるで分からない。与えられている情報が余りに少なすぎる。

    ーー事件当時、あの路地裏で何が起きていた?

    130 = 1 :

    今回の更新は以上です。謎をぶん投げて終わるスタイル。
    夏に入ったので、頑張って更新頻度を上げていきたい。

    131 :

    乙カレー

    132 :

    乙乙

    133 :

    おつおつ

    134 :

    『ーーご主人様、あまり考えこむのもよくありませんよ。少し風に当たってみては?』
    「……あぁ、そうだな」

    気づいたら、もう日が落ちかけている。帰る前にと、公園の自動販売機で缶コーヒーを買う。冷え切ったベンチや喉を通るコーヒーの熱さが、今の季節を感じさせた。

    「ーーもうすっかり冬だなぁ……」

    頬に冷たい風を感じながら、ぼんやりと空を見上げる。思えば、ここ最近はあまりに激動すぎてろくに休めていなかった気がする。
    この瞬間だけは、聖杯戦争のことも考えず、頭の中を空っぽにしてリフレッシュしよう。そんな風に思っていた。

    だからこそ、気づくのが遅れてしまったのだろう。

    周りに、人の気配がほとんどないことに。

    135 = 1 :

    「っご主人様!敵です!」
    『キャスター』が突如実体化し、自分の前で臨戦態勢をとる。自分も慌ててベンチから立ち上がった。
    周りには人影が一切ない。どうやら人避けの魔術か何かを使われたらしい。
    そして、目の前には自分でも分かるほどの魔力を持ったーー幼い少女がいた。

    「こんばんは、お兄ちゃん。こうして会うのは初めてね」
    彼女の側にはサーヴァントの姿は見えない。それでも余裕綽々とした態度を崩さないのは、余程の自信があるのか。

    「初めまして、シロウ。私はイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」
    そう言い、幼い少女はお辞儀をする。その立ち振る舞い、その所作の一つ一つから、彼女の育ちの良さが感じられた。

    「アインツベルン……?ーーというか、どうして名前を!?」

    「別にどうだっていいよね。どうせここで死んじゃうんだから!来なさい!『ライダー』!」

    イリヤスフィールが高らかに声をあげ、己のサーヴァントーーライダーを呼ぶ。自分も『キャスター』も同じように身構える。

    136 = 1 :

    ーーが。

    中々ライダーが姿を現さない。
    イリヤスフィールも決めポーズをしたまま動かない。周りに人気がないのも相まって、まるで時間が止まったかのような錯覚を覚えてしまう。
    気まずい沈黙の後、公園の入り口に人影が見えた。

    「あ、いたいた。こんな所にいたんだ、マスター」
    「遅ーい!私が呼んだらすぐ来なさいって言ったでしょ!」
    「いやぁ、本屋さんでイリアスを探してたら遅くなっちゃって」

    その姿は……子供だった。イリヤスフィールよりは大きいが、
    だが、放たれるオーラはそのシルエットからは似ても似つかぬほど強烈なものだった。覇気……とはまた違う。言うなれば……王気。
    そのサーヴァントは少年ながらにして、並々ならぬカリスマを発揮していた。

    137 = 1 :

    しばらくの間イリヤスフィールの説教が続いたが、やがて『ライダー』がこちらに目を向けた。

    「それで、そこに見えるのが相手なのかな?マスター」
    「そうよ。やっちゃいなさい『ライダー』!」

    『ライダー』が改めてこちらに向き合う。こちらも身構え、臨戦態勢に入る。

    「初めまして、『キャスター』のマスターさん……でいいのかな?僕はアレキサンダー。アレクサンドロス3世、でもいいよ。他の名前でもね」
    「……アレキサンダー大王?この子供がですか?」

    『キャスター』が眉をひそめる。それも当然だ。アレキサンダー、アレクサンドロス、イスカンダル等、数々の異名を持つ『征服王』が、こんな少年だとは到底思えないからだ。

    「どういう因果か、この姿で召喚されちゃってさ。大人になったら僕のことも覚えてはいるけど、ちょっと記憶が曖昧でね」

    138 = 1 :

    「……『ライダー』?」
    「おおっと、少ししゃべりすぎた?分かってるよ、マスター」

    そう言って『ライダー』……アレキサンダーは腰につけた剣に手をかける。それと同時に、彼の魔力が上昇するのを感じる。

    「さあ、出でよブケラファス!蹂躙を始めよう!」
    彼が虚空をその剣で切ると、その切っ先から黒く美しい馬が出現した。そして、彼はそれに飛び乗ると、一気にこちらに向かって突進してきた。

