元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「きっと、これからも」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
151 :
追いついた~!
今後も楽しみにしています
152 :
乙乙
>>136ってことは渋にいるのは騙り?
153 :
渋には>>1が書いた漫画と>>1が書いていない漫画が2つある
おそらく>>1がいっているのは自分が書いていない漫画のことをいっているんじゃないか?
154 :
いや違うだろ>>134を>>135が>>1の自演扱いしたから>>1が自演否定しただけだろ
155 :
お、おう……つまりどういうこと?
156 :
宣伝くらい普通にやれよって話だね
157 :
馬鹿はほっとけって事だよ
158 :
わさ……わさ……
159 :
もうすぐバレンタインだな
160 :
八幡としぶりん結婚とかならんかのぉ...
161 :
今週中には続きをあげるってツイッターにかいてあったのに
162 :
じゃあ今日書いてくれるわけか(白目)
163 :
見てる人おるんやな……短いけど更新するで!
164 = 1 :
*
人里離れた温泉旅館。そこへ突如襲う大嵐、更には雷で停電ときたもんだ。
脱出できる足は無く、三日後に訪れるであろう救助……ではなくスタッフさんたちを待つのみ。
こんな状況、普通ならまず無いであろう展開だが、これがサスペンスやミステリーの世界なら王道とも言えるから不思議である。ここまでくれば出来過ぎで少し怖い。
そしてそんな状況だからこそ、案外思考は冷静になってくる。緊張と共に心臓の鼓動が早くなっても、逆に頭の中は冷えてくる。これも数々の場数を踏んで来た賜物か。
そうだ、今いるメンバーの中では俺だけが唯一の男。それだけじゃなく、何よりも俺はプロデューサーだ。ならば、俺がしっかりしなくてはーー!
そんならしくもない責任感を以て、暗闇の中、俺は静かに言葉を発した。
八幡「……えー、とりあえず全員揃った事だし乾杯からですかね。早苗さんお願い出来ますか」
早苗「それはあたしが一番の年長者である事への皮肉って意味でいいわよね? 歯ぁ食いしばれ!」
凛「突っ込む所そこ!?」
拳骨は食らったが、乗ってくれて助かった。こんな所で滑ったら目も当てられないからね。全然冷静じゃないね俺!
165 = 1 :
しかし場を和ませるのは良いが、あまりそうふざけてもいられないようだ。
八幡「……充電しとくの忘れてたのは痛かったな」
凛「え? ……あっ」
凛の目線の先には俺のケータイ。さっきまでは天井を照らしていたが、今は何も灯っていない。ひっくり返してみれば、案の定電池切れのマークを表示していた。
凛の方はまだ充電があるようだったが、一つが消えただけで部屋の中が一段と暗くなる。正直輪郭がぼんやりと見えるだけだ。
最後のメンバーである輿水が自力でこちらに合流して5分程。電気の回復を待ったが、今の所その兆しは無い。旅館の人も来る気配が無いし、少し心配になってきたな。
と、そう思っているのは俺だけではないのか、来てからというものずっと挙動不審な一人の少女が尋ねてくる。
幸子「だ、だだだ大丈夫なんですよね? さっきから全然電気が回復する気配がしないんですけど、大丈夫なんですよね!?」
八幡「いや、俺に言われても……」
幸子「プロデューサーさんなんですから、なんとかしてくださいよぉ!」
嘆願する輿水。
好き勝手言ってくれやがってこの自称・女優め。そりゃこちらとしても何とかしてやりたいが、下手に動くのもな。というか正直どうしていいか分からないんですよ俺だって!
凛「幸子、落ち着いて」
幸子「うう……凛さん…」
若干ヒスりかかっている幸子を宥める凛。
さすがはクール代表、頼りになる。いやプロデューサーとして見習えって話なんだけどね。
166 = 1 :
凛「こういう時こそ冷静にならないと。プロデューサーは魔法使いじゃないんだから」
楓「えっ、違うんですか……?」
八幡「え。なにその予想外の反応」
まるで俺が魔法使いじゃないのが不思議だと言わんばかりである。
しかし、ここぞという時にボケてくるなこの人。こんな時に余裕あり過ぎじゃありません?
