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元スレ穂乃果「最近さ……」
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雪穂「は…?何言ってるんですか、」
ことり「だから、そんなに周りを憎むんだったらその原因の犯人をこの世から消しちゃえば?ってことだよ?」
雪穂「……頭おかしいんですか」
ことり「それって穂乃果ちゃんのこと?穂乃果ちゃんはそうして殺そうとしたんでしょっ?なら一緒のはずだよね?
犯人が生きてることは穂乃果ちゃん知ってるの?」
雪穂「知って、ますが」
ことり「だったら尚更だよ。殺そうとした人間がこの先何年も生きてるなんて穂乃果ちゃん耐えられるのかなあ?」
雪穂「っ、ことりさんは!なんでそんな楽観的なんですか!?」
ことり「……何もないからだよ」
雪穂「……?」
ことり「こっちには、もう何もないの。……私だって後悔してる。
どうしてみんなと戦わなかったのか、どうして自分のことだけ考えてたんだろうって。
でも自分のことを犠牲にしてまで守ってくれようとしたお母さんの思いを無駄にするわけにはいかなかった。
私だってわかってる…私だって……穂乃果ちゃんに凄くごめんね、って気持ちでいっぱいなんだよ……っ」
雪穂「だからって、なんで私に犯人を殺せなんて言ったんですか!!年下だからってなめてるんですか!?」
ことり「雪穂ちゃんなら……殺してくれると思ったから…」
雪穂「……どういう意味ですか」
ことり「みんなには……穂乃果ちゃん以上に大切な人がいる。それが、家族。…それを捨ててまで犯罪者にはきっとなれない。
でも、自分達を、仲間を苦しめた人が生きているのは嫌。
……だから」
雪穂「だから、お姉ちゃんを1番に思っている私なら殺せるだろうって?」
ことり「……」
悪いのは犯人でμ'sじゃないってところまで正論なのにどうしてそうなるのか
毎度何かがずれてるメンバー…
穂乃果ちゃん凛ちゃんはよ
毎度何かがずれてるメンバー…
穂乃果ちゃん凛ちゃんはよ
人間なんて主観で生きるからね。
客観的に見てずれるのは仕方ないっしょ
客観的に見てずれるのは仕方ないっしょ
雪穂「……ことりさんの中では、犯人が死ぬか、自分が犯人の手の届かないところに逃げるかしか選択肢がないんですね」
ことり「だってそれが一番最善だよ?」
雪穂「最善……最善、ですか」
ことり「じゃあ雪穂ちゃんはどうすればみんなが幸せになれると思うの?」
雪穂「それは……(…犯人が、いなくなること…犯人のいない世界に行くこと…)」
ことり「ね、ふたつしかないでしょっ?結局みんな自分が可愛いんだよね、誰かのためにリスクを背負って行動できるなんて穂乃果ちゃんぐらいじゃないかなあ。」
雪穂「……」
ことり「穂乃果ちゃんはすごいよね、自分がどうなるとかそういうことを考えないでただμ’sのためだけに殺そうとしたんだもん。
ことりにはできないかなあ」
雪穂「お姉ちゃんを貶してるんですか、バカにしてるんですか」
ことり「そんなことないよ!ただ純粋に凄いなあって思っただけで。ねぇ、雪穂ちゃんはどうするの?」
雪穂「(いつまで経っても話が一方通行だ……これじゃあ、拉致があかない…。)
私は……私は、お姉ちゃんが私に"犯人を殺してほしい"って言ったら、殺します。
誰よりお姉ちゃんの意見を尊重します」
ことり「そうなんだあ。…………つまなんない」
雪穂「は……?」
ことり「つまんない、って言ったの。殺してきてよさっさと。雪穂ちゃんしかもうまともな人いないんだから」
雪穂「……ことりさんの中では、犯人が死ぬか、自分が犯人の手の届かないところに逃げるかしか選択肢がないんですね」
ことり「だってそれが一番最善だよ?」
雪穂「最善……最善、ですか」
ことり「じゃあ雪穂ちゃんはどうすればみんなが幸せになれると思うの?」
雪穂「それは……(…犯人が、いなくなること…犯人のいない世界に行くこと…)」
ことり「ね、ふたつしかないでしょっ?結局みんな自分が可愛いんだよね、誰かのためにリスクを背負って行動できるなんて穂乃果ちゃんぐらいじゃないかなあ。」
雪穂「……」
ことり「穂乃果ちゃんはすごいよね、自分がどうなるとかそういうことを考えないでただμ’sのためだけに殺そうとしたんだもん。
ことりにはできないかなあ」
雪穂「お姉ちゃんを貶してるんですか、バカにしてるんですか」
ことり「そんなことないよ!ただ純粋に凄いなあって思っただけで。ねぇ、雪穂ちゃんはどうするの?」
雪穂「(いつまで経っても話が一方通行だ……これじゃあ、拉致があかない…。)
私は……私は、お姉ちゃんが私に"犯人を殺してほしい"って言ったら、殺します。
誰よりお姉ちゃんの意見を尊重します」
ことり「そうなんだあ。…………つまんない」
雪穂「は……?」
ことり「つまんない、って言ったの。殺してきてよさっさと。雪穂ちゃんしかもうまともな人いないんだから」
雪穂「あの、もういいですか。さっきから同じことばっかり……正直時間の無駄なんですけど」
ことり「なんでわかんないかなあ?みんなが幸せになるには犯人はこの世にいない方がいいの。そのためには、犯人を殺さなきゃいけないの。
みんなが幸せになるにはμ’sの誰かが殺しちゃダメなんだよ?」
雪穂「でも私は高坂穂乃果の妹です、部外者なわけじゃない…!」
ことり「じゃあ殺せるよね?μ’sの一員じゃなくて、犯人に恨みを持ってる雪穂ちゃんなら。」
雪穂「……」
ことり「穂乃果ちゃんに幸せになってほしくないの?
