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元スレモバP「コミュ不足」
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モバP「……黒川さんと白坂さん、高峯さんと高垣さん、塩見さんと神崎さん、三船さんとアナスタシアさん……む、鷺沢さんが余りましたね……」
千秋「…………?」
小梅「…………?」
ちひろ「…………あっ」
ちひろ「プロデューサーさん、神経衰弱じゃないんですから……」 ハァ…
モバP「はは、すいません。つい遊び心で……」
千秋「……ああ、ようやく理解したわ。それにしても浅い繋がりね」
千秋「黒と白、『高』の字、『子』の字……」
小梅「美優さん、と、アナスタシアさん、は……?」
モバP「確か身長が同じはずです」
ちひろ「プロデューサーさんも私に負けず劣らずじゃないですか……」
モバP「……ちひろさんのことをとやかく言う資格は有りませんでしたね、はい」
モバP「…………ところで鷺沢さんはどうしましょうか?」
ちひろ「まだ考えてたんですか? うちは9人居るんですから、余るのは仕方ないですよ」
モバP「でも仲間外れはちょっと……」
ちひろ「……それならプロデューサーさんが組むのはどうですか?」
小梅「っ!?」
千秋「っ!?」
モバP「あ、それはいい案ですね。えーと繋がりは……」
小梅「プロデューサー、さん」 クイクイ
小梅「文香さん、と、千秋さん、で、『沢』と『川』の水繋がり……」
モバP「おおっ、それなら俺が組むのは白坂さんになるな」
千秋「待ちなさい。小梅と楓さんの木繋がり、アーニャとのあさんの趣味繋がり、文香と美優さんの血液型繋がりもあるわよ」
千秋「そうなると余るのは私になるわ」 フフン
モバP「…………ふむ」
千秋「……どうかしたのかしら?」
モバP「いや、黒川さんが余ったなら数字繋がりでちひろさんと組むべきかなって思っ――――いたたたたっ?!」
千秋「…………っ!!」 ギュウッ
ちひろ(今のはプロデューサーさんが悪いですね)
―――― 後日
アーニャ「私とプロデューサーでカタカナ繋がり、です!」 ムフー
モバP「プロデューサーは本名じゃないからな?」
―――― 某日 カフェ
のあ「――――…………ふぅ」 ズズッ
のあ(お気に入りのカフェで飲むコーヒーは格別ね……)
のあ(ここのところレッスンばっかりでゆっくりする暇も無かったし、今日は久々の休日を謳歌しましょうか)
のあ(まずは朝食代わりにケーキでも……)
のあ「……すみません店員さん、このケーキとこのケーキを」
のあ「………………」 ズズッ
のあ(…………さて、この後はどこに行こうかしら?)
のあ(服は足りてるし、部屋の消耗品はこの前千秋が買い足してくれたし、正直なところ食べ歩きしかすることが無いのよね……)
のあ(……世の人たちはこういう時、どうするのかしら?)
のあ(やっぱり定番は友達とどこかにお出かけ? ……今の私には難しいわ)
のあ(地元を離れてこっちに来てまだ日が浅いから、そういう友達はまだいないし……)
のあ(でももしかしたら偶然でこっちに遊びに来ているって可能性も――――) チラリ
のあ「――――……あっ」
アーニャ「………………」 テクテク
のあ「アーニャちゃん……?」
のあ「……そういえば彼女もお休みだったわね」
のあ(……ガラス越しだけど私に気付くかしら?)
のあ「………………」 ジー
アーニャ「………………?」 ピタッ
のあ「あら……」
のあ(私の視線に気づいた?)
のあ(……よく見たらそれとなく変装してるし、視線には気をつけているってこと?)
アーニャ「…………」 キョロキョロ
のあ「…………」 ジー
アーニャ「…………!」
のあ(私に気付いたわね。手でも振っておこうかしら) フリフリ
アーニャ「…………♪」 パアア
のあ(笑顔が可愛い……)
のあ(……って、アーニャちゃん、こっちに向かって来てる?)
