元スレ照「咲が泊まりにくる」淡「毎日サキと話してるよっ」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
151 = 1 :
照(さっきの様子…。あれは私にお菓子を見せたくなかったってこと、だよね…。)
照(咲がこんなに一生懸命つくってるのは……)
照「……はあ…。」
咲「…お姉ちゃん?」ヒョコ
照「っ!さ、咲…!」ビクッ
咲「今ちょっといい?」
照「う、うん、いいよ。なに…?」
咲「あのね…、お姉ちゃんはもう気づいちゃってると思うんだけど…これね……」
照(…!や、やっぱり淡にお菓子をっ…)
ガサッ
咲「はいっ、お姉ちゃんへ!」ニコッ
照(…………。)
照「……え?」ポカン
咲「あんなにバレバレにつくってたから、改まって渡すのもなんか変かもしれないけど…。」テレ
照(え…?)
照「こ、これ…私にっ…?」
咲「うんっ!まだちょっと温かいけど、食べられるくらいには冷めたと思うんだ。」
照(……!)
152 = 1 :
咲「さっき冷蔵庫開けようとしてたから、早めに包んじゃった。お腹空いてないと…きっと美味しく感じないかもしれないから…。」
照「そ、そんなことないっ。咲がつくってくれたんだから、いつ食べても絶対に美味しいよ。」
咲「ううん、本当に大したものじゃないから…。」
照「さ、早速開けてもいい?」ドキドキ
咲「…うんっ。」
照(綺麗にラッピングしてくれてる…。目の前にいた私に渡すために…わざわざ…。)
ガサ
照「わ…、美味しそうっ…。」
咲「ブラウニー…、お姉ちゃん大丈夫だったかな…?」
照「大好きだよ。」
照(食べるの、もったいない…。でも咲が見てるから…)ドキドキ
照「…いただきますっ。」
パクッ
照「……。」モグモグ
咲「……。」ドキドキ
咲(い、一応味見はしたけど…、お姉ちゃんの口に合うかなあ……?)
照「…美味しい……!」
咲「…ほんとうっ?」パアッ
照「うん…、これ…本当に美味しいよ。ちゃんと甘いのに、しつこくない…。」
咲「……!」
咲「よかったあ…。」ホッ
153 = 1 :
照(これを…私のために…。)カア…
咲「あのね…」
咲「このブラウニー、お姉ちゃんと淡ちゃんにつくったんだっ。」
照「え…?」
咲「2人にはいっぱい迷惑とかかけちゃってるし、いっぱい…感謝してて。…なにか私にできることないかなって思って、つくってみたの。」テレ
照「淡、にも…?」
照(そうなんだ…やっぱり、つくってたんだ…。)
咲「明日淡ちゃんに会えたら、渡そうと思うんだ。喜んでくれたらいいなっ。」
照(……このままだと、今以上に仲よくなって……咲は淡のことを…?)
照(そんなことっ………)グッ
咲「お姉ちゃん、私ちょっと淡ちゃんに電話かけてくるねっ。」
照(…あっ……。)
パタパタ…
咲(たしかケータイは、昨日のかばんに入れてたはず…。)
咲(…あった。)ゴソ
咲「淡ちゃんのアドレスはたしか……あ、これだ。」
ピ、ピ、ピ…プルル…
咲(淡ちゃん、出るかな…?)
154 = 1 :
~~~~~~~~~~~~~~~~
~~♪
淡(…!!)
パッ
淡「サキッ…」ドキッ
淡(サキが電話くれるなんて…!)
ピッ
~~~~~~~~~~~~~~~~
淡「もしもしっ…」
咲「淡ちゃん?あの…私だけど…」
淡「うん、サキッ。どうしたの?」
咲「あのね、明日ってなにか用事、ある…?」
淡(えっ…?)
