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    元スレ叔母「今日からココに住んで」男「ラブホテルで?」

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    51 = 29 :

    きまぐれに更新ノシ

    52 :

    なんで毎回こういう系の母親は男みたいながさつな口調なのか
    量産型すぎる

    53 :

    それでいいんだよ

    54 :

    たまに登場する祖母まの幽霊は何なんだよ

    55 :

    ぉっ

    56 :

    気まぐれじゃなく毎日更新でもいいんだよ?

    57 :

    ススッッ パチン


    「──……」スッ

    「うん、ぴったりだ」

    受付「おー」パチパチパチ

    叔母「おー」パチパチパチ

    「ど、ども。というか何故に拍手を…」

    受付「そりゃ当たり前。ナマ高校生とか超レアだし」

    叔母「……」コクコク

    「ナマ高校生て…」

    受付「電車や街で見るとは違った感じッスよね、こーいうのは」

    叔母「まあココ、ラブホだしな」

    受付「そうそこ! ラブホ内で学ラン着替える高校生! …なんかエロいよね?」

    「当人に訊くな」

    58 = 57 :

    叔母「しかし、久しぶりに学ラン着てる人なんて見たよ」

    「そうなんですか?」

    受付「オーナー出不精だから。ここら周辺しか出歩かないし」

    叔母「行きたいところがありゃ行くよ。今はそれが無いだけ」

    受付「そんな格好つけが様になるのは二十代までッスよ?」

    叔母「そしたらお前もそろそろ終わりだな、煙草吸ってくる」ガタリ

    受付「人が気にしてるコトさらりとッ!」ガーン

    (あれ、いつの間にいい時間だ。まあ試着も済んだし、買い物でも行こうかな…)プチプチ

    受付「出かけるの? ならそのままでいいじゃん。学ランで買い物行ってきなよー」

    「…ココから学ラン姿で外に出ろと?」

    受付「明々後日には通う日々になるのに、今更気にしてどうすんのさ青少年」

    「こ、心の準備というものがあるんですよ!」

    受付「ならいち早く慣れないと駄目じゃんか、それともお姉さんと一緒出る?」ムフフ

    (誂われてる…無視無視…)プチプチ

    59 = 57 :

    受付「……。ねえお願いがあるんだけど良いかな?」

    「なんですか、晩御飯の要望なら掛けてあるホワイトボードに書いてくださいよね」

    受付「ウチにボタン外させてくれない?」

    「……。は!? なっ、なに言ってるんですか急に…!?」

    受付「やーははーだってリアル十代の子のボタン外すとかレアちっくで」

    「レア度でさっきから測り過ぎじゃない?!」

    受付「む。舐めちゃ困るぞー? ちゃんと当時に同級生のボタン外してるぞー?」

    「い、いや…そういうことを言いたいわけじゃなくって…!」

    受付「ウチの願いは、そう。年を取った今のウチが、十代の子を脱がす経験がしたいの!」

    「駄目だこの人! 話を聞いちゃくれねえ!」

    受付「うへへ…減るもんじゃなしに、その第二ボタンをくりくりっと外させてくれよぉ…」ジリジリ

    「うっ、おっ、マジで詰め寄ってきた…ッ! だ、誰か助けてーッ!」

    受付「にゃははー! ここはラブホだぜ! 悲鳴なんぞプレイの一つで片付けられるわッ!」ババッ

    60 = 57 :

    ドッガラガッシャーン

    受付「ハァッ…ハァッ…華奢な背格好して、中々どうして…!」ハァハァ

    「アンタも必死すぎだろッ! どんだけ脱がしたいんだ俺のことを…!?」

    受付「ああ脱がしたいともッ! 心底脱がしたいねッ! 」

    受付「ついでに写真でも撮ってダチに見せびらかして自慢してやるのさ!」バッ

    「動機が全て不純過ぎる!」

    叔母「ただいま」ガチャ

    受付「ゲヘヘーェ! あわよくば売りさばいてやるんだからぁー、あ」

    ~~~

    受付「ズビバゼンデビダ」

    叔母「本気で減給するぞ、お前」コキッ

    (酷い目にあった…どうして制服ごときでここまで疲れるんだ…)

    叔母「もういい。就業時間はとっくに過ぎてるだろ、帰れ」しっしっ

    受付「うぇーい…ごめんね、お姉さんちょっと調子に乗りすぎちゃったよ…」

    61 = 57 :

