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    元スレ八幡「俺の知らない俺がイル」

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    タグ : - 俺ガイル + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    52 :

    何日か振りにレス付いて日付変わってから投下って流れが最高に面白い

    53 :

    珍しいな、ガハマヘイトキチガイがまだ来てない。

    54 :

    >>53
    荒らしをわざわざ呼びこもうとしてんじゃねぇよ荒らし

    55 :

    なんだか破壊魔定光みたい

    56 :

    生存報告だけしておきます

    57 :

    今は管理人仕事しないから保守せんでも平気だよ

    58 :

    続き待ってるぞ

    59 :

    正直終わったと思ってたから嬉しい。頑張ってクレメンス

    60 :

    生存報告(書くとは言っていない)

    61 :

    ――

    ――――

    八幡「こっからどうしろと」

    八幡(他のやつにも、由比ヶ浜とかに聞いてみたが、得られた情報は雪ノ下のと寸分変わらない)

    八幡(そしてさらなる驚くべき事実)

    八幡(この世界の人間はそんな俺の言動を肯定しているようだ。なんやて!?)

    八幡「あまりにもいろいろ都合良すぎんだろ……」

    八幡(人間の欲求を努力なしに悪い方向で忠実に叶える世界、と考えるとどこか納得がいく)

    八幡(そういえば前に授業で欲求には階層があるなんて話を聞いたな)

    八幡(その論法だと第三以上の階層が入り組んだ欲求が現出している世界とも言えるのかもしれない)

    八幡(哲学用語使うと何だか賢く見えるな。今の俺、超マズロー)

    62 = 1 :

    ??『君は、誰だ?』

    八幡「はぁ?」

    八幡(誰かに声をかけられたような気がしたが、周りを見渡しても人影一つ見えない。なに、今度は幻聴? なにそれやばい)

    ??『そっちじゃない、右、右』

    八幡「右……?」

    八幡「!!!」

    八幡(向いた先にあるのは、一枚の鏡。そしてそこに写っているのは、どういうわけか――)

    ??『どうして君がいるんだ?』

    八幡「それは俺のセリフだ」

    八幡(――葉山隼人だった)

    63 = 1 :

    八幡(鏡に本来俺がいるべき場所に葉山がいる。さっきから突拍子もないことばかり起こるせいであまり驚きはなかった)

    葉山『その感じ……、君は比較的まともな方なのかな』

    八幡「お前は何やってんだよ」

    葉山『多分君と同じだよ』

    八幡「はっ?」

    葉山『君もいろんなところを飛び回ってるんだろう?』

    八幡「!!」

    64 = 1 :

    八幡「ということはお前も!?」

    葉山『君が飛び回っているのは、ヒキタニ君にとって都合の良い世界だろう?』

    八幡「……あれを都合の良いというかはわからんがな。」

    葉山『俺は君とは正反対だよ』

    八幡「正反対?」

    葉山『どこへ行っても、俺に待っているのは悲惨な世界だ』

    八幡「いや、結構俺も悲惨なんだが」

    八幡(そう言うと葉山は嘲るような笑みを浮かべた。彼のこんな表情を見たことがない)

    葉山『そうか。なら、そうなんだろうな』

    八幡「?」

    65 = 1 :

    葉山『まぁ、不幸自慢は好きでもないしこの辺りにしておこう』

    八幡「おぉ……」

    八幡(それにしてもこの葉山は普段のこいつらしくない。鏡の中にいるとか関係なしに酷くやつれていて、比喩的ではなく本当に今にも死んでしまいそうだ)

    葉山『これは君が仕組んでいるのか?』

    八幡「仕組む? 俺が? むしろお前が何かしてるんじゃないのか?」

    葉山『俺が仕組んでいる? そうか、そうなのかもしれないな。これが俺に相応しい罰なのかもしれないな』

    八幡「どうしたんだよ。お前らしくもない」

    葉山『俺らしいって何だ? この惨たらしい姿が俺らしいのか? なぁ、比企谷。どうして君はそんなに恵まれているんだ?』

    八幡(会話が成り立っていなかった。葉山は俺と話しているはずなのに、どこか別の誰か、いや、別のナニカと話しているようだった)