淡「…ううん!特にないよ。」
咲「あ、ほんと?ええと…、急で悪いんだけど…明日少し会えたらなって。」
淡「あ、うんっ、おっけー。いつでもいいよっ。」ドキドキ
咲「それじゃあ…、15時ごろとか平気?」
淡「う、うんっ。」
咲「駅に待ち合わせでもいいかな?」
淡「わ、分かった…!」
155 = 1 :
ピッ…
咲「…。」ホッ…
咲(…明日、淡ちゃんと約束できてよかった。)
テクテク、ガチャ
咲「あ、お姉ちゃん。電話、終わったよ。」
照「うん…。」
咲「あ、お茶飲む?それだけだと甘かったよね。」
照「一緒に飲もう。」
咲「うんっ。今いれるね。」
……コポコポ…
咲「お待たせっ。」スッ
照「ありがとう。…隣、座りなよ。」
咲「うん。」ポス
咲(……あれ?ブラウニー、半分以上残ってる…。)
照「あのね、咲が来たら一緒に食べようと思って。」
咲「…あっ、いいよっ。これはお姉ちゃんにつくったものだし、私は味見したから…。」
咲(お姉ちゃん、私のために待っててくれたんだ…。)
照「でも、咲の分はないんでしょ?」
咲「え?う…うん。」
156 = 1 :
照「一緒に食べた方がもっと美味しくなる。」
咲「でも、お姉ちゃんの分だからっ…。」
照「それじゃあ咲に1つあげる。」
咲「へっ?」
照「美味しいから、もっとちゃんと食べた方がいい。」
咲「……うう…それじゃあ…、いただいちゃうね…?」
照「うん。」
咲「……。」モグモグ
照(………。)
咲「……?…お姉ちゃん、私のことじっと見てどうしたの?」
照「……えっ…!いやっ…何でも、ない…。」アセ
咲「そう?……ふふ、なんだか昨日の淡ちゃんみたい。」
照(……え?)
咲「…うん、我ながらなかなかの出来かなっ。お姉ちゃん、もう1個だけ食べていい?」
照(……。)
咲「この小さいの、もらっても…」
パッ
照「咲、口…あけて。」
157 = 1 :
咲「え?」
照「食べさせてあげるから…。」
咲「えっ!?…い、いいよっ!」アセッ
咲「私、自分でっ……んむ…」ハムッ
咲(…!!お、お姉ちゃんに食べさせてもらって……!)
ペロ…
照・咲(……っ!!)
照(さ、咲のが………!)
パッ
咲「ごっごめん…!指っ…ちょっと舐めちゃった…!」アセアセッ
照「…へ、へいき。」ドキドキ…
照(………もっと、咲と触れたい……。)
咲(は、恥ずかしいよお……。)
咲(…昨日の淡ちゃんのも恥ずかしかったけど…あのときはスプーンだったから、まだ……)
照「…咲、…」
咲「…!」ビク
咲「な、なあにっ?」
照「く、口元にチョコ…ついてるよ…。」スッ…
咲「えっ!?…ひゃぅ………」ブル…
照(咲の舌……、咲の声……、咲の…唇………)ドキドキ
フニ……
咲(…!!)
照「…と…とれた。」フイ
咲「……う、う…ん。」
158 = 1 :
照(すごく…柔らかかった…、咲の…。)ドキドキ
照(舌の感触も、まだ指に残ってる……。)
咲(お…お姉ちゃんに唇…触られちゃった…)
咲(うう……恥ずかしくてなにも考えられないよ…。)カア…
咲「………。」ドキドキ
照「……ご、ごめんね。ちょっと強引だったかも…。」
咲「えっ?…う、うん…大丈夫っ…。ちょっと、びっくりしただけだから…。」アセアセ
照「そ…そう。」
照(…でも、このくらい積極的にならないと咲はきっと…)
咲「…お、お姉ちゃんっ、ブラウニーもっと食べて…?」
照「…あ、うん。」パク
照(せっかく咲が美味しくつくってくれたのに…、もうほとんど味が分からない…。)モグモグ
咲「わ、私…お茶のおかわりいれてくるねっ。」サッ
照「…あ…」
パタパタ…
照(咲…動揺してる。…それが、ちょっと嬉しく思うなんて…。私本当に余裕ないな…。)ハア…
照(……もっと、咲に触りたい。もっと、意識して…ほしい……なんて。)
咲(はうー…落ち着こう…。このままだときっと、変に思われちゃう。)ドキドキ
咲(お姉ちゃんは親切でしてくれたことなんだからっ。普通にっ…普通にしなきゃ…!)
