元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「きっと、これからも」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
201 :
待ってました。欲を言えばもっと読みたい
202 = 1 :
それとここで、お詫びとお知らせを一つ。
申し訳ありませんが、楓さん編は断念する事にします。あと、ライラさん編も。
一応どちらも内容は考えてあるんですが、上手く筆が乗らないし、このペースだと一生終わらないような気がしたので…
途中まで書いておいて中途半端ではありますが、このままダラダラ書いてるのも問題なので、ここで一旦諦めようと思います。その内完成出来たら渋の方にでも上げようと思いますので、楽しみにしてくれていた方はそちらをお待ちください。本当にすいません! 前スレの>>240>>244の方たちも申し訳ありませんでした!
203 :
乙乙
3人で集まった話を聴く凛
204 = 203 :
pixivで待ってます
205 = 1 :
なのでこれからは、今書いてる番外編と凛の後日談を書いて、このスレを終わらせようと思います。
勝手な判断ではありますが、どうか最後までよろしくお願いします。
206 :
乙
筆が進まないなら仕方ないね 了解
207 :
渋の方教えてくれてもええんやで
208 :
乙
結局八幡と凛がメインだからしゃーないね
209 :
凛ちゃんがシンデレラガールになるなら蘭子が2代目シンデレラになった場面も入れてほしいな
210 :
楓さんは無しか…残念だ
まあ進まないならしょうがないよね
212 :
それからの風景 その5
小町「ほらほらお兄ちゃん、早くしないと置いてくよ?」
八幡「待てって。そんな急がんでも大丈夫だろ」
小町「しょーがないじゃん。今日は新曲の発売日だよ? 売り切れてたらどうするの!」
八幡「いや、俺予約してるし」
小町「小町はしてないの!」
八幡「(だから一緒に予約しとくかーって念の為訊いたんですけども……)」
小町「あー大丈夫かなー」
八幡「別に限定品なわけでもないし、大きいCDショップならそうそう売り切れたりしねぇだろ」
小町「……ちなみにお兄ちゃん、何枚買ったの?」
八幡「そんな事訊いてどうするんだ」
小町「やっぱり一枚じゃないんだね……いやーもし売り切れてたら小町に一枚…」
八幡「断固として拒否する」
小町「えー! 何で!?」
八幡「当たり前だろ。保存用、布教用、鑑賞用、PC読み込み用で予約したんだからお前に譲る分など無い」
小町「お兄ちゃん布教する相手いないでしょ……っていうか五枚も予約したの!?」
八幡「これくらい訓練したPなら当然と言えるな。……ってか今サラッと酷いこと言いませんでした?」
小町「気のせいじゃないかな。まぁ、お兄ちゃんの場合リアルに元Pだしねー」
八幡「とはいえさすがに五枚は冗談だけどな。予約したのは二枚だけだ」
小町「おや意外。普通に観賞用と保存用?」
八幡「ああ」
小町「なら、小町に譲ってくれても良いと思いますが、いかがでしょうか!」
八幡「断固として拒否する」
小町「えーんいけず! 頑固者! 石頭! アホ毛!」
八幡「アホ毛を悪口みたいに言うな。ってかお前にも生えてんだろ!」
小町「男と女の子のアホ毛に等しく価値があるとは思わない方が良いよ、お兄ちゃん」
八幡「……何故だろう。珍しく小町の言葉に反論できない」
213 = 1 :
小町「そんなこんなでとうちゃーく!」
八幡「並んではいないが……混んでるな」
小町「さっき開店したばっかりなのにね。さすがはデレプロ!」
八幡「みんながみんなデレプロ目当てとは限らねぇけどな」
小町「そんなこと言わない。ほら行くよ!」
八幡「へいへい」
小町「えーっと、新譜のコーナーはっと…」きょろきょろ
八幡「…………」きょろきょろ
どんっ
「あっ……」
八幡「っと……すんません」
「ああ、いえ。こちらこそ良く見てなくって……?」
八幡「? なにか……あ」
「ぷ、プロデューサー!?」
八幡「み、美嘉か?」
美嘉「びっくりしたー。何してんのこんな所で」
八幡「いや、普通にCD買いに来たんだが」
美嘉「あ、ああ。それもそっか」
小町「お兄ちゃん、どうかしたの?」
「お姉ちゃん? 誰と話してるの?」
八幡「あ」
美嘉「え」
小町「み、美嘉さんに莉嘉ちゃん!?」
莉嘉「あー! 八幡くんに小町先輩! 久しぶりー!」
美嘉「ちょっ、こら莉嘉! 声大きいって!」しー!
