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元スレ足柄「鎮守府近くの食堂へ」
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乙
肉じゃがビーフシチュー起源説についての描写に海軍史警察もニッコリ
あ、舞鶴は悔い改めてください
肉じゃがビーフシチュー起源説についての描写に海軍史警察もニッコリ
あ、舞鶴は悔い改めてください
肉じゃがビーフシチュー起源の話はおもしろかった。
でも正しいかどうかなんかどうでもいいなあ肉じゃがもビーフシチューも美味しいんだし
ただ東郷元帥のくだりはその方が面白いと思ったてたなあ
でも正しいかどうかなんかどうでもいいなあ肉じゃがもビーフシチューも美味しいんだし
ただ東郷元帥のくだりはその方が面白いと思ったてたなあ
ごめんなさい。
年明け手も中々休みが取れなくて…
来週あたりには投下できそうなんでもう少し待っててください…
年明け手も中々休みが取れなくて…
来週あたりには投下できそうなんでもう少し待っててください…
すみません。
ただいま新人教育中の為もう少しかかります。
明日明後日には投下できるかと思います。
とりあえず
あけましておめでとうございます。
ってことで一か月近く空いた投下です。
皆さん、明けましておめでとうございます。
1月も半ばが大分過ぎてしまった今日この頃ですが…いかがお過ごしでしょうか。
自分たちですか?
自分たちは色々です。年末年始は短いながらも実家に帰って親族関係に挨拶したり…
親父の世話なり、爺ちゃん婆ちゃんの墓参り。そして、は「お年玉ちょうだいよ!」
店主「は?」
深雪「聞いた言葉の如くだよ!」
急に何を…
店主「お前、今正月に見えるか?」
深雪「正月に会えなかったから今貰いたいんだ!」
店主「いやいや、正月過ぎたら期限オーバーだって」
久々に来店したと思ったらコイツは…
吹雪「ダメだって深雪」
深雪「吹雪はそれでいいのか?!私たちは鎮守府側から支給された3千円だけなんだぞ!」
吹雪「お給料貰ってるんだから、それで十分だよ!」
深雪「同じ年頃の子はウン万円ってもらってるってテレビでやってたぞ!」ウガー!
吹雪「ウン万円って…だからって5万とか6万は貰ってないよ!」
深雪「それでもやっぱり憧れるじゃん!だから頂戴って!」
吹雪「だからダメだって!それに相手はお店の人だよ?下手したら軽い強盗行為だよ!」
はははっ新年早々から騒がしい奴らだ。
まぁ軽い強盗行為は面白いたとえだな。
??「ちょっと!」
深雪・吹雪「!?」
??「店で騒ぐなら出てってもらうわよ!」
深雪「え?」
吹雪「あれ?この子…」
店主「あー…」
そうそう、今月からこの店に新しい従業員が加わりました。
名前を…
店主「まぁまぁ、落ち着いてよ霞ちゃん」
霞「ふんっ!」
『霞』って言います。
"元"艦娘の子です。
店主「ありがとうございましたー」
吹雪「あの」
霞「ん?」
吹雪「ごめんなさい。騒がしくして」
霞「別にいいわ。私も大きな声出してごめんなさい」
吹雪「そんな。騒がしくしたのはうちの妹ですし」
店主「その妹、どんどん先に行っちゃったぞ」
吹雪「え!?じゃっじゃあ、また来ます!」マッテェー
霞「吹雪型っていうのはどこ行ってもああなのね」ハァ
店主「しかし、あそこまできつく叱ることは無いんじゃない?」
霞「そこんところしっかりしないと、艦娘としてのメリハリがつかないわ」
店主「まぁねぇ…」
俺としてはそういうのを忘れて来店してもらいたいんだが…
霞「…」ハァ
店主「…やっぱ、艦娘が羨ましいかい?」
霞「…っ。そんなことないわ…しっかり受け入れたもの…こんなことになったのも、私自身の所為だし…」
店主「…そっか…休憩行っておいで」
霞「…わかった」
店主「…」フゥ
あれは、どうもまだ受け入れては無いな。
それもそうだよな。この子を受け入れて数週間。そりゃあな…
年明けのオープン初日。
この日はまだ休みの会社があったらしく、店は予想以上の賑わいを見せた。
売り上げも今月一番に輝くであろう金額。その代わり、俺とかおるちゃんはヘトヘトになっていた。