――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
――――――――――
アーニャ「――――ノア、ドーブラエウートラ」
アーニャ「ノアも、お休みだったんですね。私と一緒です♪」
のあ「おはよう、アーニャ」
のあ「貴女の言う通り今日は久々の休日よ。私はここで朝食を摂るつもりだったけど……貴女はもう済ませたのかしら?」
アーニャ「ダー、今日はカエデの手料理でした」
のあ「楓の手料理……?」
のあ(何それ凄く食べてみたいわ)
アーニャ「タコワサ、エダマメ、美味しかったです♪」
のあ「そう……」
のあ(ツマミね。間違いなく)
のあ「それだけじゃ足りないでしょう? ケーキ、二つ頼んであるから一緒にどうかしら?」
アーニャ「……良いんですか?」
のあ「もちろんよ」 ニコリ
のあ(目の前にアーニャちゃんがいるのに二つもバクバクと食べる姿を見せる勇気は無いもの)
アーニャ「……ノアは大人、ですね」 ニコ
アーニャ「とても、憧れます♪」
のあ「……そう、嬉しいわ」
のあ(ぐっ……! 純粋無垢な視線が痛い……! 私はそんなに出来た人間じゃないのに……)
アーニャ「ケーキ……♪」 ワクワク
のあ(可愛い)
のあ「――――ケーキ、どうかしら?」
アーニャ「フクースナ、美味しいです!」
のあ「ふふっ、それは良かったわ」
アーニャ「ノアはここ、お気に入りですか?」
のあ「お気に入り? そうね……」
のあ「確かにお気に入りではあるけど、自分で見つけたお店じゃないから胸は張れないわね」
アーニャ「……?」 キョトン
のあ「この店、教えてくれたのはプロデューサーよ」
アーニャ「っ!? プロデューサー、ですか……?」
アーニャ「…………」 ムッ
のあ(……何だか複雑な表情ね)
のあ「……どうかした?」
アーニャ「……最近、プロデューサーがご飯に連れて行ってくれません……」
アーニャ「ノアは一緒に居る時間も多いのに、お店まで……ズルいです」
のあ「ズルいも何も……一緒に居る時間が多いのは私がまだまだ新人だからよ」
のあ「アーニャも私みたいな時期があったでしょう?」
アーニャ「それは……確かにそうでした」
アーニャ「……あの頃に、戻りたいです」
のあ「……現状に何か不満があるのかしら?」
アーニャ「ニェート、違います。今もとっても楽しいです」
アーニャ「でも、もっとプロデューサーとお話ししておけば良かった、とも思ってしまいます……」
のあ「あら、意外ね」
のあ「アーニャは昔からコミュニケーション能力が高かったイメージがあるわ」
アーニャ「そんなこと、ありません」 フルフル
アーニャ「昔の私、日本語が苦手で無口でした」
のあ「へぇ……」
のあ(この前の収録で、共演したアイドルといとも簡単に仲良くなっていた子のセリフとは思えないわね)
のあ(収録前は『名前で呼ばないで下さい!』って言われてたのに、収録後は『名前で呼んで下さい♪』に変わっていたのを目の当たりにしたときは驚いたわ)
アーニャ「日本語、怪しいとプロデューサーに迷惑がかかると思って、あまり話しかけられませんでした」
アーニャ「――――でも、今は違います」
アーニャ「もっとたくさん、プロデューサーとお話しして、プロデューサーのこと知りたいです……!」
のあ「…………」
のあ(健気……! 可愛い……!) プルプル
のあ(……これは何だか応援したくなってくるわ)
のあ「そうね、とても良い心がけだと思うわよ」
のあ「……私が彼から聞いたもので良ければ、少しは彼のことを教え――――」
アーニャ「――――パジャールスタ!」
のあ「……ふふっ、スダヴォーリストゥヴエム」
アーニャ「……っ! ……スパシーバ♪」 パアッ
のあ(昔興味で調べたロシア語が初めて役に立ったわね……)
のあ(ロシア語……ドイツ語……あまり思い出したくない過去だわ) ズーン
のあ「まずはそうね……プロデューサーの好きな動物から教えましょうか」
アーニャ「ニャー♪」
千秋「……わん」
小梅「にゃ、にゃー……」
楓「にゃー……ふふっ♪」
周子「こんこん♪」
美優「…………」 プルプル
蘭子「わんっ♪」
文香「…………」 オロオロ
のあ「ふっ…………」 ウサウサ
モバP(……事務所のドアを開けたら動物? が、お出迎えしてくれました)
モバP(猫耳、犬耳、狐耳……三船さんは虎? 鷺沢さんは……熊か? で、最後は兎……)
モバP(皆とても似合ってて可愛いけど……何でこんな状況に?)