    「え? いや別にそこまで、気にしてないんで大丈夫ッスよ…」

    受付「あ! やっぱり?」

    「という建前です。今度やったら晩飯作りませんよ、一生」

    受付「それだけは…ご勘弁を…低コストでおいしいご飯…」ヨヨヨ

    叔母「そういや男君はこれから出かけるの?」

    「あ。はい、買い物に行こうかなと」

    叔母「晩ご飯か。ならついでに私も一緒に行こうかな、商店街の方に用事があるから」

    「商店街? このへんにあったんですか?」

    叔母「あるよ」

    (全然知らなかった。何時もならドンキやスーパーで済ませてたし)

    (それにしても商店街かぁ…なんだか良い響きだ、なんとなく良い買い物が出来そう…)ワクワク

    叔母「と、商店街と言ってもほぼ飲み屋街だけど」

    受付「あそこ繁華街の延長線上にあるから、行くまでにキャッチが凄いのなんの」

    (なんと短い期待間)ホロリ

    62 = 57 :

    叔母「でも並んでる商品や物の安さは保証する。知り合い多いし、値引きしてもらえるかも」

    「値引きとか出来るんですか!? 凄いですね…!」ぱぁぁあ

    叔母「ん…」テレ

    受付「でもオーナーって商店街の連中によく思われてないッスよね」

    叔母「大丈夫だろ。彼を連れていれば面と向かって文句も言われまい」

    受付(この人、甥っ子ダシにして用事済ませるつもりか)

    「準備出来ました! さっそく行きましょう!」ニコヤカ

    受付「ううっ…頑張ってね、お姉さん応援してるから…」ホロリ

    「? ええ、まあ安いの買ってくるよう頑張ってきますけど…?」

    受付「ってか、あれ? 学ランのままで行くの?」

    「叔母さんがこっちでと。この格好で買い物だと変に思われるんで遠慮したいんですけどね」

    「ほら。家庭が苦労してるのかな、とか…」ポリポリ

    受付「……っ…」ボロボロ

    「貴女は事情知ってるでしょ!? 何故泣いてるんです!?」

    ~~~

    叔母「ん、ここから商店街風になるんだ」スタスタ

    「おお…確かに雰囲気がガラリと変わった…」

    63 = 57 :

    叔母「あそこがタバコ屋。そこがスィートホテルと組んでるレストラン」

    「ふむふむ」

    叔母「酒屋はあそこで、八百屋もある。精肉店もあって結構充実してる」コクコク

    「凄いですね! 色々と言ってた割には普通に商店街じゃないですか!」

    叔母「そう? なら良かった」

    (…しかし)チラ


    「来たぞ…」

    「チッ…今日は子供連れか…」


    (妙に各店員さん達にマークされてる気がするのだけれど…)ダラダラダラ

    叔母「そういや、今日は何を買うつもりなの?」

    「ええっと、卵に野菜に、あと貝系とか。クラムチャウダー作ろうと思ってるので」

    叔母「くらむちゃうだー?」

    「具沢山のスープというか…えぇと…まあシチューみたいな感じです!」

    64 = 57 :

    叔母(段々とバリエーションが増えつつあるな、この子。凄い)

    叔母(でも私が作れるようになれば、もっと彼から負担を取り除けるのでは)

    叔母「それは簡単に作れるの?」

    「そう、ですね。シチューより短時間でさっと煮て、具材も細かく切ればいいだけですから」

    叔母(なにやら簡単そう。私でも作れそうかな)

    (何やら食いついてくるな叔母さん、そういや前に作ったシチュー美味しいって…)

    (ハッ!? しかしクラムチャウダーはシチューっぽいけど明確には違う! 期待させる前に…っ)

    叔母「へー。なら今日は私も手伝…」

    「違いますからね!? 期待しているほどものじゃないですからねッ!?」

    叔母「は、はいっ…! すみませんでした…っ?」ビクゥッ

    「分かっていただけたなら良いですけど…」ハァ

    叔母(これからは料理に関して浮ついた質問するのはよそう…恐い…)ドキドキ

    65 = 57 :

    「あ! あそこ魚屋さんですかね? 貝柱とか買いたいんで寄っていいですか?」

    叔母「ど、どうぞ」

    「すみませーん」

    店主「へい、いらっしゃい」ギョロッ

    (怖ッ!! え、明らかに堅気じゃない眼つきに雰囲気なんですけど…!)

    「あ、あの、その、カイバシラ…をカイタイ…ですけど…」モゴモゴ

    店主「あぁんッ!? きこえねぇーよ坊主、もっとしゃっきり喋れ」

    叔母「? どうした?」ズィ

    「お、叔母さん…」

    店主「あっ! オメー…ッ…すぃーとほてるのッ! どの面下げて来やがったんだ!?」

    叔母「………」

    「も、もう帰りましょうよ…? 変なことが起こらないうちに…」クイクイ

    叔母「それ、一つ」

    店主「はぁッッ!?」

    66 = 57 :

    「お、叔母さん! もう良いですって! 違う所で買いますから…!」

    叔母「いや、そうじゃなくて。それ一つだけ鮮度落ちてるから」

    「え?」

    叔母「あとその鮭、値段の割には油のってない。二流品流されるなんて腕が落ちたな、アンタ」

    店主「お前ッ──」メキィ!