店主「こんなんだったら、もう少しずらしておくべきだったな…」
深海「しっかりリサーチしないからだよ…」
店主「とりあえずもう閉めよう。まだ30分ほど早いけど、もう来なさそうだし」
正直材料も少なくなっているし。
深海「うん、暖簾下ろしてくるね」
そんな時だった。
ガララッ
??「すみません。まだやっていますか?」
一人の客。声からするに女性客のようだ。
深海「すみません。今日はもう…」
??「閉店…ですか?」
深海「はい…」
ナイスだかおるちゃん。申し訳なさそうに言うのも一つのテクニックだ。
??「…なら、好都合です」
店主「はぁ?」
??「あっここのご主人ですね?」
店主「え?ええ…」
あれ?この人…
??「○○鎮守府からやってきた"大淀"と申します」
ああ、あの説明会の時に居た…
店主「すみません今日の営業は…」
大淀「あっ今日は食べに来たというわけではないんです」
店主「はい?」
大淀「ちょっとお話がございまして…」
店主「話…ですか」
大淀「はい」ニコッ
めっちゃ笑顔だ…
深海「お茶です。どうぞ」
大淀「ありがとうございます」
店主「で、お話とは?」
大淀「単刀直入で言います。艦娘を引き取っていただけませんか?」
店主「…は?」
何を言い出すんだこの人は…
店主「俺に海軍の人間になれと?」
大淀「ああっすみません。話を端折り過ぎましたね。別にそういう話ではなくてですね」
ペラッ
大淀「ここに資料があるんですけど…」
店主「解体後支援?…かっ解体?」
表紙にえらく物騒な言葉があるな…
店主「あっあの、解体って…」
大淀「ご主人は艦娘の事をどれぐらいご理解されてますか?」
店主「軍艦の記憶を持って生まれた、人に似て非なる存在。そして深海棲艦に対する人類最後の希望…としか」
見た目は人間でも生まれた経緯とかは人のそれとはまったく違う。
生まれてきた時も姿形はあの成長した時の姿のままだとか…不思議な存在だ。
大淀「その認識で大丈夫です」
大淀「彼女たちは深海棲艦を倒すためにこの世に生を受けたと言っても過言ではありません」
普段の日常の姿しか見てない俺にとっては過酷な話だ。
大淀「人類最後の希望…と言っても無敵と言うわけではありません。もちろん私たちにも"死"と言うものが訪れます」
店主「っ!」
大淀「戦闘によって沈んだ艦娘は轟沈と処理されます」
それが艦娘の死…二度と地上には戻ってこれないのか…
大淀「ただ、そういった中には命からがら戻ってくる艦娘も居ます。艤装の状態、艦娘の身体状況によっては再び戦列に復帰することはできますが…」
大淀「艤装の修復不可能、身体に異常が出来てしまい戦列に復帰できなかった場合には、最悪"解体"と言う処分が下されます」
店主「…」
この流れ不味くないか?
このままの流れだと解体って…
[描写自主規制]
完全にスプラッタ的な!
それに何の支援をすればいいんだよ!?
まさか艦娘の肉を…
大淀「あの…話聞いてます?」
店主「はい!」
たまに鎮守府の黒いうわさを聞くが…まさか本当に?
大淀「…」
店主「…」ソワソワ
大淀「…解体は艦娘をバラすと言う意味ではありませんよ?」
店主「え?」
大淀「解体と言うのは、艦娘を"人間の状態にする"という処理のことです」
店主「…人間の状態?」
大淀「艦娘…私たちは言わば兵器です。人間の姿をしていても、歳をとらなかったりと全く違う部分があります」
大淀「解体と言うのは、そういった呪縛めいたものを取り払い、普通の人間として世に放つことを言います」
店主「…ほぅ」
大淀「艦娘に親族と言うものが存在しません。解体後すぐに世に放っても路頭に迷うのが関の山です」
大淀「そういった事態をなくすために用意されたのが、この制度なのです」
店主「解体後支援…ですか?」
まぁ、勝手に生み出しといて後はホポイッじゃ可哀想だもんな。
大淀「はい。解体された艦娘を養子に出したり、あとは社会人として世に送り出したりと、様々な方法で支援しています」
大淀「中には、戦績の良かった艦娘などは解体後も教導官として鎮守府に置いたりとかもしてますが…」
店主「そちらの鎮守府にも?」
大淀「はい、4名ほど」
ほう、なかなかシッカリしてんだな。
…待てよ?