モバP「……ちひろさん、説明をお願いします」
ちひろ「わんわん♪」
モバP(あなたもですか……)
――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
――――――――――
ちひろ「――――という訳です」
モバP「……えーと、俺が動物好きだという噂が広まって、どの動物が一番好きなのかを調べるために皆で仮装してみたということですか?」
蘭子「然り!」
(はいっ!)
モバP「そうかー……」
モバP(写真とかで良いと思うのは俺だけか? わざわざ耳を付ける理由なんて……)
周子「プロデューサーさん、似合う?」 コンコン
モバP「似合う」
モバP(可愛いからいいか!)
千秋「それでプロデューサー、誰が一番可愛いと思うのかしら?」
モバP「……どの動物が好きかって主旨じゃ?」
楓「まあまあ、細かいことは気にしないで下さい」
モバP「うーん……誰が、か……」 ジー
文香(少なくとも私では無いと思いますが……)
文香(ジッと見られてしまうと緊張します……) モジモジ
モバP(恥ずかしがってる鷺沢さんは可愛いな……)
モバP(やっぱり『アイドルアニマル大運動会』は鷺沢さんでいこう) ウンウン
文香(何だかとても嫌な予感が……気のせいですよね?)
アーニャ(…………ふふっ♪)
アーニャ(プロデューサーの好きな動物、ノアから既に聞いてます!)
アーニャ(プロデューサーはコーシカ、猫が大好きだと!)
アーニャ(この勝負、私とコウメとカエデの戦いになります……!)
モバP「…………」 ジー
楓「……オッドアイの猫ちゃんですよー♪」 クイクイッ
モバP(可愛い)
小梅「……にゃーお……えへへ……」
モバP(可愛い)
アーニャ「アニャー♪」
モバP(可愛い)
美優(虎は……どう鳴くのでしょう?)
モバP「…………」 ジー
美優(ええと……!) アタフタ
美優「が、がおー……!」 ガー
美優(……は、恥ずかしいっ!) カアッ
モバP(かわわわわわっ)
モバP「――――三船さんで」
美優「ええっ!?」
アーニャ「――――ノアっ!」 キッ
のあ「アーニャ、虎もネコ科よ」 フッ
アーニャ「…………っ! 盲点でした……! 私の負け、です……!」
千秋「あなたは何と戦っていたのよ……」
ちひろ「さて、知りたいことも知れましたし、皆さんお仕事に戻りましょうか」 パンパン
モバP「いやー突然のことでしたけど癒されますね、これは」
ちひろ「まあ、たまにはこういうのも良いですね」
モバP「ええ。それに予想以上に似合ってましたし、こういう路線で売り出すのも有りかもしれません」
ちひろ「動物ユニット……。この中なら蘭子ちゃんと千秋さんで犬ペアか、アーニャちゃん小梅ちゃん楓さんの猫トリオですか?」
周子「えー? 普通過ぎない?」
周子「それだとあたし達は余りものになっちゃうじゃん」
文香「……狐と兎、熊と虎……ですか」
のあ「私達、食べられる存在ね。仲良くしましょう、周子」
周子「のあさんよろしくー♪」
周子「……で、プロデューサーは狼?」 ニヤリ
美優「しゅ、周子ちゃんっ!?」
美優(…………虎と狼、どちらが強いんでしょう?)