    店主「──うわぁああんッ! だからこの嬢ちゃんは嫌いなんだよォオ! いっつもいっつもよォ!」オーイオイ

    叔母「私は悪くない。三流品を置いとくほうが悪い」

    「こ、これはどういう…」

    叔母「ああ、昔から鼻が良いんだ。匂いとか敏感でね、食材なんて鮮度は匂いでわかる」

    店主「いぃーよもォう! もってけ泥棒ぉー! 半額どころか三分の1で売りさばいてやったる!」

    67 = 57 :

    叔母「買った」チラ

    「……」キラキラキラ

    叔母(ん、ちょっとは叔母としてカッコ良いところみせれたかな)フッ

    「いや、普通に鮮度が良いのが欲しいので。普通に買わせてください」

    叔母「………………………」

    ~~~

    「何やら沢山オマケを貰ってしまった…」モッサリ

    叔母「気に入られたね、男くん」

    店主「坊主ゥー! 今度またウチで買って行ってくれよォー!」ブンブンブン

    「あはは、…それも叔母さんのせいでしょうが」

    叔母「なんで?」キョトン

    「店主さんが言ってたでしょう!? 叔母さんがここら一帯を脅して、タダ当然で持って行くって!」

    68 = 57 :

    叔母「本当のことを言ってるまでで…」

    「一時間レベルの鮮度を当てられると、あっちもトラウマになりますよ…」

    叔母「む」

    「良いですか? ああいうのはわざとほんの少し鮮度低いのを置いとくんです」

    「そしてお客さんにサービスとしてオマケをつける。それが商売繁盛の秘訣なんですから」

    叔母「う、うむ…」

    「許容範囲を、重箱の隅をつつくように責められたら可哀想ですって」

    叔母(高校生に叱られる私って)ポリポリ

    叔母「まあ気をつけるよ、君がここで買い物しづらくなったらアレだしね」

    「………」

    叔母「どうした?」

    「いや、よく考えれば相対的に俺が安く買えるんじゃないかって…飴と鞭みたいな…」

    叔母「さっきまでのアドバイスだったの? なら頑張るけど」

    「ち、違います! やっぱり気持ちよく買い物するのが一番です!」

    69 = 57 :

    叔母「なんだ、違うのね──婆ちゃん、煙草一つ」

    「あら、ホテルのところの。珍しいわね買いに来るなんて」

    叔母「今日は雨降るよ、洗濯物早めに取り込んでおいといて」ジャラジャラ

    「それは恐いわね~ふふふ~いつもの十番よね、はいはい」

    「……」ポケー

    「あら? どうしたのこんな小さい子連れて」

    叔母「親戚の子供だよ、預かってる」シュボッ

    「あらあら、確かにどこかお嬢ちゃんと面影が似てるような」

    「ど、どうも」ペコリ

    (優しそうな人…)

    「あらあら、じゃあ貴方は何番を買うの?」

    「……!? 制服着てますよね俺!?」

    「うぅん? あぁごめんなさい、私ってば目が悪くて…」

    70 = 57 :

    「あっ、すみません…!」

    「いいのよ気にしないで。取り敢えず、高校生にはライト系がおすすめよ?」

    「話の軸が変わってなくないですか!?」

    叔母「あんまり誂うなって、真面目な子なんだから」フゥー

    「ウフフ。いいわねぇこういうの、おばさんたのしくなっちゃう」

    (なんでこう叔母さんの周りの人達は濃ゆいんだ…)

    叔母「さっき魚屋のオッサンに会ってきたよ。相変わらずの顔面だね、アレ」

    「完全に過去に人殺してる面してるものね~笑うぐらい下戸なのにー…」

    叔母「そりゃアンタが大酒飲みなだけだよ、歳を考えな歳を」

    「あらまあ、まだまだイケるから期待してて」

    叔母「長生きしてる方に期待したいんだけど…」

    叔母「まあいいや。元気そうだし、これからもちょくちょく買いに来るよ。それか、この子が来るから」ビッ

    71 = 57 :

    「俺に煙草を買わせるつもりですか…?」

    叔母「もう店員に顔が割れたし、平気だよ」

    「それ悪い方向で使う言葉ですけどね!」

    「大丈夫よ。君が買いに来ても怒ったりしなから」

    「なんで妙なニュアンス含めた言い方を!? 俺は吸いませんってば!」

    叔母「ね。この子すごいでしょ」

    「新たな期待の星ね。突っ込みキレッキレじゃない」パァァァ

    (こん人たちはァー…ッ!)

