私的良スレ書庫
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元スレ京太郎「私は、瑞原はやりです☆」
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朝飯は食べてこなかったので、まずは外の模擬店を覗いてみることにした
不格好な看板とか、接客そっちのけで駄弁っている男女の群れとか、文化祭らしい光景が一面に広がっていた
二人でつらつらと歩いていると、よく知った声が聞こえてきた
優希「タコスはいらんかねー、おいしいタコスはいらんかねー」
お前か
はやり「おっす」
優希「おお、京太郎か。私が味見して、皆に作らせたこの究極のタコスをぜひ食すといいじぇ!」
自分で作ったわけじゃないのかよ
優希「ところで、隣にいらっしゃるその方は一体誰だじょ、京太郎?」
はやり「ああ、この人はな」
優希「うん」
はやり「俺の恋人だよ」
今度はサラリと言ってのけた
"彼女"から、さらにレベルアップしているのは気のせいだろうか?
優希「……っ」
京太郎「?」
優希「きょ…京太郎にそんな人がいたんなて……うぅ、グスッ…そんな…」
この反応…!?ま、まさか、優希は俺のことを──
優希「あの日、夜の海岸線で交わした将来の約束はどこに行ったんだじぇ!?、私というものが、ありながら!」
はやり「……」
京太郎「……」
はやり「いや、そんな約束をした覚えはない」
俺もそんな約束をした覚えはない。というか、長野県は海に接していないし、優希とは海に行ってない
優希「乙女心を弄ばれたじぇ。タコスをおごってくれたら許してやらんこともない」
はやり「タコス2つでお願いします」
「まいどありー」
優希「無視されたじょ…」
しゃあない
はやり「はい、どうぞ」
京太郎「ありがとう、京太郎くん」
優希「お姉さん、ずるいじょ……私を前にして、タコスをむさぼるとは」
はやり「お前は働け」
京太郎「……」
京太郎「少しだけ…ほんの少しだけ、調理場借りてもいいかな?、ほんとはダメなんだろうけど」
優希「ほえっ!……いや、しっかり消毒さえしてくれれば、あとはどうとでも言い訳が…」
はやり「いや、ダメだろ」
京太郎「なら、貸してもらうね」
うん、生地はもうあるし、具材も調味料も揃ってる。大丈夫そうだ
うん、うん、うん──こんな感じかな。意外と身体は覚えてるもんだ
京太郎「はい、食べてみて」
優希「えっ、それ、私に…?」
京太郎「他にいるのなら、その人にあげちゃおうかな?」
優希「意地悪が過ぎるじぇ、お姉さん!、ぜひ私めに」
京太郎「じゃあ、はい。どうぞ、優希ちゃん」
優希「えっ、名前なんて…?」
京太郎「あなたのことなら、よく知ってるよ。だから、これもきっと気に入ると思う」
優希「ありがとう、お姉さん!、で、では早速……はむ」
京太郎「どう?」
優希「う、うまい…しかしこの味、インターハイまでの京太郎の……」
京太郎「そう」
優希「はっ、分かったじょ!、お姉さんは京太郎の師匠に違いないじぇ!」
京太郎「まっ、そんなとこ」
優希「やはりそうだったのか。お姉さん、この犬にもう一度指導のほどをお願いするじぇ」
優希「最近、味が変わって…まったく、たるんどる」
はやり「うるせー」
京太郎「そうだね、そうしとくよ」
京太郎「だから、しばらくの間は京太郎くんのことよろしく頼むね」
優希「そんなの、お安いご用だじぇ!」
結婚相手として見るなら京太郎マジ優良。戻ればはやりんに捕食されること待った無し
模擬店で小腹を満たした後は、校舎の中を見ることにした
そして、何ヶ所か回った後
はやり「さっきの、結構いい所あるじゃん」
京太郎「さっきの?、優希のですか?、そんな大層なもんでもないっすよ。腹減ってると、あいつ力がでないから」
はやり「でも、優希ちゃんがあなたのタコスを欲しがっていたのを、ちゃんと分かったじゃない」
京太郎「まずは胃袋を制圧するのが、男女関係の攻略におけるセオリーですからね」
はやり「ふふっ、私ね、京太郎くんのそういうところ好きだよ」
京太郎「は、はぁ…?///」
成りが俺じゃなかったら、今のはヤバかったかもしれない。ちょっと、キュンときかけてしまった
はやり「周りをキチンと見ていられるのって、できそうでいて、なかなか皆できないものだから」
京太郎「ただの世話好きか、でなきゃ物好きなだけですよ」
京太郎「それに、はやりさんの方がよっぽど周りが見えてるじゃないですか?」
京太郎「俺に簡単に化けるのもそうですけど、和の悩みとかすぐに見抜いて。そういうの憧れます」
はやり「…そんなことないよ」
京太郎「?」
はやり「だって、私は、ただみんなの望んだ──」
久「やっほー、須賀くん。元気してるー?」
はやり「!!、ああ…竹井先輩ですか」
京太郎「どうも」
久「あらー、初めましてこんにちは。もしかして、須賀くんのコレかしら」
ニヤニヤしながら小指を立てる竹井先輩…なに、その仕草?