八幡「あの、別に俺、魔法とか使えないですからね」
楓「そうなの、私てっきり…」
文香「なんだか…ファンタジーな予感を感じさせる反応ですね……」
莉嘉「なになに、八幡くん魔法使いだったの? 杖とか使うの?」
そして何故か拡散される俺魔法使い説。
そして莉嘉。最近の魔法使いは杖とか使う方がむしろ希少だから。徒手空拳だったり銃火器使ったりするから。
早苗「まぁ、私たちをシンデレラにするという意味では、プロデューサーの比企谷くんはある意味魔法使いかもね」 ドヤァ
八幡「なんも上手いこと言えてないですよ」
幸子「なんでもいいから、早く電気つけてくださいよぉ!!」
さっきまでの緊張感はどこへやら。いつの間にか、いつものどこかに締まらない空気に。
まぁ、どんよりと暗いままよりは良いだろうけどな。
八幡「……ありがとうございます、楓さん」
小声で、それとなく礼を言う。
しかしそれに対する楓さんは飄々としたものだ。
167 = 1 :
楓「うふふ……さぁ、なんのことかしら」
可愛らしく微笑み、おどけてみせる。
全く、侮れん人だ。……ただ、この人の場合ホントに何も考えていない上での発言も考えられるからな。判断に困る。
と、そんな時小さな足音が聞こえてくる。
先程の輿水のようなドタドタしたものではなく、すり足のような静かなものだ。これは恐らく……
「失礼します。お客様方、大丈夫でしょうか?」
ふすまを開け、部屋へと入ってきたのは昼間の女将(と思しき人)。
懐中電灯を持ってきてくれたおかげで、部屋の中が少し明るくなった。女将さんの表情から、心配と少しばかりの焦りの色が見える。
「来るのが遅くなり申し訳ありませんでした。怪我等はございませんか?」
八幡「ええ、大丈夫です。怪我人も特にいません」
と言ってから、俺は他のアイドルたちを見回す。
無言で頷いてるのを見るに、心配は無さそうだな。なんか輿水は未だに呼吸が荒いけど。
八幡「電気の回復はまだかかりそうなんですか?」
「時間がたてば予備電源に切り替わるはずなんですが……すいません、詳しい時間までは分かりかねます」
八幡「そうですか……」
168 = 1 :
まぁ、そりゃそうだろうな。一番困ってるのは旅館の人たちだろうし、文句も言えまい。
「これから非常用の懐中電灯と、あと念のため防寒着をいくつか持ってきますので、申し訳ありませんがもう少々お待ち頂けますか?」
八幡「…………」
「お客様……?」
八幡「ああ、いえ。……その海中電灯と防寒着が置いてある所って、ここから結構離れてるんですかね?」
俺が質問すると、女将さんは不思議そうに首をかしげる。何故そんな事を訊くのかと言わんばかりだ。
「は、はい。そうですね。館の奥にある倉庫へ行きますので」
八幡「……でしたら、俺も行きますよ。結構な大荷物でしょう」
凛「え?」
俺の発言に、今度は凛が戸惑った声を上げる。
「しかし、お客様にそのような……」
八幡「見た所あまり人手もいなさそうですし、手伝いますよ。その方が効率も良いでしょう」
古びた旅館で、しかも貸し切りだからなのか、比較的従業員は少なそうなのは傍目に見ても分かる。男手一つあればすぐ持ってこれるだろう。
女将さんは申し訳なさそうにしながらも、一応は頷いてくれた。
170 = 1 :
「……ありがとうございます。大変助かります」
八幡「いえ。こちらこそご迷惑をおかけして申し訳ないくらいです」
実際、こんな嵐で雷まで降って、それでもお客さんに奉仕しなきゃいけないとか大変な仕事だよな。少ない人数でやるなら殊更。
しかし、そんな俺の申し出にある意味で心配している者が数人。
凛「プロデューサー……大丈夫?」
八幡「平気だろ。ちょっと荷物持ちしてくるだけ…」
凛「自分から仕事を申し出るなんて、雷にでも打たれた?」
八幡「あ。なに、そっちの心配?」
いやそんな真面目に言うとか普通に酷くないですかね。
失礼だなー、俺だって有事の時くらいは気を遣いますよ? ホントダヨ?