美優(………………! わ、私は一体何を考えて……!) プシュー
蘭子「月に吠えし獣……」
(狼……)
蘭子「……力を合わせるというのなら、その名には冥界の番犬が相応しかろう」
(……トリオを組むのなら、ケルベロスという名前はどうですか?)
文香「ケルベロス……。ギリシア神話に登場する、主に三つの頭部を有する神話生物ですね……」
楓「…………っ!」
楓「『番犬か? で晩、喧嘩』……ふふっ♪」
小梅「か、楓さんはいつも通り、だね……」
千秋「下手に触れたら負けよ、小梅」
モバP「ケルベロス……」
モバP「カッコ良くていいな、それ。もし仮にそれでユニットを組むなら、誰を選ぶべきか……」
ちひろ「何だかお話が盛り上がってますね……」 ヒョコリ
ちひろ「でも皆さん、分かっているとは思いますけどお仕事の時間は大丈夫ですか?」
モバP「っと……遊びすぎでしたね。この話はまた機会があればにしましょう」
モバP「ちひろさん、今日は旧子供組に付いていきます。帰りは……夕方頃になると思います」
ちひろ「分かりました。皆さん、行ってらっしゃい」
蘭子「うむ! いざ赴かん!」
(はい! 行ってきます!)
周子「その括り方、久しぶりだねー。行ってきまーす♪」
アーニャ「ダー。お仕事、頑張ります♪」
のあ「………………」 フム
小梅「……のあさん? どうか、した……?」
のあ「……大したことじゃないわ。文香は19歳だけど子供組に入っていないのね」
文香「……六人だった頃は、キリの良い年齢の境目がそうでしたので……」
千秋「……楓さんは子供組に入っていないのね」
楓「千秋ちゃん? どういう意味かしら?」
美優「ふふっ……」 クスクス
楓「美優さん、今日は飲みましょう。逃がしません」
美優「ええっ?!」 ビクッ
モバP「――――で、考えてみました!」
周子「こん♪」 コンコン
蘭子「わんっ♪」 ワンワン
アーニャ「ニャー♪」 ニャアニャア
ちひろ「鳴き声を続けると『こんばんわ』って言ってるようにも聞こえますね」
モバP「はい、これなら夕方以降のラジオ番組に引っ張りだこですよ」
モバP「……あ、因みに三人揃った時の共通の鳴き声もあります」 カチリ
< が、がおー >
美優「け、消してくださいっ!」
投下終了。
次回、サンドで最終回です。
オチとかは無いです。
それではまた。
―――― 某日 プロダクション
モバP「……もう十分、ですか?」
ちひろ「はい」 ニコリ
ちひろ「アイドルの皆さんには許可を頂きましたので、これからは通常業務――――以前のようにお願いします」
モバP「ええとそれは……今まで肩代わりしてもらっていた事務作業とかスケジュール管理を俺が行うってことでいいんですよね?」
ちひろ「ええ、ただ人数も増えてますので、もちろん私もお手伝いしますよ?」
モバP「……分かりました。でも何で急にそんなお話に?」
ちひろ「……自分から任せて下さいと言っておいてお恥ずかしい話ですが、ちょっと私の処理能力の限界が来まして……」
ちひろ「最近じゃアイドルの皆さんからも体調を心配される始末になってるんです……」
モバP「す、すいませんっ。全く気付いていませんでした……」
ちひろ「ああ、いえ、謝る必要は有りませんよ?」 アタフタ
ちひろ「心配をおかけしないために、プロデューサーさんにだけは気付かれないようにしていたので……」
モバP「そうだったんですか……」
モバP「……ちひろさんが任せて下さいって言ってくれたのはまだ六人しか居なかった時ですし、人数が増えた今キャパオーバーするのも当然だと思います」
モバP「改めて了解しました。今日からですか?」
ちひろ「いえいえ、明日からで大丈夫ですよ」
ちひろ「……皆さんからは許可を頂けましたが、とても寂しそうな表情をしていました」
ちひろ「今日は皆さんの傍に居てあげて下さい」
モバP「……分かりました」