    66 = 1 :

    葉山『俺が何をしたって言うんだ? これほどの罰を受けるほどの罪を犯したのか? 君と俺の根本に差異があっただろうか』

    八幡「お、おい。どうしたんだよ……」

    葉山『俺たちのいる世界の神様は物事を短絡的に見ることしかできないらしい。罪も罰も幸福も不幸も正義も悪も酷く独善的で、ご都合主義にまみれている』

    八幡(目の焦点すら俺に合わなくなっている。俺の目を見ているはずなのに、俺を見ていない。ずっと奥にある他のナニカを睨みつけているようだ)

    葉山『何も見えていない。人は物事を自分の見たいように、望むようにしか認識できない』

    八幡(かつて俺が似たようなことを口にしたことがある。しかしその時以上の皮肉と恨みが込められている)

    八幡「葉山、お前に一体何があったんだよ?」

    葉山『そこにいる俺に聞けばいい。きっと本質に大差はないからね。……生きているかどうかも怪しいけど』

    八幡「はっ?」

    67 = 1 :

    葉山『一つの事実が示すのは一つの真実じゃない。むしろ多数の側面を孕んでいる』

    八幡(葉山の声がかすれ始める。何か、他の声が混ざっている)

    葉山『俺という事象もまた同じだ。俺は俺であって俺でない。君も同じだ。君も君であって、君ではない。誰もがその人たり得る。しかし本物ではない』

    八幡(混ざり始めた声が鮮明になりつつある。そして同時に葉山の声と姿が薄れ始め、別の人影が形作られていく)

    葉山『その意味では俺も君も本質的には同じ偽りから生まれた存在だ。俺の知らない俺も、君の知らない君も、俺自身も、君自身も』

    ??『その意味では俺もお前も本質的には同じ偽りから生まれた存在だ。俺の知らない俺も、お前の知らないお前も、俺自身も、お前自身も』

    68 = 1 :

    八幡(徐々におぼろげな影がその正体を明らかにする)

    八幡「お前は……っ」

    ??『なら俺の存在に一体何の意義を見いだせばいいんだ? この世界に、この現象に、何の意味があるんだ?』

    ??『なら俺の存在に一体何の意義を見いだせばいいんだ? この世界に、この現象に、何の意味があるんだ?』

    八幡「俺……?」

    八幡『『なぁ、一つだけ聞く』』

    八幡『『もしも自分の周りがすべて偽物なら』』

    八幡『どうして、自分だけが本物だと言えるんだ?』

    八幡(いつの間にか鏡に映る人物は、俺自身へとすり替わっていた)

    69 = 1 :

    ――

    ――――

    八幡B「…………」スッスッ

    八幡A「お前何読んでんの?」

    八幡B「ん、これ」

    八幡A「げっ、俺がダメなやつだ。よく読めるな、そんなの」

    八幡B「勧善懲悪ものが好きだからな」

    八幡A「勧善懲悪って……。物は言い様だな」

    八幡B「それに……」チラッ

    ギャピーワキークズヤマーウォーセイサイーワキャー

    八幡B「もっと面白いものも見れるしな」

    八幡A「……歪んでるよ、お前」

    70 = 1 :

    ここまで。
    間を空けたせいで何を書きたかったのか忘れて迷走中。

    71 :

    おつ

    72 :


    続き待ってた

    73 :

    ――

    ――――

    八幡(気付けば鏡の中の自分は元に戻っていた。右手を挙げれば左手を挙げるし、変な顔をすれば一人でにらめっこもできる)

    八幡「……なんだったんだ、今のは?」

    八幡「葉山も相当酷い状況のようだが……」

    八幡(とりあえず探しに行くとしよう。あの話からすると鏡の中の彼とは別人のようだが、それでも現状の把握は必要だ)