八幡「(なんだこのシスコンエンカウントは……いや俺は違うけどね)」
214 = 1 :
× × ×
美嘉「なるほどね。アタシたちの新曲CDをわざわざ発売日に兄妹仲良く買いにきた、と。そういうこと」
八幡「……何だよその言い方は。別に普通だろ。つーか俺は今日買ったわけじゃないからね? 前もって予約しといたからね?」
小町「お兄ちゃんそれ全然誤摩化しになってないよ」
美嘉「いーよいーよ、そんな照れ隠ししなくたって★ このこの♪」肘小突きー
莉嘉「お買い上げありがと八幡くん☆」肩抱きー
八幡「(う、うぜぇ……)」
小町「おおぅ、これは中々面白い光景が……カメラを」いそいそ
八幡「やめて。お願いだから」
莉嘉「でも、なんで東京のCDショップまで来たの? 地元でだって買えたんじゃない?」
八幡「ただ単に予約したのがこの店だったってだけだ(こっちまで引き取りに来る事を考えてなかったとは言えない)」
莉嘉「なるほどねー」
小町「お二人も今日は買い物ですか?」
美嘉「そ。たまたま二人ともオフだったから都内まで出て来たんだけど、莉嘉がCDショップの様子が気になるって言い始めてさ」
莉嘉「だって気になるんだもん! ここ、この辺じゃ一番大きなお店だしさー」
八幡「まぁ気持ちは分からなくもないがな。むしろアイドルとして状況を把握しようとするのは良い事だと言える」
莉嘉「えへへ。でしょー? さっすが八幡くん!」
美嘉「……前から思ってたけど、プロデューサーって莉嘉に甘くない?」
八幡「は? ……いや、んなことは、ない……ぞ? な?」
小町「え。そこで小町に振る?」
美嘉「っていうか挙動が怪し過ぎるし」
215 = 1 :
八幡「んなことより、そのプロデューサー呼びどうにかしろよ。誰が聞いてるとも限らんぞ」
美嘉「え? あ、ああ。そっか。……ごめん」
八幡「……いや、別に謝る程の事でもないが」
小町「…………」
莉嘉「それならお姉ちゃんも八幡くんって…」
小町「あーっ! そうだ! 小町、CD探してる途中だったんだー!」
八幡「あ?」
小町「莉嘉ちゃん場所分かるよね? ぜひ案内をお願いします!」 手をぎゅっ
莉嘉「え? 案内って言っても、そっち行けばすぐ……うわわっ!」
小町「それじゃ! 小町たちはCD探してくるから、また後で合流ね! よろしく~♪」 びゅ~ん
莉嘉「え、ちょっ、待って小町せんぱ~いぃ…ぃぃ…ぃ………」
美嘉「み、美嘉~っ!」
八幡「……どうでもいいが、お前らもう少しバレないようにしたらどうだ」
美嘉「あ、あはは」
八幡「(ちっ、小町の奴、またいらん気遣いをしやがって)」
美嘉「じゃ、じゃあ、二人が戻るまでテキトーにプラプラしてよっか。後はレジで引き取るだけなんでしょ?」
八幡「ああ」
美嘉「それなら折角だし、他のアイドルの所でも見てみる? 色々勉強になりそうだし」
八幡「そうだな」
美嘉「じゃあ行こうか」
八幡「…………」
美嘉「早くCD見つかると良いねー」
八幡「ああ」
美嘉「…………」
八幡「…………」
216 = 1 :
美嘉「…………」
八幡「…………」
美嘉「……ねぇ」
八幡「なんだ?」
美嘉「…………やっぱり、ちょっと座らない?」
八幡「……別に構わんが」
美嘉「うん。ありがと」
八幡「?」
休憩所
美嘉「ふぅ…」
八幡「何か飲むか?」
