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元スレ榛名「榛名だってイチャイチャしたい」
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提督「……」スッ
榛名「てい、とく……?」
榛名(気付いたら、提督に抱き寄せられていた)
提督「ごめん。応えてやれなくて」
提督「ありがとう。俺をこんなにも好きになってくれて」
榛名「提督……」
榛名「ごめんなさい。榛名、もう提督にご迷惑はかけません」
榛名「でも、今だけ……もう少しだけ、こうさせてください」
――――
―― 廊下
提督(あの後、榛名は目一杯泣いた)
提督(その間、彼女は何度も謝り、最後にお礼を言って彼女の自室へと帰っていった)
提督(ごめんなさい、と繰り返しながら泣きじゃくる彼女を前に、せめて胸を貸してやる以外にどうすれば良かったのか……そうしたことが正解だったのかはわからない)
提督「はぁ……」
提督(半ば強姦にも近い形で彼女に襲われたにも関わらず、彼女に対して嫌悪感は抱かなかった)
提督(むしろ、戸惑いの方が大きい)
提督(まさか榛名が、あんなことをするとは思わなかった)
提督(その辺の有名人よりよっぽど見目麗しく、礼儀正しく、事務も戦闘もそれなり以上にこなす能力もあり、人徳も人望もある)
提督(そんな彼女が、それをした)
提督(それだけ……追い込んでしまっていたということなのだろうか)
提督「謹慎中に多少心の整理ができてくれていればいいのだが……」
提督(……夕張には何も伝えていない)
提督(伝えられなかった。榛名に押し倒されたなんて、どうして言うことができるだろうか)
提督(我ながら女々しくて嫌になるが、夕張に嫌われるかもしれないと思うとどうしても口にできなかった)
提督「……榛名も、こんな気持ちだったのだろうか」
提督「……」
提督(彼女の謹慎は昨日で終わった。幸か不幸か今日の秘書官は夕張だ)
提督(だが、彼女は今雑務に追われ、執務室に来るのは遅くなる。もちろん、その雑務を命じたのは俺だが……)
提督「榛名に会ったら、どう声をかければいいんだ……」
提督(思わず口に出してしまう。真面目な彼女のことだ。謹慎明けの報告、もちろんこの前のことの謝罪も兼ねて彼女は執務室を訪れるだろう)
提督(榛名のことを嫌いになったわけじゃない。でも、あんなことがあった手前、どういう顔をして彼女に会えばいいのかわからない)
提督(自然と執務室へ向かう足も重くなってしまう)
提督「……」ピクッ
提督(予想通り彼女は待っていた。執務室の前で)
榛名「おはようございます。提督」
提督「……ああ、おはよう」
榛名「あの、先日は本当にご迷惑を……」
提督「その話はいい。お互い、辛くなるだけだろう」
榛名「ですが……」
提督「無かったことにはできないが、俺はもう許した。全部今まで通り……とはいかないだろうが、俺は榛名を信頼している」
榛名「……ありがとうございます」
提督「……とりあえず、入ろうか」
提督「秘書官を止める?」
榛名「はい」
提督「……そうか。榛名がそれを望むなら構わない。だが、もしこの前のことを気にしてるなら――」
榛名「提督」
榛名「提督のその優しさは美徳かもしれませんが、あまり気を持たせるようなことはもう仰らないでください」
提督「む……」
榛名「いいんです。元々、秘書官をやりたかったのは提督の気を引きたかったからで……それも無理だってわかりましたから」
提督「……」
榛名「そろそろ、踏ん切りをつけないといけないと思ったんです」
提督「そうか……」
榛名「提督には……もちろん夕張さんにも、本当にご迷惑をおかけしました」
榛名「でも、もうやめます。これからはその分今まで以上に働きますので。雑務も戦闘も……何なりとお申し付けください」
提督「……わかった。では早速だが、今日は出撃予定がある。いけるか?」
榛名「はい。榛名は大丈夫です。お任せ下さい」
提督「よし。期待している。ただ、無理だけはしないようにな」
榛名「ありがとうございます! 提督の艦娘として……今まで以上に提督のお役に立てるよう頑張ります!」
――――
――
夕張「榛名さん」
榛名「……夕張さん? 何か御用でしょうか」
夕張「秘書官、止めるんですか」
榛名「はい」