    八幡「ドア開けても変わらねぇしな」

    74 = 1 :

    八幡(しかしどれだけ探しても葉山の姿は見つからなかった。時間的に放課後の今はグラウンドにいるはずだが、サッカー部の中にその姿は見えない)

    八幡「……なんか嫌な予感がするな」

    戸塚「あっ、八幡だ。何してるの?」

    八幡「おお、よう。あれ、部活じゃねぇの?」

    戸塚「今は休憩中だよ。そしたら八幡が歩いてたから」

    八幡(わざわざ休憩中なのに話しかけてきてくれるとかマジ天使。結婚した……いや、戸塚は男だ戸塚は男だ)

    八幡「いや、ちょっと葉山を探しててな。見なかったか?」

    戸塚「えっ?」

    八幡(俺が『葉山』という名前を口にした瞬間、戸塚の顔が凍り付いた。この反応は雪ノ下がいなかった時の由比ヶ浜のにも似ているが、しかしながらどこか違う)

    75 = 1 :

    戸塚「なんで八幡がそんなことを聞くの……?」

    八幡「な、なんでって」

    戸塚「忘れられるわけ、ないのに、どうして……」

    八幡「戸塚……?」

    戸塚「ごめんね、ちょっと……もう」ダッ

    八幡「お、おい、戸塚!?」

    76 = 1 :

    八幡「なんだっていうんだよ……」

    八幡(嫌な予感が頭の中に膨らんでいき、そしてある事実を確かめに俺は向かった)

    八幡(俺たちのクラス、2年F組の教室へ)

    八幡「こんなの、バカげているよな……」

    八幡(そこにあるクラス名簿を手に取る。そこにはここに在籍している生徒の名前は全て書いてあり、もちろん彼の名前も記されているはずだ)

    八幡「……っ!」

    八幡「嘘だ……ろ……?」

    八幡(何度も何度も一覧の中を見渡した)

    八幡(しかしどれだけ探しても、葉山隼人の文字は記されていなかった)

    77 = 1 :

    三浦「ヒキオ……?」

    八幡「!?」

    三浦「何してんの?」

    八幡「いや、少し……」

    三浦「……ふーん」

    八幡「一つ、聞いてもいいか?」

    三浦「なに?」

    八幡「どうしてここに葉山が載っていないんだ?」

    三浦「あんたね……っ!」

    八幡(俺が聞いたその瞬間、三浦の目の色が変わった)

    78 = 1 :

    三浦「全部、ヒキオがやったんでしょ!」

    八幡「俺が……?」

    三浦「しらばっくれるんじゃないよ!!」

    八幡(三浦の声は有無を言わさぬと言わんばかりだった)

    三浦「あんたが、全部……! だから隼人は……っ!」

    八幡「ちょ、ちょっと待ってくれ」

    三浦「あーしは忘れない! 他のみんなは自業自得だって言うけど、あーしだけは知ってる! ヒキオが何をしたのかも何もかも!」

    八幡(聞く耳を持たずに俺の胸ぐらを掴み、言葉を吐きかける。今にも殴りかからん勢いで思わず身がすくんでしまう)

    ??「はーい、ちょっとストップー」

    79 = 1 :

    三浦「あんた……、雪ノ下の……」

    陽乃「うん、お姉ちゃんだよ♪」

    八幡「雪ノ下さん? どうしてここに」

    陽乃「面白かったから見てたけど、ちょっとヒートアップし過ぎかな。君も、気持ちはわからなくないけど――」

    三浦「あんただって!!」キッ

    陽乃「あ、そうか。ここだと私も一枚噛んでることになってるんだっけ。随分なキャラ崩壊な気がするけど」

    三浦「はぁ? あんた何言ってんの?」

    80 = 1 :