ちひろ「……もしかしたら最後ということでいろいろと要求されるかもしれませんが、なるべく叶えてあげて下さいね?」 ニッコリ
モバP「あはは……まあ、善処しますよ」
―――― 別棟 レッスンルーム
モバP「――――失礼しまーす」 ガチャリ
千秋「あら……プロデューサー? お疲れさまね」 フゥ…
小梅「お、お疲れさま、です……」 ハァハァ
のあ「………………」 コヒューコヒュー
モバP「皆さんお疲れ様です」
モバP「……高峯さんは大丈夫ですか?」
のあ「……平気よ」 ファサァ
モバP「そ、そうですか? 無理はしないで下さいね?」
のあ「ええ、肝に銘じておくわ……」
千秋「最近は大体こんな感じよ。気にする必要は無いわ」
小梅「……のあさん、デビュー、近いから……」
モバP「なるほど……確かにそうでしたね」
モバP「……無理は禁物ですよ?」
のあ「……自分の限界は分かってるつもりよ」
のあ(この前は超えて大変だったから……)
千秋「それで、今日は何の用かしら? 大方ちひろさんが言っていたことについてでしょうけど……」
モバP「……察しが良いですね、その通りです」
千秋「……正直、あまりピンとは来なかったわね」
千秋「私達はまだ外に出るような仕事もないし、まさか新人の私達を放っておくってこともないでしょう?」
モバP「それはもちろんだけど……」
小梅「……プロデューサー、さん?」 クイクイ
モバP「っと、どうしました? 白坂さん?」
小梅「……あ、会えなくなると、寂しい、よ……?」 ギュッ
のあ(可愛い)
モバP「白坂さん、心配しないで下さい。むしろ事務所に居ることが増えるので、会う機会は増えますよ」 ナデナデ
小梅「ほ、ほんと……?」
モバP「はい」 ナデナデ
小梅「……えへへ♪」 ニコッ
のあ(可愛い)
千秋「……プロデューサー、アイドルとの距離が近すぎるんじゃないかしら?」 キッ
のあ「……千秋もして欲しいそうよ」
千秋「のあさんっ!? そ、そんなこと思ってないわよっ!」 ソワソワ
モバP「えっと……どうします?」
千秋「………………っ!」 グッ…
千秋「……い、一回だけよ。一回だけ触ることを許してあげるわ」
のあ(可愛い)
モバP「……それじゃ失礼して」 ナデナデ
千秋「…………んっ」 ビクッ
千秋「……悪くないわね」 ボソリ
のあ「…………ふふっ」
のあ(とても癒される光景ね。休憩も出来たし、そろそろレッスンに――――)
小梅「……のあさんも、どう、かな?」
千秋「……そうね、せっかくだから味わってみたらどうかしら?」 ニヤリ
のあ「っ!?」
――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
――――――――――
―――― スタジオ 控室
モバP「………………」
蘭子「…………」 ギュウ
文香「…………」 ギュッ
モバP「………………」
蘭子「…………」 ギュー
文香「…………」 ギュギュー
モバP(……かれこれ20分くらい正面と背中から抱きつかれているんですが、緩急を付けるのは本当に止めてほしいです)
モバP(背中にその……ね? 鷺沢さんのが、ね?)
モバP「…………あの」
蘭子「……しばし待て」
(もう少しこのままで……)
文香「もう少しだけ……お願いします……」
モバP「………………」
蘭子「…………」 スリスリ
蘭子「……書を司る者よ」
(……文香さん)
文香「…………」 ムギュー
文香「……神崎さん?」
蘭子「我もその喜びを享受せん」
(場所、交換しましょう)
文香「……喜んで」
モバP「…………まだ続くのか」 アハハ…
蘭子「――――……堪能した!」 ムフー
(――――……暖かかったです!)
文香「……とても良い、経験になりました」 ハフゥ
モバP「……二人が満足してくれて何よりです」
蘭子「ククク……我が友よ、勘違いするな」
(プロデューサー、違います)
蘭子「時間が許す限り戯れたいのだぞ?」
(時間があるならもっとギュッてしたいんですよ?)