美嘉「え? あ、いいよ! 悪いって!」
八幡「こんくらい気にすんな。ほら」
美嘉「あ、ありがと」
八幡「ん」
美嘉「……なんか、変な感じだね」
八幡「変?」
美嘉「前までは、同い年の男の子がプロデューサーって事が凄い不思議な感じだったんだ」
八幡「まぁ、普通はありえないよな」
美嘉「うん。でも今は、キミはプロデューサーじゃなくて、仕事も何も関係なくこうして話してる」
八幡「…………」
美嘉「それが、なんか不思議でしょうがないや」
八幡「……本来なら、これが普通だろ」
美嘉「うん。分かってる」
八幡「というか俺から言わせれば、むしろお前みたいなトップカーストグループの更に上の限突したような女子と話してる時点でとんでもない事態だよ」
美嘉「あはは、何それ」
217 = 1 :
八幡「それくらい、おかしな話ってことだ」
美嘉「アタシは、そうは思わないけどね」
八幡「…………」
美嘉「……莉嘉、何も言ってなかったけど、本当は凄くキミに会いたがってたんだ」
八幡「莉嘉が?」
美嘉「けどそれでも、なんとか呑み込んで、頑張ってアイドルやってる。正直、逆にアタシがしっかりしなきゃって思っちゃうくらいだよ」
八幡「……ああ見えて、芯が強い所あるからな」
美嘉「そうそう。一度決めたら頑固なんだよね。よく分かってるじゃん」
八幡「そりゃ元Pだからな」
美嘉「くすっ。そうだったね」
八幡「ああ。……だから、お前もそうだって事も知ってる」
美嘉「っ!」
八幡「最近よく見かけるよ。モデルに限らず色んな所で。……俺が言えた事じゃないが、あー、なんだ。その…………頑張ったな」
美嘉「……へへ」
八幡「い、言っておくが、これはあれだぞ。元Pとか関係なく、あくまで1ファンからの言葉であって……いや、よく考えたらそっちのが恥ずかしいな」
美嘉「どっちでもいいよ。どっちだって、キミはキミだし★」
八幡「いや、だから……」
美嘉「……ありがと、八幡」
八幡「っ!!」
美嘉「て、ていうか、キミだって色々頑張ってるんじゃないの? そんな疲れたような顔して、たまにはゆっくり遊んで休みなよ。ほら、もう行こ?」
八幡「い、いや、休むのは良いがお前らとは…」
美嘉「少しだけプラプラするくらい良いんじゃん? まずは二人と合流しよう♪」
八幡「ぐっ……勝手にさっさと決めやがって……」
美嘉「ほらー置いてくよー?」
八幡「わぁったよ。……しかし、そんなに分かり易いかね。俺」
218 = 1 :
他の子たちの話より長くなってしまったから削るという本末転倒な事に。
城ヶ崎姉妹尊い。
220 :
乙
みんな寂しいのね
221 :
乙
八幡のアイドルエンカウント率ェ…
222 :
乙乙
本当は八幡の方から会いに行ってる
223 :
>>215
美嘉が呼んでいるのは莉嘉の間違い?
225 :
臨時プロデュースしたアイドル達に出番があってうれしい
つぎは蘭子かな?
226 :
いや、蘭子の前に仮面ライダーネタで光をプロデュースしてただろ
光が八幡に再開してどんな反応するか見てみたいな
227 :
蘭子が出るなら材木座も出してほしいな
影の功労者だし
228 :
何年も続いてたものが終わるのは寂しいな
2nd Stage期待してます
229 :
凛の後日編は楽しいだ。でも寂しくなるな...
