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    元スレ京太郎「とにかく愛でてみたい、そう思ったんだ」

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    タグ : - 京太郎 + - + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    201 = 1 :

    京太郎が好き。
    初めて会った時から、衣は京太郎に恋をしていた。
    囚われて一人ぼっちだった私を、迎えに来てくれた。
    でも、京太郎が向けてくれる笑顔はとても寂しいもの。
    何故京太郎は、そんな笑顔をするんだ?
    私が見たいのは、心の底からの笑み。

    「………そんな、妄想を抱く衣は、何処へ向かうのだろうな」

    京太郎「はい?」

    「いや、戯言だ。気にするな、京太郎」

    京太郎「分かりました」

    「うむ」

    最近、衣は妄想に耽っていた。
    透華たちに縛り付けられ、囚われている衣を助け出す京太郎の話だ。
    寝ても覚めても、そんな訳の分からない物語が頭の中に紡がれている。
    意識を外すと、途端にそれが現実なんだ、と思い込もうとする自分がいて、恐怖を覚えたこともあった。
    京太郎は危険だ。
    衣はそう判断した。
    もはや、この家にまともな人間は一人としていない。
    純は、力で京太郎を制しようとした。
    強引に幾度となく京太郎を抱いただろう。
    透華は、欲望を抑えようとしていた理性が崩壊した。
    もはや京太郎を求めることに何の躊躇もしないだろう。
    智紀は、その豊満な肉体で京太郎を誘惑した。
    貪るように、何度も何度も京太郎を食らい続けた。
    一は、京太郎を観察し続けた。
    全ての媒体を利用して、京太郎を見、聞き続け、記した。
    そして衣は……妄想激しく、自分を悲劇のヒロインと思い込み、京太郎に縋ろうとしている。
    衣には予感がある。何れ、今の衣はいなくなり、あの衣こそが本物になるだろうと。
    でも、衣にはそれを止める術は無い。
    この衣も、京太郎を求めるのだ。
    あの衣だけじゃない、この衣も。強く京太郎を求める。

    202 = 1 :

    誰にも渡したくない。
    全てを己の自由にしたい。
    寝、起き、活動する、その全ての時間に介入したい。
    縛り付けたい。
    閉じ込めたい。
    犯したい。
    その全てを。

    あの衣は狂っている。
    衣はそう考えていた。
    だが、この衣も狂っている。
    普通なんかじゃない。
    このまま行くと、本当に取り返しのつかない事態になる。
    理解はしている。予想もできてる。
    それでもしがみ付く。
    京太郎という甘い蜜を離したくない。
    衣はここまで愚かだっただろうか……。
    大事なみんなを犠牲にしてまで、モノに執着する。
    自分が大嫌いになった。

    京太郎「衣さん、あーん」

    「あーん! 美味しいぞ! 京太郎、あーんだ!」

    京太郎「あーん……本当、美味しいですね」

    思考が蕩ける。
    馬鹿みたいだ。
    冷静に衣を観察する自分がそう告げた。
    だからどうした。
    だからどうした?
    馬鹿はお前だ。
    馬鹿はお前だ!!!!!!

    203 = 1 :

    「京太郎、衣の頭を撫でてほしい」

    京太郎「はい。俺でよければ」

    「京太郎じゃなきゃダメだぞ!」

    京太郎「それは嬉しいです。ありがとうございます」

    「ふにゅ……」ニヘラ

    どうして京太郎を手放せる。
    こんなにも愛しい京太郎を。
    好きなんて感情じゃもう言い表せられない。
    愛してるなんて感情でも抑えきれない。
    この気持ちはなんと言うのだろう。
    私には分からない。
    分からなくても良い。
    もうどうでもいい。
    私を救い出してくれる京太郎に全てをささげるだ

    ザザッ!!

    「ッ!」

    京太郎「衣さん? 大丈夫ですか?」

    「あ、あ…あぁ……少し具合が悪いから、お手洗いに行ってくる…」

    京太郎「は、はい」

    204 = 1 :

    洗面台へ向かい、顔を洗う。
    何度も水をかける。
    あぁ……もう、永くは無い。
    衣は、もうそろそろ死ぬ。
    そして京太郎を病的なまでに愛し、信頼し、追いかけ続ける衣が絶対的な存在として誕生する。
    今なら、まだ引き返せ

    ザザッ!