    「突撃ーー!」
    「来ます、ご主人様!」

    『キャスター』は咄嗟に詠唱を行い、防壁を作った。どうにか防いでくれている間に、サーヴァント同士の戦いの余波に巻き込まれないように少しだけ移動する。
    ここから先に生身の人間が干渉できる余地はない。サーヴァント同士の、英霊たちの戦いだ。

    139 = 1 :

    本日の更新は以上です。
    次回、キャスターvsライダー(書き溜め/zero)

    141 :

    おつ

    142 :

    「とぉっ!はいやっ!」
    『キャスター』が符から色とりどりの魔弾を放つ。その弾幕はあまりに美しく、まるで芸術品のようだ。
    「甘いよっ!……ほっ!」
    しかし『ライダー』は華麗な馬さばきでそれらを避けきる。時に素早く、時に止まりながら見事に全ての弾を回避した。

    「……そろそろ当たってくれてもいいんじゃないですか~?タ……私、そろそろ本気で怒りますよ?」
    「当てられるものなら当ててみなよ。僕とブケファラスの動きを捉えられるなら、ね」

    心の苛立ちを隠せない『キャスター』とは異なり 、余裕綽々といった表情をしている。しかし内心、『ライダー』ももどかしさを感じていた。
    ブケファラスの脚力をもってしても回避が精一杯で、一向に自分の間合いに入ることが出来ない。ダメージ覚悟で突っ込むのも手ではあるが、自分の心許ない対魔力スキルを考えるとリスクとリターンが噛み合わない。
    『キャスター』と『ライダー』、どちらのサーヴァントも己の勝機を見出せずにいた。

    143 = 1 :

    「なあ、イリヤスフィール!答えてくれ!」

    サーヴァント同士が激しい戦闘を繰り広げる一方で、キャスターのマスターはライダーのマスターに対して舌戦を仕掛けていた。
    真っ向からの魔術での勝負で、あの化け物じみた魔力を持つ少女に勝てるとは思えない。
    ならば、自分に残された武器は「口」しかない。

    「俺はお前のことを知らないし、お前に恨まれた覚えも全くない。だから教えてくれ!何で俺を狙うんだ!」
    その問いに、イリヤスフィールは笑いながら答える。その笑い声は無邪気でありながら邪悪なものに聞こえた。

    「そんなの当たり前じゃない。シロウがキリツグを奪ったんだから、その責任を取ってもらうためよ」

    「……?……ごめん、話が全く飲み込めないんだけど。キリツグを奪った……?」

    自分の記憶の中に、キリツグという名前の人物は一人しかいない。
    衛宮切嗣。10年前に火災の中から士郎を拾った命の恩人。満月の綺麗な夜に息を引き取った士郎の育ての親。
    それとイリヤスフィールが……どういうことだ?

    144 = 1 :

    「……いいわ、教えてあげる。メイドのミヤゲってやつ?」
    まるで事態を飲み込めていない自分の様子を見てか、呆れたようにイリヤスフィールは言う。

    「私のお父様はキリツグ。そしてキリツグは10年前に、聖杯戦争に参加したの。アインツベルン代表としてね」
    「なっ……!?」
    「でも、キリツグは帰って来なかったの。『絶対に迎えに来る』って約束したのに……分かるわよね?貴方がキリツグを奪ったんだもの!」

    堰を切ったように彼女の言葉は続く。
    「私は許さない。アインツベルンを裏切って、お母様を裏切って、約束も裏切ったキリツグのことを許さない。そして、私からキリツグを奪ったシロウのことも許さない!」

    彼女が怒りを募らせ言葉を発するごとに、彼女の魔力が高まるのを感じる。もし彼女が怒りに任せ、ありったけの魔力で自分に攻撃をしてきたとしたら……

    145 = 1 :

    ーー今は穏便に事を進めなければいけない。何はともあれ、彼女の怒りを抑えなければ……

    「……辛かったんだな」
    「な……何よ!知った風な口をきいて!」
    「あぁ。俺にお前の気持ちは分からないさ。でも、家族と突然離れ離れになるのがどれだけ辛いかは知ってる」