また前みたいに笑ってほしくない?」
雪穂「それとこれとは話がーー」
「そこまでよ、ことり」
ことり「……なんで」
絵里「凛を送ってきてたのよ。…戻ってきてたのね、さっきから雪穂ちゃんにあなたは何を言ってるの?中学生に人殺しをさせようなんて正気?」
ことり「じゃあ絵里ちゃんが殺してくれる?」
絵里「……一旦落ち着きましょう、あなたは何故犯人を殺すことに拘ってるの」
ことり「…話す必要あるかなあ?」
絵里「ええ。そんなに言うならことりが殺せばいいと思うけど、私は」
ことり「ことりが?それは嫌かな?だってことりが犯罪者になったらお母さんの立場なくなっちゃうもん。
………………もう、ないけど」
絵里「……ことり、私達に何か隠してることあるんじゃないかしら?」
ことり「どうしてそう思うの?」
絵里「さっきからずっと腕を抑えているから」
ことり「……っ!」
絵里「それにそこまで寒くもないのになんで分厚い長袖?何かを隠しているんでしょう?」
ことり「……絵里ちゃんには、関係ないよ」
絵里「あるわよ」
ことり「ない…っ」
絵里「………」
ことり「何黙って……、きゃあ!?」
絵里「……ありがとう雪穂ちゃん」
雪穂「いえいえ、ことりさんを押さえるぐらい簡単ですよ。」
絵里「手荒なことをしてごめんなさい。話してくれないなら見せてもらうまでよ」
ことり「……っ!!……お、」
絵里「何?」
ことり「お母さん、が」
絵里「理事長がどうかしたの?」
ことり「……お母さん、おかしくなっちゃった」
・
・
・
・
バタンッ
ことり「お母さん!!穂乃果ちゃんが犯人を刺したって聞いたんだけど……っ!」
理事長「ことり……帰ってきてたのね…ごめんなさい、迎えにも行かないで…」
ことり「お、お母さん……?なんでこんなに散らかって……顔色も悪いよ!ちゃんと寝てるの!?」
理事長「……大丈夫よ…」
ことり「お母さん……ちょっと休もう?片付けは私がしておくから……ほら、その手にもってる包丁も貸して…………って…包、丁…?」
理事長「ことり……一緒に死にましょうか」
ことり「ーーーー!?ま、待ってよお母さん!しっかりして!?」
理事長「もう全部失ったわ……あの人のせい…ううん、自分のせいよね……私があの時すぐに行動出来ていたら……」
ことり「お母さんは悪くない!!悪いのは犯人なんだよ!?」
理事長「ことりは本当にいい子に育ったわ……私の自慢の娘よ」
ことり「あ、ありがとうお母さん……」
理事長「だから、ね?一緒に……」
ことり「……っ!!」
理事長「あの人がいなければ、あの人が死んでくれれば、あの人が、あの人が、あの人……」
ことり「お母さん……っ」
理事長「ねぇことり」
ことり「……?」
理事長「たくさんの人の人生を狂わせた人間が普通に生きてるなんておかしいと思わない?」
ことり「そ、それはそうだけど、でも逮捕されたんだし、そこでちゃんと罪を償って……」
理事長「甘いわよ、あの人がちゃんと更生なんてするわけないわ」
ことり「でももうどうしようもできないよ…」
理事長「……死んでくれないかしら」
ことり「……っお母さ、」
理事長「そうよ、あの人が死ねば幸せになれる。そうだわ……ねぇことり殺しにいきましょう」
ことり「いい加減にしてお母さん!!!!人を殺してどうするの!?それこそ不幸になっちゃうよ!そんなことしたって誰も幸せになんかならないよ!!!!」
理事長「……そうかしら」
ことり「……そうだよ、みんな、優しいもん」
理事長「なら、一緒に死にましょうことり」
ドサッ
ことり「つっ……!?や、やめ、お母さ……やめて、やめて、やめて!お母さん!!目を覚まして!お母さん!!」
理事長「お母さんもすぐにいくから…」
ブンッ……
ことり「……っっ!!!!!!」
…ポタ……
ポタ……
理事長「…!ぁ……、……あぁ…あ」
ことり「お、か……ぁ、さ」
理事長「あああああああああああ!!!!!!ごめんなさい!!ことり!!!!!!私は何を!!!!」
ことり「大丈夫、だよ……切れたの、とっさに出た腕、だけだから……」
理事長「ごめんなさい、本当に、ごめんなさい……」
ことり「お母さん……」
ことり「……あんなお母さんを見たら、犯人はこの世にいちゃいけないって思った。
でも、ことりが殺したら本当に今度こそお母さんは壊れちゃうって、思った、から」
絵里「……だから雪穂に?」
ことり「雪穂ちゃんなら、きっとやってくれそうだなって、思ったから……」
雪穂「……!」
絵里「あなたね……!」
バチンッ
ことり「ーーーーっ」
絵里「……!」
雪穂「……え」
亜里沙「……最低ですね、ことりさん」
雪穂「あ、亜里沙どうしてここに、」
亜里沙「お姉ちゃんがいつまでたっても帰ってこないから心配で探しに来たの。ついでに穂乃果さんと雪穂にも会いたくて……、立ち聞きはよくなって分かってたけど全部聞いちゃった。雪穂ごめんね」
絵里「……ごめんなさい亜里沙」
亜里沙「大丈夫。……それよりことりさん。今の話本気で言ってるんですか?雪穂に…」
ことり「本気だよ。じゃなきゃ、こんな状況で言わない」
亜里沙「そうですか……」
亜里沙「……なら。」
亜里沙「わたしが殺します。」
雪穂「ーーーー!?」
絵里「亜里沙……あなた自分が何を言ってるかわかってるの……!?」
ことり「……」
亜里沙「確かに亜里沙は何にもされてない。友達を傷つけられたり家族を傷つけられたりしたわけじゃない。
でも、犯人のせいで亜里沙にとって憧れだった"音ノ木坂学院"の"μ’s"がなくなったことだけは絶対に許せないの。」
絵里「だからって……!……亜里沙、今日はもう帰りましょ?一旦家に帰って冷静にならないと、」
亜里沙「お姉ちゃんには今の亜里沙が冷静じゃないように見えるの?」
雪穂「だめだよ、そんなの!誰もそんなこと望んでない!」
亜里沙「……犯人が、生きているからみんなが不幸になる。これはきっとみんな思ってること。
でも、みんなそれぞれ事情があって踏み出せないでいる。
雪穂は、亜里沙が大好きな海未さんが守ってくれた人なんだからちゃんと恩返ししないとダメだよ?」
亜里沙「いいんです、亜里沙は。失うもの、なんにもないから。それでμ’sの皆さんが幸せになれるなら、それで!」
絵里「ふざけないで!!!それじゃあ私はどうなるのよぉっ!?」
亜里沙「……お姉ちゃん。亜里沙ね、お姉ちゃんが大好き。いつも、優しくて綺麗で強くて…μ’sに入ってからのお姉ちゃんは本当にキラキラしてて、だからもっとμ’sが好きになったの。
亜里沙も、少しだけμ’sの役に立つことがしたいんだ」
絵里「だからって、それが、人殺しだなんて、」
亜里沙「だれかに脅されたわけじゃない、自分の意思で行動したときちんと、伝えるつもりです。ことりさんもそれでいいですか?」
ことり「!わ、わたし、は、」
亜里沙「ことりさんだって、本心じゃなかったんですよね。雪穂に殺させよう、なんて。」
ことり「……本当に、殺す気、なの?」
亜里沙「はい。μ’sに亜里沙が出来る唯一のことですから」
ことり「……ごめんね」
亜里沙「謝らないでください。……分かってます、人としては許されないことをするってこと。
でもそれ以上に、こんな状態のμ’sに亜里沙にもできることがあったのが嬉しくて誇らしいんです。」
雪穂「……絶対に帰ってきて」
亜里沙「当たり前だよ、雪穂。大人になったら絶対にお酒一緒に飲もうね」
絵里「(なに、してるのよ私……こんなの、亜里沙を無理やり家に連れて帰って家から出さなきゃいい話じゃない……!なのに声も出ない、体も動かない。
だめよ、こんなの、こんなの……どうして、どうして、嘘よ、どうして……こんなのダメだって分かってるはずでしょ!?なのに、どうして!私が止めなきゃいけないのよ!無関係の亜里沙を犯罪者になんてさせたくない!!!