店主「だから、艦娘を引き取ってほしいと?」
大淀「はい」
急に言われてもな…
大淀「実は去年の暮れごろ、それについての説明会をしたんですけど…街角やさんだけ来られてなかったので…」
え?
店主「いや、招待状みたいなの貰ってないんですが…」
大淀「ちゃんとこの商店街全部に送ったはずなんですが…」
店主「え?」
深海「おやっさん」チョイチョイ
店主「ん?」
深海「これじゃない?」
店主「え?」
説明会のご案内…これだ!
店主「どこにあった?」
深海「あそこ…郵便物整理せずにごちゃごちゃに置いたでしょ」
店主「あ」
しまった…そういうことか…
暮れ忙しくて確認せずに全部あそこに入れてたな…
店主「…申し訳ない」
大淀「いえいえ、私たちも突然だったので…」
面目ない…
店主「っていうか、いつもこんなのやってましたっけ?」
大淀「いつもって訳ではないんです…鎮守府を順番に回ってると言いますか…」
なるほど。
店主「でも、なんでウチに?」
ウチの商店街ならみんな優しい(お人好し)だからすぐに引き取ってくれると思うんだが…
大淀「何人かの艦娘は引き取っていただいたんですが…最後の一人だけがどうしても引き取り手が見つからなくて…」
店主「それはまた…」
大淀「ですので、説明会の時にいらっしゃらなかった街角やさんにお話をと…」
お人好しどもが引き取らないって、それはそれで気になるな。
店主「その子どんな子なんです?」
大淀「えっと、その資料の方に…」
店主「…」
この子か…えらいブスッとした顔で写真に撮られてるな…
名前は霞…駆逐艦の子か…
見たところ皆が拒否しそうな感じではなさそうだけど…
店主「愛想悪かったりします?」
大淀「そこなんです…」
店主「へ?」
大淀「その子、愛想が悪くて第一印象が最悪だったんです…」
店主「…」
あちゃー…
店主「だからか…」
ここに住んでる人の大半は商売人だからな…愛想悪かったら引き取らんわな…
店主「うちも商売してるんで愛想悪いのは…」
大淀「お願いです!もう街角やさんしかいないんです!」
店主「ええ!?」
大淀「…実は、今回来たのは説明会にいらっしゃらなかったのもそうなんですが…」
店主「?」
大淀「提督からの薦めもありまして…」
店主「提督ってあの?」
大淀「はい」
店主「??」
なんで?あんまりウチと関わりないだろ?
昔はうちの爺ちゃんを贔屓にしてた関係者も居たけど…
今は大して…
いや、待てよ?
店主「…」チラッ
深海「?」
"前例"が居るからか?それなら話の筋は通る。
だけど、この子とはタイプが違うし…
出会い方も…
深海「おやっさん…」
店主「ん?」
深海「ウチで引き取らない?」
店主「え?」
深海「流石にかわいそうじゃない?このまま引き取らなくて路頭に迷わせるよりかは…」
大淀「路頭に迷うことはありません。ただ、次は別の鎮守府を通してとなるので…盥回しみたいになるかと…」
深海「ほら!」
店主「しかしな…」
ペットを飼うのとは違うからここは慎重に…
深海「それにさ…」
深海「私が拾われて、この子が拾われないって言うのもなんか…」
店主「…」
あの一言はズルいわな…
まぁ、結果的にうちで引き取ることになったけど。
手続きとかも全部鎮守府側がやってくれたし助かった。
しかし…
客「え~っと…」
霞「男ならさっさと決める!だらしないったら!」
客「え?!」ビクッ
飲兵衛「いやぁ、かわいい子が入ったねぇ~」ナデナデ
霞「子ども扱いしないでよね!鬱陶しいから!」パシッ
飲兵衛「…え?」
サラリーマン1「あのクソ上司、マジ勘弁ならねぇ…」
サラリーマン2「あれはねぇわな。理不尽にもほどがある。なら、お前がやってみろってな」
サラリーマン1「な、そう思うよな!」
霞「ぐちぐちぐちぐち女々しいっったら!そんなんだから舐められるのよ!」オミズドンッ
サラリーマン1「え?あ…ごめんなさい…」
とまぁ、こんな感じ。
今のところ苦情は出てないけど…毎日冷や冷やしてるよ…