    ~~~

    「つ、疲れた…」

    叔母「君、いたる店で突っ込みしてたもんね」

    「褒められてるんですか、それは褒められてるんですか」グテー

    叔母「大人たち相手に怖じけることのない姿は凄いと思う」コクコク

    「したくてしてるワケじゃないっすよ!?」

    72 = 57 :

    叔母「その分、安く買い物出来たから良しとしようよ」

    「そ、それは確かに行幸でしたけどねっ!」プイッ

    叔母(これがケルケル君が言ってたツンデレかな?)

    「って、いうか。叔母さんの用事は良いんですか? もう帰り道ですけど」

    叔母「ん? もうとっくに終わってるよ、ありがとう」

    「……? もろもろ含めてどういう意味です?」

    叔母「私は商店街の連中に気に入られてないからね、あんまり来れないんだココには」

    叔母「ふと気になっても気軽に来れる気がしない」スッ

    (あ。そういや煙草屋のお婆さんと喋ってる時、すごく楽しそうだったな)

    (他の店でも警戒度マックスだったけど、会話してる姿はみんな最後は笑顔で───)

    「──良かったですね、今日はこれて」

    叔母「うん。良かったよ」コク

    (普段は周りのこと全然気にしてない感じだけど、ちゃんと想ってるんだなあ)ニコニコ

    73 = 57 :

    叔母「さて、それじゃあ」

    叔母「見た限りの売上ぶりを兄貴に報告するかな」

    「ん?」

    叔母「うん? だから君の父親で私の兄貴が、ココの商店街潰そうとしてるから…」

    叔母「数ヶ月に一回見回りしに来てるの。その代表が私、面倒くさいんだよねコレ」

    「なにそれ恐ッ! そりゃみんなに嫌われるしみんなヘコヘコするわ!」

    叔母「そうでもないよ。普段は面と向かって文句言ってくる強者揃いだよ」

    「ちょ、ちょっと待って下さいよ…!? じゃ、じゃあ俺の正体がバレたらどうするんですか…!?」

    叔母「そりゃ巨悪の代官様の息子となれば、うん」フゥー

    叔母「そういや、くらむちゃうだーって美味しいの?」

    「誤魔化しが下手くそ過ぎるッ! だァー!? 明日から買い物しずらァーいッ!」

    叔母(しずらいだけで行くんだね、凄いなこの子)プカァ

    「あぁもうどうしよう…っ」

    叔母「大丈夫。きっとバレても売り物ぼったくられるだけだから」ニコ

    「その時点でアウトなんですけどねェ!?」

    74 = 57 :

    ~~~


    受付「あれ? じゃあ全ヘイトを彼に集める作戦じゃなかったんッスか?」

    叔母「そこまで考えてないよ私でも…」

    「帰り際で末恐ろしいことサラッと言った人が何言ってるんですか」コトコト

    受付「泣いて損したじゃん。じゃ今度からはハラドキの買い物展開なんだねガンバ!」

    「面白がってる所アレですけど、あそこで買い物できないなら食費あげますよ」

    受付「今度からお姉さんの弟だって騙っちゃう?」

    「ちょっとは同情とかないんですかねェ…!?」

    叔母「その点に関しては安心していいよ、男君」

    「え?」

    叔母「君が兄貴の息子だとバレる前に、先手を打っておいたから。明日から普通に行けるよ」

    「いつの間に…叔母さん…」キラキラキラ

    受付「じゃあなんスか? 商店街での彼の立場って?」


    叔母「ああ。私の恋人になってた、なんかココのラブホに一緒入ってるの見られてね」

    「………」カランカラーン…


    第三話 終

    75 = 57 :

    気まぐれに更新ノシ

    76 :

    おつおつ

    78 :

    ラブホと人妻、高校生

    素晴らしい響きだ

    79 :

    今のところ叔母は人妻じゃないからな?

    80 :

    人妻?

    81 :

    受付は元男?

    82 :

    『ラブホと男子高校生と巨乳叔母 ~時々お姉さん~』だろ。

    84 :

    「よっと、これで準備よし」

    (明日はやっとこさ入学式だ。制服もカッターシャツもピンっとノリが張ってある)

    (なんの不都合なく迎えることが出来るぞ…!)

