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元スレ照「咲が泊まりにくる」淡「毎日サキと話してるよっ」
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全国大会決勝を前にお姉ちゃんと仲直りすることができて、お姉ちゃんのチームメイトさんとも知り合いになれた…。
冬休みになったらこっちに遊びにおいでって言ってもらえて、長野に帰る前には連絡先を交換したりもできた。みんないい人たちで、同い年の淡ちゃんとも仲良くなれて…。
正直信じられないよ。 こんなに幸せなことがあっていいのかな……。
12月下旬・東京
咲「ここまでは来たことあるから分かるけど、お姉ちゃんと待ち合わせの駅へは……こ、こっちかな…? 」キョロオド
照「咲っ!」
咲「!!」ビクッ
照「どこいくの、こっちだよ。」
咲「お、お姉ちゃんっ!?」
照「やっぱり迎えにきてよかった。」
咲「え…??ど、どうしてここに?」タタッ
照「咲は初めてのところだときっと迷子になるから。迷うとしたらこの駅かなって。」
咲「あ、あはは…。」
咲「…でもお姉ちゃんすごいよ!私のこと全部お見通しなんだね…!何だか嬉しいな。」ニコッ
照「…!」フイッ
照(その笑顔は…。)カアッ
咲「?」
咲「お姉ちゃん…?」
菫「まあ、そう指摘したのは私なんだけどな。」ヒョコ
咲「わっ!ひ、弘世さん…!」ビクッ
菫「久しぶり、咲ちゃん。」
咲「ど、どうして弘世さんがここに…?」
菫「咲ちゃんが迷う前に迎えに行かなきゃと思ってね。でも照だけ向かわせたらどうせ迷…」
照「菫がどうしても来たいって。あと、咲の荷物いっぱいだろうと思って連れてきた。」
咲「え…、そ…そうなの…?」
菫「おい、ちょっ…」
照「そうなの。」ズイ
菫「」
咲「う、うん…。あの、弘世さんわざわざ来てくださってありがとうございます。」ペッコリン
菫「い、いや、いいんだ。」
照「咲、荷物ちょうだい。」
咲「あ、私そんなにたくさんは持ってきてないの。だから平気だよ。」
照「でも道中ずっと手にしてたんだから、少しでも身軽になると楽。かして。」ヒョイ
咲「あ…!ご、ごめんね…。」
照「そっちの手さげは?」
咲「こっちは貴重品しか入ってないから全然重くないよ。」
菫「…よし、それじゃあそろそろ行くか。」
咲「あ、はい!」
菫「…あ、すまん。その前に電車を調べるからちょっと待っててくれ。」
照「私、今乗ってきた電車くらいは分かる。」
菫「あれは最短ルートだから乗り換えが多かったろ。それじゃ大変だ。」
咲「え…?……あ…!わわ、すみませんっ。」アセッ
照「咲が気にすることない。菫、手早くね。」
菫「お前…。」
咲「ご、ごめんなさい。お手間かけちゃって…。」
菫「いや、咲ちゃんは本当に気にすることないんだ。ごめんね、もう少しで分かるから。」
咲「あっ、いえ、私は全然…!」
照「…あ。咲、何か手提げの中が点滅してるみたい。」
咲「へ?……あ、これだ。」ゴソ
照「ああ、それがお父さんに頼んで買ってもらったケータイ?」
咲「うん!この前お姉ちゃんたちから教えてもらった連絡先は、みんなケータイだったから…私もその方が便利かなって。」
照「うん、私もそのおかげで咲と気軽に連絡がとれた。」
咲「そうだよねっ。メールはまだよく分からなくて、使えてないんだけど…電話とかマナーモードとかは覚えたんだ。」カチッ
咲「あっ、着信が入ってた。」
照(着信…?)