しっかり注意はしてるんだけどねぇ…
店主「霞ちゃん?もうちょっとお客さんに対する態度を和らげれないかな?…あれじゃお客さんが…」
霞「なに?不満な訳?」
店主「そりゃあ…」
霞「アンタもハッキリしないわね…そんなに嫌だったら私を追い出したら?いつでも出てってやるわ」
店主「追い出すって…」
霞「…ふんっ!」
店主「あっちょっ!」
扱い方が分からない。
今までああいうタイプとかかわったことないしな…
誰かに相談してみようかしら…
なんて悠長なこと言ってたら、ついに事件が起きた…
中年「んだとこのガキ!?」
霞「何よやる気!」
この間、武蔵さんと楽しく食事していた水道会社の社長さん。
なんだか仕事がうまく行かないとぼやいた瞬間、霞ちゃんがいつもの調子で食いついたんだ。
そうしたらこの有様…
元々社長も喧嘩っ早い事で有名で、近所の居酒屋からは出禁を喰らってるって噂を耳にしたことがある。
それであの霞ちゃん…最悪の掛け算だ…
中年「ガキのくせに大人の事情に口出しやがって…」
霞「そのガキに正論言われて腹立てちゃって、恥ずかしくないのかしら?」
中年「なっ!?」
店主「霞ちゃん!」
霞「そんなんだから相手にも舐められるのよ!」
中年「調子に乗りやがって…不愉快だ帰る!」
店主「お客様!?」
中年「よくこんなガキを雇ったな!言葉使いもそうだが、客に対する態度じゃない!釣りはいらん!」バンッ
店主「お待ちください、お客様!」
ザワザワ…
深海「ごっごめんなさい。お騒がせしました」
霞「…」
~その夜~
店主「…」
霞「…」
店主「どうしてあんなことをしたんだ?」
霞「なに?説教するつもり?」
店主「当然だ。あの方はうちの常連だったんだぞ。しかも、二度と来ないとまで言われた…」
霞「ならよかったじゃない」
店主「霞ちゃん!」
霞「なによ…」
店主「いいかい?お客様に対してより良い接客、サービスを行って満足していただく。その対価として俺たちはお金を貰ってるんだ。」
店主「そしてそれで生計を立てている」
霞「…」
店主「俺たちがお客様を不愉快にさせるなんて、絶対的タブーなんだ。少しでも評判が落ちてしまえばそこまで。最悪店をたたむしかない」
店主「鎮守府の時だってそうだったんじゃないか?」
霞「…っ」
店主「敵を倒さなければ上からじゃなく周りからも、住民からも苦情が来る」
店主「平和を維持することで信頼を維持してたんじゃないのかい?」
店主「君だって、吹雪たちと一緒で大好きな提督を慕いながら平和を…」
霞「知ったような口を利かないで!」
店主「…え?」
深海「霞ちゃん?」
霞「接客?サービス?私も落ちぶれたものね…」
霞「いい?私は朝潮型の駆逐艦、霞よ!本来は戦うために生まれてきたの!戦うことに誇りを持ってきたの!」
霞「こんなママゴトやるために生まれてきたわけじゃないの!」
店主「…」
霞「そんなに私のことが気に入らなければ今すぐ追い出せばいい!」
霞「解体で人間に戻して引き取られる?良い迷惑よ!解体を受けた時点で私は…霞は死んだわ。そのまま殺してくれた方がましよ」
霞「いや、もういっその事あの時に一緒に殺してくれればよかったのよ!ほんっとあいつ等も役に立たないわ!やるならもっと徹底的にやってほしかったものよ!」
霞「もう、うんざりだわ…どうして私がこんな事しなきゃいけないのよ…」
霞「どうしてこんなことにならなきゃいけないのよ…」
深海「霞…ちゃん?」
霞「お客様?ぐちぐちぐちぐち女々しく蔭でしか文句の言えない男どもの世話をどうしてしなきゃいけないのよ…」
霞「要らない情けまでかけられて…」
深海「要らない情けって…それはいくら何でも…」
霞「だってそうじゃない。そもそもここに来たのだって私が余ってたから可哀想。だからでしょ?」
霞「そんな理由で選ばれる身にもなってよ」
霞「そもそも気に入らないのよ」
霞「なんでこの私が深海棲艦なんかと一緒に…」
パァンッ!
