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    元スレ八幡「妖精を見るには」

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    208 :

    舞ってる

    212 :

    済みません、仕事が忙しくPCにすらまともに向き合えません
    もうちょっとお待ちを

    214 :

    生存報告は嬉しいがやはり忙しいのか
    無理はしないでほしい

    sageずに顔文字連投で急かす輩は悔い改めろ

    216 :

    舞ってます

    222 :

    つづきほしい

    224 :

    大変長らくお待たせ致しました。
    まだ待ってくれている方が居られるかわかりませんが、シドニー編最終話を投下します。

    225 = 224 :

    やべ、鳥忘れた

    227 = 224 :

    どういうこっちゃ

    228 = 224 :

    これか

    229 = 224 :

    えぇ……

    230 = 224 :

    どういうこっちゃ

    231 = 224 :

    違うの?

    232 = 224 :

    これでもダメか!

    233 = 224 :

    すんません、どういう訳か鳥が一致しません。
    以降はこれで行きますが、一応>>190からの続きとなります。

    234 = 224 :

    あ、これか?

    235 = 224 :


    『【野次馬】依然動き無し』

    『了解、現状を維持せよ』

    『【仕掛人】は接触中。【賊】が部屋を出る様子は無い』

    『外部からの干渉は全て遮断しろ。全ては仕掛人に委ねてある』

    『了解』



    「情報軍って……あの?」

    「……驚いたわ、材木座くん。貴方が諜報組織に所属していたなんて」

    「流石に情報軍の存在だけは知っているか」

    「誰でも知ってるわ、良くも悪くも。内情は全く解らない、けれど確かに存在する。メディアでさえ、何故か殆ど取り上げないけれど」

    「だいぶ前からいろんな紛争の裏で暗躍していた、なんて言われてるよね」

    「諜報組織なんだ、謀略の100や200は当たり前だろう……それで材木座、ライトノベル作家の夢はどうしたんだ」

    「捨てたよ。特に未練も無かった」

    「何故だ」

    「お前が……いや、お前達を嵌めた連中が教えてくれた事だ。情報を制する者が全てを制する。ごく単純な事実だが、それを現実のものとして認めるのは案外難しい。だが奴等は、それを間近で実践してみせたんだ」

    「彼等から学んだという訳? 自分も情報を制する側に……誰かを貶める側になりたいと?」

    「というより、連中を思うが儘に『料理』できるだけの力が欲しいと思っただけだ。踏み躙られる側にはなりたくない、心からそう思ったよ」

    「それで本当に……あいつ等を破滅させたんだね」

    「裏であんた方の手伝いをしただけだ。正直なところ、あんた等の報復があそこまで徹底しているとは思いもしなかった。此方が主体となる必要もなく、次々に連中を破滅に追い込んでいたからな」

    「嘘ではないけれど、真実でもないわね。激しい抵抗があって然るべきだったのに、彼等に目立つ動きは殆ど無かった。貴方が裏から手を打っていたんでしょう? そうでなければ、こうも順調に復讐が進む事はなかった」

    「まあ良いじゃないか。俺は経験を積めたし、アンタ等は今や復讐を完遂しつつある。双方良い事尽くめだ」

    「その為に捨てた貴方の夢はどうなるの? 作家になる夢は……」

    「それこそあんた等が言えた台詞じゃないだろう。この6年間を復讐に捧げたあんた等には」

    236 = 224 :