コポコポ…、パタパタ
咲「…はいお姉ちゃんっ、お茶はいったよ。」
159 = 1 :
今日はここまでです
【MEMO】 97まで
162 :
しっとりとしていて、それでいてべたつかない、すっきりとした甘さだ。
クォクォアはバン・ホーテンのものを使用したのかな?
163 :
乙 萌え死にそうだ
164 :
ぷはー
今日もいいペンキ
165 :
あわあわ
166 :
姉妹百合は良いものだ
167 :
咲「ふう…。」
ポフッ
咲(多分普通にできた、よね…。)
夜ご飯食べたり、お風呂上がりのときとか、たまに緊張しちゃったけど…。
お姉ちゃんは特に気にしてないみたいだったから、…きっと大丈夫。
このまま寝て…明日になれば、この緊張感もなくなりそうな気がするから…。
ゴロッ
咲(…あれ?)
咲(今、窓から星が見えたような…?)ムクッ
ペタペタ
咲「わ……」
咲(きれいな星空…。)
咲「そういえば…夜になると星がよく見えるって、お姉ちゃんと弘世さんが言ってたっけ。」
カチャッ
照「咲…?」ヒョコ
咲「あっ、お姉ちゃん。」
168 = 1 :
照「…あ、星を見てるの?」
咲「うんっ。お姉ちゃんたちが言ってた通り、本当にきれいだね。」
照(…これは…チャンスかも…。)
照「咲。」
咲「ん?」
照「……星なら2階の私の部屋からの方が、よく見える…。」
咲「そうなの?」
照「うん。…よかったら、おいでよ。」
咲「え…?」ドキッ
咲(ど、どうしよう…。そういえば…お姉ちゃんの部屋にはもうずっと、入ったことなかったよ…。行きたいけど…、今日はちょっと気まずいような……。)
咲「…ご、ごめんお姉ちゃん、今日は…」
照「こんなに雲ひとつない夜空は、次いつ見られるか分からないかも…。」
咲「え…!ほんとに?」
照「う、うん。だから…今日見にきた方が無難。」
咲「ええと……」
咲(ま、迷うよお…。でも、こんなにきれいに見れるのは今日だけ、かもしれないなら…。)
照(咲がこっちにきて3日目なのに、まだ部屋にも入ってないのは…私が受け身過ぎたから…)
照(咲のことで我慢するのは…、やめよう。)
咲「…そ、それじゃあ…おじゃましようかな。」
咲(星を見るだけだもん…。変に緊張することなんてないよ、大丈夫っ。)
169 = 1 :
テクテク…、カチャッ
照「どうぞお入りください。」
咲「う、うん。失礼しますっ。」
照(やっと、咲が部屋にきてくれた…。)ドキドキ
咲「……わあ…!」
照「え?な、なに…?」
咲「なんだか、とってもお姉ちゃんらしい部屋だねっ。」
照「…え、そ…それってどういう…?」
咲「うーん、余計なものがないシンプルな…っていうか…。あ、でも本はやっぱりたくさんあるなあ。」キョロ
照「そ、そう…。」
照(よかった…。部屋の印象はいいみたい。)ホッ…
照「ほ…ほら、窓から星がよく見えるから…。」
シャッ…
咲「あっ、そうだった!すっかり忘れてたよ。」
照「で、電気…消した方がよく見えるから…、消すよ…?」
咲「あ、うんっ。わかった。」
パチッ
咲「………!」
咲(遮るものがなくて、星空がよく見える…。こんなに、たくさんの星が……)
170 = 1 :
咲「…きれい。」
照「……そうだね。」
咲「……………。」
照「…………咲…?」チラ
照(……!)ドキッ
咲「……………。」
照(咲の横顔……月明かりに照らされてっ…)
照「きれい…。」
咲「え?」
照「あ…!」
照「いやっ、そのっ……ほ、星……」アセ
咲「うんっ。本当に綺麗だよね。」
照「……と、つ……月っ、が………きれい…。」ドキドキ
咲「そうだねっ。満月じゃないけど、月明かりでお姉ちゃんの顔もよく見えるよ。」ニコ
照「………うん。」
照(咲も本の虫だから、ひょっとしたら気づくかもって思ったけど……。)
照(やっぱり咲はそんなこと、考えないよね…。)ハア…
咲「……。」
171 = 1 :
咲「…今日ね…」
照「っ…!あ…うん。」ビク
咲「お姉ちゃんに対して、ちょっと緊張しちゃってたんだ。気がついてたか…分からないけど。」
照(…!)