    陽乃「まぁ、君が隼人の恨みをこの比企谷くんにぶつけるのは筋違いだよ。だからもらってくね」

    三浦「ちょっと。あーしがヒキオと話してる最中なんだけど?」

    八幡(なんか目の前で軽く修羅場ってませんこれ? でもどうしてだろう。全く嬉しくない)

    陽乃「でも、警告しておくね。ここにいる人間なら比企谷くんに恨みを買うようなことをしちゃダメだよ? 隼人みたいになりたくないならね」

    三浦「はっ?」

    陽乃「まぁ、この比企谷くんには何しても問題ないからこれはノーカンだけど」

    三浦「ねぇヒキオ、この人何言ってるの?」

    八幡「いや、俺もわかんねぇよ」

    八幡(普段から意味不明なことを言う人だが、今回はそれに輪をかけてさらにわからない)

    陽乃「じゃあ、バイバイ」

    キィィンッ!

    81 = 1 :

    ――

    ――――

    八幡B「しかしながら考えてみたんだが」

    八幡A「なんだ?」

    八幡B「どうして空想の物語において勧善懲悪が王道なんだろうと」

    八幡A「まぁ、確かに王道だな。映画でも小説でも漫画でも、王道と言えば最後は主役の勝利に終わるものを指すし」

    八幡B「ではなぜか」

    八幡A「何となく想像がつくが、なんでだ?」

    八幡B「現実がそうじゃないからだ」

    八幡A「そう言うと思ったよ」

    82 = 1 :

    八幡B「現実は必ずしも正義が勝つと限らない。……いや、違うな。『自分』が勝つとは限らない」

    八幡A「おい、かなり意味が変わったぞ」

    八幡B「いいんだよ、んなことは。だからこそ空想の世界の主役と自分を同一視して、虚構の勝利を疑似体験することによって幸福感を得るんだ」

    八幡A「バッドエンドものが嫌われる理由もそれか」

    八幡B「そう。そもそもの需要と供給的な時点で存在すべきじゃない。……それを好む変人が一定数いるのも否定できない事実なんだが」

    八幡A「お前、今結構な数の人間を敵に回したぞ」

    八幡B「どうしてわざわざ嫌な話を聞いて、気分を害したがるのか、全く理解できない」

    八幡A「その辺にしておけ!」

    83 = 1 :

    八幡B「さて、話を戻すと。勧善懲悪というものは現存し得ない。故に空想の中で実現するためには、現実を歪める必要があるよな」

    八幡A「つまり現実離れしたキャラクターや事象なしにそれは有り得ないってことか」

    八幡B「その通り」

    八幡A「言いたいことはわかった。でもそれに何の問題があるんだ? それはずっと昔からあることだろ」

    八幡B「見てみろよ」

    ワーギャーキマシタワーワァーッ!!

    八幡A「ん? ああ、あれか」

    八幡B「恨みや妬み、怒りや苦しみから生まれた歪んだ勧善懲悪を是とする輩。今はもうそんなのばかりだ」

    八幡A「それ以外にもなんか変なのも混ざってたような……」

    ガンガンガンッ!

    八幡A「ひっ! ……これもう時間の問題だよな」

    84 = 1 :

    八幡B「負の感情を発端とした現象は際限なく肥大化していく。自己顕示欲が伝染して集団的に他者に害を為し、時にはある特定の個人を死に追いやるように」

    八幡A「赤信号みんなで渡ればなんとやらってやつだな」

    八幡B「思想が人から人へと伝染するように、空想もまた伝達され他者の空想を染める。自己の承認欲求が満たされないことが根幹にある精神の集合体の中で、自らの欲求の充足を目的としたそうした傾向が生じるのはむしろ自然な話だろう」

    八幡A「じゃあ空想が人に害を為すって?」

    八幡B「空想は形になった途端にはっきりとした実体を持って出現する。その時点でそれはもう危害を与える現実の存在と何一つ変わらない。実際にそれで何人の物語が、いくつの空想が打ち壊されていった?」

    八幡A「…………」

    ガチャンッ、グシャリッ、バリィンッ!