京太郎「え、えと…」
はやり「いえいえ、違います。ただの、将来を誓い合った仲ですよ」
久「ああ、そうなの──ってなことをみんなにも言ってるのね?」
久「須賀くんが誰かとお付き合いしているなんて、残念ながら、だぁーれも信じないわよ」
はやり「ははは、バレてしまいましたか」
和はちょっと信じてたっぽいけどな
はやり「先輩は、何してるんですか?」
久「学生議会ので、ちょっと駆り出されちゃってね。簡単なお手伝いよ」
はやり「引退したってのに、大変ですねえ」
久「何もしないってのもあれだし、こうやって働くのも悪くはないわ」
はやり「よっ、はったらき者ー」
久「そういえば、聞いたわよ。使用許可が下りたって。やるわね、須賀くん。どんな裏技を使ったのやら」
はやり「ぐふふ、内緒です」
久「まっ、いいわ。では、お姉さんも楽しんでいってくださいね」
京太郎「ええ、ありがとう」
久「んじゃね」
忙しそうに、だけど元気に廊下を駆け回っていく竹井先輩
俺は、その姿見えなくなるまで、静かに見守ることにした
京太郎「いやー、竹井先輩も元気そうでなによりでしたね」
はやり「なんだか、京太郎くんの目、彼女のお母さんみたい」
京太郎「次、どこ行きます?、もう目ぼしい所は回ってしまったような気がしますけど」
はやり「んーと……あっ、そうだ!、大事なところに行くの忘れたよ」
京太郎「大事なところ?」
はやり「部室」
そう言ってから、旧校舎に方に向かう俺たち
部室って、もちろん麻雀部の部室を指していたのだろうけど、うちの部活って文化祭の出し物あったのか?
でも、なにやってんだろう?、麻雀教室とか?、あるいは、部長の家を見習って雀荘とか?
とにかく、部室の方に向かう。しかし、何かを催しているような雰囲気は感じられないし、人が見当たらない
京太郎「えーと、何かやっているようには見えないんですけど…」
はやり「あれー、おかしいな。もう、やってるはずなんだけど」
しかし、看板だけは立て掛けてあってそこには、こう記してあった
『夏のインターハイで大活躍した、宮永選手とぜひ打ってみよう!!』
その横には、咲の写真もあって、吹き出しも付いており、次のような文句が書いてあった
『~麻雀って楽しいよね 一緒に楽しもうよ!!~』
ちなみに、『麻雀って楽しいよね──』の部分は赤というより真紅の塗料が使われていて、少しにじんだり垂れたりしていた
京太郎「こわっ…」
そして、肝心の咲の写真なんだけど、なぜか背景は真っ黒で、目のハイライトが消えていた
京太郎「こわっ…」
なるほど、ともかく咲と麻雀で対戦するってな企画なわけだ
でも、それなら、もっとお客さんいてもおかしくなさそうなんだけど
京太郎「もうちょっと、この看板何とかならなかったんすか…」
はやり「こうした方が、お客さんも発奮できるかなーって、まこちゃんが」
発奮どころか、戦意喪失もんだよ、これ
まこ「おー、京太郎か」
はやり「はい、部長」
京太郎「どうも」
まこ「おお、これはご丁寧にどうも。いやー…まさか、おんしがこんなぺっぴんさんを連れてくるとは」
はやり「んもー、そんなぁ。世界一美しくて可愛くて綺麗だなんて、照れまちゃいますねえ」
自分で言ってて哀しくならないのか
まこ「いや、京太郎に言ったわけじゃないんじゃが」
京太郎「ははは…」
まこ「して、京太郎とはどういったご関係で?」
はやり「俺の婚約者ですよ」
まこ「なるほど、近所のお姉さん、と」
はやり「ノリが悪いなあ、部長」
まこ「京太郎に限って、婚約者はおろか、彼女すら考えられんわい」