早苗「あの比企谷くんがこんなに立派になって……一体何食べたのかしら?」
莉嘉「八幡くんも、こういう時は頼りになるんだね!」
言われたい放題です。本当にありがとうございました。
ちょっと皆さん辛辣過ぎません? これも日頃の行いの賜物という事か……
171 = 1 :
楓「あ、でしたら、私も一緒に行こうかしら」
八幡「は?」
と、そこで何故か楓さんも同行意志を唱える。
八幡「いや、別にいいっすよ。ここは男手一人で」
楓「でも防寒着も持ってくるなら、もう一人くらいいた方が良いでしょう? お供しますよ」
八幡「……万が一何かあったら…」
楓「その時は、比企谷くんが守ってくれるから大丈夫です」
いや全然大丈夫じゃないんですがそれは……
まさか楓さんまで来ると言い出すとは予想外だった。確かに往復するのも面倒だし、楽にはなるが…
凛「私も行く」
八幡「言うと思った」
どちらかと言えば、こっちの方が予想はついた。
暗くてよくは見えないが、凛の表情はたぶん譲らない気まんまんなんだろうな。
八幡「…………」
正直、着いて来られると色んな意味で問題があるんだがな。
ただ、この二人が言って聞かなそうなのも分かっているし…
八幡「……まぁ、三人いれば懐中電灯と防寒着くらい一回で持ってこれるか」
あまりアイドルを危険に晒したくはないが、ただの停電だし、大丈夫か。
ここで問答しているのも面倒だ。そうと決まれば、さっさと向かおう。
172 = 1 :
八幡「んじゃそういうわけなんで、案内よろしくお願いします。……早苗さん、こっちは頼みましたよ」
早苗「任せなさい。アイドルの皆は責任持って元婦警のあたしが守るわ。…………あと、武蔵も」
八幡「良い台詞が台無しだよ」
いちいち締まらない人である。酔いか、酔いのせいなのか。
八幡「ほら、酒は箱に入れてしまっときますから」
早苗「あーんいけずぅー」
八幡「……兵藤さん、この酔っぱらい頼みます」
レナ「ええ、頼まれたわ」
苦笑しつつそう答える兵藤さん。最初っからこっちの頼めば良かったね。
幸子「うぅ……暗いの苦手ですから、早く戻ってきてくださいね」
文香「三人とも……気を付けてください…」
八幡「うっす……そうだ、莉嘉」
莉嘉「? なーに?」
俺が呼びかけると、キョトンとした表情を浮かべる莉嘉(暗いから想像だが)。
八幡「これ、俺のカバンだ。一応貴重品も入ってっから、無くさないよう預かっててくれ」
莉嘉「……うん。分かった! まっかせてよ☆」
自信満々に返事をする莉嘉。
よし。これで準備は整ったな。
女将さんと共に、俺たち三人は夕食会場を後にする。目指すは一階奥にある倉庫。さて、何事も無ければ良いが。
……あ、撮影延期の説明すんの忘れてた。
173 = 1 :
ごめんよ、短くてごめんよ。
間空き過ぎてみんな話覚えてないかもしんないけど、投げる気は無いから!
175 :
生きとったんかワレェ!
乙です
176 :
乙
待ってたよ
177 :
乙乙
更新着てる!体を大事に!
女将さんに名前が無いな……
178 :
乙です!
>>177怖いからやめろ!