モバP「ははは……。この後は仕事もあるし、今日はもう……な?」
蘭子「むぅ……」 ショボン
文香「……神崎さん、そう落ち込まないで下さい」
文香「プロデューサーさんは、『今日は』と言いました」
文香「……この意味が、分かりますね?」
蘭子「っ! 確かに……!」
モバP「いや、確かにそう言いましたけど……お手柔らかに頼みますよ?」
モバP「私と皆さんはあくまでプロデューサーとアイドルなんですからね?」
蘭子「………………」
文香「………………」
モバP「お願いですから返事をして下さい」
蘭子「我が友よ、確認するが一切会えなくなるわけでは……あうっ……」 ジワッ
モバP「何度でも言いますけど、そんなことはありません」
モバP「安心して下さい、神崎さん」
蘭子「ううっ…………」 グスッ
蘭子「……我が髪に触れることを許可する」
モバP「へ?」
蘭子「…………その、撫でてください」 モジモジ
モバP(可愛いなぁもう!)
文香「……………」 チョンチョン
モバP「……鷺沢さん?」
文香「……私も、いいでしょうか」 ジー
モバP「……分かりました」
モバP「…………これでいいですか?」 ナデナデ
蘭子「んっ……♪」 ニコニコ
文香「……あと30分……お願いします」 ニコリ
モバP「長過ぎです」
――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
――――――――――
―――― プロダクション 休憩室
モバP「――――メールに書かれてたからここに来ましたけど……」
モバP「……えーと、一応聞きます。俺はどうすれば?」
アーニャ「ダー、とりあえず私の隣に」 ポンポン
周子「まあまあ、とりあえずあたしの隣に、ね」 ポンポン
モバP「……椅子とかソファとかならともかく、ベッドに腰かけるのはちょっと……」
モバP(アイドルと並んでベッドに座るとか、絵面的にアウトだろ……)
アーニャ「……? チヒロさんから聞きました」 キョトン
アーニャ「プロデューサー、何でも言うこと聞いてくれます。違いますか?」
モバP「ああ、何だか変に伝わってるんですね……」 ゲンナリ
周子「まあ最後だし、そのくらいのワガママはいいでしょ?」
周子「いつもは隣で寝てても気にしないじゃん、ね?」
モバP「塩見さん、運転席と助手席は隣とは言いません」
アーニャ「……プロデューサー、どういうことですか?」 ゴゴゴゴ
モバP「くっ、話がややこしく……!」
周子「んふふー♪」
アーニャ「……♪」 ムギュー
アーニャ「プロデューサー、暖かいですね♪」
モバP「……そうですか」
モバP(結局アナスタシアさんに押し切られてしまった……)
周子「何だか浮かない表情してるねー?」 ギュー
周子「男性的には嬉しい状況じゃないの? 女の子二人に添い寝してもらえるなんて滅多に経験できないでしょ?」
モバP「これが担当アイドルじゃなきゃ嬉しいですよ、ええ」
アーニャ「……嫌ですか?」 ウルウル
モバP「そんなことは無いです」
モバP(――――もうどうにでもなれ)
周子「うんうん、正直になった方が楽だよ?」
周子「このまま寝ちゃおっか♪」
モバP「いや、上着は脱いだけどスーツのままだし、このまま寝るのは難しいな」
アーニャ「脱ぎますか?」 ピコーン
モバP「アナスタシアさん、良いことを思いついたって顔をしてますけど、絶対に脱ぎませんよ」
周子「かーらーの?」
アーニャ「……!」 ワクワク
モバP「フリでもないです」
アーニャ「むぅ……」 ショボン
周子「プロデューサーさんは手強いなぁ……」
周子「……あたし達、そんなに魅力無い?」
モバP「……塩見さん、顔が笑ってます。俺の反応で楽しんでますね」
周子「もちろん♪ これからこういうことする機会も減っちゃうんだし、楽しんでおかないとねー♪」
アーニャ「ダー、シューコの言う通りです」
アーニャ「だから今日は、プロデューサー成分? たっぷり貰います♪」 ニパー
モバP「そんな日本語、誰が教えたんですか……」
アーニャ「ミユが言ってました」