なのに、どうして?
……どうして、犯人が殺されることに安心してる私がいるの?)」
雪穂「いつ……なの。」
亜里沙「これから」
雪穂「これ……から……じゃあ、ここにきたのって」
亜里沙「うん、最初からそのつもりだったの」
ことり「亜里沙ちゃんは……分かってたの?誰も、殺せないって…」
亜里沙「なんとなく、ですけど。……ことりさん、お姉ちゃん、……亜里沙からひとつだけお願いしてもいいですか?」
ことり「なぁに?」
絵里「……」
亜里沙「きっと、亜里沙は罰を受けます。だからその罰を受けて…またここに戻ってきたら、亜里沙のためだけに、μ’sでライブをしてくれませんか?……こんなこと、未練がましいかもしれないけれど、亜里沙はやっぱりμ’sが好きだから!」
ことり「……っ、うん、約束……する、っ」
絵里「……」
亜里沙「お姉ちゃん……だめ、かな…」
絵里「……!だ、だめじゃないわ、何回だってライブしてあげる……何回、だって……、っ……」
亜里沙「泣かないでお姉ちゃん。……亜里沙は死ぬわけじゃないよ」
絵里「でも、でも……っ!!でもやっぱり亜里沙が殺すのは間違ってるわよ!」
亜里沙「ううん。……お姉ちゃんだってわかってるでしょ?亜里沙じゃなきゃ、躊躇いなく殺せないって」
絵里「……っ……待ってるから……っ、こんな、ダメなお姉ちゃんで、本当にごめんなさい…!」
雪穂「……亜里沙」
亜里沙「完全な逮捕は、状態が回復してからってニュースで言ってたからまだ、いるはずなの。……だから」
絵里「……っ」
亜里沙「お姉ちゃん…、離してくれないといけないよ」
絵里「嫌よ……っ、嫌!」
亜里沙「……、ごめんね、お姉ちゃん」
バチィッ
絵里「……っ!?ぁ……り、」
ドサッ……
ことり「!?絵里ちゃん!?」
亜里沙「大丈夫です、ちょっと気絶しただけですから…ごめんなさい……お姉ちゃん」
雪穂「亜里沙、そのスタンガンはどこから……」
亜里沙「……真姫さんに、お願いしたの。貸してくださいって」
ことり「真姫ちゃんは、知ってるんだ……でもどうして真姫ちゃんと連絡が取れたの?」
雪穂「亜里沙、あの時真姫さんの電話番号聞いてきたのって」
亜里沙「うん、ごめんね雪穂。……雪穂に頼んだんです、どうしても真姫さんに話したいことがあるからって」
ことり「雪穂ちゃんは、知ってたの?」
雪穂「……お姉ちゃんの携帯の電話帳を見て、亜里沙に伝えました。緊急だと、思ったから」
亜里沙「ごめんね、嘘ついて。……それから真姫さんと連絡をとって事情を話しました。」
・
・
・
真姫「……何を、言ってるの?」
亜里沙「わたしが、犯人を殺します。……だから、その。なにか凶器を貸してください……!」
真姫「あ、頭を上げてちょうだい!亜里沙ちゃん、自分が何を言ってるか分かってるの?人を殺すのよ?殺人犯になるのよ?」
亜里沙「構いません。μ’sを助けられるなら」
真姫「……っ、で、でも」
亜里沙「きっと、亜里沙にしかできないんです。だから真姫さん、お願いします…」
真姫「……っ…でも、よく私の家にこういうものがあるって知ってたわね」
亜里沙「……その、偏見かもしれないですけど、お金持ちだから怪しい人がたくさん来るのかなって思って…」
真姫「……そんなことないと思うけど。…ううん、私が知らないところでもしかしたらあるのかもしれないわね。…はい、まずはこれ」
亜里沙「これは……?」
真姫「スタンガンよ。電気で相手を痺れさせるの。
動きを一時的に封じることができるわ」
亜里沙「ハラショー……真姫さんも使ったことあるんですか?」
真姫「私は使おうとしたけど……失敗したわ」
亜里沙「ご、ごめんなさい……」
真姫「いいのよ。もう過ぎたことだし。……次に使う凶器だけど…ナイフは至近距離まで近づかないと難しいし女子中学生の力じゃ難しいかもしれないわね。
……じゃあ、これかしら」
亜里沙「……ピストル」
真姫「非常時の時のために家に置いてあるものよ。持って街を歩いてるだけでも罪になるから持ち運びには気をつけて。これなら病室の入口からでも届くはずよ。玉は……ちゃんと入ってるわね。
……もう一度聞くわ。
本当にいいの?後悔はしない?」
亜里沙「はい。絶対に後悔なんてしません。」
真姫「……分かったわ。成功を、祈ってる……それと」
亜里沙「?」
真姫「こんなこと、言うの……不謹慎だと思う。
でも…………ありがとう…」
亜里沙「……はいっ、ありがとうございます!」
・
・
・
雪穂「……そう、なんだ…」
亜里沙「亜里沙、もういくね。雪穂、ことりさんお姉ちゃんをお願いします」
雪穂「ついていくよ」
亜里沙「だめだよ雪穂。付いてきたら雪穂のこと嫌いになっちゃうよ?」
雪穂「……わかった」
亜里沙「また、いつか。……お姉ちゃん、ごめんね、だいすきだよ」
ちゅ…
絵里「……」
亜里沙「またね、雪穂!」
雪穂「うん、またね……また、……また、ね」
たったったっ…
ことり「……起きてるよね、絵里ちゃん」
絵里「……ええ」
ことり「……これで誰か幸せになるのかな」
絵里「……分からないわ」
雪穂「……。…なります。」
ことり「……」
雪穂「ならなきゃ、いけないです。亜里沙のために」
絵里「…………」
ーーパンッ……!パンッ!