照「あ、そう…なんだ?」
照(咲が今日、私を意識してくれてたのは知ってる。私の方が動揺してたかもしれないけど…。)
咲「うん…。あっ、嫌いとかそういう意味じゃないよ?…そうじゃなくて…」
照「…う、うん。」
咲「私、お姉ちゃんのこと…大好きなんだ、って。」
照(……!!)
照「えっ……」
咲「…今日私を守ってくれたり、お菓子を美味しいって食べてくれたり、今もこうやって星を見せてくれたり…。」
咲「こんなに優しくしてくれるお姉ちゃんのことが、大好きなの…。」
照(……そ、それって……)
照(…両想いって………思っていいの…?)
照「………。」ドキドキ
咲「ご、こめんね。もう少しお姉ちゃん離れしないといけないのに…。」
照「そっ、そんなこと…しなくていいよ。」
咲「うーん、…でもお姉ちゃんに依存しちゃうことになっちゃうから。」
照「わ、私はべつに…それでも……。」
172 = 1 :
咲「…ふふ、でもね、離れることは難しいなって思ったの。お姉ちゃん、優しすぎるよ。」テレ
照「…そ、それは……」
照(咲だから…。…私は、咲だけに。)
照「さ、咲……私も………」ドキドキ
咲「弘世さんや、麻雀部の後輩さんたちから慕われてるのがよく分かるなあ…。」
照「……え?」
咲「あ、そうそうっ。この前電話で淡ちゃんが言ってたんだけど、学校にお姉ちゃんのファンクラブみたいなのがあるんだって…!」
照「…え…?いや、あの……」
咲「麻雀部の内外問わず、お姉ちゃんのことが好きって子が結構いるらしいの。」
咲「優しくてかっこいいもん。私だけじゃなくて、他の人だって好きになっちゃうよねっ。」ニコ
照「ち、ちがう。学校では特に優しくなんて…」アセ
咲「そうなの?」クス…
咲「………ふう…」
照「……?」
咲「…思ってたことを言えて、なんだかすっきりしたかも。」
咲(うんっ…。お姉ちゃんのことが大好きって、はっきり言えてなかったから…あんなに緊張しちゃってたんだな…。)
咲「やっぱりモヤモヤしたままはよくないね。」
照(……だめ…このままじゃ…)
173 = 1 :
照(…言わなきゃっ。)グッ
照「…さ、咲っ…」
咲「なあに?」
照「私も…、咲のこと…好きだよ。」ドキドキ
咲「ほんと…?」パア
照「う、うん。…すごく…。」
咲「えへへ、嬉しいな。ありがとうっ…。」ニコッ
照「……っ。」キュン…
照(咲を…抱きしめたい……。それで…、もっとちゃんと、私の気持ちを……!)