    「あぐっ! ぐっ…は、はぁ! はぁ…!」

    頭に霧がかかり、電流のようなものが走る。
    自分がどうなってるのか分からない。分からなくて、怖い。
    戻りたい。皆で楽しく過ごしていたあの日々に戻りたい。
    京太郎を含めて、仲良く平穏に過ごしていたあの日々に。
    無理だ。
    もう誰も戻れない。
    衣一人だけ、今から戻っても、もう傍には誰もいない。
    誰も、いない……トーカも、一も、純も、智紀も……………。

    「う……あぁ……! あぁあぁあああ……」ポロポロ

    膝が崩れ落ちる。
    涙が溢れ出て、止まらない。
    嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!
    もう一人になんてなりたくない!!
    せっかく……せっかく…!

    205 = 1 :

    「うぅうううううぅうう……!!!!」

    プツンッ

    泣いている私を、京太郎は迎えに来てくれる。
    きっと来てくれるんだ。
    私はそう信じてる。

    京太郎「衣さん? だいじょう……衣さん!?」

    ほら、来た。
    来てくれるんだ。京太郎は。
    本当に私を想ってくれる。
    意地悪な透華たちから、私を守ってくれる、王子様。
    この人に私の全てを捧げよう。
    でも、透華たちも京太郎を狙っている。
    どうしよう。
    どうしたら。
    そうだ。
    そうしよう。
    それしかない。
    それが良い。
    それが唯一。

    「京太郎……私を、遠くまで連れていってくれ……いつまでも、抱きしめてくれ…」

    この夢(はなし)は、もう二度と覚めない。

    衣編、完。

    206 = 1 :

    >>1より

    皆とイチャイチャしよう!→気が付いたらぶっ壊れていく姿を見ていくことに
    こうなりゃ突き抜けよう!→突き抜けすぎ
    他のスレでイチャイチャ書こう!→安価にしたらすごい勢いで京太郎が嫌われる
    イチャイチャできねぇ←イマココ

    もう修羅場だけかいてろってお告げかな

    それでは失礼します

    207 :

    イチャイチャ書きたいなら安価でなく思うままに書いたらいいだけ

    209 :

    >>207
    思うままに書いた結果がこのSSなのでは?

    210 :

    京太郎が思い悩んでいるから悲惨に見えるんだ開き直らせればいい

    212 :

    あ、あがいてやるの人か!
    アレ初期好感度で平均(50)をギリ超えたが最大だからなぁ、現状ww
    と言うか8割型ちね(真顔 レベルの好感度と言う。

    213 :

    ……………こんなことになるなんて、思わなかった。
    なんていうのは嘘だ。
    清澄のこともあった。だから確信していた。

    「邪魔すんじゃねぇよ。京太郎は、オレのだ」

    「意味わかんないよ純くんそれ。何言ってるの。大丈夫?」

    京太郎「三人で、遊びましょう?」

    「京太郎がそう言うんならオレに異論はないぜ。ただ……夜は覚悟しとけよ?」ボソッ

    京太郎「はい。俺は純さんの傍に」

    「…………」ガリッ

    京太郎「一さん、あとで一緒に俺が作ったケーキを食べましょう?」

    俺は裏方に徹する。
    波風を立てないように、必死になって這いずり回る。
    媚を売り続ける。
    俺が介入しないところで何が起こってるかなんて、知りたくもない。
    もう何も考えたくない。怖い。