はやり「ひっでー…まっ、そんなことはどうでもいいんですけど、人いませんね」
まこ「ああ、そうなんじゃよ。初めの頃は、あの『宮永咲』と打てるとあって大盛況じゃったんじゃが…」
はやり「何かあったんですか?」
まこ「あれは3組目のお客さんを相手にしているときじゃった」
咲『カン、カン、もいっこカン!』
咲『清一…対々、三暗刻、三槓子、赤1、嶺上開花……ふふっ、32000です』
咲『あっ、そうだ決め台詞決め台詞、っと』
咲『麻雀って楽しいよね。一緒に楽しもうよ!!』ニタァ
まこ「最初の対局では、気を使ってか、例のプラマイゼロで打っておったんじゃ…」
まこ「しかし、3組目のお客さんのガラが悪くてのう。殺意……じゃなかった、闘争心に火がついたんじゃろう」
まこ「接待プレイかと思いきや、相手も気付かぬうちに、まるで薄皮を一枚一枚剥いでいくかのように点をむしり取り」
まこ「そして、いよいよ瀕死の状態になったら、明らかにやり過ぎオーバーキルの役満…」
まこ「追い打ちをかけるように、トドメの決め台詞からの、あのニタァとした不気味な笑顔…」
京太郎「Oh…」
まこ「泣き叫ぶ小学生、それをなだめる母親、脱兎のごとく逃げる観客……悲惨じゃったよ」
はやり「Oh…」
まこ「まあ、最後のあの笑顔は、ただぎこちなくなってしまっただけ、と咲は言っておったがのう」
まあ、咲はそういうの苦手だしな
京太郎「でも、なんでそんな決め台詞を…?」
まこ「久の奴が、みんな喜ぶだろうからって…見事なまでの逆効果じゃったが」
まこ「まあ、おかげで暇になって楽と言えばその通りなんじゃが、金が…」
お金とってたんかい
まこ「ちょろまかして、部費に充てようかと思っておったんじゃが…世の中うまくいかんもんじゃな」
たくまし過ぎるぜ、部長!
まこ「そうじゃ、ついでに打ってくとええ。もちろん無料じゃ」
はやり「そうっすね」
京太郎「じゃあ、私も」
部室の中に入る。咲が椅子に座りながら本を読んでいた
はやり「よう、文学少女」
咲「あっ、京ちゃん来てくれたんだ」
はやり「大活躍したようで」
咲「ち、違うよ!?、あの役満だってただの偶然だし、最後のあれだってうまく笑えなかっただけで…!」
はやり「知ってるよ。しかし、暇そうだな」
咲「うーん、そうだね。でも、私としてはこっちの方がよかったかも。クラスの方もサボれるし、人多いの苦手だし」
はやり「あー、クラスのみんなに言ってやろー」
咲「ちょ、ちょっとやめてよ、京ちゃん」
はやり「うそうそ、冗談だよ、咲」
咲「もうっ、京ちゃんは!」
京太郎「……」
録画した動画の映像でも見ている気分だ
>>215 いえいえ、構いませんよ
咲「あーと、京ちゃんこの人は」ヒソヒソ
はやり「ああ、この人はな…」
京太郎「……」
はやり「俺たち、結婚したんだ」
咲「いくらなんでも、それが嘘であることくらいは分かる」
はやり「近所のお姉さんだよ」
咲「へえ、そうなんだ。ならどうですか、一局打っていきませんか?」
京太郎「うん、いいよ。ただ、一言言っておくとね。私はあなたが想像するより、はるかに──」
咲「……」ゴクリ
京太郎「弱いよ」
咲「そ、そうなんですか」
京太郎「だから手加減してね」
咲「は、はい」
_______
____
__
はやり「ぬわー、負けたー」
京太郎「ギリギリ飛ばずに済んだよ…」
まこ「まっ、こんなもんかのう」
咲「……この打ち方、京ちゃん…?いや、微妙に守備の仕方が……でも」ボソボソ
京太郎「何か気になることでもあった?」
咲「い、いえ、なんでもありません」
京太郎「そう?」
相変らず、麻雀に関しては勘のいい奴