霞「…」
店主「…」
深海「…!」
霞「…なによ」
店主「俺や仕事のことについて言うには構わない。でも、かおるちゃんのことを悪く言うのはどんなことがあっても許さない」
店主「かおるちゃんに謝りなさい」
霞「何よ…本当のこと言ったまでじゃない」
店主「…謝りなさい」
霞「…そう…わかったわ」
ガラララッ!
深海「霞ちゃん!」
深海「おやっさん、何も叩くこと…」
店主「…」プルプル…
深海「…私は気にしてないから…外は寒いし、あの子風邪引いちゃうよ」
店主「…」プルプル…
深海「…おやっさん」
店主「…ちゃった」
深海「え?」
店主「つい…叩いちゃった」
深海「え」
店主「手は出さないって決めてたのに…」ドンヨリ
深海「怒りで震えてたわけじゃないのね…良かったのか良くないのか」
店主「かおるちゃんの事をああ言ったもんだから…つい」
深海「大丈夫、私は気にしてないから。それよりも早く探さなきゃ。雪が降ってはいないとはいえ、寒いし」
店主「どんな顔で会えば…」
深海「そんな事見つけてからでいいじゃん!早く行こう!」
店主「うっうん」
深海「おやっさん、商店街探して。私、海の方を探してくるから」
店主「気をつけろよ」
深海「大丈夫だって」
深海「寒いなぁ…早く探して帰って、温かいご飯を食べてと温かいお風呂に浸かりたい…」ハァー
深海「しっかし、どこ行ったのかな?」
深海(でも、さすがは元艦娘だね、私の事をこの数週間で見抜くなんて…)
深海「まだ艦娘としてのプライドがあったから、海に居ると思ったんだけど…流石に寒くていないかな?」
ビュオッ!
深海「~~~っ!」
深海「さっむ!流石に安直すぎたかな?商店街探そうかな…」
深海「ん?あの防波堤に居るのは…」
霞「…」
深海(居たぁ!でも…本人かな?鎮守府の子じゃないよね?)
霞「っ!」
深海「寒くない?」
霞「何よ?わざわざ追いかけてきた訳」
深海「うん」
霞「それも可哀想だからとか?」
深海「それもあるかな」
霞「…そう」
深海「隣良い?」
霞「勝手にしたら」
深海「じゃ、勝手にする」ヨイショ
霞「…」
深海「…」
霞「…」
深海「…」
霞「…寒くないの?」
深海「寒いよ。そっちは?」ガクブルガクブル
霞「だらしない」
深海「…」ガクブルガクブル
霞「おじさんはどうしたの?」
深海「商店街探してる」
霞「…そう」
深海「…霞ちゃんはさ…接客嫌い?」
霞「…」
霞「…嫌いではない」
深海「あら意外」
霞「悪態ばかりついてるからかしら?」
深海「まぁね。それにさっきも否定してたし」
霞「…」
深海「…人…人間嫌い?」
霞「…嫌い」
深海「…そうなの?そっちも意外」
霞「…艦娘で、人を守ってたから?」
深海「うん」
霞「…あんたはどうなのよ?」
深海「…私は好きだよ」
霞「その方が意外」
深海「そうかな?」
霞「…深海棲艦のくせに」
深海「そんなルールは無いし、今の私は人間だよ。今のあなたと一緒」
霞「私は…」
深海「元艦娘」
霞「ふふっ…容赦ないわね」
深海「今笑った」
霞「私だって笑いはするもの…でも今のは呆れ笑い」
深海「ええ!呆れ!?」
霞「だって、まさか自分が人間になって元深海棲艦と仲良しごっこするだなんて思っても居なかったし」
深海「ごっこって……霞ちゃんは私の事嫌い?」
霞「…好き嫌い判断できるほど付き合い長くないし」
深海「それもそっか…ねぇ、なんで人間嫌いなの?」
霞「私の資料にかいてなかった?」
深海「私は詳しくは見てないし…おやっさんが見てたけど、そこまでは書いてなかったような…」
霞「そう……私は元々××鎮守府に所属していたの」
深海「…」