ラスト頑張って書ききってくれ!!
230 :
それからの風景 その6
「…………」
蘭子「らんらん♪ らんでれら~♪」 てくてく
「……っ!」
蘭子「えーっと、今日発売の新刊はー……」 きょろきょろ
「……ようやく来たな」
蘭子「ッ!!」
「全く……随分と手間取らせやがって」
蘭子「……貴様」
「おっと、振り向かない方が良い。周りに感づかれる」
蘭子「…………」
「そうだ。そのまま聞け」
蘭子「…………」 ぷるぷる
「? どうかしたか?」
蘭子「い、いいえ。気にする必要はないわ」
「そうか」
蘭子「(な、なんか知らないけど、凄く心くすぐられる展開きたーー!)」wktk
「俺と話してるのに気付かれないように、商品を見るフリをしろ」
蘭子「し、承知した(おぉ……まるで映画のワンシーンみたい…)」
「……なんかニヤニヤしてないか?」
蘭子「そ、そんな事はないわ」 キリッ
「まぁ、いい。そんな事よりもだ」
蘭子「……この私に、何か用事でも?」
「ああ。別に大した事ではないが、どうしてもな。直接会って話したかった」
蘭子「っ!(まさか、遂に私にも、組織の魔の手が……!)」 あわあわ
231 = 1 :
「どうした?」
蘭子「な、なんでもないわ。……それよりも、その話の前に一ついいかしら?」
「ああ。言ってみろ」
蘭子「ーー貴様は、何者だッ!」
八幡「え? 比企谷八幡だけど?」
蘭子「…………あれ?」
八幡「あ、なに? もしかして俺って気付いてなかった感じ?」
蘭子「…………」
八幡「いや、なんか……スマン」
蘭子「……はぁ」どよ~ん
八幡「そんな露骨にがっかりされても困るんだが」
蘭子「だって、言い回しがいちいち思わせぶりだったし……組織の陰謀かと思ったし……」
八幡「はいはい中二病乙」
蘭子「それに、声もいつもよりなんか低いし……」
八幡「最近ちょっと風邪気味で喉の調子が悪いだけだ」コホコホ
蘭子「…………はぁ」どよよ~ん
八幡「そんなにショックか」
蘭子「…………」
八幡「……?」
蘭子「………………ってプロデューサー!? ど、どどどど、どうしてここに!? ひぃぇ! あ、な、なんでっ!!???」
八幡「いや今更その反応? ってかプロデューサーじゃねぇし声デケぇよああもう場所変えるぞ!」
232 = 1 :
近くのベンチ
八幡「落ち着いたか」
蘭子「う、うん。でも、本当にどうして……?」
八幡「いやまぁ、さっきも言ったが少し話したくてな。というか……」
蘭子「?」
八幡「逆に訊くが、なんであの流れでお前はいつまで経っても現れないんだよ!」
蘭子「うぇえ!? な、何が!?」
八幡「普通あそこまで会ったら最後はお前が来るだろ? そこは空気読んでエンカウントするもんじゃないの? お前だけ全然会わないから何かソワソワしちまって思わずこっちから探したわ」
蘭子「は、はぁ……?」
八幡「かと言って家や会社まで行くわけにもいかねぇし、お前が行きそうなアニメショップとかゴスロリ専門店とかを巡って、その上でしばらく張ってようやく会えた。ホント手間かかったっつーの」
蘭子「(ふ、普通に連絡を取れば良かったのでは……?)」
八幡「しかし諦めないもんだな。途中我に帰って自分の気持ち悪さを自覚した時はどうしようかと思ったが」←あくまでエンカウントしたかった人
蘭子「と、とりあえずは元気そうで、良かった……のかな?」
八幡「……まぁな。お前も元気そうで安心したよ」
蘭子「うん。それで……話したいことって言うのは?」
八幡「何度も言うが、ホントに大した事じゃない。ぶっちゃけ半分くらいはさっき言った、どうせなら全員コンプしないとモヤモヤするって理由だしな」
蘭子「そんなついでみたいに言わなくても……」
八幡「……スマン」
蘭子「ううん。プロ……八幡さんが会いに来てくれただけで、嬉しかったから」ニコッ