179 :
それからの風景 その3
八幡「…………」
「…………」 キョロキョロ
八幡「…………」
「…………」 トコトコ
八幡「…………」
「…………」 ストン
八幡「…………」
「…………フヒ」
八幡「……っ!」
「…………」
八幡「…………」
「…………」
八幡「……おい」
「なに……?」
八幡「いや、なんか喋ってくれ」
「……おはよう」
八幡「もう既に昼だ」
「……そうだった」
八幡「……俺に何か用があったんじゃないのか?」
「…………」
八幡「…………」
「………………いや……特に、無い」
八幡「えっ」
「え?」
180 = 1 :
八幡「無いのか? 用事」
「……無い、な」
八幡「……じゃあなに、なんで俺たちはわざわざ変装して別々の席に時間をズラしてまで待ち合わせして、背中合わせに会話するっていうちょっと恥ずかしさすら覚えるスパイごっこみたいな真似してるの?」
「…………」
八幡「…………」
「……一度、やってみたかった…フフ」
八幡「……さいですか」
「八幡は……?」
八幡「は?」
「どう? ……この遊び」
八幡「…………正直、ちょっと楽しい」
「フヒヒ……さすが、話が分かる」
八幡「新聞は露骨過ぎたか」
「むしろ、それが良い…………でも」
八幡「……?」
「やっぱり、面と向かって話したい、な……」
八幡「……まさか、お前の口からそんな台詞が出るとはな」
「フフ……これでも、アイドル……だからな」
八幡「知ってるよ。……久々だな、輝子」
輝子「うん……元気そうで、何より」
八幡「お前もな」
輝子「フヒヒ」
八幡「つーか、マジでなんも用無いのか?」
輝子「…………しいて、言うなら……トモダチ、だから」
八幡「……友達に会うのに、理由なんていらないってか?」
輝子「っ! そう……その通り」
八幡「お前は相変わらずだな」
輝子「イヤ……だった? そういうの、嫌い……?」
八幡「……別に、嫌じゃねーよ」
輝子「……ホントに?」
八幡「ただ、好きとは言っていない」
輝子「好きじゃないの……?」
八幡「好きじゃないとも言ってない」
輝子「……フヒヒ。八幡も、相変わらずだな」
八幡「ほっとけ」
181 = 1 :
輝子「……最近は…どう?」
八幡「最近……って、言ってもな」
輝子「もう、バンドはやってないのか……?」
八幡「まぁ、基本的にはな。……ただ」
輝子「…ただ?」
八幡「たまぁーーーに、ヒマで、気が向いた時には、やってるよ。こっちから誘う事は無いけどな」
輝子「フフ……素直じゃない」
八幡「その実は誘われて嬉しいみたいな言い方やめてくんない? 仕方なくだ仕方なく」
輝子「でも、楽しい……だろ?」
八幡「……まぁ、息抜きには丁度良いかもな」
輝子「フヒヒ……」
八幡「ちっ」
輝子「……他には?」
八幡「あ? 他?」
輝子「何か、悩み事……とか」
八幡「…………あいつらから、なんか聞いたのか」
輝子「あいつら……?」 キョトン
八幡「(やべ、墓穴掘った)」
輝子「やっぱり、何か…あるのか……?」
八幡「いや、別になんも……ってか、やっぱりってなんだ」
輝子「……八幡、少し元気が無い…」
八幡「…………」
輝子「……ように、感じる」
八幡「…………」
輝子「………………気が、する」
八幡「自信ねーのかよ」
182 = 1 :
輝子「は、八幡…ツーカーフェイスだから……」
八幡「なんだその仲良さそうな顔。ポーカーフェイスな」
輝子「ホントに、何も無い……?」
八幡「無い」
輝子「……ホントにホント?」
八幡「ああ」
輝子「……凛ちゃんに誓って言える?」
八幡「…………何故そこで凛が出てくる」
輝子「も、もし八幡が悩んでるなら……凛ちゃんが関係あるかも…って」
八幡「…………」
輝子「……どう、なの?」
八幡「(また、ずるい手を使ってくるもんだ)」
輝子「八幡……?」
八幡「あー……っとだな」
輝子「……?」
八幡「……輝子、ガルウィングって知ってるか?」