霞「そこで私は…不甲斐ない上司の秘書艦をしていたわ」
霞「また書類を書き間違えてるわよ!」
提督「え?」
霞「しかも、この綴じてある資料も別のだし…もぉ!」
提督「ああ、すまん。こっちと一緒だったな」
霞「しっかりしなさいよ」
提督「面目ない…」ハハハ
××鎮守府の司令官はとても気さくな人だった。
誰とでも階級関係なしにフランクに話して、艦娘に対しても気配りをよくしていて、少しでも傷つけばすぐに帰艦命令を出す。そんな人だった。
だからウチに居た艦娘は全員、あの人の事を慕っていた。周りの人からは"アマちゃん"なんて言われてたけど、そんなこと私たちは何とも思わなかった。
最初あった時は外れくじ引いたかも…なんて思ったけど…実力もあったし、私自身も気づかないうちに認めていたのかもしれない…
本当ならこれで私も平和にこの鎮守府で暮らせてたのかもしれない。
あの人たちさえいなければ…
バァン!
??「ヘェーイ!テイトクゥー!」
??「バニン…ラァーーーブ!!」
提督「オイオイ…金剛!」
霞「金剛さん、今は執務…」
金剛「ヘェ~~イ、カスミィ~…ワタシとテートクのラブタイムを邪魔するつもりですかぁ~…?」
霞「うっ…」
深海「金剛四姉妹?」
霞「…そう」
深海「でも、その4姉妹はどこの鎮守府行っても提督LOVEで有名じゃない?比叡さんはそんなことないだろうけど…」
霞「そこの鎮守府は違ったの…金剛姉妹の長女金剛は、あそこでは裏の権力者なんて言われてて、あの人に盾突いたり嫌われた人は何かしらの応酬があるって言われてたの」
深海「うわぁ…」
霞「他の3人は姉のために情報を流したり、裏で工作したりと陰険な事をするって言われてて…」
深海「比叡さんもそうなの?…あの人のイメージじゃ考えられないけど…」
霞「他の鎮守府じゃ司令官に対してそこまで好意を抱いて無いみたいだけど、うちは違った。あそこじゃ姉である金剛が絶対なの。だから、必然的に司令官に対して好意を抱かなきゃいけないのよ」
深海「ひぇ~…」
霞「実際、それで消された艦娘は何人もいる…私も含めてね」
深海「含めてって…じゃあ!」
霞「話…進めるわ」
ある日、鎮守府に大本営から連絡が来たの
霞「私に二段階改装の許可?」
提督「ああ、おそらく君とおんなじ子が所属してる鎮守府すべてにこの連絡が行き渡っていると思うよ」
霞「そう…まぁ、ありがたいわね」
提督「もっと有り難がれよな…相変わらず愛想の悪い」
霞「これで精一杯なのよ。だって強くなれるってことは…」
提督「君にしては珍しく後半聞こえなかったけど?」
霞「とにかくうれしい!これでいいでしょ!」
提督「おっおう、そうだな。とにかく、その時になればまた連絡する。だから…」
霞「分かったわ」
バタンッ
霞「…」
霞「これで強くなれる…みんなを守れる…」
霞「そして司令官にも…ふふっ」
このとき私は少し浮かれていた。
念願の改二の許可。
大切な仲間を守れる。そして…いつの間にか大切と思えるようになっていたあの人も…
金剛「…」
数日後、鎮守府に出撃命令が下される。
提督「近海の警備にあたっていた時雨たちから、こちらに向かって敵の一隊が向かってるとのこと」
提督「敵の数は少ないとのことだが、金剛。悪いがお前も一緒に行ってくれ。早めに倒すに越したことは無い」
金剛「オッケーネー!」
提督「霞も」
霞「了解したわ」
金剛「サァー、カスミ!フォローミー、ネ!」
霞「はい…っ!」
金剛「」ニヤリ
今思えば、あの気味の悪い笑みがすべてを物語っていたのかもしれない。
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