『!?なんの音……!?』
『銃声!?どこから!?』
『きゃあああああ!!!!!!』
『こっち来て!早く!!!!』
『何してるの!?!?』
『みなさん落ち着いてください!!!』
絵里「………………亜里沙、ごめんなさい」
ー亜里沙sideー
たったったっ……
亜里沙「……泣いてたな、雪穂。」
亜里沙「ごめんね、お姉ちゃん。雪穂。」
亜里沙「でも、これでμ’sがまた元どおりになるなら…」
亜里沙「手、震えてる……当たり前だよね。大丈夫…大丈夫…。…あ……」
真姫「本当に……やるのね」
亜里沙「はい、……真姫さんはどうしてここに」
真姫「私と一緒に病室に入りましょう。見張りの人はとある事情で今席を外してる。」
亜里沙「とある事情……?」
真姫「差し入れた飲み物にね、ちょっと利尿と排便作用の強い薬を溶かしておいたの。5分は出てこないわ」
亜里沙「ハラショー……さすがお医者さん……」
真姫「……まぁね、でも逆に言えば5分ほどしか時間がないの。躊躇わずに撃てる?」
亜里沙「それは問題ないです。真姫さんは近くにいてくれるんですか?」
真姫「えぇ……あの人の最期を見届けたいから」
亜里沙「それなら亜里沙も心強いです。……行きましょう」
真姫「何が…あなたをそこまで……」
たったったっ……
亜里沙「……泣いてたな、雪穂。」
亜里沙「ごめんね、お姉ちゃん。雪穂。」
亜里沙「でも、これでμ’sがまた元どおりになるなら…」
亜里沙「手、震えてる……当たり前だよね。大丈夫…大丈夫…。…あ……」
真姫「本当に……やるのね」
亜里沙「はい、……真姫さんはどうしてここに」
真姫「私と一緒に病室に入りましょう。見張りの人はとある事情で今席を外してる。」
亜里沙「とある事情……?」
真姫「差し入れた飲み物にね、ちょっと利尿と排便作用の強い薬を溶かしておいたの。5分は出てこないわ」
亜里沙「ハラショー……さすがお医者さん……」
真姫「……まぁね、でも逆に言えば5分ほどしか時間がないの。躊躇わずに撃てる?」
亜里沙「それは問題ないです。真姫さんは近くにいてくれるんですか?」
真姫「えぇ……あの人の最期を見届けたいから」
亜里沙「それなら亜里沙も心強いです。……行きましょう」
真姫「何が…あなたをそこまで……」
亜里沙「μ’sは…亜里沙にたくさんの気持ちをくれました。嬉しかったり、悲しかったり、楽しかったり。
キラキラした気持ちをたくさんくれたんです。
μ’sがいたから、今の亜里沙があるんです。
だからそのμ’sが誰かのせいでなくなるのは、本当に嫌だったから……許せないんです。
亜里沙のこの行動で、この先またμ’sが集まってくれるならそれだけで十分ですっ」
真姫「……強いのね、亜里沙ちゃん」
亜里沙「強くなんかないですよ。ただ、"何もされていないから"なんです。
亜里沙は"部外者"だから。だから、気持ちがぐるぐるしないだけなんです」
真姫「……そう。……着いたわ。心の準備はいい?開けるわよ?」
亜里沙「はい……!」
ガラ……
真姫「……寝てる」
亜里沙「最後に、お話したかったけど……仕方ないですね……。…ごめんなさい、 統堂さん……あなたのことは、許せないんです!」
ーパンッ……!
『……っ!?がっ……は…!っ!』
真姫「…っもう一回よ!」
ーパンッ…
『!!ぅ……』
……ドサッ
亜里沙「はぁ……はぁ……や、った……」
真姫「死んだ、のね……本当に…」
ガラッ!!