輝子「えっ?」
八幡「ガルウィングだ、ガルウィング。直訳すればカモメの翼だが、基本的にはそれに似た形状の車のドアを指す。けどもちろん、俺が言いたいのはそっちではない」
輝子「は、八幡……?」
八幡「そう、俺の言うガルウィングとは765プロ所属アイドル、天使系アイドルの名を欲しいままにする高槻やよいの事だ」
輝子「あ……はい」
183 = 1 :
八幡「お辞儀をする際に両手を大きく後ろへ上げる事からついた愛称だが、俺は常々不思議に思っている事がある」
輝子「……な、なんでしょう」
八幡「うむ。実はガルウィングというのは、本来水平方向へ跳ね上げるようなドアの事を言うんだ。やよいちゃんのお辞儀のように、垂直方向へ跳ね上げるドアはシザーズ・ドアという別物の事を指す」
輝子「は、はぁ……」
八幡「まぁ既に大多数のファンに定着しているし、そこまで細かく指摘するような事でも無いからそのまま使われてはいるんだがな」
輝子「そ、そう……」
八幡「……しかしそれでも、俺は気になるんだ。あれを、ガルウィングと呼び続けていいのか……? 何か、煮え切らない気持ちが湧いてこないか……?」
輝子「…………」
八幡「いや、分かってはいるんだ。今更改めたって、そっちの方が絶対に違和感を感じる。出た! やよいちゃんのシザーズ・ドア! とか言ったら、なんかスタンドみたいで中二病感満載で嫌だし」
輝子「…………」
八幡「だから、俺は最近悩んでいるんだ。果たしてやよいちゃんをガルウィングと呼んでいいのか? このどうしようもない悩みを、俺はどうすればいいんだ? ……ってな」
輝子「……なるほど」
八幡「ああ。つまり、そういうわけだ」
輝子「ふむふむ……」
八幡「分かってくれたか」
輝子「うん」
八幡「そうか」
輝子「八幡」
八幡「うん?」
輝子「病院行こう?」
八幡「頼むからマジなトーンで言うな」
184 = 1 :
輝子「八幡が……ふざけるから」 ムスッ
八幡「(しょ、輝子が膨れっ面になっている。随分とレアなものを見た)」
輝子「……聞いてる?」
八幡「あー……すまん、悪かった。正直呼び方なんてどうでもいい」
輝子「うん……それを聞いて安心した」
八幡「あ、やよいちゃんがどうでもいいわけじゃないからな? ガルウィング自体は最高」
輝子「その補足はいらなかったな……」
八幡「……まぁ、悩みって言っていいのかは分からんが、思う事があるのは認めるよ」
輝子「…っ!」
八幡「ただ……なんつーか、まだ自分でも上手く整理出来てねぇし、今はまだ話しにくい。そこは分かってくれ」
輝子「……うん。分かった」
八幡「……いやに聞き分けが良いな」
輝子「トモダチ、だからな……いくらでも待つ。フヒヒ」
八幡「……そうかい」
輝子「……それじゃあ、そろそろ…行くな」
八幡「おう。さすがにこのまま会話するのも限界が近い。ってか逆にこれ目立ってね?」
輝子「フヒヒ……今更…」
八幡「俺は念の為もう少ししてから店出っから、パパラッチには気をつけて帰れよ」
輝子「うん、分かった…」
八幡「……ま、いざとなったら不祥事起こした元Pに脅されてたとでも言っとけ。辻褄は会わせる」
輝子「大丈夫……もし見つかっても、そんな事は…絶対に言わないからな」
八幡「いや、それ全然大丈夫じゃないんだが……」
輝子「私が、八幡を見捨てるなんて……あり得ない」
八幡「…………」
輝子「私がキノコを嫌いになるくらい……あり得ない」
八幡「……そりゃ、困ったな。ホントにあり得そうにない」
輝子「フヒヒ……そう。だから、絶対にあり得ない」
八幡「……なら、見つからんよう気をつけろよ」
輝子「うん……またな、八幡」 振り返り
八幡「っ! ばっ……」
輝子「…………」 フリフリ
八幡「……ったく、良い顔するようになりやがって。…………ちょっと安心したよ、こん畜生」
185 :
ちょっとずつでも更新を。
輝子が26話に出て来てくれる事を祈る!