咲「淡ちゃん…電話くれてたんだっ…。」
照「淡?」
咲「うん!連絡先を交換してからね、よく電話くれるのっ。」
照「そうなんだ。」
菫「へえ…!あの淡が…。」
咲「今日お姉ちゃんの所に行くって話してたから、 きっとそれでかけてきてくれたんだなー…!」
照「そう、なんだ。」
菫「お、帰りの電車分かったよ。大丈夫かな?」
咲「はい!」
咲(あとで淡ちゃんに折り返そう…。)ゴソ
菫「向こうの路線だ。」
咲「わあ…、ここがお姉ちゃんたちの地元…!」
照「長野とあんまり変わらない田舎だけど。」
菫「ああ、東京のイメージとはかけ離れてるな。」
咲「でも、自然がいっぱいあって、のどかで落ち着くよ。いいところだねっ!」
照「咲にそう言ってもらえて嬉しい。私もここが好き。」
菫「夜になるとすぐ真っ暗になって、星がたくさん 見れるんだ。」
咲「そうなんですかっ?」
菫「ああ。今は冬だから空気が透き通って、より鮮明に見えるだろうな。」
咲「うわあ…!東京の星空も見たいなあ…!」
照「家のベランダや窓から星がよく見える。確か、お風呂場の窓からも見れたと思う。」
咲「本当っ?」
照「雲がない日に一緒に見よう。」
咲「うん!うんっ!楽しみだよー…!」ソワソワ
照(か、可愛い…。)
菫(この子本当に照の妹なのか?天真爛漫というか、なんというか…。)
照「と、とにかく家に帰ろう。夜ご飯の買い出しもしないといけない。」
咲「うん!」
照「というわけだから、バイバイ。」
菫「…そうくると思ったよ。」
照「さすがに、もうここからは帰れる。菫は忙しいんだから早く帰った方がいい。」
咲「えっ、弘世さん今日忙しかったの…?」
照「菫が同期からも後輩からも慕われてて引っ張りだこなのはいつものこと。」
菫「お前なあ……。」
咲「慕われてるのは分かるなあ…!今日だって電車調べてくれて、迷わずにここまで来れましたし…。 」
菫「いや、それは全然大したことじゃないからいいんだ…。」
咲「あの、本当にありがとうございました。あと、その…、 遅くなっちゃったんですけど…お姉ちゃんと仲良くしてくださってありがとうございます!」ペッコリン
菫(うわ!いい子過ぎる!)
菫「わ、私の方こそ照にはよくしてもらって…」
照「菫は少し天然で抜けてるところがあるけど、そこがいいところ。」
菫「…前言撤回する。」
菫「こほん。…ま、まあ咲ちゃん、今日はゆっくり休むことだ。」
咲「は、はいっ。」
菫「私はそろそろ失礼するよ。2人とも気をつけてな。」
咲「ありがとうございます。弘世さんも気をつけて…!」
照「バイバイー。」
菫(やれやれ…。)
照「…さ、帰ろうか。咲。」
咲「うん!」
テクテク…
照(やっと咲と2人きりになれた…!…けど…ど、どうしよう。何を話そう。話したいことはいっぱいあったのに…。)ドキドキ
照「……。」テクテク
咲「……。」テクテク
照(何か聞いた方がいいよね…。お昼ご飯は何食べた?とか、最近何の本読んでるの?とか。…あ、冬休みだから通知表どうだった?とか…?)
照「……。」テクテク
咲「……。」テクテク
照(まずい。このままだと一言も話さずに家に着いちゃう…。)
照「……さ、咲、その…」
咲「お姉ちゃん。」
照「!な、何?」ビクッ
咲「あ、ごめん。被っちゃったね…、えへへ。」
照「ううん、別にいい。何を言おうとしたの?」
咲「あのね…、その…、お願い…なんだけど……。」
照「お願い?」
咲「う、うん。迷惑じゃなければ…。」
照「さ、咲のお願いなら何でもきくよ?」
咲「本当…?あのね…、もしよかったら…お家まで…、て、手をつないでほしいな…って…。」モジ…
照(なっ…!)