『一体何事ですか!?今の音は…っ…!?!?きゃ……!きゃああああああ!!!!!!誰か!誰か!!』
亜里沙「…これで……μ’sも、元どおりに…」
真姫「……本当に、これで、よかった…のよね…」
……UTX学院……
ガチャ
ツバサ「……今日は学校は休校のはずだけど」
あんじゅ「練習も休みよ?」
英玲奈「……なら何故2人ともここに居るんだ」
ツバサ「落ち着かなくて、ね。……なんていうかその…私たちの居場所じゃないみたいな雰囲気よね」
あんじゅ「マスコミも煩いし、本当に勘弁してほしいわよね」
英玲奈「…………すまない。」
ツバサ「もう、英玲奈!謝るのは無しって言ったでしょ」
英玲奈「でも、でもあいつのせいで……」
ツバサ「だからって英玲奈のせいじゃないわ。……誰も英玲奈のせいなんて言わないわよ。
よりによって私たちの知ってる相手なんだし」
あんじゅ「……スクールアイドル、」
ツバサ「?スクールアイドルがどうしたの」
あんじゅ「もう、ここでスクールアイドル続けても意味ないんじゃないかしら」
英玲奈「あんじゅ……!」
ツバサ「正直、…そうよね。……μ’sをボロボロにした犯人がUTXの元生徒会長なんだもの。信用ガタ落ちってレベルじゃないわ。」
あんじゅ「わたしたちが、裏から手を回してμ’sを落としたっていうデマも広がってるしねぇ…」
ツバサ「一体、なんのためにここまでやってきたか分からないわよ本当に……」
英玲奈「……なぁ、ツバサ」
ツバサ「認めないわよ」
英玲奈「わ、私はまだ何も言ってな、」
ツバサ「どうせ自分が責任をとって全部辞めるっていうつもりなんでしょ。冗談じゃないわ!私たちはA-RISEなのよ。3人でひとつなの!」
英玲奈「そうは言ってもな……この状況じゃ、ラブライブが開催されるかも……。開催されたとしても、ファンのみんなが票を入れてくれるかどうか…」
ツバサ「それでもやるの。それでも、私たちはA-RISEとして、支えてくれてるみんなに最高のパフォーマンスを見せなきゃならないの。違う?」
あんじゅ「ツバサの言いたいことは痛いぐらいわかるけど……今は、ちょっと…」
ツバサ「そんなの、わかってるわよ……」
英玲奈「……」
〜〜♪
英玲奈「す、すまない、私だ」
ピッ
英玲奈「はい、もしもし………はい…、……え?」
ーガシャンッ!
あんじゅ「英玲奈?どうしたの?携帯落ちたわよ……、…英玲奈?」
ツバサ「……あんじゅ、これ、見て、」
あんじゅ「なんなの?ニュース?それより英玲奈が、……えっ…」
ツバサ「…………いつか、こうなるとは思ってたわよ」
あんじゅ「え、英玲奈……」
英玲奈「は、……はは」
あんじゅ「…!?ちょ、ちょっと英玲奈!危ないわ!ツバサ!」
ツバサ「う、うんっ……」
ガタン!
英玲奈「……」
あんじゅ「何してるの!窓から飛び降りようとするなんて!!死んじゃうわよ!?」
ツバサ「……あんじゅ、」
あんじゅ「やめてよ……そういうの、本当にやめて…英玲奈まで死なないでよ……」
英玲奈「…………ああ見えてさ」
ツバサ「……うん」
英玲奈「あぁ見えて、玲緒(れお)は優しかったんだよ」
ツバサ「……う、ん、分かってる…私だって、お世話になったから…」
英玲奈「なのに、なんでだろうな。なんでこんなことになって……なんで、玲緒は、なんで」
あんじゅ「英玲奈……」
英玲奈「おかしいな、玲緒が死んだのに……殺されたのに、涙なんか出てこない……私はこんなに心が冷たい人間だったんだな…」
ツバサ「……人間は、悲しすぎると…受け止めきれない悲しみに襲われると涙なんか出てこないのよ」
英玲奈「どうしてだろうな……殺したのはきっとμ’s関係の人間だと分かっていても、μ’sを恨むことはできないんだ……今まで玲緒がμ’sにしてきたことを考えたら、責められない……」
あんじゅ「……ばかね」
英玲奈「私、本当は知っていたんだ……玲緒がμ’sにやってきたこと、玲緒は誇らしげに私に話していたから全て知ってたんだ……なのに、私は止められなかった!私のせいなんだ!!!」
ツバサ「…………玲緒さんがしてたことを黙って見てただけ?それとも手を貸したりもしたの?」
英玲奈「手を貸したりはしていない。でも玲緒は毎日嬉しそうに『これでA-RISEの優勝は間違いない』って、言ってた……止めなければ、と思った時には、もう、遅かったんだ……!」
ツバサ「……私、ちょっと高坂さんと話をしてくるわ。
英玲奈、玲緒さんを殺したのは……誰?」
英玲奈「………分からない、けれど女子中学生だとは聞いた」
あんじゅ「μ’s関係の女子中学生……高坂穂乃果の妹、高坂雪穂か……絢瀬絵里の妹の絢瀬亜里沙ね」
ツバサ「……私の予想だと、絢瀬亜里沙ね」
あんじゅ「そうかしら……高坂雪穂の方が穂乃果さんが失敗してたこともあって辻褄は合いそうだけれど」
ツバサ「まぁいいわ、行けばわかることね。……英玲奈はどうする?ここにいる?一緒に行く?」
英玲奈「私は……」
ツバサ「英玲奈の好きなようにしたらいい、今から私が行くところは英玲奈にとっては辛いかもしれないし」
あんじゅ「どうする?わたしは英玲奈のそばにいるわよ」
英玲奈「……私も、……連れて行ってくれないか」
ツバサ「……わかったわ。行きましょう」
A-RISEのファンってそういうことか。勝ち逃げはないってあったけど、最終的にスクールアイドルを道連れにしやがった。
信念捻じ曲げても読みましたよ・・・暗めのssや欝系ssは完結したら見ようというスタンスなのに、小まめに更新されてて、そのつど目に付く展開でKOされ続け・・・・・結局今は・・・・どんな結末であれこの着地点もとい結末が見えないssを最後までみたいので見たいですと
……西木野総合病院……
ツバサ「……ごめんなさい。」
穂乃果「……!…。…、」
ツバサ「……高坂さん、まさか声が…」
穂乃果「……」コク…
ガタン!