186 :
乙乙
きのこのコインの話が大好き
189 :
幸子も輝子も登場したから後は小梅さえでれば142'sがそろうな
この3人と八幡の絡みも見てみたい
190 :
凛ちゃん二曲目のソロおめでとうなんだぜ
蒼穹含めたら三曲目のソロなんだぜ
191 :
邯鄲法は簡単そう
193 :
盧生の激うまギャグすき
194 :
それからの風景 その4
奈緒「お、いたいた。おーい比企谷ー」
八幡「……ん。奈緒か」
奈緒「これから部活か?」
八幡「いや、今日はあいつら予定あるとかで来れないんだと。だから帰るとこだ」
奈緒「ふーん?」
八幡「なんだよ」
奈緒「いや、別にお前だけでもやれんじゃねぇのかなーと」
八幡「部活をか?」
奈緒「うん」
八幡「…………」 ハァー
奈緒「なんだよその反応」
八幡「あのな奈緒、常識的に考えてみろ。俺だけだぞ?」
奈緒「だから?」
八幡「だから、何か悩みを持った奴が部室を尋ねたら、俺だけがいるんだぞ?」
奈緒「……あー」
八幡「そのまま扉を閉められる事うけあいだ。無駄に俺がちょっぴり傷ついて終わる」
奈緒「確かにその光景は目に浮かぶな」
八幡「だろ。そもそも依頼人が来る事も稀だし、一日くらい休んでいいんだよ」
奈緒「なるほどな」
八幡「ああ」
奈緒「…………」
八幡「…………」
奈緒「……で、ホントのところは?」
八幡「めんどい」
奈緒「だと思ったよ!」
195 = 1 :
八幡「いいだろ別に。もし本当に悩んでる奴が来たら、部活が休みでもまた日を改めて来るだろ」
加蓮「確かにね。でも張り紙くらいはしといたら?」
八幡「張り紙って、部室の扉にか?」
奈緒「ああ、それ良いかもな。『本日休業』みたいな感じで」
八幡「定食屋かよ」
加蓮「あはは。じゃあ早速貼りに行こうか」
八幡「待てって。それなら何かコピー用紙とか…を……?」
加蓮「?」
八幡「……ホントにちょっと待ってくれ。……え?」
奈緒「どうしたんだ?」
八幡「いや、どうしたも何も、なんでお前がいる?」
加蓮「あ、やっぱり気付く?」
八幡「当たり前だろ。誰だって気付くわ」
奈緒「(にしてはちょっと反応が遅かったような気もするが……)」
八幡「つーか、その格好……」
加蓮「えへへ、どう? 奈緒から予備の制服借りたんだ♪」くるっ
八幡「(総武高の制服……控えめに言って最高です)」
加蓮「八幡さん? 聞いてる?」
八幡「え? あ、あぁ、すげぇ似合ってる。……と、客観的に世の男子目線で見て言ってみる」
奈緒「ものっそい分かり易く照れ隠ししたな、今」
加蓮「あ、ありがと。そんなにはっきり言われると、こっちもちょっと恥ずかしいね」カァァ
八幡「いやだから、あくまで今のは他の奴らの目線で……って、んなことはいい。なんで加蓮がいるんだ? うちの制服まで着て」
奈緒「久々に遊びに行ってみたいーって加蓮が言うから、制服貸して連れてきたんだよ」
加蓮「案外バレないもんだね」
八幡「……あのな、いくらバレないからってお前、変装までしてわざわざ来るか?」
加蓮「え? ポニーテール嫌いだった?」
八幡「超好きです。……いや違う違うそういう問題じゃなくて」
196 = 1 :
奈緒「別に良いじゃんよ。アタシと違って、加蓮たちはこうでもしなきゃ会えないんだし」
八幡「っ…」
加蓮「……ごめんね。これはアタシの我が侭みたいなものだから」
奈緒「お前がアタシらに迷惑をかけたくないって気持ちは分かる。けどそれでも、こっちだって全部納得してるわけじゃないんだよ」
加蓮「みんな、会いたいんだよ? 八幡さんに」
八幡「…………」
奈緒「だからさ、こんくらいは許してくれよ」
八幡「……分かった」
加蓮「!」