ジリ…
咲「…あっ。」
照(…!)パッ
咲「結構おそくなっちゃったかな?」
照「…な、なにが…?」ドキドキ
咲「お姉ちゃん、寝るところだったよね。ごめんね、長居しちゃって。」
照「いや、そんなこと…」
咲「私もう部屋に戻るね。星、見れてよかったよ!」
照「あっ、咲っ…」
咲「お姉ちゃん、おやすみなさいっ。」
174 = 1 :
カチャッ…
照「……うん…おやすみ…。」
照(…伝えられなかった……。)
……シャッ…
一瞬…、両想いになれたって思ったのに。
咲の言ってる「大好き」は、きっと違うものだ…。
今日、やっと距離が縮まって…意識してくれて…、咲の気持ちを聞けたのに。
やっぱり、姉に対しての感情だよね…。
私がおかしいんだっていうのは分かってる……。
今日みたいに、困らせることになることも……。
それでも…、我慢できなかった。
でもそれ以前に……、咲がこっちを振り向いて、私を求めてくれてるって分かるまで…あと一歩の勇気が、出ない……。
もう…どうしたらいいんだろう………。
175 = 1 :
今日はここまでです
【MEMO】 105まで
176 :
乙
てるてる頑張れ
177 :
乙です
咲さん気付いてくれ
179 :
ここからどう京太郎ハーレムに持っていくか作者の腕の見せ所だね
180 :
咲も潜在的には照のことが好きそう
181 :
咲「~♪」
照(……今日は朝からずっと機嫌がいいみたい…。)
咲「お姉ちゃん、床ふくモップみたいなのってどこだっけ?」
照「あ、えっと…廊下の収納のとこに…。」
咲「わかった、ありがとうっ。」
パタパタ…
照(朝ご飯もお昼ご飯もつくってくれたし、洗濯とかもしてくれた…。もしかして、昨日の夜のことで…?)
パタパタ、スー…
照(あ…。)
照「咲、掃除なら私がやる。」
咲「いいの、お姉ちゃんはゆっくり休んでよ。」
照(……。)
照「…今日、なんかごきげんだね。」
咲「そう?」
照「うん。さっき鼻歌うたってたし…。」
咲「えっ!そうだっけ?わ、恥ずかしいな…。」カア
照(無意識だったんだ。こっちにきてから何回かしてたけど、黙っておこう…。)
照「ふふっ。」
182 = 1 :
咲「あっ、お姉ちゃん笑ってる…!ひどいっ。」
照「ふふ…いや、これは…」クス
咲「むー、私のこと可笑しいって思ってるんだ?」
照「違うよ、そんなこと思ってない。」
照(…可愛いってだけで。)
咲「……。」プー
照(…あ、不機嫌になった。………まずい、それすらももう…。)
照(でも、このままじゃいけない…。)
タタ
照「…ご、ごめんね。機嫌、なおして?」
咲「……。」プイッ
照(…!えっ…、怒ってる…?)ドキッ
照「…咲?」ヒョコ
ガバッ
照(……!!)
照「なっ!!さっ、さきっ!?」カアッ
咲「えへへ、機嫌なおったよっ。」
ギュッ
照(わわ…!さ、咲がこんなに密着して…!!)ドキドキ
咲「一昨日は少しだけだったもん…。お姉ちゃんにちゃんと抱きつきたかったんだー。」ゴロゴロ…
183 = 1 :
照(……っ!)
照(…か、かわいすぎ……)
照(…わ、私も…咲の背中に手を回しても……!)
ソッ…
咲「…あれ?」
照(…!)ビクッ
咲「………。」
照「…ど…どうしたの?」
咲「…お姉ちゃん、甘いにおいがする。」スン
照「…え?」
咲「いま一瞬フワッて。…どこからだろう?」
照「わ、私からしたの…?」
咲「うん。…首元?」
ソッ…、スンスン
照(……!?)