穂乃果「!?」
英玲奈「すまない!!本当に、本当にすまない……!私の兄が!!私の兄がμ’sを……!」
あんじゅ「英玲奈、いくらなんでも高坂さんの病室で土下座は、」
英玲奈「本当に、すまない……っ、なんと、お詫びしたら、いいか……」
穂乃果「……っ……」
ツバサ「……高坂さんは、知ってるの?その……英玲奈のお兄さんが…μ’s関係の女子中学生に殺されたこと…知ってたら、誰か教えて欲しいのだけど、」
穂乃果「……っ!?!?」
あんじゅ「その様子じゃ……知らないみたいね
ガラ……
雪穂「……!A-RISEの、皆さん……なんでここに、」
ツバサ「あら、ちょうどいいところに。……ねぇ、犯人を殺したのは貴女?それとも……絢瀬亜里沙?」
雪穂「ーーー!な、なんでそれを知って、」
英玲奈「……私の、兄だからだから」
雪穂「え……?う、嘘……です、よね……?」
英玲奈「嘘じゃない。犯人は……統堂玲緒は、私の兄だ」
雪穂「そ、そんな……」
ツバサ「……その様子だと、殺したのは絢瀬亜里沙ね」
穂乃果「…!」
穂乃果「……、……ぁ」
雪穂「お姉、ちゃ……?今、声が…、」
穂乃果「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああー!!!!!!!!!!!!!!」
雪穂「お姉ちゃん!?どうしたの、いきなり!?落ちついて!!!お姉ちゃん!!!」
穂乃果「あああ!!!!うわああああ!!!!!!」
雪穂「お姉ちゃん!!!!」
ツバサ「…………なんで、止めなかったの?と聞いているんじゃないかしら」
雪穂「……そんなこと、」
穂乃果「ああああ!!!!!」
雪穂「ま、待ってお姉ちゃん!そんなに掴んで揺さぶらないで!そうなの?そう言ってるの?!」
穂乃果「……っ」コクコク
雪穂「……止めれる、わけ、ないじゃん!だって、μ’sを、お姉ちゃんをここまで苦しめて!なのにこれからも犯人が生きてるなんて耐えられなかったんだよ!!
でも、誰も殺すなんて出来なかったの!だけど、だけど亜里沙が、あんな綺麗な目で、あんな綺麗な心で決心を決めてたの見たら、私も絵里さんも、ことりさんも安心しちゃって……っ
止めれるわけ、ないよ!!
私は、英玲奈さんのお兄さんだって知った今だって、犯人が死んだこと、亜里沙が殺そうとした時に止めなかったこと後悔なんてしてない!!!」
穂乃果「……ぁ……あ……」
ツバサ「……穂乃果さん、ゆっくり。ゆっくりでいいわ。
だから、貴女の今の気持ちを聞かせて。」
穂乃果「…ぶ…わ、………す…ぃ」
ツバサ「"全部忘れたい"……」
穂乃果「わ…………、が、み……た、か……の、せ……」
ツバサ「"私がμ’sをつくったから、私のせい"……」
穂乃果「……ぅに、……な、……ぃ」
ツバサ「"本当に、ごめんなさい"」
雪穂「……なんで、お姉ちゃんが謝るのよ。なんで、こんなに酷いことされてるのになんで自分のせいにするの!?」
英玲奈「私が……弱音を兄に吐いたりしなければよかったんだ……」
英玲奈「君たちμ’sが余りにも魅力的で、私も情けないけれど……不安になった。
UTXの看板を背負い、前回優勝のレッテルを貼られますます高まる期待に内心すごくプレッシャーだったんだ。
μ’sというライバルに果たして自分たちが勝てるのか……不安になった。その不安を、私は兄に話してしまった。
話を聞いた兄の反応は……今でも忘れられないぐらい、衝撃的だったよ。
見たこともない怖い顔で『じゃあμ’sがいなくなればいいんだな?』って聞いたんだ。
もちろん、私が言いたかったのはそうじゃない。
……ただ私は慰めて欲しかっただけなのかもしれない。
けれど兄の暴走はそこから始まってしまったんだ。
何度も止めようと思った。こんなことして、勝ったって全然嬉しくないって分かってたのに、あの顔で今度は敵意が自分に向けられたらどうしようと怖くなって、見て見ぬ振りをしてたんだ……
本当に、すまない……」
ツバサ「英玲奈、顔を上げて。……私も、謝らなきゃいけないことがあるから」
英玲奈「な、なんだ……?今ここで言わなきゃいけないことなのか?」
あんじゅ「ツバサ……わたしも知らないわよ」
ツバサ「2人とも…高坂さんたち……今まで黙っていてごめんなさい。私と……犯人…英玲奈のお兄さんは、恋人同士だった。」
英玲奈「なっ……!?」
ツバサ「それだけじゃない。……私と玲緒さんは…
共犯、だったのよ」
ツバサ、マジか…
ところで、犯人は元UTX学院生って言っていたけど、UTX学院って確か女子校だよね?
ところで、犯人は元UTX学院生って言っていたけど、UTX学院って確か女子校だよね?
英玲奈「……は…?」
あんじゅ「共犯……って、ツバサ意味わかってる?」
ツバサ「えぇ……私は、…μ’sを潰すために玲緒さんと行動していたわ」
穂乃果「……!」
雪穂「……っ、最低すぎる……っ!!」
英玲奈「ま、待てよツバサ……なんでそんなこと、
そんなことお前がするわけないだろ!