    「…そうであっても、まあ他で不安は有り余って凄いことになってるけど」

    受付「いまさらじゃんか」ズルズル

    「例の如くまた俺の部屋に来ましたね、受付さん」

    受付「おばんわー、この時間帯って妙にお腹が空いちゃうのよね。てへっ」

    「まあ暇してたんで構わないですけど…」チラリ

    受付「ん? ああ、下は大丈夫よ? ケルケル君が受け持ってくれてるからー」

    「ああ、そういや帰ってきてたんでしたっけ? 確か清掃係の人ですよね」

    受付「えーっと、多分だけどキミと歳近いはずだから気軽に話しかけてみなよ」

    「えっと、まあ、はい…機会があれば…」

    受付「どったの微妙そうな顔して」

    「い、いえっ! その、だって、その人ぱっと見た限り───外国人じゃないですか」

    85 = 84 :

    受付「日本語上手よ? むしろお姉さんより礼儀わきまえてるし」

    「最上級の謙譲語ですね、それ。日本語では負けないでくださいよ」

    受付「いやいや、若くして他国に渡る根性に勝てやしないよぉ」

    受付「特にケルケル君は趣味だけで日本に来た強者だから、やばいよ彼は」

    「趣味、ですか」

    コンコン

    受付「おんや? 噂をすればケルケル君じゃない?」

    「えっ!? な、何故に俺の部屋に…っ」オソルオソル

    ガチャ

    「ど、どなたですか…?」キィ

    清掃「………」きょとん

    (わわ! やっぱりケ、ケルケル…君…が居る! ど、どどどうすればっ!?)

    「あ、あのっ! えーと、えくすぷれっそ、じゃなくて! そのっ!」

    清掃「………」

    清掃「!」ポンッ

    清掃「ワオ! きみがownerのオイッコーのオトッコー!?」パァァアアア

    86 = 84 :

    「ひゃいっ!? そうですッ! よっ!?」

    清掃「ハジメマシテ! ボクはケルケルです! よろぴこ!」ビッ

    「よ、よろぴこ…お願いします…?」

    清掃「え? ヨロピコオネガイシマス!? なにそれ復活の呪文とか!?」パァァアアア

    「ん!?」

    清掃「えーと、んーと、じゃあじゃあドラクエの復活呪文噛まずに言える勝負ね!」

    「ドラク、えっ? なに? 何の話を…?」

    受付「やほーケルケル君、どったのー?」

    清掃「あ! フォクシーはやく戻ってこい! owner怒ってたよ!」

    受付「げにッ!?」

    清掃「ゲニゲニ! 戻らんと、えーとえと、ドハデなPlayした部屋を掃除させるって…」

    受付「カレーうどん食ってる場合じゃねぇ! さらば二人共!」ババッ

    清掃「バァーイ!」ブンブン

    「あ、はい、がんばってくださいね…」フリフリ


    パタン

    87 = 84 :

    (いつの間にか来て嵐のように去る人だな相変わらず)

    清掃「………」にこにこ

    (──そして何故っ…彼はここに残ってしまっているのだろう…!?)ダラダラ

    清掃「えとえと、んー、オトッコーでいいんだよね?」

    「え? えっと、それ俺のこと言ってるの…?」

    清掃「名前知りたい! ボクが名前知るの好き…知らないと満足できないから!」ニッコニコ


    「そう、なんだ。えっと俺の名前はあってるけど、イントネーションが違うかな…」

    清掃「ワオ! マジデ? どんなのどんなの?」

    「お・と・こ、男って感じ」

    清掃「お…と…こ…ゆっくりね! ゆっくりオトコ! こうっ? こんな感じ? オトコ!」

    「う、うん、そうそう。あってるよ」

    清掃「ありがとうオトコ! いいオトコオトコね!」グッ

    (なんだかハイテンションな人だなあ。もう十二時回りそうなのに、超元気だ)ポリポリ

    清掃「……………」

    「…………」

    (…!? ヤバイ! 静かになられても困る! 会話的な意味でッ!)ドキドキドキ

    88 = 84 :

    「あ、あの! け、ケルケル…君で良いんだよ、ね? 皆そう呼んでるから…」

    清掃「うんっ! ボクはケルケル、FullNameは超長すぎダルいから!」

    「そ、そうなの? そういやケルケル君って何処の人なの?」

    清掃「タイだよ! ボクはタイ人! タイ人みーんな長い名前大好き!」ニコニコ

    「へぇ~ちなみにケルケル君の名前って?」

    清掃「んーっと、日本語っぽくいうとー」


    清掃「けるじがけるどっとけるだびんどけるでぃーくけるどっく!」


    「長い! どんだけケル入ってるの!?」

    清掃「タイは長い名前つけるのカッコイイ、だからボクも自分でつけた!」

    「すげぇ!! 名前自分でツケられるんだ!?」

    清掃「うんうん! …かっこいい? オトコもカッコイイ思う?」モジモジ

    「う、うん…魔法の呪文みたいでカッコイイと思う…?」ハッ

    (し、しまった!? 変な感想を述べ──)

    清掃「へへっ!」テレッ

    (──超嬉しそうだからいっか!)