八幡「ぐ……(もの凄い罪悪感で潰されてしまいそうです)」
蘭子「それで?」
八幡「あ、ああ。……えーっと、何から話せば良いのか…」
蘭子「……」
233 = 1 :
八幡「…………お前は、やりたいのに踏ん切りがつかない事ってあるか?」
蘭子「え?」
八幡「いや、詳しくは言えないんだが、俺の現状がそんな感じというか……」
蘭子「勇気が出ない、ってこと?」
八幡「勇気……ともちょっと違うような気がするな。こうしたいって気持ちがあって、実際行動してはいるんだが、それでもどこか引っかかるんだ。本当にこれで良いのかって」
蘭子「んーっと……ごめんなさい、ちょっと、全容が把握できないというか……」
八幡「……だよな。スマン。俺も上手く言えないんだ」
蘭子「……つまり、何か後ろめたい事があって、踏み切れないってこと、なのかな?」
八幡「後ろめたいこと……」
蘭子「もしくは、本当はしちゃいけない事だとか」
八幡「しちゃいけない……のか? でも俺はやりたいと思ってて……」
蘭子「前に言ってたよね。自分のやりたい事が、必ずしも正しいとは限らないって」
八幡「……んな事言ったか俺?」
蘭子「うん。言ってた」
八幡「俺がやりたいと思ってても、それは……」
蘭子「八幡さん?」
八幡「…………」
蘭子「…………」
八幡「…………」
蘭子「…………」
八幡「………………ああ、そうだな」
蘭子「?」
八幡「分かったよ。いや、分かってたけど、再確認したって感じだわ」
234 = 1 :
蘭子「……スッキリした、のかな?」
八幡「……ああ(嘘だ。全然スッキリなんてしていない)」
蘭子「それなら良かった」
八幡「ありがとな。急に変な話して(むしろもっと分からなくなった)」
蘭子「八幡さんの力になれたんなら、私も嬉しいです」
八幡「ホント助かったよ(どうしていいか分からない。進む理由を、見失った)」
蘭子「……八幡さん」
八幡「なんだ?(ああ、結局は、俺のやろうとしている事ってーー)」
蘭子「ーー貴様は、貴様になれ」
八幡「ッ!」
蘭子「全身全霊全力で、貴様になれ。それが例え、高二病で捻くれ者で間違いだらけのぼっちだったとしても、だ」
八幡「…………蘭子」
蘭子「フッ……」
八幡「さすがに良い過ぎじゃないですかね」
蘭子「ご、ごめん」
235 = 1 :
八幡「……ククっ、いつかの仕返しか?」
蘭子「無論。あの日の狂宴、我は片時も忘れた事など無い」
八幡「…………」
蘭子「貴様がくれた“モノ”は、ずっとここに或るよ。眷属」
八幡「……そうかい」
蘭子「うむ。だからそう悩む必要もないわ」
八幡「…………」
蘭子「その胸中や知る由も無いが、それでも敢えて言える。心配は無い」
八幡「……その心は?」
蘭子「決まっておろう。貴様には同士が居る。我も、蒼の楽団も、金緑の女神も……雪花と水浜の淑女もな」
八幡「……確かに、そりゃ心強い」
蘭子「うむ。だから貴様に言える事は一つ」
八幡「?」
蘭子「『ーー待て、しかして希望せよ』、だ」
八幡「…………」
蘭子「…………」
八幡「……お前も、巌窟王引けなかったクチか」
蘭子「……ぐすん」
236 = 1 :
店の前
八幡「んじゃ、改めて今日はありがとな」
蘭子「いえ。私も、その、楽しかったです」
八幡「そうか。俺もスッキリ……は、正直してないが、それでも向き合う事は出来た」
蘭子「はい」
八幡「……だから、もっと考えてみるわ。納得がいくまで」
蘭子「私も、いつでも相談に乗りますよ」
八幡「おう。悪いな、世話かけっぱなしで」
蘭子「お互い様です。それに……」
八幡「それに?」
蘭子「……クックック、同じ“瞳”を持つ者同士、だろう?」ニヤリ
八幡「やめて。傷口を抉らないで」
蘭子「フゥーハッハッハー! これしき、もはや恥とも思わぬわ!」