    「……」

    「おい、話が逸れてきているぞ。それで、情報軍は俺をどうしたいんだ」

    「基本的には海の連中と同じだ。我々と共に帰国し、国防技術の発展に尽くして貰いたい。無論、相応の見返りは保証しよう」

    「海との違いは?」

    「真実を話している事だ。お前は国防の要となるに伴い、以前の人間関係を捨て去らざるを得なくなる。FAFでのそれは勿論、総武を去るまでに築いた関係をもだ」

    「つまり?」

    「『奉仕部』は二度と元には戻らない。あの時お前達が求めていた『本物』は、永遠に手の届かない所へと去ってしまう」

    「っ……!」

    「雪乃……」

    「……大丈夫」

    「……家族はどうなる」

    「制限はされるが、会う事はできる。だが、お前がそれを望むのか」

    「……いいや」

    「お兄ちゃん!?」

    「だと思ったよ。昔の汚名にせよFAFの技術を狙う者にせよ、身近な者に火の粉が降りかかる事を良しとするお前じゃない」

    「そんなの……嫌だよ、お兄ちゃん! そんな事……!」

    「……なら、私達に関しては既に結論が出てるって事? このまま別れてFAFに戻るか」

    「或いは帰国した後、二度と接触できなくなるか、だな」

    「嫌だよ……嫌ぁ……」

    「……ヒッキーは、どうしたいの?」

    「……」

    「……比企谷くん。ひとつ、訊いても良いかしら」

    「何だ」

    「結局、貴方が戻ってきた目的は何なの?」

    「……」

    「貴方はさっき、私達の存在を確認する事が目的と言っていた。でも、それは目的ではなく手段でしょう? 私達の存在を確かめる事で、何を成そうとしていたの」

    「……ああ、それについては我々も興味があるな。お前が帰還するという情報は、漏洩を装って意図的に流されていた様に感じる。他ならぬFAF自身の手によってな」

    237 = 224 :


    「え……?」

    「材木座くん……?」

    「FAFはこの状況を作り出す事が目的だった、違うか? いや、正確には『奉仕部』の2人とお前が再開する、その状況をだ」

    「何それ……それって、どういう事?」

    「さあ……だが、大部分の情報が渡る先は我が国に限る様、指向性を持って流されている。何らかの特別な意図がある事は明らかだ」

    「比企谷くん、本当なの?」

    「……だろうな」

    「どうして? どうしてFAFが、お兄ちゃん達の再会を望むの? 何の意図があってそんな……」

    「……ねえ、ヒッキー。そもそもヒッキーは、何で地球に戻ろうと思ったの? 私達に会おうと思った、その切っ掛けはなに?」

    「そうね、先ずは其処を聞かせて欲しいわ。FAFと祖国のどちらを選ぶにせよ、できれば私達も納得した上でその選択を受け入れたい。でも、その為には貴方の目的をより正確に把握する必要があるわ」

    「知ってどうにかなる問題か?」

    「……本当は、悔しいから認めたくないけれど……ヒッキーにはもう、私達と一緒に探そうとしていたものとは別の『本物』があったんじゃないの? それがどんなものであれ、FAFで見付けた『本物』が」

    「その『本物』が『本物』である事を確約する条件に、私達の存在が係わっていた。フェアリィで何があったのかは解らないけれど、私達が本当に存在するという確証が揺らいだのではなくて? だからこそ、貴方は私達に直接会う為に地球へと戻ってきた。違うかしら?」

    「……そうだ」

    「一体、何があったの」

    「……俺がフェアリィで目にしてきた事、その全てがジャムによって造られたまやかしか、或いはFAFによる洗脳の産物か。そう疑わざるを得ない出来事があった。そしてそれは、別の可能性が存在する事も示唆していた」

    「……私達との記憶が『偽物』である可能性」

    「そうだ」

    「それを確かめる為に、貴方は……」

    「……ねえ、ヒッキー」

    「何だ」

    「それってさ……それってつまり、不安だったって事? 私達との思い出が『偽物』だったんじゃないかって……不安になる程、想ってくれてたって事?」

    238 = 224 :


    「あ……」

    「……」

    「沈黙は肯定と同じだよ、ヒッキー」

    「性格悪くなってないか、由比ヶ浜?」

    「中二が言ってたでしょ。この6年、色々あったって。それとも、この由比ヶ浜 結衣は『偽物』だって判断する?」

    「……本物だろうな、恐らく」

    「あら、私は?」

    「小町はどうなの?」

    「本物なんだろうな、多分」

    「……其処は、断言して欲しかったかな」

    「予想通りにはいかないもんだ。もう少し客観的に判断できるかと思っていたんだが、想像以上に感性的な部分が邪魔をする。お前たちが『本物』だと、理性ではなく感情が訴えてきやがる」