夕張「……提督と何かありましたか」
榛名「……そう、ですね」
榛名「……」
榛名「提督を……強姦しようとしました」
夕張「ご……はい?」
榛名「軽蔑してくれていいです」
夕張「……」
夕張「……本当、ですか」
榛名「はい」
夕張「それを馬鹿正直に言うなんて……いったいどういうつもりですか」
榛名「……このまま隠し続けても良いことにはならないと思ったので」
榛名「もっとも、こうして夕張さんに尋ねられなければ言うつもりはありませんでしたが」
夕張「……」
榛名「言ってしまえば、少しは楽になると思ったんですが……そう上手くはいきませんね」
榛名「どうして榛名はあんなことをしてしまったのでしょう」
夕張「……そんなこと、私に聞くなんて喧嘩売ってます?」
榛名「そんなことは……でも、ちょっと意地悪したいなって思ったのは事実です」
夕張「なっ」
榛名「榛名は夕張さんが羨ましいんです」
榛名「夕張さんが提督と付き合いが長いことも、夕張さんが旗艦であるために本当に頑張っていることもわかってます」
榛名「そんな夕張さんを心から尊敬していますし、好意的な気持ちを持ってます」
榛名「……でもそれ以上に、提督の寵愛を一身に受ける夕張さんが本当に妬ましいです」
夕張「っ……」
榛名「ごめんなさい。榛名は、榛名が思ってたより綺麗じゃなかったみたいです。今回のことで、それが身にしみてわかりました」
榛名「提督に薬を盛ったり、挙句の果てには押し倒して誘惑して交わろうともしました」
榛名「……でも、勘違いしないでください」
榛名「提督は何もしていません。榛名が無理矢理しようとしただけで、提督はずっと榛名の誘惑を拒んでました」
夕張「……」
榛名「どれもそれもきっと夕張さんのためです」
榛名「榛名はそれが……凄く羨ましい」
夕張「榛名さん……」
榛名「それに気付いてしまった時に榛名はわかったんです」
榛名「……もう榛名には勝ち目がないって」
夕張「……」
夕張「提督のこと、諦めるってことですか……?」
榛名「……はい」
榛名「今まで本当にご迷惑をおかけしました」
夕張「……」
榛名「……榛名たちももう、今まで通りにはできないかもしれませんね」
夕張「そう……かもしれませんね」
最初の方とかはもう覚えてないけど、
通すべき筋を通した良い提督だと思ったぞ
もともと榛名の横恋慕であるうえに、
提督からの信頼を裏切る形になってしまったからにはこれが一番の終わりかただと思う
通すべき筋を通した良い提督だと思ったぞ
もともと榛名の横恋慕であるうえに、
提督からの信頼を裏切る形になってしまったからにはこれが一番の終わりかただと思う
今回はここまで、ってだからまだ続きはあるんじゃない?
提督は日和過ぎ、榛名は依存し過ぎって所はあるから、きっちり訣別すべきだとは思うけどね
精々職場の同僚な関係程度にして
提督は日和過ぎ、榛名は依存し過ぎって所はあるから、きっちり訣別すべきだとは思うけどね
精々職場の同僚な関係程度にして
>>318
よかった、安心した
よかった、安心した
提督と夕張のを夫婦と同様としているなら、これくらいの独占欲当たり前と思うけどね
むしろハーレム推奨する方が変
むしろハーレム推奨する方が変
――――
――
夕張「提督、第一艦隊帰投しました」
提督「おう、お疲れ様」
夕張「こちら、報告書です」
提督「ありがとう」ペラ
提督「……最近の榛名は以前にも増して本当に凄い働きぶりだな」
夕張「ええ。まさに鬼神の如し、です。正直私の練度もいつ追い抜かれるか……って感じです」
提督「これなら、近々行われる大規模作戦でも期待できそうだな」
夕張「そうですね。赤城さんや金剛さんも調子いいですし……大和さんなんて次の出撃はいつだーってそわそわしてますよ?」
提督「……まあ大和は例によって、決戦兵器だから頻繁には出せないとは思うが」
夕張「でも、今回のは今までで最大規模って話ですし」
提督「ああ、総力戦になるだろう。もちろん大和の出番もある。そのつもりで準備を進めてくれ。みんなにもそう通達を」
夕張「はい」
提督「……夕張」
夕張「はい?」
提督「……いや」
夕張「なんです?」
提督「……」
夕張「……榛名さんのことですか」
提督「……ああ」
夕張「大丈夫です。私は提督のこと嫌いになったりしませんよ」
提督「夕張……だが――」