咲「ダメ…かな…?」
照「……。」
照(そ、その上目遣い……!!)カアッ
咲「ご、ごめんっ…!やっぱりめいわ…」
照「平気。つ、つなごうか。」
咲「えっ…い、いいの?」
照「…。」コク
咲「わ…!そ、それじゃあ失礼して…。」
キュッ…
照「!!」ビクッ
咲「や、やっぱりこの年じゃちょっと恥ずかしいかな…。」テレ
照(さ、咲の手が……!小さいときは平気だったのに…!)ドキドキ
咲「お姉ちゃんの手、あったかいね。」
照「さ、咲の手は少し冷たい…。」
咲「うーん、末端冷え性なのかな…?冬は足先から冷えるし…。」
照(咲の手…柔らかくて、すべすべ…。)ドキドキ
咲「えへへ、お姉ちゃんの手で暖をとっちゃお…!」ギュッ
照(て、手の感触がより一層強く……!)プルプル
咲「…こうして手をつないで歩くのって、何年ぶりかなあ…?」
照「さ、咲…。」
咲「夢見てるみたい…!」ニコッ
照「…。」カアッ…
照(手の感覚が分からなくなりそう…。)
テクテク…
照「…あ、つ、着いたよ。」
咲「何かあっという間だったよー。」
ガチャッ
照「さ…入って…。」
咲「うん!お邪魔します。」パッ
照(…咲の手の感触が残ってる…。)
咲「お姉ちゃんの匂いだー。」
照「え…!?く、くさい…?」オロ
咲「全然!とってもいい匂いだよ。なんだか安心する…。」
照「そ、そう。ならよかった…。」ホッ…
照(一気に感触忘れちゃった…。)
照「…あ、そこの客間に荷物置いて。」
咲「ここの部屋?」
照「そう。お母さんが、ひとまずそこが咲の部屋だよって。」トサッ
咲「結構広いけど、使っちゃっていいのかなあ…。 」
照「普段全く使ってないから問題ない。」
照「おいで、咲。少し休憩しよう。」
咲「あ、うん!」
~~~~~~~~~~~~~~~~
淡「おそーいっ!!サキったら何やってんだろー!?」
淡「連絡がこんなに遅いなんて今までないよ!」
淡「この私をこんなに待たせるなんてサキは悪い子だ。」
淡「もう1回電話しよっ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~
照「お茶いれるけど、紅茶でもいい?」
咲「うんっ。ありがとう、お姉ちゃん。」
照「気にしないでいいよ。そこに座って待ってて。 」
咲「はーいっ。」
ブーブーブー…!
照・咲「!」ビクッ
咲「わわ!びっくりした…!」ゴソ
咲「あ…!淡ちゃんから電話だ。」
照「…!」
咲「お姉ちゃん、ごめんね。ちょっと電話出るね。 」
照「あ、うん。」
ピッ
咲「あっ、もしも…」
淡「サーキーッ!!!」
咲「ひゃわっ…!」ビクッ
淡「今まで何してたのっ!?」
咲「え…、その…お姉ちゃんのお家に向かってて…。 」
淡「私何回も電話したのに遅い!」
照(淡の声、こっちまで筒抜け…。)
咲「ご、ごめんね…?着信は知ってたんだけど、落ち着いたら電話しようと思ってて…。」オロ
淡「待ちくたびれたよー!…けど、まーいいや!サキッ、今日会える?」
咲「えっ?」
照(なっ!)
淡「会えるっ?」
咲「…う、うーん…、…今日は多分会えないかも…。ごめん……。」
照(…。)ホッ…
淡「えーっ?私、今日やっとサキに会えると思って楽しみにしてたのに…!」
咲「ご、ごめんね…。さっきお姉ちゃんのお家に着いて、このあとは夜ご飯の買い物に行く予定なの…。そしたらもう遅くなっちゃうと思うから、今日は……。 」
照(…。)ドキドキ
淡「うー……、わかった…。今日は諦める。」ムス
咲「あ、淡ちゃん…ごめんね…?」
淡「サキの声が聞けたから、それでよしとするよ…。その代わり、明日は予定空けといてよねっ!」
咲「明日?う、うん、わかった。」
淡「またあとで電話するからっ。じゃあね!」
咲「あ、うん。ばいばいー。」
照(……。)
ピッ
咲「あ、お姉ちゃんごめんね…。今電話終わったよ。」
照「…こっちもちょうどお茶とお菓子の用意ができた。」
咲「チョコクッキーだ…!美味しそう!」
照「どうぞ召し上がれ。」
咲「えへへ、ありがとう。いただきます…!」
サクッ、モグモグ…