八幡「けど、本当に注意してくれ。大事になってからじゃ遅いしな」
加蓮「ありがと、八幡さん!」
奈緒「大丈夫だよ。少なくとも総武高の奴らは、お前が思ってるより分かってくれる奴らだから」
八幡「……悪い噂流された奴がよく言うな」
奈緒「アタシはお前と違ってアフターケアはバッチリだからな。あれからはちゃんと上手くやってるよ」
八幡「……そうか」
加蓮「まぁ立ち話もなんだし、どこか行って話そうよ」
奈緒「そうだな。あ、なら久々にカラオケでも行くか!」
加蓮「いいね! 八幡さんのキラメキラリを…」
八幡「その話はやめろ……ってか、さすがにそれはダメだ。危険過ぎる」
奈緒「えー。変装してりゃ大丈夫だろ」
八幡「無理なもんは無理」
奈緒「……輝子とは喫茶店行ったくせに」ぼそっ
八幡「」ギクッ
加蓮「(なんか浮気現場を目撃されたカップルを見てる気分)」
八幡「い、いや、あれは輝子から急に呼び出しがあって、何か緊急の用事なのかと仕方なくだな」
奈緒「そーかいそーかい、輝子とは遊びに行って、アタシらとは行けないんだなー」つーん
八幡「ぐ……これでもかってくらい分かり易く拗ねやがって」
197 :
待ってた
198 = 1 :
加蓮「……奈緒、アニソン歌っても分かってくれる人が八幡さんくらいしかいないからさ。前カラオケ行ってた時は凄い楽しかったみたいだよ」こしょこしょ
八幡「ああ……なーる」
奈緒「ちょっ、加蓮! 勝手なこと言うなよ!」カァァ
八幡「いや、正直気持ちは分かるぞ。あの時だけは材木座と遊ぶのも良いかも、なんて血迷うくらいだ」
奈緒「な、なら!」
八幡「だが断る」
奈緒「……ですよねー」
八幡「悪いな。……これもある意味、俺の我が侭なんだ」
加蓮「…………」
奈緒「分かってるよ。だから、今回は諦めてやる」
八幡「そうして貰えると助かる」
加蓮「それじゃあどうしよっか」
八幡「……しゃーねぇな」
奈緒「ん? どこ行くんだ比企谷」
八幡「人目が無く話してられる場所なら、おあつらえ向きな所があるだろ」
奈緒「……ああ、なるほど」
加蓮「確かに、それなら張り紙も必要ないね」
八幡「そういうことだ」
奈緒「よーし、それならいっちょ気合い入れて活動するか!」
加蓮「どんな依頼が来るかなー。ちょっと楽しみ」
奈緒「考えてみれば、生徒会選挙以来だな。奉仕部手伝うの」
八幡「いや、なんで部活する感じなってんの? 部室借りるだけよ?」
加蓮「まぁまぁ良いじゃん。折角奉仕部にいるんだからさ」
八幡「さいですか……」
奈緒「アタシ部長代理な」
八幡「(……こいつらは、特に何も訊いてこないんだな)」
加蓮「えー、そこは八幡さんじゃないの?」
八幡「(それか、あいつらから特に何も聞いていないのか)」
奈緒「比企谷はデレプロ支部の部長で、本部は雪乃が部長だからな。アタシは雪乃の代理」
八幡「(けどこいつらなら、特に何も言わなくても見透かされてるような気もする)」
加蓮「そういえば、副部長とかは決まってるの?」
八幡「(その上で、何も訊いてこないのかもな)」
加蓮「……八幡さん? 聞いてる?」
八幡「ああ、聞いてる聞いてる。ちなみに由比ヶ浜ではないぞ」
加蓮「そうなんだ。じゃあ特に決まってないんだね」
八幡「あの、俺だっていう可能性は考慮しないんですかね……」
奈緒「はは、それはねーだろ」
加蓮「ないねー」
八幡「酷いなオイ……(……揃いも揃って、お人好しだよ。ホント)」
199 = 1 :
最近デレステのSSRラッシュが殺しにかかってきてツライ。輝子だけでも絶対に迎え入れる。
みんなの評価 : ★
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