八幡「思うのは俺なんですが……」
蘭子「てへっ♪」
八幡「(……やっぱ、会いに来て正解だったな)」
蘭子「それでは、またいつの日か。……さらばだ!」スタコラサッサー
八幡「言いだいだけ言って去りやがって……それで無駄に格好いいんだからタチが悪いぜ、ホント」
238 = 1 :
>>226 ごめんなさい、一応あれは番外編なので今回は出番無しです…スマヌ、スマヌ……
あと材木座? は知らない子ですね。
239 = 1 :
あとどうでもいいとは思いますが、輝子を無事お迎え出来ました。やっぱ書けば出る。巌窟王に会えなかった荒んだ心を癒してくれる……
240 :
乙です
241 :
乙乙
このいい子が第二回で凛の行く手を阻むんだよね
242 :
それからの風景 その7
ちひろ『そこで私はこう言ってやったんですよ!「……専務、大事なのはお金ではないんです。愛ですよ! 愛!」ってね!』
八幡「はいはいダウトダウト」
ちひろ『んもーなんですか! こっちはですね、本気でこう一発かましてやろうとですね…』
八幡「ちひろさん。そんな割とどうでもいい話をする為に電話してきたんですか? ってか酔ってません?」
ちひろ『どうでもいいとはなんですか! こっちはですね、本気でこう一発かましてやろうとですね…』
八幡「ちひろさんちひろさん。同じ話してます。ってかやっぱり酔ってますよね?」
ちひろ『それはそうと比企谷くん』
八幡「なんすか」
ちひろ『大手芸能事務所の敏腕事務員(25)を貰う気はありませんか?』ヒック
八幡「やっぱ酔ってんじゃねぇか」
ちひろ『なんですか! こっちはですね、本気でこう一発かましてやろうとですね…』
八幡「なんだこれイザナミか」
10分後
ちひろ『すいません……落ち着きました……ご迷惑をおかけしました……』
八幡「別にいいっすよ。お仕事お疲れ様です」
ちひろ『ありがとうございます……週末だからって調子に乗って飲み過ぎるもんじゃないですね』
八幡「……前から思ってたんすけど、ちひろさんって節約家の割に飲みとかは積極的に参加しますよね」
ちひろ『そうですか?』
八幡「そうですよ。楓さんたちに誘われたら即答じゃないですか」
ちひろ『んー……まぁ、確かにそうですね』
八幡「やっぱ、飲んでもなきゃ仕事なんてやってらんねーって感じですか」
ちひろ『勿論それもありますけど、理由はそれだけじゃないですよ』
八幡「(勿論それもあるんだ……)それじゃあ、他の理由とは?」
243 = 1 :
ちひろ『簡単に言えば、人との繋がりです』
八幡「繋がり?」
ちひろ『ええ。飲みの席とか、お客さんとの会食とか、そういう場でしか得られないものがありますからね。もっと簡単に言えば交友です』
八幡「交友……俺には縁遠い言葉ですね」
ちひろ『いやいや、比企谷くんだってプロデューサーだった時はよくやっていたでしょう?』
八幡「それは仕事だからですよ。言ってしまえば接待ってやつです」
ちひろ『それも間違いじゃありません』
八幡「そうですか?」
ちひろ『そうなんです。そりゃもちろん本当に仲良くなれれば一番ですが、世の中には色んな人がいますからね。ソリが会わない人だって沢山います』
八幡「ええ。沢山いました」
ちひろ『だからこそ、そういう交友の場というのは必要なんです。分かり易い接待でも、何もしないのとでは大きく違います。そこから仲が深まる事だって少なくないんです。比企谷くんはどうだったんですか?』
八幡「……愛想悪いねぇ、って言われた事なら」
ちひろ『……まぁ、そういう事もありますね』
八幡「営業が一番鬼門でしたよ」
ちひろ『でも、比企谷くんは良くやってくれてたと思いますよ』
八幡「俺はそうは思えないですけどね」
ちひろ『私はそう思うんです。……とまぁそんなわけで、私はそういう人との繋がりを大切にしたいんですよ。まぁ、皆さんと仲良くしたいんだと思ってください』