しかし、まったく勝てる気がしないわな
戒能さんからは、兎にも角にも守備を何とかしないといけない言われていて、それしか習っていない
まだ、片手で数えるくらいしか教えてもらってないし、ほとんどネット空間での指導だけど
でも、咲や部長相手に飛ばなかっただけ、多少進歩したのかもしれないな
もし本当にそうなら、ほんの少し嬉しく思う。戒能さんに感謝しなくては
咲「京ちゃん、この後は?」
はやり「午後は、クラスの方の出し物を手伝わなくちゃならないから、そろそろ行きなきゃだな」
咲「そうなんだ。じゃあ、体育館のやつ楽しみにしてるよ」
はやり「そうしてくれ。きっとビックリするぜ」
咲「うん。じゃあね」
はやり「ああ、またな」
京太郎「じゃあまたね、咲ちゃん、まこちゃん」
簡単に挨拶を済ませて、部室から出た
もうそろそろ、お昼の時間のはずだ
京太郎「さて、ここでしばらくお別れですね」
はやり「うん、そうみたい。じゃあまた後でね、また体育館で会おうね」
京太郎「はい」
そう言って、さっさと俺のクラスの方に、はやりさんは小走りで向かっていってしまった
つまり、ポツンと、変装した28歳のアイドル雀士だけがそこに残る羽目になったのだった
京太郎「本当に高校生なんだな」
腕時計の針を眺めてみる。うーん、時間が余ってる。何かないかな
京太郎「……」
京太郎「探し物はなんですか、見つけにくい物ですか♪」
京太郎「鞄の中も、机の中も、探したけれど見つからないのに♪」
俺の美声を響かせながら、何かないかと探すようにして、目線を前の方に向けた
京太郎「んっ……あれは?」
見知った顔が見えた、つーかあれは
京太郎「父さん…?、と誰だ、あとの2人は?」
それは、中年男性3人が、喫茶店をやっている教室に、いざ入ろうとしているちょっと嬉しくない光景だった
ちょいと気になる風景だけど、残念ながらおっさん連中の会話を盗み聞きする趣味は、俺にはない
この場面は無視が得策だな。他を見て回ろう。きっと何かあるだろ
探すのをやめたとき、見つかることもよくある話で、ってね
ファンクラブの謎の部長と副部長の秘密の会合ですかね
そして見つかる変装アイドルと
そして見つかる変装アイドルと
突然で申し訳ありません
最近忙しくて、更新していくのが難しい状況です
ですので、一旦このスレはHTML化させていただきたいと思います
完成しましたら、新しくスレを立てて一気に投下する形になると思います
今までこのスレを見ていただいてくれた方、ありがとうございました
では、また
最近忙しくて、更新していくのが難しい状況です
ですので、一旦このスレはHTML化させていただきたいと思います
完成しましたら、新しくスレを立てて一気に投下する形になると思います
今までこのスレを見ていただいてくれた方、ありがとうございました
では、また
話自体は頭の中でほとんど出来上がっているので、また暇ができればそう時間はかからないと思います
えっ!
じゃあ一気に書くほうは書き終わってもHTML化せず自然に落ちるまで放置してほしい
忘れてて見れなかったら困る
じゃあ一気に書くほうは書き終わってもHTML化せず自然に落ちるまで放置してほしい
忘れてて見れなかったら困る
2ヶ月だっけ?
急かすのもアレだけど、生存報告で延ばすのもアリかも。
書き直したいなら落とした方がいいけどね。
急かすのもアレだけど、生存報告で延ばすのもアリかも。
書き直したいなら落とした方がいいけどね。
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