    京太郎「智紀さん…い、痛いです…」

    智紀「……。ごめん」

    透華「京太郎さん……少し、ついてきてくださいます…?」

    京太郎「あ、はい……いっ…!」ギュッ

    智紀「…………」

    透華「……智紀……?」

    智紀「…………」

    京太郎「智紀さん、すぐに戻ってきますから。ね?」

    智紀「…わかった」

    快楽を与える性奴隷のようなものにも、夢を見せてあげる機械にでも。
    なんでもなってやる………。
    怖いのは嫌だ…痛いのは嫌だ…怒られるのは嫌だ……。

    「…京太郎…なぜ私を受け入れてくれないんだ……そうか、呪いか…呪いを受けているのか?」

    京太郎「いえ……その、自制をかけています。衣さんは、清くいてほしいので」

    「契約のことか…そのことならば気にするな、京太郎とならば、違反にはならぬだろう」

    京太郎「……そ、うですかね…? よく分かりませんけど…」

    「そうだ。今宵は盛大な血の儀式によって二人の永遠を誓おう」

    京太郎「…は、はい…」

    「大丈夫だ。あの悪魔たちには邪魔はさせん。京太郎は優しいから殺すなとは言うが、私の邪魔をするならば容赦はさせないから」

    京太郎「…! は、はい! 俺は衣さんに全てを捧げます!」

    「あぁ…力は得た。もう京太郎を手放さないと宣言するぞ」

    俺は、もう須賀京太郎では無くなった。
    誰でもない。都合の良いモノだ。
    でも、それが気持ちの良いモノなら。
    もう、なんでも、いいや。

    あぁ。気持ちいい。
    気持ちいい。
    快楽に溺れて一生を終えよう。
    俺の役目はこのヒトたちを悦ばせることだけだ。

    龍門渕編、完。

    214 :

    狂 気

    215 = 1 :

    というわけで、永かったモンブチ編、カンッ!

    >>1より

    いやー………うん、なんだこれ。
    これ需要あったのかな。いや凄い伸び伸び書いてる私が言うのも凄いなんですけど。

    たぶん誰も気づいてないと思いますけど、私ってヤンデレが大好きなんですよね。
    だから書いてるとどうしても自分の趣味に引っ張られていくようで……。

    いや、個人的にはすごい好きなんですけど、やっぱり見てると…ね。
    ちなみに修ラヴァは私の愛読SS様です。修羅場サイッコ。

    離れた読者様もいらっしゃったと思います。
    でも、見てくれている方々のレスの一つ一つが、たとえ批判文だったとしても、活力になりました、ありがとうございます。

    と、エンディングっぽく書いてますが、まだ終わる気はそんなにありません。
    この後、モンブチ編トゥルーエンドを書いて、次の学校へ向かうことにします。
    どこが良いとかありますでしょうか?
    リクエストがありましたら、京太郎に飛んでもらいたいと思います。

    216 = 214 :

    清澄、モンブチと来たし次は鶴賀とかどうだろう

    217 = 1 :

    >>216
    順当に行くなら鶴賀ですかね、やっぱり。
    また幸せな日常にいる女の子を暗い欲望の中に叩き落とすのは、本当に心が痛みます。

    218 :

    長野勢は好きなキャラ多いからどの高校も楽しみ
    京ちゃんと離された後の高校も見てみたいかな

    219 :

    乙です
    この衣は初めてで自分から腰を振りそうだな(遠い目)
    鶴賀の次は風越で、その次は…  阿知賀あたりか…?

    220 = 1 :

    >>219
    ただあまりヤンデレの引き出しも無いので、これ見たことあるなぁ…ってなっちまうかも知れませんが、よろしくご容赦を。
    それでは良いヤンデレライフを!

    221 :

    いつの間にか修羅場スレになってたでござる
    増えてほしかったからよかった

    222 :

    何年後かの大会では金髪率が高くなるんだな。

    223 :

    中学生組を…

    224 :

    イッチの「愛でる」が「ヤンデレ量産する」ってルビ振られてるんだよなぁ……ww

    225 :

    おつおつ

    続きが気になるぜ

    226 :

    修羅場スレが停滞してるからこのスレは本当にありがたい

    227 :

    京太郎「ッハー……やべぇやべぇ、生きた心地がしなかったぜ……」

    京太郎「にしても、ハギヨシさんとした演技の勉強がこんなところで役に立つなんてなぁ……」

    というわけで、龍門渕を陥落に成功した。
    ……けど、良かったのかなぁこれで……。
    透華さんとハギヨシさんっていう大きな力を手に入れたものの(ハギヨシさんも骨抜きにした)、自分のやってることが良いことには思えない。
    あんなに仲の良かった龍門渕が、俺と言う存在で崩れ去るなんて……。

    それにしても、部長のやり方は賛同はできないけど本当に上手いものだ。
    清澄で酷い目にあったという情報を途中から演技も交えてハギヨシさんに伝え(実際酷い目にはあったからリアリティーが出せたと思う)、上手くハギヨシさん経由で龍門渕に取り入れたのだから。