咲「あ、これ…甘すぎなくて食べやすいね!美味しい…!」
照「私は少し物足りないけど、咲が気に入ってくれたならよかった。」
咲「お姉ちゃんは甘党さんなんだよー。」
照(聞くなら多分…今。)
照「…咲、今の電話って…」
咲「あっ、そうだった!あのね、淡ちゃんからだったんだけど…、明日会おうってことになって。」
照「…さ…咲、明日…」
咲「決まったあとに聞くのも変なんだけど…、明日出かけてきてもいいかな…?」
照(うっ…。)
咲「あ、あの…お姉ちゃんが泊まりにおいで、って誘ってくれたのに勝手に予定入れちゃって…ごめんね…。」シュン…
照「…!い、いや、私のことは気にしなくていい。 明日だけなんだろうし、何言っても聞かない淡の頑固さは知ってる。」
咲「あ、あはは…。」
照「同い年の友だちが増えるのはいいこと…。」
咲「…うん、それは私も嬉しいなって思ってるの。淡ちゃん、最初は距離があって、仲良くなるのは難しいかも…って思ってたから、なおさら嬉しいよ…!」ニコッ
照「」
照(引き止められなかった…。私のいくじなし…。)
今日はここまでです
同志が集まってくれたら嬉しいなー!なんて
【MEMO】 13まで済み
同志が集まってくれたら嬉しいなー!なんて
【MEMO】 13まで済み
咲「…あ。夜ご飯あるから、あんまり食べない方がいいよね。」
照「へ?」
咲「このクッキー。」
照「あ、ああ、うん。そうだね。」
咲「お茶もお菓子もとっても美味しかったよ…!ありがとうっ。」
照「喜んでくれて何より。」
咲「このあとって買い物に行くんだよね…?」
照「そう。咲の食べたいものを買いに行く。」
咲「えー、何だか悪いな…。」
照「久しぶりに会えたんだから、甘えるべきだよ。」
照「単身赴任でいないから、お母さんにぶつける分も私が受け止める。」
咲「う、うーん…。」
照「何が食べたい?」
咲「えと…それじゃあ…、シチューが食べたい、かな…。」
照「分かった。」
咲「あっ、あとね…。」
照「ん?」
咲「お姉ちゃんの食べたいもの…も一緒に食べたい…!」
照「えっ…!?」
照「な、何を言ってるの。今日は咲の食べたいものを…」
咲「だって…、私のだけじゃやだもん…。」フイッ
咲「お姉ちゃんのも、一緒がいい…。」
照「!!」
照(わわわ…!甘えていいとは言ったけど…、これは反則すぎ…。こっちが…もたなくなる……!)ブルブル
照(いっそ……このまま………。)
照(…だ、だめ…!!姉妹だから、お姉ちゃんだから…!冷静にならなきゃ…。)
咲「お姉ちゃん…。」
照「…わ、分かった。一緒に食べよう。」
咲「本当っ?」パアッ
咲「お姉ちゃんは何食べたいのっ?」
照「え?えーと…、………た…たらこスパゲッティ、とか…?」
咲「あっ、いいね!私最近、全然食べてないよ。」
照「じゃ、じゃあシチューとそれで…。早速買いに行こうか。」
咲「うん!」
咲「ただいまー!」
照「…といっても誰もいない。」
咲「そういうときは、お姉ちゃんが代わりに『おかえり』って言ってよー。」
照「え…!」
照「……え、えーと…、それじゃあ私の『ただいま』は…?」
咲「私が『おかえり』って言うよっ。」
照(…。)カアッ…
照「ほ、ほら。そんなことより夜ご飯の準備するよ…!」
咲「はーい。」
咲「たらこのスパゲッティはそんなに時間かからないから、まずはシチューだね。」
照「うん。」
照「役割分担して手早くつくろう。」
咲「もしかしてお姉ちゃん…、もうお腹空いてる?」
照「…。」
咲「ふふっ。私お野菜切るね!」
コトコト…
咲「うん、できた…かなっ…。」
照「こっちもそろそろできあがるよ。」
咲「それじゃあシチュー盛りつけちゃうねっ。」
照・咲「いただきますっ。」
照「…。」パク、モグモグ
咲「………シチュー、どうかな?」ドキドキ
照「すごく美味しい。咲に味付けしてもらって正解だった。」
咲「よかったあ…。」ホッ
咲「…。」ハムッ、モグモグ
照「…。」ドキドキ
咲「たらこスパゲッティ美味しい…!麺のかたさも丁度いいよっ!」
照「よかった…。」ホッ
咲「…。」ニコニコ、ングング