    「ふうん……ちょっと、ううん、かなり嬉しいかな。ヒッキーの理性を打ち崩してまで、心が私達を『本物』って認めてくれてるんだから」

    「だとしてもだ。それが……」

    「外部の第三者からの干渉による結果でないとは言い切れない、でしょう? 私達を『本物』であると判断した自分の心でさえ、貴方は信用していない。いえ、恐らくはそうだと認めていながら、それが確信へと到る事を心の何処かで拒んでいる」

    「……ああ」

    「何で? どうして信じてくれないの?」

    「……」

    「お兄ちゃんがFAFでどんな体験をしてきたのか、私達は何にも知らない。でも、一体何があったら、目の前に居る私達を其処まで疑えるの? それが普通じゃないって事だけは、何も知らない私にだって解るよ」

    「正直に言わせて貰えば……貴方のその反応は、精神的な疾患を有しているが故と言われても、幾らか納得できてしまう程よ。統合失調症、とでも言えば解るかしら」

    「否認妄想、考想操作だな。そういった手合いには幾らか面識がある。どうだ、八幡?」

    「第三者から見た俺は、正しくそうなんだろう。どうでも良い事だが」

    「どうでも良い、ですって? 他者からどう見られようが知った事ではない、という考えには心から同意したいところだけれど、現実にはそうやって社会を生き抜く事が困難な事は、流石にもう理解しているでしょう」

    「ああ、地球ではな」

    「……そう、FAFでは違うというのね。貴方が積極的に他者と関わっているという事かしら? それとも対人環境そのものから地球とは異なるのかしら」

    「後者だな。他者に対し無関心である事については、それでも問題なく機能する環境が『特殊戦』として整っている。だがそれは、自身に関わる人間に対し無警戒でいる事と同義ではない」

    「そんなの、地球でも同じだよ」

    239 = 224 :


    「目の前に居る人間が『本物』かどうか、疑った事はあるか? 本人か否かという問題ではなく、本当に『人間』かどうか疑った事は?」

    「どういう事……?」

    「そのままの意味だ」

    「……『偽物』自身がその事実を認識しているとは限らない、貴方さっきそう言ったわね。それはつまり洗脳や誘導の類ではなく、自分自身が『人間』でない事に気付いていない、人間になりきった『偽物』に出会った事があるとでもいうの?」

    「は……?」

    「……」

    「お兄ちゃん……?」

    「おい八幡。興味深い話だが、そいつはちょっとばかり……」

    「妄想が過ぎる、だろ? まあ、どう受け取ろうが構わない。だが俺に……『俺達』にとっては現実上の死活問題だ」

    「現実……俄には信じられないわ」

    「愛機を整備している顔見知りが、本当に昨日と同じ人間なのか。出撃し、任務を終えて戻った基地が、本当に出撃前と同じそれなのか。まさに今、身を以って体感しているこの地球という世界が、本当に俺の知っている地球と同一のものなのか。此処でこうして面を突き合わせているお前達が、本当に俺の知っているお前達と同一人物なのか。こうして喋っている俺は、本当に『比企谷 八幡』という人間なのか。確信を持てる事なんざ、何ひとつとして存在しない。それがフェアリィに身を置く人間にとっての現実だ」

    「……それを信じろと?」

    「無理だろうな。俺だって、そんな事を聞かされれば正気を疑う」

    「なら何で……ううん、それよりも。その『偽物』を造り出してるのって……『ジャム』なの?」

    「そうだ。『俺達』の、FAFの敵だ」

    「人間を複製してるって事か? いや、それ以前に今の口振りだと、基地だとか『地球』そのものまで複製できるかの様に聞こえるぞ」

    「できるかどうかは解らん。だが、可能だとしても何ら不思議はない」

    「お兄ちゃん、それは……幾ら何でも……」

    「……まあ、事の真偽は置いておくとして。つまり比企谷くん、貴方はこう言いたいのね。私や結衣、小町さんに材木座くん。それらが『本物』ではなく、ジャムによって用意された『複製』なのではないか、と」