    八幡B「もう終わったんだよ、俺たちは。正確に言えば『これから終わることが決まった』んだ。今までと同じように、寸分変わらずに」

    85 = 1 :

    八幡A「……なぁ」

    八幡B「なんだ?」

    八幡A「本来『比企谷八幡』という人間は、ああやって徒党を組んで、って言うのを嫌っていたはずなのに。そのフォロワーが今こうやって集団となって自分達にとっての『敵』を攻撃している。皮肉な話だと思わないか?……」

    八幡B「あいつらにとっての『比企谷八幡』はそういうものなんだろ」

    八幡A「何を見てきたんだろうな」

    八幡B「そういう見方だってあるってだけだ。人の感性を自分の考えで否定するのは傲慢な考えだぞ」

    八幡A「……そうかよ」スッ

    八幡B「最後までそれ読むのな」

    八幡A「……どうしようもないもんな」

    ガチャンッ

    86 = 1 :

    ――

    ――――

    キィィンッ!

    八幡「……ここは?」

    陽乃「どこだと思う?」

    八幡「学校……のはずですけど、何かが……」

    陽乃「変?」

    八幡「…………」

    八幡(言葉を返す気はなかった。何かを口にすることで心の中を見透かされるのが嫌なのだ。無駄な抵抗な気がしなくもないけど)

    陽乃「無視かー。面白くないのー」

    87 = 1 :

    八幡(何かがおかしいのはわかっている。それがどこにあるのか、視界の端に映る窓の外なのは、わかっていた)

    八幡(しかし直視するべきでないと本能が告げていた。そこにあるのはこれまでとは比べ物にならないほどの異様な光景であると直感している)

    陽乃「……ふふ、やっぱり比企谷くん面白いね」

    八幡(困惑する俺の姿が滑稽で仕方ないのだろう。わかる。体育で準備運動組む相手がいなくて挙動不審なやつとか超面白いもん)

    八幡(いや、撤回。それ俺じゃん)

    陽乃「さてと♪」

    八幡(陽乃さんは唐突に足を止めた。しかし何も発さない。ただ黙って振り向くこともせず時間が過ぎていくのを楽しんでいる)

    八幡(窓の外を見ろ)

    八幡(陽乃さんの背中が、態度がそう告げていた)

    88 = 1 :

    八幡「……くそ」

    八幡(どちらにしろ逃げられないのは確定だ。この現象を起こしているのが陽乃さんであるならば、巻き込まれている俺にできることは服従以外にない)

    八幡「……えっ?」

    八幡(何が起こっていても驚かないつもりでいた。例え窓の外の世界が滅びていようと、戸惑うまいと)

    八幡「なんだよ……これ……っ!?」

    陽乃「ふふっ♪ 予想通りの反応だね」

    八幡(陽乃さんの言葉が耳を通り抜ける)

    八幡(だってそうだろう?)

    八幡(誰が予想するものか)

    八幡(窓の外に、何万もの自分がいるなんて)

    89 = 1 :

    八幡(そこに俺以外の人間は皆無だった。全てが俺)

    八幡(どこを見ても俺、俺、俺、俺、俺、俺、俺、俺、俺、俺、俺、俺、俺、俺、俺。)

    八幡(俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺)

    八幡(俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺)

    俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺。

    俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺。



    俺の知らない俺がイル。



    90 = 1 :

    八幡「う、うわぁぁぁあああああああああああぁぁぁっっ!!!!!」

    八幡(俺が、俺が、どこを見ても、俺が、世界を埋め尽くしている。異常だ。異様なんて可愛いものじゃない。異質なんて生易しいものじゃない)

    八幡(俺しかいない、世界)

    八幡「何なんだ……これは、何なんだよっ」

    陽乃「全部『君』だよ。『比企谷八幡』くん」

    八幡「あり得ない……! こんなの……これは……っ!」

    陽乃「まぁ、ちょっと嘘だけど」

    八幡「はっ?」

    陽乃「みんな『君』であって、『君』ではない。……もっとわかりやすく言うなら『比企谷八幡』のなり損ないってところかな」

    八幡「なり損ない……?」

    八幡(クローンとかで大量増殖したの俺?)