照「取り分けるからサラダも食べて。」
咲「うん!」
照(幸せ…。)
咲「はあ…。お腹いっぱいだよー。」
照「私も…。」
咲「シチュー、ちょっと作りすぎたかなって思ったけど全部食べちゃったね。」
照「咲の腕前がいいから。」
咲「えっ、も…もう…お姉ちゃんたら…。シチューは2人でつくったものだからっ…。」
照(照れてる…。可愛い。)
咲「…はじめてしたけど、一緒につくって食べるって楽しいね!」
咲「でも…今日きていきなり、お姉ちゃんと買い物して、料理作って、同じものを食べるなんて私、贅沢しすぎたかもっ…!」
照「…な、何言って…!…あっ、わ、私ちょっとお風呂の準備してくるから…。」パッ
咲「…えっ、本当だ。もう結構いい時間だね。」
パタパタ…
咲「…それじゃあ私は…お皿片しちゃおうかな。」
照(……思わず咲のもとから逃げてきちゃった…。)テクテク
照(でもあれ以上、無邪気な咲を前にするのは無理…。)
照(仲直りしたときは、自分がこんな風にまでなるとは思わなかったのに。我慢できると思ったんだけどな…。)
照「咲ー、あと10分くらいでお風呂入れるよ。」
咲「あ、お姉ちゃんありがとうっ。
」ザー、カチャカチャ
照「あっ。」
照「食器洗いなら私がするから…!」タタッ
咲「ううん、平気。お姉ちゃんはお風呂の準備してくれたし…!」
照「咲はお客さまなんだから、働かなくていい。」
咲「…『お客さま』って何か他人みたいで、いや…。」
照「あ、ち…違う、そういう意味じゃ…!」
咲「家族だから、役割分担…しよ?」ニコッ
照「…う、うん…。」
咲「ふふっ、ありがとう。」
照「じゃあ食器拭きと、しまうのは私がする。」
咲「あっ、いいの…?実は、お皿のしまう場所、全部は分からなそうだったんだ…。」
照「役割分担。」キリッ
咲「あはは。」
カチャ…カチャ…、パタン
照「終わった。」
咲「2人だから早かったね。」
照「あ、そろそろお風呂に入れる時間。」
咲「それならまずお姉ちゃんから。」
照「何言ってるの?咲から入るんだよ。」
咲「いや、だってお姉ちゃんが準備してくれたし…。」
照「それはさっきも聞いた。咲に早く疲れを癒してほしいから、今度は私の言うこときいて。」
咲「…う…うん。何かごめんね…、気を遣わせちゃって…。」
照「家族なんだから当然。」
咲「…ありがとう。それじゃ、お言葉に甘えるね…。」
照「うん。バスタオルとかは置いてある。私はここにいるから、何かあったら気軽に呼んで。」
咲「うんっ。」
照「…あっ。部屋着とかパジャマとかって持ってきてる?」
咲「うん、持ってきたよー。」
照「分かった。」
咲「ふぅ……いいお湯…。」チャプ…
咲(お姉ちゃんとたくさん話せたし、ご飯も一緒に食べれて…、幸せだよ…。)
咲「本当に…よかったな…。」
~~~~~~~~~~~~~~~~
淡「明日は、せっかくだから普段サキが行かないところがいいよね。」
淡(テーマパークもいいけど、サキってば人ごみ苦手そうだしなあ…。それなら落ち着いたカフェとかゲーセンとか行って、バランスとった方がいいかな。)ウーン
淡「うん、そうしよ!それなら色々変更もきくし。」
~~~~~~~~~~~~~~~~
ピピピッ…
咲「…!」ビクッ
……ピッ
咲「あ、もしもしっ…」
淡「サキッ!」
咲「淡ちゃん?」
淡「明日なんだけど、朝10時に迎えにいくから!」
咲「あ、うん、10時だね。…えっ?む、迎えにくるの!?」
淡「うん。テルの家は知ってるから、準備して待ってて。」
咲「そんな…悪いよ。どこかで待ち合わせとか…。」
淡「そんなの無理に決まってるじゃん。サキはテル以上に方向音痴でしょー?」
咲「あう…。」シュン
淡「大人しく待ってること!いい?」
咲「う、うん…。ごめんね。」
咲「…あの…明日ってどういう予定なのかな?」
淡「んー?電車乗ってー、買い物したりご飯食べたり。…あ、サキは行きたいところある?」
咲「えっと…、特には……あ、大きい本屋さんに行きたいかな。」
淡「おっけー!都心に出るつもりだから問題ないよ。」
咲「あ、ほんと…?ありがとう。」
淡「ところでサキは今何してたの?」