    89 = 84 :

    (しかし立ち話もなんだし、上がってもらおう)イソイソ

    清掃「オトコ? なにそれ?」キョトン

    「ん? これは座布団って言って、ああ、他の部屋には無いもんな」

    「あんまり椅子で生活する習慣がなくって落ち着かないんだ、だからドンキで買ってきた」

    清掃「床、掃除してる?」

    「もちろん。あと安物のカーペット買ってもうちょっと居心地良くするつもり」

    清掃「ほぇーオトコすごい。でもなんでラブホで充実しようとしてるの?」

    「ええ…確かにそのとおりですよね、ええ…」ズーン

    清掃「?」

    「ま、まあ取り敢えずお茶でも飲む?」

    清掃「好き!」

    「おおっ? それはよかった、じゃあ用意するから待っててね」ガチャガチャ コポ…

    清掃「うんっ! すわってまってる!」ストン

    「はい。どうぞ、安物のお茶パックでごめんね」

    清掃「ソチャですが! ってやつ? ボクそれ好き、日本のお茶美味しいから」

    90 = 84 :

    「そうなの?」

    清掃「うん! 公園のお水ガブのみ出来るのやべえ思うんだ、これ」

    (とりあえず日本が凄いんだと捉えよう…)

    清掃「っ……っ……っ……」キョロキョロ

    「づづ、ん? どうしたの?」

    清掃「あっ! え、えとね、その、ね…」モジモジ

    「うん?」

    清掃「……………」じぃー

    (うっ、なんだろ。この妙に熱の篭った視線は)

    清掃「その…オトコはぁ~…げ、げーむとか、したり…する?」チラチラ

    「え、ゲームって、こうやってコントローラー持ってするやつ?」

    清掃「………」コ、コクコク

    「ああ、ごめん。俺はそういうのあまり、興味がなくて」

    清掃「あ…」

    清掃「…ソウナンデスネ…」しょんぼり

    (あぁっ!! すごいしょんぼりしてる! そ、そうかそこを期待されてたから、部屋に残ってたのかっ)

    91 = 84 :

    「ご、ごめんね? 俺も引っ越してきたばっかりだから」

    清掃「!! じゃ、じゃあ荷物きたら入ってたりする!?」

    「えっと、トランプとか?」

    清掃「……………………」ズーン

    「そういうのじゃないよね! ごめん!」

    清掃「ううん、オトコ悪くないよ。ボクが勝手に期待しすぎた、ごめんなさい」ペコペコ

    「あ、うん、でもケルケル君はゲームが好きなんだね」

    清掃「好き! だって日本のゲーム超たのしい!」

    (へぇ、俺の周りじゃ皆ゲームなんて興味ない人ばっかりだったからなぁ。凄い新鮮だ)

    清掃「だからボクは日本きた!」

    (うん、このレベルは他と比べたら失礼だ。凄すぎる趣味力)

    清掃「でももっともーっと楽しいことあるよ。日本やばすぎ、なんでリアルに人描ける?」

    清掃「アニメやらコミック、みんな人っぽくて良いの。ド変態ばっかだよね日本!」けらけらーっ

    「そ、そうかな? そこら辺もあんまり詳しくないからどうにも…」

    清掃「え…? じゃあどうやっていつも休み過ごしてるの…?」

    「もっと他に選択肢あるよね!? 絶対にあるからそんな顔しないで!」

    92 = 84 :

    清掃「でもオトコの部屋ってなんにもないね、とにかく」

    「さっきも言ったけど引っ越してきたばっかりだから。これから増える予定だよ」

    清掃「じゃあじゃあゲーム買おうよ! ゲーム! おすすめあるよ?」

    「う、うん、ちゃんとそういったことも視野にいれてる。学校で話題作ろうと思ってるから」

    清掃「そうそう! ボクも日本でトモダチつくったとき、ゲームで仲良くなった!」

    「良いよね、楽しく皆でゲームって。でもね…」

    「ここ、テレビの主導権が全部フロントにあるんだよね…見れてもエロいのばっかり…」フフフ

    清掃「わぁお…」

    「hdmi端子も三色ケーブルも、妙な機械に阻まれてるし。ははっ、大丈夫かな高校生活…」ホロリ

    清掃「大丈夫! トモダチ出来なくてもケルケルが居るよ!」

    「け、ケルケル君…!」ぱぁああ

    清掃「でもまずはゲーム買ってからね!」ニコ

    (悪気は全くないんだろうけど、なんかなぁ、なんかなあっ)