モバP「まさかの人だった!」
周子「もー、プロデューサーさん? うるさくて眠れないんだけどー?」
モバP「抱き付いたまま寝ないで下さい。離すのも一苦労するんですから…………はっ!?」
アーニャ「んっ……♪」 ギュギュギュー
周子「へぇ……♪」 ムギュギュー
モバP「ぐええっ……!」 ミシミシ
――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
――――――――――
―――― プロデューサー自宅
楓「――――かんぱーい♪」
美優「か、乾杯……」
モバP「……乾杯」
モバP(乾杯の音頭、もう三回目なんですけど……)
楓「プロデューサー? せっかくの飲みの場なのにノリが悪いですよ?」
楓「もっと楽しみましょう? ふふふっ♪」 グビグビ
美優「楓さん、いつにもましてご機嫌ですね……」
美優「……すいません、プロデューサーさん」
モバP「いえ、三船さんは悪くありませんよ。強いて言うなら悪いのは俺です」
モバP「『プロデューサーの自宅が見たい』って言った高垣さんの真意をもっと深く図るべきでした」
モバP「まさか宅飲みをすることになるなんて……ね」 グビリ
美優「あ、あはは……」
楓「だってプロデューサー、こうでもしないと自宅に招き入れてくれないでしょう?」
モバP「プロデューサーの部屋にアイドルが来るっていうのが問題なんですよ……」
モバP「……もうどうにもできませんからいいですけど、騒ぐのはほどほどにして下さいね。隣とか下の人に迷惑がかかりますから」
楓「はーい♪」 キャッキャッ
美優「ええとその、すみません……」 ペコペコ
モバP「何と言いますか、手のかかる娘を持った母親みたいですね」
美優「年齢は楓さんの方が上なんですけど……飲みに行くと大体いつもこんな感じです」
モバP「……ご愁傷様です」
美優「いえ、慣れましたので……」 アハハ
楓「……美優さんばっかり構って……ズルいです」 ムスー
楓「私ともお喋りしましょう♪」 ニコリ
モバP「お喋りって……例えば?」
楓「そうですね……私と美憂さん、お嫁さんにするならどっちですか?」
美優「ええっ?!」 ビクンッ
モバP「高垣さん、後に残るような質問は止めましょうねー」
楓「……仕方ないですね。分かりました、お父さん」
モバP「誰がお父さんですか。もう酔ったんですか?」
楓「まだまだですよ。さっき、私のことを娘って言ってましたよね?」
モバP「例えですよ、例え」
楓「……残念ですね、美優さん」
美優「えっ、私ですか……?」
楓「……美優さんがお母さんで私が娘なら、プロデューサーは何になるんでしょうね?」 ニヤリ
美優「…………!」
モバP「……三船さん?」
美優「…………っ」 グビグビグビッ
美優「――――どうかしましたか、『あなた』?」 ニコッ
モバP「三船さんっ!? 何で乗るんですか!?」
楓「だーだー♪」
モバP「高垣さん退行し過ぎです! やっぱり酔ってますよね!」
美優「あなた、一杯どうぞ」
モバP「この状況で――――」
美優「私のお酒が、飲めないと?」 ニッコリ
モバP「い……頂きます」 ビクビク
モバP(――――だ、誰か助けてー!)
モバP「…………」
楓「…………」
美優「…………」
ちひろ「プロデューサーさんから緊急のメールが来たと思ったら……」
ちひろ「……何か言いたいことはありますか?」 ニッコリ
「「「……すみませんでした」」」
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――
――――――――
――――
アーニャ「チヒロさん、もう限界です……」 ウズウズ
周子「何だか最近身が入らないんだよねー」 ハァ…
蘭子「……狂乱の宴はまだか?」 モジモジ
(……もう我慢できません)
文香「………………」 ジーーー
美優「……あ、はい。私は大丈夫です……ええ……」 ボー
楓「お酒……」 ショボン
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