咲「んーと、お風呂上がったから髪を乾かして、一息ついてたところだよ。」
淡「テルもいるんだよね?」
咲「お姉ちゃん?今はお風呂入ってるよ。…何か用事あった?」
淡「あ、そうなんだ。ううん、聞いただけ。」
淡「サキは今日どこで寝るの?」
咲「客間だよー。あのねっ、私がお風呂入ってる間に、お姉ちゃんがお布団敷いててくれてたの…!」
淡「ふーん…。寝るの、テルとは一緒じゃないんだ?」
咲「え?うん。お姉ちゃんは自分の部屋があるし。」
淡「そ…。」ホッ…
咲「…でも…」
淡「え?」
咲「…私はちょっと…一緒に寝たかったなって気持ちもあるの。えへへ…。」
淡「……サキはもっと、姉離れしないとダメだよ。」
咲「うーん、そうかなあ…。」
淡「そうだよっ。」
淡「それに、他にも身近にサキのこと考えてる人がいるよ…!」
咲「え?そ、そうなの…?」
淡「そうなのっ!だからサキはもっと周りを見るべき!」
咲「う、うん…。分かった…。」
ガチャッ
照「咲?何してるの?」
咲「あ、お姉ちゃん。今ね、淡ちゃんと電話を…」
淡「テルー?」
照「…そう…。夜遅いから、もうそろそろ切り上げた方がいいよ。」
咲「あ、うんっ。」
咲「もしもし、淡ちゃん…?ごめんね、時間が遅くなってきちゃったから……。」
淡「…ん。分かったよ。それじゃあサキ、明日ね!」
咲「うん、また明日っ。」
ピッ
照「…淡とは明日何時から遊ぶの?」
咲「10時からだよー。」
照「あ…、結構早いんだね…。」
咲「あっ、そうなんだ…?ふふっ、寝坊しないようにしなくちゃ。」
照「…どこで待ち合わせ?」
咲「それがね、淡ちゃん、ここまで迎えにきてくれるの。」
照「えっ?」
咲「私も、それは悪いよって言ったんだけど…。そうじゃないと私は迷子になるでしょ、って気を遣ってくれて。そのままお願いすることにしたの。」
照「…そう。」
照「それじゃあ明日は、10時に淡がここにくるんだね?」
咲「うんっ。」
照(午前中から…。この様子だと1日中、咲を離さなそう。淡がこんなに入れ込むとは思わなかった…。)
照(咲がこっちにいる間、2人きりでゆっくり過ごしたかったのに…。)
照「淡とは結構…仲がいいんだね。」
咲「うん…!自分でも、こんなに仲良くなれたことにびっくりしてるんだ。」
照「そっか…。」
咲「麻雀の話だけじゃなくて、学校のこととか…趣味とか…普段の何気ないこととか、色々お話できるの。打ち方も性格も、全然違うのに不思議だよねっ。」
照(淡と、たくさん話してるんだ…。きっと私以上に…。)
咲「…あっ、いけない。もうこんな時間になっちゃった。」
照「え?ああ、ほんとだ。」
咲「私そろそろ寝るねっ。おやすみなさい。」
照「…うん。おやすみ…。」
照「はあ…。」
照(眠れない…。)
私…どうしちゃったんだろう…。
妹が後輩と遊ぶなんてこと、姉としては嬉しく思うべきなのに……。
淡のことは後輩として好きだし、チームメイトとしても信頼してる。人間的にも魅力的だと思う。
でも、もしかして淡は咲のこと……、なんて思うと…………。
もし、ただ仲のいい友だちっていうなら…、私は見守ってあげなきゃ…。淡は上級生しかいないチームでほとんど過ごしてきたから、咲の存在が嬉しかったんだ、っていうそれだけのことかもしれないし…。
少し距離が近い友だちなんて、珍しくないよね…。
……………でも……。
照「……だめだ。水でも飲もう。」ムク
ペタペタ…
照「……ふう…。」ゴクッ
照(咲は…寝てるよね…。)
照(……。)
照(…ちゃ…ちゃんと眠れてるか、様子を見るだけなら…。)ドキドキ
ペタ…ペタ…
照(……。)ソッ…
咲「…すぅ…すぅ…」
照(よかった…寝てる。…あ、毛布が…。)
ソッ…パサッ……
咲「…ん…」
照「!」ビクッ
咲「……すぅ…」
照(…。)ホッ
照(…………咲…。)
咲「……ふふ…」
照(…あ…笑ってる……可愛い…。)
咲「…んっ…」コロッ
咲「……お…ねえ…ちゃん………」
照(…!……え…、私の夢…見てるのっ…?)ドキドキ
咲「…ん……いっ…しょに……」
照(……!)