八幡「なるほど」
ちひろ『最近の若者は飲み会に参加したがらないって聞きますけど、敬遠せずに参加してもらいたいですね。飲みの席だからこそ話せる事だって、きっとあるはずですから』
八幡「……それは俺に言ってるんですか?」
ちひろ『さぁー? どうでしょう?』
244 = 1 :
八幡「……まぁ、成人してからにでも考えますよ」
ちひろ『是非そうしてください♪』
八幡「うっす。……なんかもうプロデューサーでもないのに、何の話してんすかね」
ちひろ『無駄にはなりませんよ。私は今でも比企谷くんに期待してますから』
八幡「期待って……」
ちひろ『今回電話したのだって、それが理由ですからね』
八幡「は?」
ちひろ『ほら、前に電話くれたじゃないですか。どこか芸能事務所で企業説明会をやってるとことか、インターンシップとかさせて貰える所は無いかって』
八幡「…………」
ちひろ『確かにこういう業界はあまりそういった催しはやりませんからねー。ネットとかで調べるにも限界がありますし、使えるコネは使った方が……って、もしもし比企谷くん? 聞いてます?』
八幡「…………ええ。聞いてますよ」
ちひろ『どうかしたんですか? そんな一層暗くなって』
八幡「いえ、なんていうか……」
ちひろ『??』
八幡「……数ヶ月前にちひろさんに連絡を取った自分が、酷く滑稽に思えて」
ちひろ『…………』
八幡「すいません。今にして思えば、バカな事をしました。そん時はたぶん、舞い上がってたんです」
ちひろ『舞い上がってた?』
八幡「ええ。だって、おかしいじゃないですか」
ちひろ『…………』
八幡「些細なきっかけで、まだ俺にも出来る事があるんじゃって、とにかくやってみたいって、よく考えもせずに行動してた。けど、段々に気付いてった」
ちひろ『…………』
八幡「結局は、俺のしようとしてる事ってーー」
ちひろ『比企谷くん』
八幡「っ…」
ちひろ『私は、バカな事だなんて思いません。私は比企谷くんのことを応援しています』
八幡「…………」
245 = 1 :
ちひろ『……って、言えたら良いんですけどね』
八幡「……?」
ちひろ『残念ながら私は“こっち側”の人間で、そんな無責任な事は言えません。比企谷くんの抱えてる悩みにも、与えられる言葉は持ちあわせてはいないんです』
八幡「…………」
ちひろ『だから、それはあなたが解決しなきゃいけない問題です。あなたが、自分で答えを出さなければいけない。……まぁもっとも、私が言わなくたって比企谷くんは既に分かってると思いますけど』
八幡「……ええ」
ちひろ『……私は待ってますよ。そしてきっと、あなたがちゃんと答えを出した時は、全力で応援させて貰いますから』
八幡「いいんすか、そんな事言っちゃって」
ちひろ『もちろん! 何てったって、私は奉仕部デレプロ支部の顧問ですから』
八幡「……もう廃部になってるもんだと思ってましたよ」
ちひろ『まさか。永久に不滅ですよ。……活動はしてませんけど』
八幡「そりゃ肝心の部長であるプロデューサーがいませんからね」
ちひろ『なら休部って事にしておきますか』
八幡「何でもありですね」
ちひろ『そうですよ。……そう、比企谷くんには、いつだって奉仕部が付いてます』
八幡「…………」
ちひろ『私たちデレプロ支部も、総武高本部もね』
八幡「……雪花と水浜の淑女、か」
ちひろ「へ?」
八幡「なんでもないですよ」
ちひろ『なら良いですけど。……とにかく、私は待ってますから』
八幡「ええ」
ちひろ『……その時まで、今日話したかった事は取っておきますね』
八幡「はい。ありがとうございます、ちひろさん」
ちひろ『いえ。それじゃあもう遅いので、この辺で失礼します。おやすみなさい』
八幡「ええ。おやすみなさい」
ピッ