夕張「榛名さんに犯されそうになった、ですか?」
提督「」ピクッ
夕張「……榛名さんから聞きました」
提督「そう、か……」
提督「すまない。俺から言い出せなくて……」
夕張「いえ……言えませんよね。そんなことは」
提督「本当にすまない……」
夕張「大丈夫です」
夕張「思うことが無いわけじゃありません。でも……」ギュッ
夕張「嬉しかったです」
夕張「榛名さんとしないでくれたこと」
提督「……疑わないのか?」
夕張「私は提督を信じてます。これまでもこれからも」
夕張「今更疑ったりしませんよ」
提督「……ありがとう」
夕張(これで提督を独占できる)
夕張(でも、と思う)
夕張(……どうしても榛名さんの顔がちらついてしまうのだ)
夕張(後ろめたい気持ちはある。でも、恋人を、好きな人を独り占めしたいって思うことは当たり前……のはずだ)
夕張(榛名さんのこともみんなのことも大好き。けれど、それとこれとは話が別だ)
夕張(提督のことは譲りたくない。何より、榛名さんを拒絶してくれた、私を選んでくれた提督の気持ちを素直に受け取りたい)
夕張(……そう思うことはいけないことなのだろうか)
夕張(……ううん)
夕張(私は、間違ってない……よね)
夕張(私は提督の恋人、なのだから)
――――
――
夕張(榛名さんが提督から離れたことは、様々な憶測を伴って瞬く間に鎮守府中に広まった)
夕張(彼女たちの関心のほとんどは、"結局のところ提督と榛名さんがどういう関係にあったのか"、"何故離れるに至ったのか"ということだった)
夕張(榛名さんはそのことに関して固く口を閉ざしているようだし、私も提督も語るつもりはない)
夕張(このままほとぼりが冷めてくれれば……と思うけど)
夕張(問題は……)
祥鳳「……」
金剛「……」
夕張(榛名さんの提督への接し方が変わったことで、提督に好意を持っていた子達に少し不穏な空気が流れ始めたこと)
榛名「……」
夕張(榛名さん自信に何処か無理してる様子があること)
榛名「」スタスタ
祥鳳「……」タタッ
夕張「……」チラッ
夕張(……それに気付いていながら何もしない私自信だ)
祥鳳「……」タタタ
祥鳳「あの、榛名さん」
榛名「はい?」
祥鳳「……提督のこと、諦めたんですか?」
榛名「諦め……」
榛名「……」
榛名「……そう、ですね。榛名はこのまま身を引こうと思ってます」
祥鳳「本気ですか」
榛名「はい。榛名はこれ以上、提督に嫌われたくないんです」
祥鳳「嫌われるって……提督がそう言ったのですか」
榛名「いえ。提督は変わらず榛名に接してくれています。信頼している、とも……」
祥鳳「だったら」
榛名「だからこそ、です」
榛名「榛名は卑怯で汚い嫌なことをしました。それでも提督は榛名を信頼していると……嫌いにならないと仰ってくれたんです」
榛名「そんな提督に、どうしてこれ以上のご迷惑をかけることができるんです?」
祥鳳「……それは、今でも提督のこと好きってことですよね」
榛名「……」ニコ
祥鳳「……わかりました。榛名さんがそれでいいなら何も言いません」
祥鳳「でも、私は諦めませんから」
榛名「……」
榛名(『諦めない』そう言って立ち去る祥鳳さんを榛名は見送ることしかできなかった)
榛名(……提督のことが今でも好き。そんなことは自分がよくわかってる)
榛名(だからこそ……好きだから、離れたのだ。この気持ちを押し込めるために)
榛名(近くにいたら、榛名はまた何かをしてしまうかもしれない)
榛名(抑えがたい欲求が出た時、こと提督のことに関して榛名は自制できる自信がない)
榛名(そんな榛名では、絶対に嫌われてしまう)
榛名(こんな榛名じゃ提督に嫌われちゃうから)
榛名(……きっと、今ぐらいの距離がちょうどいいはずなのだ)
榛名「……」ギュッ
榛名(でも、榛名の身体も心も覚えている)
榛名(提督の側にいた時の、寄り添った時の、触れた時の……あの温もり。多幸感)
榛名(榛名がそれを味わうことはもう無いのだと思う度、榛名の心は少しずつ淀んでいく)
榛名「……」スゥ
榛名「はぁ……」
榛名(大きく深呼吸する。失恋なんて、誰もが経験すること。辛いのは榛名だけじゃない。だから……)
榛名「榛名は、大丈夫」
恐れながら申し上げます
今年中に完結させることができません
申し訳ありません!
今年中に完結させることができません
申し訳ありません!