照(…わ……だ、だ…め……可愛すぎて……おかしく…なりそう……!)ブルッ
照(……咲………咲っ…。)ドキドキ
咲「……すぅ…」
照(さきっ……!)ドキドキ
照(…!)ハッ
照(私、今なにを…しようと……。)
照(だめ…!)ブンブン
照「…。」
照「…部屋…もどろ…。」
咲「………すぅ…」
照「咲…おやすみ…。」
まあまあスルーして差し上げろ
それはさておき俺は淡を応援するぜ!乙
それはさておき俺は淡を応援するぜ!乙
ただのダジャレネタにまで過剰反応する奴のほうがカプ厨だろ
だから他人をそういう見方しかできなくなる
だから他人をそういう見方しかできなくなる
毎度お馴染みの返しですね
どう繕ったところで咲和スレでもないのにネタとかぶっこんでくる時点でお察しですわ
どう繕ったところで咲和スレでもないのにネタとかぶっこんでくる時点でお察しですわ
咲「………ん……」
咲(……朝…?)
ムク…
咲「………。」ボー…
咲(…あれ……ここって………)
咲「…あ、そうだ…。お姉ちゃんのところ…来てたんだ…。」
何だかお姉ちゃんの夢を見た気がする…。昨日いっぱいお話したり、ずっと一緒にいたからかな?
もしそうなら、夢の中まで一緒にいられてラッキーだなあ…!…でもお姉ちゃんに言ったら、きっと呆れられちゃうよね。
淡ちゃんの言う通り…私、もっとお姉ちゃん離れした方がいいのかな…?
咲「あれ…?そういえば今日って、確か…!」パッ
咲(…今は8時過ぎ。よかった…。)ホッ
咲(着替えて、お布団は片づけたし…。…あ、お姉ちゃんはもう起きてるのかな?)
カチャッ、ペタペタ
咲(台所は…)ソッ
照「…あ、咲。起きたの?」
咲「お姉ちゃん…!えっと、おはようっ。」
照「おはよう。」ニコ
咲「…えっ、ご飯つくってくれてたの?」
照「うん。少し早く起きれたから。」カチャカチャ
咲「ご、ごめん…!私寝てて…。」アセ
照「ううん。咲は昨日疲れてたんだから、ゆっくり休んだ方がいい。もうすぐ食べれるから待ってて。」
咲「あっ、うん、もう充分休まったよ!今からでも手伝わせてっ。」
照「ありがとう。でも、大丈夫だよ。」
咲「…お姉ちゃんの…、役に立ちたいの…。何か、できることないかなあ…?」モジ…
照(…!)ドキッ
照(……うう…平常心…平常心……。)
照「そ、それじゃ…、そこのボウルの野菜…盛りつけてもらっていい…?」
咲「…!」パアッ
咲「うんっ!」
照(あんな言い方…。咲の素直すぎるところは本当に困る…。)ハア…
咲「あ、シャケと玉子焼きだっ。美味しそう!」
照「どれも簡単にできるから。」
咲「手軽で美味しくて、バランスもいいなんて最高だね。」ニコニコ
照「咲は優しいね。」
咲「休みの日なのに、朝からご飯をつくってくれてたお姉ちゃんの方がずっと優しいよっ。」
照「たまたまだよ。…さ、朝ご飯にしよう。」
咲「うんっ。」
照・咲「いただきます。」
咲「…。」ハム
咲「…この玉子焼き…、中にチーズが入ってるっ…。」
照「うん、入れたの。」モグ
咲「サラダの野菜の数も多いし…、小鉢にはお肉料理まで…。」
照「…?」
咲「お姉ちゃんっ…全然お手軽なんかじゃないよこれ…!どれもすごく美味しいし…、ひと手間もふた手間もかけてるでしょ…!」
照「そんなことない。ある程度のものは、大体がすぐ使えるようにして冷凍してたものだし…。」
咲「それでも…。」
照「それに、ひと手間くらいならお手軽料理のうち。いいから咲はいっぱい食べて。」
咲「う…ん。」
咲(お姉ちゃん…私のためにこうやって用意してくれたのかなあ…。普段はきっとここまでしないよね……?負担、かけちゃったかな…。)
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