    91 = 1 :

    陽乃「『比企谷八幡』になりたい人みんなが『比企谷八幡』という器を使った結果だよ」

    八幡「器……?」

    八幡(陽乃さんの言っていることが何一つ理解できなかった。文法的な間違いなんてどこにもないのに、何も頭の中に入ってこない)

    陽乃「でも人は自分自身以外にはなれない。だからなり損ないなんだよ、『比企谷』くん」

    八幡(目の前の陽乃さんが紡ぐ言葉が意味不明すぎて、最早彼女の存在そのものも俺にとっては恐怖となっていた。逃げるように視線を泳がしてもその先には無数の俺の姿がある)

    八幡(全く同じ人間が、しかもそれも自分が闊歩している。それがそこでは普通に行われているのが逆に不気味さを増していた)

    92 = 1 :

    八幡「……ん?」

    八幡(ふとしたところで何かが目に止まる)

    八幡(絶え間なく動く中、唯一微動だにしない人影があった。いや、二人だから唯一というのは間違っているかもしれないが)

    八幡「……うっ!」

    八幡(動かないのも当然だ。あんなにされて人間が動くわけがない)

    八幡(全身を滅茶苦茶に打ちのめされて真っ赤な血で染まった二つの『俺』の死体が、街頭の中心に横たわっていた)

    93 = 1 :

    ここまで。

    94 :


    どんどん凄い展開に

    95 :

    おつ

    96 :

    アンチメタなんてちゃちなものじゃなかった

    97 :

    今日の23時くらいに更新します。
    できるように頑張ります。

    98 = 1 :

    八幡「雪ノ下さん……あれ……!」

    陽乃「んっ?」

    八幡「俺が、二人……、あそこに、倒れ……」

    陽乃「んん? んー、あー、あれね。うん。よくあることだよ」

    八幡「えっ?」

    陽乃「あっちを見てみて」

    八幡(陽乃さんの指差す先へと目を移すと、そこには『俺』が何百人も集まった集団があった。会合のようなものを開いているようだ)

    陽乃「ああいうのがたくさんいるからね。ちょっとでも余計なことをしたら、ああなっちゃうんだよ」

    八幡「それにしたってあんなのは……」

    陽乃「あれだけじゃないよ。もっとよく見てごらん」

    99 = 1 :

    八幡(言われたとおり窓の外をじっくりと俯瞰する。自分が大勢いるという状態に慣れつつあるせいか、冷静になってみることができる)

    八幡(俺がたくさんいるとは言っても、そこには若干の違いが見て取れる。顔かたちや髪の色、背の高さなどが様々だ)

    八幡(てか、なんて五人に一人くらいメガネかけてんの俺。一度もかけた記憶ないんだけど)

    陽乃「ね、違うでしょ?」

    八幡「……メガネ率たけぇ」

    陽乃「比企谷くんの腐った目を隠せばモテるって思ってる人が多いからね。もっと本質的なところがアレなのに」

    八幡「それ何のフォローにもなってないんですが」

    陽乃「事実だし」

    八幡「事実ですけど」

    100 = 1 :

    八幡「……何やってんだあれ」

    陽乃「どれのこと?」

    八幡「何かに石とかをひたすら投げている集団がいるような」

    陽乃「よくあることだよ。前にも言ったことなかったっけ? 集団を団結させる存在の話」

    八幡「明確な敵、でしたっけ」

    陽乃「そう。よく見てみて?」

    八幡「? ……あ、投げたものがすり抜けている……っ!?」

    陽乃「実体があるかどうかなんてもうどうでもいいんだよ。それで団結している集団が存在していると、自分たちがそこに属していると錯覚ができれば」


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