照(咲の顔が…すぐ近くに…!わわっ!におい、嗅がれてるっ……!)ドキドキ
咲「……ううん、ちがう。もっと下かな…?」
スッ…、スンスン…
照(………抱きつかれながら、におい嗅がれるって…どういう状況っ……。だめっ……、これ以上こんなことされたらっ…!)トクン…トクン…
照(理性が、保てない…っ)トクンッ
184 = 1 :
咲「あ、ここだ。」スン
照「…………へ?」
咲「カーディガンのポケットからにおいがするよ。何が入ってるの?」
パッ…
照(……。)
照「……なんだろ…。」
ゴソ…
照「…あ。」
咲「あー、お姉ちゃんっ。お菓子は入れないって言ってたのに…!」
照「……ご、ごめんっ。」アセ
照(忘れてた…。)
咲「誰も盗っていったりしないんだから、お菓子はその都度ケースから取ってよお…!」
照「う、うん…。」
咲「たしか前に…チョコが溶けて、包装からこぼれちゃったことがあったんでしょ?」
照「うん…。」
咲「そのときの服、お気に入りだったのにシミができて、落ちなかったって言ってたよね?」
照「うん…。」
咲「『もうそんなのは嫌だから今後は注意する』って。『咲も気をつけてね』って言ってたのに…。」
照「ご、ごめん…。無意識に入れてたみたい…。」シュン
185 = 1 :
咲「はあ…」
咲「まあ…、完全に溶ける前に気づいてよかったよ。」
照(…!)ガーン…
照(さ、咲に…呆れられちゃった…?)
咲「それ、溶けかけてるから早めに食べた方がいいよ?」
テクテク、スー…
照(………。)
照( ど、どうしよう…。せっかく…いい雰囲気になれてたのに。)ハア
テクテク
照(あっ…。)
咲(…なにか飲もうかな。)
照(…聞かなきゃっ…。)
照「さ、咲。」
咲「ん?なあに?」
照「あ、その……お、怒ってる…?」
咲「…え?なにを?」
照「…お菓子、入れたこと…。」
咲「えっ?」
照「………。」ドキドキ
186 = 1 :
咲(さっき私が言ったこと、気にしてたんだ…。)
咲「……ふふっ。」
照「……!」
咲「お姉ちゃん、本当にかわいいねっ。」ニコ
照「え…、えっ?」
咲「怒ってなんてないよ?ごめんね、私…言いすぎちゃったかも。」
照(…よかった。怒ってなかった……)ホッ
照(…え?それより今…私のことっ……!)
咲「ジュース、お姉ちゃんも飲む?」
照「…あっ、うん…。」
照(…か、かわいいって、言った…?)
照(私の何を見てそんなこと…。で、でも咲がそう言ってくれるなんてっ……。)ドキドキ
トクトク…
咲「お姉ちゃん、さっきのお菓子食べた?」
照「……!」ビク
咲「はい、これお姉ちゃんの。」スッ
照「あ、ありがとう。…えっと、まだ食べてない。」
咲「あ、ほんと?それなら一緒に食べたいな。お茶うけに…って、ジュースだけど。…えへへ。」
照「あっ、うんっ。食べよう。」ホッ
照(咲の無邪気さが……。身構えた自分が何か…情けない。)
187 = 1 :
ゴソゴソ
照「ケースにあったお菓子。咲はこっちを食べて。」
咲「え?お姉ちゃんが持ってたのは…?」
照「私が食べる。」
咲「…それ、1個くれる?」
照「こっちに同じのがあるよ。ここから取って…。」
咲「んー…、お姉ちゃんが持ってたものが食べたい、かな。」
照「え…?」
咲「だって、お姉ちゃんのポケットに入ってたものは、そこのだけだもんっ…。せっかくあるなら、そっちがいいよー。」
照(……っ!)ドキッ
照(…油断すると、咲はすぐそういうことっ……。)
照「…さ、さっき怒ったのに…。」
咲「あれはっ……お姉ちゃんが気にしてたから注意しただけで…怒ってなんてないよっ?」アセ
照「で、でも、呆れてた…。」
咲「えっ!呆れたりもしてないよっ?お姉ちゃんらしいなって思っただけで…!むしろっ…」
咲「………。」カア…
照「え?」
照(急に黙っちゃった…?な、なんで?)