八幡「……そうだよな。俺には、あいつらがいるんだよな」
ーーー
ーー
ー
246 = 1 :
*
ゆっくりと、歩を進める。
授業を終え、荷物を整理して教室を出ようとする頃には、あの活発で明るいお団子頭の少女は既に教室からいなかった。珍しく、俺よりも早く部室へ向かったらしい。
今頃は、あのクールでどこか凛とした黒髪の少女と談笑しているのだろう。
そんな事を考えながら、廊下を歩いていく。
もう半年以上は経つんだな。あの件のアニバーサリーライブへと向かう途中、彼女たちに、奉仕部に依頼した日から。
もう、あんな事は最初で最後だろうと思っていた。
友情とも信頼とも呼べない、不確かな関係である俺と彼女たち。
そんな彼女らに、また、依頼する時が来るとはな。
いや、依頼というよりは、相談と言うべきか。
正直そんな事はどっちだっていい。
ただそんな事でも考えてないと、落ち着かなくてしょうがない。
緊張とも不安とも取れぬ妙な気持ちのまま、俺は部室へと辿り着いた。
これから俺は、酷く情けない話をする。
滑稽で、無様で、呆れられても仕方が無い。そんな話を。
247 = 1 :
でも、きっと彼女たちなら。
笑わずに、嘲らずに、俺の話を聞いてくれると、そう思えるから。
認めたくはないが……そう信じてる、自分がいるから。
俺は、彼女たちを頼る。
……いやでも、笑うくらいはしそうだなぁ。一人はあいつだしなぁ。
まぁ、ここまで来たのだから今更引きはしない。
待ってくれると、金緑の女神も言ってくれたんだ。だから、俺は俺の答えを出す為に、扉を開く。
由比ヶ浜「あ、ヒッキーやっはろー!」
雪ノ下「比企谷くん、今日は遅かったわね。また平塚先生から呼び出し?」
いつものその二人の表情を見て、少しだけ、安心する。
俺は一度小さく深呼吸し、意を決してその言葉を口にした。
八幡「雪ノ下。由比ヶ浜。……相談がある」
248 = 1 :
その7は二回に分けて投下するので続きは次回! なんだかもう番外編でもないし後日談とも呼べなくなってきてますが、ご了承ください。いつから錯覚していた?
AnemoneStarもSTORYも最高だったよー
250 :
乙
ちっひ大人だな
みんなの評価 : ★
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- 八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「これで最後、だね」 (1001) - [84%] - 2014/8/10 17:30 ★★★×5
- 八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「その3だよ」 (1001) - [84%] - 2014/4/6 18:00 ★★★
- 八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「その2だね」 (1001) - [83%] - 2013/12/20 16:00 ★★
- 八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「またね」 (509) - [81%] - 2017/11/21 19:15 ★
- 八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」 (1001) - [64%] - 2013/8/22 2:45 ★★
- 烏丸「実は俺もサイドエフェクトを持っているんだ」修「えっ、そうだったんですか」 (1001) - [49%] - 2015/9/28 11:30 ☆
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