    清掃「むふふ」ニコニコ

    93 = 84 :

    (友達作るのって、自分から趣味を合わせないといけないのかな…)

    清掃「ん!? よく考えればそう! あれでいいよ!」ガタッ

    「どうしたの急にっ?」

    清掃「待っててオトコ! すぐ戻ってくる!」ダダダッ ガチャ バタン

    ダダダダ

    清掃「ただいま!」ガチャア

    「うん、えっと、その手に持ってるのは?」

    清掃「小型ゲーム機だよ! これ、テレビもいらないし皆で出来る!」

    「なん…だと…? 世の中そんなものまで出てるのか…!?」

    清掃「オトコ本当に日本人? 知らないなら教えるよ、ほれほれ」ぱかり

    「ほ、ほぉー…凄い、普通にテレビ画面がついてる…しかも二つ…」

    清掃「………。このスイッチ入れるです!」カチリ

    「ぐぁあああ!? な、なんだ目が急におかしくなった!? これがゲーム脳ってやつじゃ…!?」

    清掃「落ち着いて、落ち着いてオトコ」

    94 = 84 :

    「あ、ああ、思わず驚いて面白い反応してしまった…魂取られたりしないよね…?」

    清掃「ボクのお婆ちゃんみたいなリアクション取るね、オトコは」

    清掃「へいきへいき、これはゲームが3Dで見れるの! マジファンタジー!」

    「すりぃーでぃー? なに、飛び出して見えるワケ? 嘘だろこんな小さいのに…」

    清掃「……」スッ

    「すげぇええええええええ!!? なにこれェー!!??」

    清掃「デショー!!?」


    ガチャッ… スッ…


    受付(気を揉んでたが無事に仲良くなってる様子)コソコッソーッ

    受付「国境を超えたフレンドタイム…スバラなことやで…」ナムナム

    受付(撮って友達に送ろ。ラブホで同性十代わいわいなう、っと)

    シュボッ

    受付「ヒッ!」ビックゥウウン

    ~~~

    叔母「──ケルケル君、君まだシフト中だろう」

    95 = 84 :

    清掃「大丈夫! フォクシィと違って終わらせてココ来たから!」

    叔母「いや、その時間にも給料は発生してるんだけどね…」

    叔母「あの馬鹿よりはマシか。しかし男君も明日は早いんだ、もういい加減に寝た方がいいよ」

    「あ。そうだった、明日学校だった…」

    清掃「ワァオ! ガンバってオトコ! レッツエンジョイ!」ぐっ

    「うん。ありがと、がんばる」

    がちゃ きぃ パタム

    叔母「いい子だろ」

    「はい。勝手に距離をおいてた自分が馬鹿みたいでした」

    叔母「これからも良くしてやって。あの子は一人で日本に来たんだ」

    叔母「そら数年もこっちに住めば知り合いなんて出来る。けれど、歳が近いヤツはそういないだろうし」

    「そうなんですか?」

    叔母「良い子なんだけど癖が強くてね。日本人の友達を作りづらいみたい」

    「そうなんですか…ま、まあ俺でいいのなら構わないですけど…」

    叔母「君だから良い」ニコ

    (…むぐぐ、この人は本当に面と向かっていうよなあ…っ)

    叔母「それじゃあオヤスミ。初日で遅刻なんてしないように、いいね」ガチャ

    96 = 84 :

    「勿論です。おやすみなさい、叔母さん」

    叔母「ん」フリフリ

    パタン

    (叔母さんの言う通り早く寝ないと、始まる前に色々考えても意味ないしな)

    (学校、入学式、友達、ゲーム、かあ。俺、本当に明日から───普通に…学校に…)

    スヤスヤ

    「むにゃむにゃ」

    叔母「男くん!!」ガチャアッ!!