照「…な、なに?」ドキドキ
咲「………む、むしろっ、…手がかかる、ちっちゃい子って感じで……かわいいな、って思って………!」
照(…っ!?)ドキッ
188 = 1 :
照(さ、咲っ、そんなこと思ってたの…?)
咲「ううー…ご、ごめんね。私、お姉ちゃんに対してこんなこと…。」
照(そ、そんな風に思ってくれてたんだ……。)カア…
照「べ、別に気にしなくていい…。」
咲「さっき私に、怒ってるか聞いたときも不安げで…本当に小さな女の子って感じだったんだよ。私、また抱きしめたくなっちゃったもん。」クス
照「…そう、だったんだ…。」
照(どうしよう。…何か、すごく嬉しい……。咲が私のこと、そんな風にまで思ってっ……。)ドキドキ
咲「これ、もらうね?」
照「…う、うん。どうぞ。」
咲「…ふふ。ちょっと崩れてるけど、ちゃんと美味しそうっ。」ガサ
ハム
咲「……ん、甘い…。」モグモグ
照「………。」パク…、モグモグ
照(……どうしても咲の顔に目がいっちゃう。…咲の口………今とっても、甘そう………。)
照「……はあ…」
咲「…え?お姉ちゃん、どうかした?」
照「っ!な、なんでもないっ。」アセッ
咲「そう?」ハム、モグモグ
照(びっくりした……。今…無意識に、ため息出てたんだ…。)ドキドキ
189 = 1 :
ゴソゴソ
照「…もう行くの?」
咲「うん。待ち合わせが15時からだから、そろそろ出ないと…。」
照「そう…。」
照(…咲が行っちゃう…。)
咲「えーと…」
咲(忘れものは多分、ないよね。)
照「待ち合わせ場所…駅だっけ?」
咲「うんっ。」
照「何かあったら危ないから、ついていくよ…?」
咲「えっ?ううん、大丈夫だよ。道は覚えたからっ。」
照「でも…」
咲「あ、お姉ちゃん…私が迷子になるって思ってるんでしょ?」ムー
照「えっ、いや…その…」
照(それもあるけど……)
咲「もう、お姉ちゃんったら心配症だよ。」
咲「はじめて行くわけじゃないから、へいき…」
ピンポーン!
190 = 1 :
照・咲「…!」ビクッ
咲「だれかな…?」
照「…出てくる。」
照(まさかとは思うけど…。)
ガチャ
照「はい。」
淡「やっほー、テル。サキいる?」
照(……!)
照「…う、うん。いるよ…。」
テクテク…
照(……どうして家に…?)
咲「あ、お姉ちゃん。誰だったの?」
照「…淡、だったよ。」
咲「えっ!ほ、ほんとに?」
タタッ
咲「…あ、淡ちゃんっ?」
淡「サキッ!」
咲「ど、どうしてここに…?駅で、15時の待ち合わせだよね?」アセ
淡「んー…、迎えにきちゃった!」
191 = 1 :
今日はここまでです
【MEMO】 115まで
192 :
乙です
理性なんて保たなくていいと思うよ
193 :
【柳沢敦 引退】 2008年天皇杯決勝での鹿島アントラーズと最後の別れの挨拶:
http://www.youtube.com/watch?v=ez2QpYA6XSo&list=UUncFHKa8Bg3zzfBTl-v4Rkg&index=4
---
194 :
乙乙
みんなかわいいから幸せな結末にしてくれ
195 :
乙 続き気になる
197 :
咲「そんなっ…悪いのに…。」
淡「いいんだって。」
淡「それに、早く家出ちゃったし、サキが駅に着けなかったら大変だしさ。」
咲「あー、淡ちゃんもそんなこと…!」
淡「え?なになに?」
咲「はあ、もういいよ…。ちょっと待っててね、荷物持ってくるから。」
パタパタ
咲「お姉ちゃん、行ってくるね。」
照「…うん。気をつけて、ね…。」
咲「はーい。」
照「…その、何時くらいに帰ってくる?」
咲「あっ、そうだね。うーん…そんなに遅くはならないと思うけど、…夕方すぎかなあ?」
照「分かった…。」
パタパタ
咲「淡ちゃん、おまたせっ。」
淡「うんっ。」
咲「行ってきまーす。」
ガチャ
照(…咲…。)
198 = 1 :
テクテク…
咲(…あ、行き先どうしよう…?待ち合わせだったから駅にしたけど、淡ちゃんこっちまで来てくれたし…。)
淡「ねえ、サキ。」
咲「…あっ、うん、なあに?」
淡「駅で、なんか用があるの?」
咲(……!)