玲緒に脅されてたんだよな?そうだよな!?」
あんじゅ「ツバサらしくないわよ……なんで、そんなことしたの……?本当にツバサがしたの?玲くんじゃないの?」
ツバサ「……そう言えばそうなのかもしれない。でも、私も英玲奈と同じ。……μ’sに勝てるか不安だった。
……μ’sには詩、曲、衣装のスペシャリストがいる。
加えて証明やカメラの技術を持つ生徒もいる。
私たちは、この人たちに勝てるのか、って純粋にプレッシャーだったわ。
自分をどう魅せればたくさんの人たちの心を掴めるのか分からずにただ、がむしゃらに努力した。
その結果練習で何度も、自分だけが暴走して力んだパフォーマンスになってしまった。
負けたくないって思えば思うほど、
負けるわけがないって信じれば信じるほど私は方向性を見失っていったの。
友達からも家族からも、もちろん学院の生徒たちや先生方からも"また優勝するんだよね"なんて言われて。
……そんな時、玲緒さんと久しぶりに会ったの。
玲緒さんは私達の2つ上。私達が1年生の頃のUTXの生徒会長だった。
一目でたくさんの人を魅了するくらいのカリスマ性の持ち主だった。もちろん、技術面でも驚くほど優れていた…私も例外なく惹かれたわ」
ー
ーーー
ーーーー
ツバサ「……今日も、2人に迷惑かけちゃった。……もう、時間がないのに…」
玲緒「?ツバサちゃん?」
ツバサ「ひゃ!?れ、玲緒さんっ!?」
玲緒「やっぱりツバサちゃんだ!どうしたのこんなところで?何かあった?」
ツバサ「い、いえ……なんでもないんです……」
玲緒「うーそ。悩んでます、って顔に書いてるよ。
俺じゃ英玲奈たちみたいに役に立たないかもしれないけど話ぐらいなら聞くよ?」
ツバサ「で、でも……玲緒さんの迷惑になるわけには、」
玲緒「俺が聞きたいからいいの。勉強に詰まっちゃってねー、誰かの話聞いて気分転換したい気分なんだ」
ツバサ「玲緒さんは……医学部でしたっけ。すごい…」
玲緒「ははっ、そうでもないよ?確かに勉強は大変だけどね。……いつか、人を笑顔にできる場所に立てたらなって思うから」
ツバサ「人を……笑顔に……」
玲緒「そういえば、また開催されるみたいだねラブライブ。A-RISEももちろん出るんだろ?」
ツバサ「はい……」
玲緒「もしかして、そのことで悩んでるのか?」
ツバサ「……自信が、なくなっちゃって。情けないけど」
玲緒「なんで?前回優勝のA-RISEが?気張らずにいつも通りやればいいんじゃないのか?」
ツバサ「それじゃダメなんです!!!」
玲緒「……と、いうと?」
ツバサ「お、大声出してすみません……それじゃ、ダメなんです…この地区に、優勝候補……ううん、むしろ私たちを破って優勝しそうなグループがいて……」
玲緒「そんなに凄い人達なのか?」
ツバサ「なんていうか、直感で分かったんです。
私たちはこの人達に負けるって。そしたらもう、焦って何もかもうまくいかなくなって……時間、ないのに……っ」
玲緒「そういえば英玲奈も、最近そんなこと言ってたな…そのグループって音ノ木坂のだっけ?廃校になりかけてたけど間一髪で免れたって聞いたな。スクールアイドルのおかげか?」
ツバサ「多分……そうだと思います…」
玲緒「あった、これか……μ’s……メンバーは…。……!」
ツバサ「……?誰か知り合いがいたんですか?」
玲緒「……いや、この西木野真姫って」
ツバサ「西木野総合病院長の一人娘だったと」
ーーー
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ツバサ「……今日も、2人に迷惑かけちゃった。……もう、時間がないのに…」
玲緒「?ツバサちゃん?」
ツバサ「ひゃ!?れ、玲緒さんっ!?」
玲緒「やっぱりツバサちゃんだ!どうしたのこんなところで?何かあった?」
ツバサ「い、いえ……なんでもないんです……」
玲緒「うーそ。悩んでます、って顔に書いてるよ。
俺じゃ英玲奈たちみたいに役に立たないかもしれないけど話ぐらいなら聞くよ?」
ツバサ「で、でも……玲緒さんの迷惑になるわけには、」
玲緒「俺が聞きたいからいいの。勉強に詰まっちゃってねー、誰かの話聞いて気分転換したい気分なんだ」
ツバサ「玲緒さんは……医学部でしたっけ。すごい…」
玲緒「ははっ、そうでもないよ?確かに勉強は大変だけどね。……いつか、人を笑顔にできる場所に立てたらなって思うから」
ツバサ「人を……笑顔に……」
玲緒「そういえば、また開催されるみたいだねラブライブ。A-RISEももちろん出るんだろ?」
ツバサ「はい……」
玲緒「もしかして、そのことで悩んでるのか?」
ツバサ「……自信が、なくなっちゃって。情けないけど」
玲緒「なんで?前回優勝のA-RISEが?気張らずにいつも通りやればいいんじゃないのか?」
ツバサ「それじゃダメなんです!!!」
玲緒「……と、いうと?」
ツバサ「お、大声出してすみません……それじゃ、ダメなんです…この地区に、優勝候補……ううん、むしろ私たちを破って優勝しそうなグループがいて……」
玲緒「そんなに凄い人達なのか?」
ツバサ「なんていうか、直感で分かったんです。
私たちはこの人達に負けるって。そしたらもう、焦って何もかもうまくいかなくなって……時間、ないのに……っ」
玲緒「そういえば英玲奈も、最近そんなこと言ってたな…そのグループって音ノ木坂のだっけ?廃校になりかけてたけど間一髪で免れたって聞いたな。スクールアイドルのおかげか?」
ツバサ「多分……そうだと思います…」
玲緒「あった、これか……μ’s……メンバーは…。……!」
ツバサ「……?誰か知り合いがいたんですか?」
玲緒「……いや、この西木野真姫って」
ツバサ「西木野総合病院長の一人娘だったと」
ツバサ「彼女がどうかしたんですか?」
玲緒「いやぁ、ちょっとこの間院長と話してたらさ、後ろにいたこの子が"チャラチャラして気持ち悪い"とか言ってきて……はは」
ツバサ「玲緒さんがチャラチャラ……してますかね…」
玲緒「多分この髪色……なのかな、地毛なんだけどね、元々明るい上にずっと水泳やってたからもっと明るくなっちゃって」
ツバサ「それにしても、西木野さんは平気で初対面の人にそんなこと言えるのね……信じられない」
玲緒「まあまあ、俺は怒ってないよ。それより、話戻そうか。ツバサちゃんは……その、μ’sが邪魔なのかな?はっきり言うと」
ツバサ「邪魔……っていうか、確かに張り合えるいいライバルでいられるとは思うわ。でも……あの人達と戦って、私達が勝てるビジョンが見えない…
どれだけ努力して、完璧なパフォーマンスをしたとしても勝てる気がしないんです。
それに、UTXでも私たちの他にμ’sを応援してる人たちだってたくさんいて……何のために頑張ってるんだろう、って……っく……ひっ……」
玲緒「……そっか、いろいろ抱えていたんだね」
ツバサ「ご、めんなさい、泣いたり…して……」
玲緒「いいよいいよ。ずっと我慢してたんだろ?たくさん泣きな」
ツバサ「う、ぁ……ぐすっ……ひっ……」
玲緒「よく一人でここまで悩んで頑張ってきたね。
誰にも言えずに辛かっただろう。
一度頂点に立ったスクールアイドル、ましてやツバサちゃんはリーダーだ。弱音なんて誰にも吐けないよな。
そんな中でライバルが出てきて、しかもそのライバルたちは自分たちよりずっとキラキラしてて。
それでもなお掛かるプレッシャーで逃げ出したくもなっただろう。
よく、頑張ったな」
ツバサ「……っう……うぁあああん!!」
ー
ーーー
ーーーーー
ツバサ「あの時、玲緒さんだけが私の気持ちを分かってくれた。壊れそうだった私の心を支えてくれた。
頭を大きな手で優しく撫でて宥めてくれた……それだけだったけど、私が玲緒さんを好きになるには十分な理由だったわ」
雪穂「そんなの、ただの逆恨みじゃないですか…!勝手な被害妄想してんじゃないですよ……貴女はしていいことと悪いことの区別もつけられなかったんですか!!!」
ツバサ「……貴女にスクールアイドルの何が分かるの?