    「そうだ」

    240 = 224 :


    「……狂ってる、正気じゃないよそんなの!」

    「小町ちゃん!」

    「どう思おうがそれはお前達の自由だ。だが、俺はこの身でその超常を体験し、生き延びた上で此処に居る。俺自身が『それ』を妄想と断じる事は絶対にない」

    「そんなの解んないじゃん! FAFがお兄ちゃんに何をしたかなんて……!」

    「其処までだ、川崎さん……おい、八幡。俺達はお前が話したフェアリィの実状に対して、真偽を判断し得るだけの情報も術も持ち合わせていない。この場の俺達だけでは、俺達のお前に対する疑いも、お前の俺達に……『地球』に対する疑いも晴らす事は不可能だ」

    「ああ、そうだな」

    「それ以前の問題よ。どちらの疑問に関しても、解消する方法があるとは思えないわ。結局は個人の意識の問題、各々の主観の内に閉ざされた『世界』の内部に燻る疑念だもの」

    「……埒が開かないね」

    「お兄ちゃん……」

    241 = 224 :






    「いや、方法はある」





    242 = 224 :


    「え……」

    「あるぞ、双方の疑念に対する答えを得る方法。これ以外には思い付かん」

    「ヒッキー……?」

    「おい、どうするつもりだ。腕の良いカウンセラーでも雇えと? すぐ其処に専門の分析医が居るだろう」

    「彼女は飽くまでFAFの人間だ。本人は中立である事を心掛けている様だが、思想や思考はどうしてもFAF、というよりも『特殊戦』寄りになってしまっている」

    「ふうん……それを見抜けるという事は、貴方の異常ともいえる客観性は健在みたいね」

    「……お前も姉に似てきてるな。行動に移す前に『本物』と信じちまいそうだ」

    「此方としては、別にそれでも構わないのだけれど。いえ、寧ろ歓迎するわ」

    「遠慮しておく」

    「……それで、どうするの?」

    「……なあ、材木座。お前の権限は何処まで融通が利くんだ?」

    「この作戦中に於けるなら、まあ大抵の事は問題ない。よほど突拍子もない事じゃなければな」

    「手紙を送らせてくれ。それと、行きたい場所がある。手配してくれないか。人数は……小町を除く、この場の全員だ」

    「お兄ちゃん!? 何を……!」

    「小町、お前は日本に戻れ。此処から先はお前が係わるべき案件じゃない。戻って、旦那と一緒に家族を護れ」

    「そんな! そんなの嫌だよ! 私も……!」

    「ウチの情報軍は優秀でな。色々と情報通なんだ……増えるんだろ、家族」

    「っ……!」

    「え、小町ちゃん!?」

    「あ……」

    「なら、お前が優先して注力すべきはこっちの問題じゃない。大志と一緒に、親父とお袋共々、その子を護ってやれ」

    「……知ってたんだ……もしかして、材木座さんも?」

    「……俺の口から言うべき事じゃないだろう。だが八幡、お前も大概デリカシーに欠けるな」

    「『ジャム』相手には糞の役にも立たんからな。それで、どうだ?」

    「行先によるな。何処だ?」

    243 = 224 :






    「『南極』ロス氷棚東端。ローズベルト島『あずさ基地』」

    「……それって、まさか」

    「『通路』!?」

    「ああ」





    「訊きに行こうじゃないか。『ジャム』に、直接」

    244 = 224 :

    以上です。
    次回からは最終局面、南極編となります。
    では。

    245 :

    乙!
    本当に読みごたえがあって面白いな
    次も期待してる

    246 :

    待ってたぞ!最終局面も楽しみだ

    248 :

    元ネタが分からないけど面白いね


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