    衛宮士郎は、生みの親とも育ての親とも死に別れてしまった。ある日突然、親と離れなくてはいけなくなってしまったのは自分だってそうだ。それらの苦しみや辛さだって、彼女のそれと通じる所はあるはずだ。

    「……それに、切嗣はお前のことを見捨てたわけじゃないはずだ」
    「何言ってるの?キリツグは私を、私たちを捨てたのよ。私、ずっと待ってたのに!」
    「言ってたんだ。切嗣が死ぬ前にーー」

    「ーー『あの子にもう一度会いたかった』ってさ」

    146 = 1 :

    「……え?」
    嘘だ。今、自分は彼女に嘘をついた。

    「その時は分からなかったけどさ、今気づいたんだ。切嗣の言ってた『あの子』って、お前のことなんじゃないかってさ」
    違う。自分はそんな言葉は聞いてないし、そんな話をされたこともない。

    「……本当なの?」
    「あぁ、本当だ。切嗣が死ぬ前に、そう呟いてた」
    これだって偽りだ。この場を取り繕うためのでまかせにすぎない。

    「……嘘だったら承知しないわよ?」
    「嘘じゃない。紛れもなく本当のことだ」
    おずおずと自分の顔を覗き込んでくる彼女の瞳を正面から見据える。全てが嘘なんてことはおくびにも出さずに。
    あぁーーいつから自分は、こうも簡単に嘘をつける人間になったんだろう。

    147 = 1 :

    しばらく自分の顔を見続けていたイリヤスフィールは、やがてライダーに向かって叫んだ。
    「……っライダー!帰るわよ!」

    「ふーん……いいのかい?」
    「もういい!つまんない!」

    イリヤスフィールはそう吐き捨てるように言うと、急ぎ足で公園から去っていった。その後を『ライダー』が追う。
    その後ろ姿を、自分と『キャスター』は黙って見つめていた。


    「……キャスター、大丈夫か?怪我とかーー」
    彼女らの姿が見えなくなったのを確認して、自分は『キャスター』に向かって言った。

    「問題ありません。魔力は少しばかり消耗しましたが、明日には回復しているかと」
    「そうか。ならよかった」
    「魔力もちゃんと節約してますの。私、家計に優しい良妻狐ですから♪」

    『キャスター』の言葉を適当に聞き流しながら、『ライダー』陣営の突破法を考える。
    イリヤスフィール。彼女の貯蔵魔力量はケタ違いだ。自分と慎二が持つ全魔力を合わせても彼女の半分にも及ばないだろう。

    となると、持久戦は不利。ならば、速攻で倒すしか勝ち目はない。
    幸い、先ほどの戦いを見る限り『ライダー』自身の戦闘力は高いとはいえない。慎二と協力するなり、こちらの宝具を展開するなりすれば勝てない相手ではないはずだ。

    148 = 1 :

    ーー帰り道。

    『……はっ!しまった!魔力を節約せずに使っていれば、魔力供給と称してご主人様とにゃんにゃんできたのに……!一生の不覚!』
    「念話で全部聞こえてるぞ」

    いくら魔力消費を抑えているとはいえ、もし遭遇戦になったら『キャスター』も辛いだろう。ということで、自分は家までの道を急ぎ足で歩いていた。
    その時、ふとイリヤスフィールの言葉が脳裏に浮かぶ。

    『私は許さない。アインツベルンを裏切って、お母様を裏切って、約束も裏切ったキリツグのことを許せない。そして、私からキリツグを奪ったシロウのことも許さない!』

    彼女の思う切嗣は、自分の考えていた切嗣像とはいくらか異なるようだ。その食い違いが何故発生したのか、まるで分からない。
    本人に聞ければ手っ取り早いのだが、彼は既にこの世にはいない。聖杯に願えば可能かもしれないが、自分には心に決めた願いがある。そもそもの話、聖杯戦争が終結してから切嗣を生き返らせたところでたぶん遅い。
    衛宮切嗣。彼は一体、何者なのかーー

    『ご主人様!もう家過ぎちゃってますよ!』
    「……あっ」

    149 = 1 :

    今日の更新は以上です。
    もう八月が終わるってマジすか(マジすか)
    色々理由はあったんですが、ずっとSSを書き溜める時間が取れませんでした。遅れちゃって本当すみません。
    今後も亀進行になるとは思いますが、どうかよろしくお願いします。


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