たかが義務教育の中学生のくせに。
μ’sだってそうよ、部活動としてやっているスクールアイドルと学校の看板を背負ってPRするスクールアイドルとは全く重みも責任も違う。
今回は優勝できなかった、では済まないのよ。
実力不足としてA-RISEから蹴落とされ別の人がA-RISEへ加入するの。
自分が輝いていた場所が奪われるの。
その恐怖……少しでも考えたことある?」
雪穂「……っ」
ツバサ「分からないでしょうね、貴女には。上に立つということが、どいうことなのか。
上に立ち続けるということがどれ程難しくて気が滅入ることなのか。
追いかける方より追いかけられる方が辛くて厳しいのよ。
貴女たちはよかったでしょうね、高坂穂乃果さん。」
穂乃果「……っ!」
ツバサ「学校存続やA-RISE、優勝を目標としてただひたすら前に進めばいい。新たなファンを捕まえればいいだけだもの、気楽よね。
それに比べて私達はいかに学校の好感度を上げるか、どれだけ古参のファンの心を離さずに新たなファンの心を掴むかにかかってくるの。一度でも失敗すれば全てが崩れ信用をも失う。
ねぇ、それがどれだけ恐ろしいことか考えたことある?」
穂乃果「……」
ツバサ「英玲奈もあんじゅも解るはずよ。これがどれだけ大変なことなのか」
英玲奈「…………だからって」
あんじゅ「許されることじゃ、ないわ……」
ツバサ「えぇ、そうよ。私は許されないことをした。
それは分かってるわ。でも、μ’sはもう一時的かもしれないとはいえ再起不能でしょう?
なら、私の目的は達成できたのよ」
英玲奈「ま、待ってくれ、ツバサ…お前は通り魔に腕を刺されたよな?あれは……自分で刺したのか?それとも本当に…」
ツバサ「……あぁ、あれは、玲緒さんの作戦のうちの1つよ。」
英玲奈「……!」
ツバサ「もともと通り魔に関しては私たちとは別問題。
でも近くにスクールアイドルだけを狙う通り魔が出た、とニュースなれば当然μ’sにも影響がある。
そしてそのニュースはそこからの作戦でμ’sの心理状況を大きく左右する。
それを狙って玲緒さんにわざと少し切り傷をつけてもらって警察に走ったの。……なかなかの演技だったと思うわ」
あんじゅ「……ツバサ、ごめんなさい。
気づいて、あげられなくて……こんなになるまで、1人で頑張らせて……」
英玲奈「……っ、なんで、お前が謝るんだあんじゅ!顔をあげろっ!」
あんじゅ「……っ」
英玲奈「あんじゅ!!」
ツバサ「……いいのよ、許さなくても。
別に私は私の信念に従っただけ。
共犯の事実はきっといずれはバレる。
……玲緒さんだって、もうここにはいない」
英玲奈「ツバサは……玲緒の共犯って言ったよな…
何の手伝いをしてたんだ……?」
ツバサ「……人寄せよ。玲緒さんがμ’sメンバーに接触している時、その付近に人が近づかないようにわざと軽めに変装して人を集める。
あとは、小物を用意したり、μ’sや音ノ木の情報を集めたり、それぐらいよ。
でも立派な共犯でしょう?……役に立てて嬉しかったわ」
雪穂「……うまく利用されたんですね、ツバサさん」
ツバサ「……なんですって?」
雪穂「いい小間使いにされたってことです。本当に愛し合ってたって言えるんですか?」
ツバサ「言えるわよ」
雪穂「そうですかね、常識的に考えて本当に愛している恋人にそんな危険なお願いしますか?
元々2人の目的はラブライブでのA-RISEの優勝ですよね。
もしどっちかがミスしてそれが公になったら、A-RISEはもう信用どころの話じゃなくなると思うんですけど。
玲緒さんにとっては、妹である英玲奈さんに花をもたせたい一心だっただけで、そこにたまたま扱いやすそうな人がいたから使っただけじゃないんですか?」
ツバサ「……随分、言ってくれるじゃない」
雪穂「共犯でした、はい、そうですか。μ’sに勝てなそうで悩んで大変でしたね、分かってあげられなくてすみません。2人の愛は素晴らしいです……なんて、なるとでも?」
ツバサ「貴女の発言はいちいち癪に触るわね」
雪穂「それはどうも」
英玲奈「……ツバサ」
ツバサ「何?」
英玲奈「ずっと、渡すか迷っていた……こんなことにはならないだろうと思っていたから。
……玲緒は預言者か何かなのか…?」
ツバサ「言ってる意味がよくわからないのだけど」
英玲奈「"俺が何者かに殺されて、ツバサが全てを話した時に渡してほしい"と、託されたツバサ宛の手紙だ」
ツバサ「……本当に?」
英玲奈「あぁ……この宛先の字、玲緒の字だろ?」
ツバサ「うん……そうね、読ませてもらうわ」
ガサ……
ツバサ「……」
ツバサ「……ふふ、玲緒さんたら……」
ツバサ「…うん、私もよ…」
ツバサ「ふふ……」
ツバサ「やっぱり、私たちは愛し合ってたんじゃない。
こんな情熱的な手紙を書いてくれて……
……2枚目もある。」
ツバサ「……ぅ、そ」
ツバサ「なに、これ……なによ……なんなの……」
ツバサ「……こんなのって…っ!!?!」
バサバサッ
ツバサ「ぁ……あ……嘘、よ、玲緒さんが、こんな…」
雪穂「……何が書いてあるんですか?」
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