咲「あ、あのねっ…私もそれ言おうと思ってたんだけど…」
咲「駅に用事があったんじゃなくて…、ちょっと渡したいものがあって……。」
淡「え?あっ、そうだったんだ…!」
咲(…これ以上は、まだ……。)ドキドキ
淡(わ、渡したいものって…?てっきりお喋りしたいとか、そんな感じかと思ってた。)ドキドキ
淡(それなら、なおさらっ…!)
咲「え、駅まで行かなくても…途中で喫茶店とかあったら、そこで…」
淡「ねえ、私の家おいでよっ。」
咲「え…?」
淡「ここからなら、駅行くのとそんなに距離変わんないしさ。」
咲「えっ!?で、でも…」
199 = 1 :
咲(…わ、私…お友だちの家に行くなんて、ほとんどしたことないよ…。)ドキドキ
淡「行くのやだ?」
咲「…あっ、ううん…!そうじゃないのっ。…ただ、急だし…悪いかなって。」
淡「それだけ?なら全然へーきだよ。」
咲「え…と、その…」
淡「じゃあ決まり!いこっ。」タタッ
咲「あ、淡ちゃん……!」
咲(…私、本当に行っちゃってもいいのかな…?)
テクテク、ピタッ
淡「ここだよ。」
咲「…えっ。」
咲(………。)
ガチャン
淡「さ、入って。」
咲「…あの、淡ちゃん……。」
淡「ん?」
咲「…こ、ここ…ほんとに淡ちゃんの…?」
淡「え?そーだよ?」
咲「………。」
咲(ど…どうしよう。…偉い人が住んでるようなお家なんだけど……!)
200 = 1 :
淡「門の前で固まられても困るよー?」
咲「あっ…、ご、ごめんね。」
咲「し、失礼します…。」
テクテク…、ガチャッ
淡「ほら、サキも入りなよっ。」
咲(近くで見ると、より一層豪華だよお……。ここに、私が上がるなんて…そんなこと…。)ドキドキ
咲「……ご、ごめん。私…やっぱり帰るよ。」
淡「えっ!?な、なんで!?」
咲「あ、あの、緊張しちゃって…。」モジ…
咲「わ、私、実は…こうやってお友だちのお家に上がったことがあんまりないの…。淡ちゃんのお家、すごく大きいし……私がお邪魔できるようなところじゃ…ないよ。」
淡「そんなこと気にすることないって!」
咲「で…でも、ちゃんとしたお菓子折とかも持ってきてないし…!」
淡「いらない、いらない!サキは私の友だちなんだから、遠慮なく入ってよっ。」
咲「あ…で、でも…」
淡「このまま玄関前で帰られたら寂しすぎるって。」
咲「あう…。」
咲(…そ、そうだよね…、淡ちゃんがせっかく誘ってくれたんだもん…。こんなに緊張してちゃ、だめ…。)
咲「…それじゃあ、…お邪魔します…。」
淡「うんっ。いらっしゃい、サキ!」
淡(……『友だち』、か…。ほんとは、それ以上の関係で、来てほしいんだけどね…。)
みんなの評価 : ★★★
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