    京太郎「それにしても、こんなことして意味なんてあるのか? 俺が女の子を落としたところで精々好きなように動かすか情報を引き出すだけ……わざと負けてなんて言って大会に勝ったところで部長は満足しないだろうし……」

    京太郎「さ、てと……透華さんの力を使って鶴賀学園に潜り込むか……ハギヨシさん」パチン

    ハギヨシ「はい、なんでしょうか京太郎様」シュン

    京太郎「そ、そんな……ハギヨシさんにそんな、様付けなんてされたら、俺、寂しいっす……」

    ハギヨシ「……は、はい。京太郎くん……ごめんなさい」キュン

    京太郎「俺、鶴賀学園に行きたいんですけど、どうにかできませんか?」

    ハギヨシ「鶴賀、ですか。はい、お嬢様の力を使えば容易です」

    京太郎「本当ですか? ならお願いしてもいいですかね?」

    ハギヨシ「はい! もちろんです! だから……」

    京太郎「……はい、分かりました」ニッコリ

    ハギヨシ「それでは!」ヒュン

    京太郎「……ハギヨシさんがホモじゃなくて助かった……」orz

    京太郎「うし……一回家に帰って準備するか。清澄の皆も可愛がらないとなにしでかすか分からんしな、と」

    京太郎「…………今度は皆仲良くできるようにしたいな」

    to be continued...

    228 :

    >ハギヨシさんも骨抜きにした
    こーわーいー

    229 :

    ハギヨシさんまで陥落してるのか…

    230 :

    えっ!?
    ファッキューヒッサ

    231 = 1 :

    短いけどここまで。

    >>1より

    これは正規ルートなので、龍門渕エンドとは別世界線のお話です

    次回より鶴賀学園編スタート!
    あなたは、この狂気を乗り越えられますか……?

    232 :

    狂気は乗り越えるんじゃなく受け入れるもんだからな、大丈夫だ

    233 :

    ヒャーこわいな京ちゃん

    235 :

    有力所を麻雀<<<京太郎にして大会自体出場させないとかか?

    236 :

    しかし永水だと上下関係がしっかりしてる分
    逆に監禁されそうだな

    237 :

    骨抜きにしたところで逆効果の可能性も出るんだよな
    京太郎を奪い取るという意味で

    238 :

    狂気なんてもんじゃねえ!

    239 :

    睦月「須賀くん、麻雀部には慣れたかい?」

    京太郎「はい! だいぶ慣れました! 先輩方が優しく教えてくれるんで、本当に助かってます!」

    睦月「うむ。良いことだ」

    須賀くんが鶴賀学園に入学し、麻雀部に入って一月が過ぎた。
    人懐っこく、犬のように誰かれ構わず近寄って仲良くなる彼は、既に麻雀部、鶴賀学園に溶け込んでいた。

    私自信、須賀くんの存在に惹かれていっている。

    須賀くんのことは後輩として好きでいる。
    こんなにも働き者で、それでいて愛嬌があって、可愛い須賀くん。
    私に見せてくれる笑顔は、何よりも一日の疲れを癒してくれる。

    睦月「うむ……」

    京太郎「どうかしました?」

    睦月「いや…良いものだな、と」

    京太郎「あはは、なんですかそれ!」

    佳織「あ、須賀くん、津山先輩、こんにちは」

    京太郎「妹尾先輩、こんにちは! いよぉーし、四人そろいましたね! 始めますか!」

    睦月「ん? まだ三人しか…」

    京太郎「え? …あ、そうか、桃子さん見えないんでしたっけ? 不思議な話ですねー!」

    桃子「バレてたっすか。なんで須賀くんには聞かないんすかねー?」

    京太郎「前の学校では影が薄いことで有名でしたから! 桃子さんの陰気力じゃあ俺には勝てないですよー?」

    桃子「陰気力ってなんすか!? 私そんな陰気キャラじゃないっすよ! 影が薄いだけで!」

    佳織「アハハハハ!」

    240 = 239 :

    おっと、ミスった。


    須賀くんは、誰とでも仲良くなる。
    一番初めに仲良くなったのは、私だ。
    だがあっという間に友人の輪を広げた。
    彼が冗談めかして影が薄かったというが、大嘘だろう。
    須賀くんは入部当時から桃子のことが見えることで話題になった。
    何故彼には桃子が見えているんだろう?
    以前、運命の赤い糸で…などとふざけていたが。