    「むァいッ!? な、なんですかッ!?」がばぁっ

    叔母「い、いい忘れてたことがあったんだ…はぁはぁ…これは大事なことだよ…っ」

    「え、な、なんですか?」 

    叔母「歯磨きちゃんとやった?」

    「すげえどうでもいい!」

    受付「うぇぇ…おーなぁ~~…あの部屋の掃除は業者に任せましょおお~…」ベトー

    「うっ! な、なんて匂いをさせて俺の部屋に…!?」

    97 = 84 :

    叔母「ちゃんとやれ。あと近寄るな、クサイ」

    受付「ヒドイ!」ガーン

    「あ、あの、本当にそろそろ寝たいんですけど…」

    清掃「アァ!? そういやオトコ、ここ電気消して寝てる?」ヒョコ

    「ケルケル君まで!? どうしたの急に…え、消してるけど何時も…」

    清掃「そ、そなんだ…ウン、なんともなかったらいいよです…」スッ

    「なにそれ恐い!? 気まずそうな顔して何なの一体!?」

    受付「あり? 説明受けてないの? ココ、おふざけで44号室作ったら出───」

    叔母「おやすみ男くん」キィ

    「誤魔化せると思ってんのかッ! 出るんでしょココ! どうして黙ってたんですか!?」

    叔母「……私は見たこと無いし」フィ

    「見たことある人いる時点でアウトですよねッ!」

    叔母「客の戯言だよ。従業員みんな見たこと無いし、平気だよ」

    受付「誰も居ないのに物音はたまにしてたッスよね、ココ」

    清掃「この部屋むかしから掃除しなきゃいけなくて大変だったよ!」ニコ

    「ワンチャンあったら見えてましたよねそれ!? あとケルケル君のは何の掃除!?」

    98 = 84 :

    叔母「ほら、解散解散。男くんは早く寝るんだし、みんな邪魔しちゃ駄目だよ」ぱんぱん

    「寝れるかコラーッ!! 俺もそっち側に連れてけー!」

    ~~~

    (──なんてことだ、結局、一睡も出来なかった)うつらうつら

    (あの部屋で寝るの怖すぎてスタッフルームにお邪魔したけど、逆効果だった)チラ


    受付「ぐかー」

    清掃「ふんふーん♪」ピコピコ


    (受付さんの晩酌に付き合わされるし、ケル君のゲーム話題で頭がぐらぐらする)

    清掃「CLEAR! フィー! あれ? オトコ、大丈夫なの?」

    「大丈夫じゃないよ…このままじゃ電車を寝過ごしそうで恐いよ…」フラフラ

    清掃「ああ、エット、そうじゃなくって、んーっと」チラ

    清掃「──あの壁カケ時計、一時間遅いから!」ニコ

    「……………………」ボー

    「ッッッ!!?」ババッ

    【六時四十五分】+一時間

    99 = 84 :

    「遅刻してるゥーーーーーーッッ!!」

    受付「わぁいッッ!?」ビクゥン

    清掃「エェッ!? やっぱりダメ感じッ?」あたふた

    「あと十五分で入学式始まるッ! 電車で移動考えたら当然のごとく間に合わない!」ダダッ

    清掃「アワワワ」

    受付「ん~…どったの…?」ゴシゴシ

    清掃「フォクシィ! オトコが遅刻だってあぶないよ!」

    受付「ちぃこくぅ~? んなのお姉さんだっていっぱいしてるよぉふぅうわぁあぁあぁあ~…」

    「アンタと一緒にするなーッ!」ババッ

    受付「まあヒドイ」

    「ごめんなさいテンパってるもんで! あぁもうッ! どうしてココの時計こんなに狂ったまま何ですか…っ!」バタバタ

    清掃「フォクシィが働く時間ごまかすためだよ!」

    「やっぱアンタ最低だよッ!」

    受付「あ。あの壁時計見てたの? そりゃごめんね、だったらお姉さんの原付きかすからそれで行きなって」

    「どうあがいたって遅刻は免れないですよ…!?」

    100 = 84 :

    受付「となり町の高校でしょ? 電車だと遠回りで十五分、歩き含めりゃ五分で合計二十分」フワァ

    受付「八時に入学式なら電車乗って行くより原付き乗って突き進んだ方が速いよ、全然」

    「そ、そうなんですか? でも俺免許も持ってないし…」

    受付「そっか。ならケルケル君に任せたらいいんじゃない」

    清掃「ボク? オッケー!」

    「超柔軟! しかし二人乗りって、というか何故にケル君に任せるんですか…!?」

    受付「お姉さん飲んで八時間立ってないもの。ケルケル君は免許持ってるし、平気平気」

    清掃「ボクの国もみーんな二人のり! へたすりゃ五人乗り!」

    「曲芸師かよ! い、いやいや! ケル君に迷惑をかけるのはっ!」

    清掃「オトコ!」がしっ

    「ハイッ!」

    清掃「よくきいてっ! ボクはオトコの為にやりたい、がんばりたい! それダメなこと?」

    「だ、ダメじゃないけど、なにより危険で最初から俺のせいだから…っ」

    清掃「…それは違うよ、オトコ。危険だからがんばる、オトコの為にがんばりたいからがんばる!」

    清掃「──それがトモダチってことだから! ケルケルはそう思う!」ビッ


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