    私はそんなもの認めて無い。

    他校生の言葉を借りるなら、そんなオカルトあり得ない、だ。

    京太郎「ぐあああああああああ!!! 飛びだあああああ!」

    桃子「相変わらず弱いっすねー須賀くん」

    佳織「えへへ、一緒にがんばろうね?」

    京太郎「ええ! 妹尾さんにそう言われたらもうやる気しか出ないですわ!」

    桃子「むっ……須賀くん、なんなら一緒に麻雀の勉強をするっすか? かおりん先輩にはもう一段階上のむっちゃん先輩に教えてもらう方がいいっすし」

    佳織「……それなら四人でやった方がいいんじゃないかな?」ニッコリ

    京太郎「ですね! 睦月先輩、他の人が来るまで四人で勉強しましょう勉強」グイッ

    睦月「う…うむ。そうだな。はは」

    今、桃子と妹尾さんから尋常じゃない殺気を感じた。
    はは……愛っていうのは、人を変えるらしい。
    一か月前まで温厚だった二人が、愛の為に人に殺気を送るまでになったか。
    まぁ…良いだろう。

    私だって、譲ってやるつもりは無いから。

    別に私にとやかく言う資格は無いからな。

    京太郎「それじゃ、お疲れさまでしたー!」

    241 = 1 :

    ゆみ「ああ、須賀。途中まで一緒に帰ろう。まだ迷うだろ?」

    京太郎「おお、本当ですか! 放課後デートですね!」

    ゆみ「で、でーと? そ、そんなつもりは無かったんだがな……」テレッ

    こうやって、須賀くんはよく部内に爆弾を落として行く。
    先輩は気付いていないようだが、部内の空気が異常に濁っている。
    普段見えない桃子すら見える有様だ。

    ……私も、少なからず嫉妬心をにじみ出している。

    そこまで須賀くんが好きな四人を見ていると、この先の部の行く末が激しく気になって仕方無い。
    内部崩壊しないよな…?

    桃子「あ、自分も一緒していいっすかね? いいっすよね?」

    ゆみ「え? あ、ああ……か、構わないが…」シュン

    京太郎「桃子さん!? 俺と加治木先輩の恋路を邪魔するんですか!? 馬に蹴られて死にますよ!?」

    ゆみ「こい!?」

    佳織「え? それっていったいどういう意味かな?」ゴゴゴ

    京太郎「ナンデモナイッス」

    智美「皆で帰れば解決だなー」ワハハ

    ゆみ「そ、そうだな…みんなで……」シュン…

    242 = 1 :

    若干先輩がかわいそうにも思ったが、恋は戦争。
    私もこの流れに乗らせてもらう。

    他の人間を近づけてなるものか。

    私はあまり興味が無いが、輪から外されるのは寂しいものだ。
    五人で、主に須賀くんを中心にして帰路に着いた。
    全員、心なしか須賀くんに近い。
    桃子なんて影が薄いのに乗じてぴったりくっついている…ようだ。
    須賀くんの動きから想像してるに過ぎず、それ以外分からないが。
    須賀くんが若干顔を赤くしているあたり、胸を押し付け…?

    忌々しい話だ。

    可愛らしいものだ。
    片方が見えないとは言え、後輩男女の仲睦まじい…と思われる場面を見るのは、思わず笑顔になってしまう。
    初々しい…といっても私も恋愛経験など無いが…二人を祝福しつつ、全員の応援をすることにする。

    苛立たしい。

    妹尾さんが須賀くんの近くで何かをやっている。
    どうやら桃子さんを引きはがしたようだ。
    恋する乙女は、怖い。

    休日、私は須賀くんを見かけ、つい後をつけてしまった。

    須賀くんの動きを把握していたい。そう思った。

    何故須賀くんを追ったのか分からないが、休日彼が何をしているのか気になったのだ。
    公園に着いた彼は、だれかに電話をしていた。
    親しげだ。

    女か?

    誰だろう…友人かな?
    っていやいや、私は何をしているんだ……こんなプライバシーを覗き見るなんて、最低の―――

    透華「京太郎……お久しぶりですね」

    京太郎「はい、透華さん。元気そうですね」

    243 = 1 :

    ナンダアレハ? オンナダ。 アレハタシカ。

    龍門渕……のお嬢様じゃないか…?
    何故須賀くんと彼女が…もしかして、こいび

    ユルサレナイ。ソレハゼッタイニユルサレナイ。

    恋人か?
    何故私の胸がこんなに…張り裂けそうなんだ…苦しい……。

    コロス。コロスコロスコロスコロス。
    カレハワタシダケノモノダ。

    そうか…私も、彼に恋をしていたんだ。
    はは、そうか…失恋してから気付

    イマスグデテイコウ。
    ソシテコロス。
    ナイフデサス。ソレデオワリ。
    アトハスガクンヲ………。

    でも、仕方ない…これが真実なら、私はおとなしく引き下がろう。
    須賀くんには幸せになってもらいたい。
    大人しく引き下がって。

    ダメダ!!!!!!!!
    ハイジョ!!!!!! ハイジョハイジョハイジョ!!!!!!

    須賀くん………助けて…胸が痛い………。
    声にならない声が、胸の動きを更に早める。
    もう見ていたくない……。

    睦月「須賀くん……ちょっと、良いか?」

    京太郎「はい?」

    次の日、昼休みに須賀くんを呼び出して二人、屋上にやってきた。

    244 = 1 :

    京太郎「な、なんですか? もしかして、愛の告白!?」

    睦月「昨日、会っていた龍門渕さん、もしかして須賀くんの彼女…?」

    京太郎「………え? …あちゃー、見られてましたか……」

    睦月「……そうなの?」

    京太郎「アハハ。そうです。透華さんは俺の彼女ですよ?」

    それを聞いて、私は頭がカァーっと熱くなっていった。
    何をしでかすか分からないくらい、意識が混乱する。

    京太郎「…あの、それがどうかしましたか?」

    睦月「………須賀くん。私は君が好きだ」

    京太郎「えっ? 唐突っすね…?」

    睦月「須賀くんのことが頭から離れない。須賀くんのことを考えると……」

    私は、ワタシではなくなってしまう。

    好きだから。

    手にしたい。

    無理だと言うなら。

    コロスしか――

    245 = 1 :

    京太郎「もう……それなら、付き合いますか?」

    睦月「えっ!?」

    京太郎「その代り、二股……はは…ってことになっちまいますけど」

    睦月「……………………」

    京太郎「それでいいなら、俺は睦月さんを愛しますよ。無理なら、諦めてください」

    京太郎「どう、しますか?」

    睦月「………私は……そ、それ、それでも……」

    良いのか? 二股なんて……ユルセル―

    京太郎「安心してください。睦月さんといる時は、睦月さんしか愛しません。俺に協力してくれるんなら、もっと愛します。どうですか?」

    京太郎「俺のこと、受け入れてくれますか?」

    須賀くんが、手を広げる。
    その胸に、収まれば……私は須賀くんに、愛される?

    思った時には、既に胸に飛び込んでいた。

    京太郎「はは、可愛いですね、睦月さん。ノータイムだなんて……」ナデナデ

    睦月「…………私は、馬鹿だ。馬鹿でも、須賀くんに愛されるんなら――」

    唇を重ねられた。
    驚きはしたが、それよりも須賀くんを受け入れてしまう。

    京太郎「もう言葉はいらないですよ睦月さん。ね? 俺のモノに、なってくれますよね?」

    睦月「なる…! 私、須賀くんのモノに…」

    京太郎「京太郎で良いですよ……ンッ」

    睦月「あ、んっ……」チュウ

    初めてが学校の屋上なんて……。
    誰か来ないか、どうしようもなく不安で……。
    でも、須賀くんと結ばれたというどうしようもない事実が……。
    私を快楽の波に押し流していく……。

    睦月編、完。

    246 = 1 :

    >>1より

    ようやく、タイトルまで戻ってきましたね……

    それでは。

    247 :

    乙です
    静かさが逆に怖かった

    248 = 1 :

    >>247
    みなさんは狂気を期待していたでしょうが!!!
    私は可愛い女の子が書きたい!!!!!
    え? 嵐の前の静けさ?

    ………(震え

    250 = 247 :

    >>248
    もちろん狂気大好きよ
    出て来てないワハハも期待


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