霧島「榛名」
霧島「今日も出撃なの?」
榛名「うん」
霧島「……最近調子良いのはわかるけど、流石に多過ぎない? たまには休まないと……司令に頼み辛いなら私から頼んでみようか?」
榛名「勘違いしないで霧島。これは榛名がお願いしてるの」
霧島「お願いって……」
榛名「提督は適度に休みを入れようとしてくれてる。それを無理言って出撃させてもらってるの」
榛名「……今はともかく戦っていたいから」
霧島「榛名……」
榛名「心配しないで霧島。榛名、負けないから」
提督「……」ペラ
夕張「どうしたんです? 難しい顔して」
提督「ん……榛名のことなんだが」
夕張「はい」
提督「少し心配だ」
提督「この報告書の通り、結果は以前よりも良いぐらいだがな」
夕張「ふむ……」
提督「榛名たっての願いで、積極的に編成に組み込むようにしてる」
提督「榛名は練度も高いし、ウチではお前に次いで旗艦経験もあるから……榛名が艦隊にいることは俺としても安心できる」
提督「榛名自身、ここ最近の活躍は申し分ないし、士気も高い。榛名のことだ、きっと体調管理も万全だろう」
提督「けど、最近は本当に出ずっぱりだ。休むよう促しても断られるし……そこはかとなく危うさを感じる」
夕張「危うさ……そう、ですね。なんとなくですが、私も感じてます」
提督「今まで以上に戦果を上げてるし、何かミスがあったというわけでもないから……榛名がどうしても、と言う以上出撃させてきた。だが、流石に心配になってきた。杞憂で済めば良いが、万が一があっては困る」
夕張「はい」
提督「休むよう命令を出すのは簡単だが……」
提督「金剛を呼んでくれ」
金剛「ヘーイ! 提督ぅ! お呼びですかー?」
提督「ああ。少し相談があってな」
金剛「相談? 任せてください!」
提督「榛名についてなんだが……最近出撃が多いだろ?」
金剛「ハイ。榛名の活躍ぶりは姉としても鼻が高いデス」
提督「ああ。だが、どうも休もうとしなくてな……少し心配なんだ」
提督「休むよう金剛からもそれとなく促して欲しい」
金剛「hmm……それはもちろん構いませんが、私が言うよりも提督から言った方が榛名は言うことをきくと思いますよ?」
提督「もちろん俺からも言うが……」
提督「俺が休むよう強く促したら、確かに榛名は休もうとするだろう。"命令"として」
提督「今の俺達の関係はきっとそういうものに近い」
提督「……自惚れかも知れないが、榛名が今こうして頑張っているのも俺とのゴタゴタを清算しようとしてるから……だと思ってる」
夕張「提督……」
提督「元々勤勉な榛名にしたって、最近のは度が過ぎてる。俺だって馬鹿じゃない。それぐらいの考えには辿り着くさ」
提督「それで榛名の気が済むなら、と思って出撃させてきたが……」
金剛「流石に心配になってきた……と?」
提督「……ああ」
提督「榛名がしたことは……俺はもう許したつもりだ。だから、そんなことのために無理をしてほしくない」
金剛「その言葉を提督が直接伝えてあげた方が良いと思いますが」
提督「……それは」
提督「……」
提督「本当に俺が声をかけていいのだろうか」
金剛「どういう意味です?」
提督「今更優しい言葉をかけて、気を持たせるようなことをして……それは尚更榛名を傷つけてしまうだけじゃないのか」
金剛「それは……」
提督「榛名は優しく責任感が強い。俺の言葉を聞いても、はいそうですかとなるとは思えない」
提督「むしろ……」
夕張「提督に気を使わせてしまったと気に病み、殊更に戦果を求めるかも……」
提督「ああ。そうなっては意味が無い」
提督「だからお前を呼んだ。金剛、迷惑をかけてすまないが……よろしく頼む」
金剛「……迷惑、なんてことはありません。榛名は私の大切な妹ですから」
金剛「でも……。いえ、わかりました。榛名のこと、今まで以上に気に掛けておきます」
――――
――
金剛「榛名」
榛名「お姉様。何か?」
金剛「最近調子良いみたいですネ!」
金剛「But 最近は根を詰めすぎだと思います。少しは休んだほうがいいよ?」
榛名「お気遣いありがとうございます。ですが、休養は夜ちゃんと取っていますから」
金剛「No! 睡眠と休養はイコールじゃないよ」
金剛「どうしてそこまで出撃したいの?」
榛名「出撃したい……と言うよりは、榛名は戦果をあげたいんです」
金剛「それなら十分あげてるでショー?」
榛名「……いえ、まだまだです」
金剛「榛名?」
榛名「……榛名は戦わないといけなんです」
金剛「ふむ……?」
榛名「榛名は取り返しのつかないことをしました」
榛名「そんな榛名が今も変わらず提督のお側にいれるのは、榛名が艦娘として有用だからです」
金剛「有用って……」
榛名「強くない榛名に、提督のお役にたてない榛名に価値はありません」
金剛「提督がそう言ったのですか?」
榛名「いいえ。ですが……榛名は提督に必要とされたいんです」
榛名「だから榛名は戦って、戦って、提督に勝利をお届けしたい」
榛名「それで提督が喜んでくれるなら、必要だと言ってくれるなら、ほんの少しでも……褒めてくれるなら――」
榛名「榛名は、大丈夫です。大丈夫なんです」
金剛「榛名……」
金剛「……榛名が大丈夫でも、私は心配です」
金剛「もちろんバリちゃんも、提督だって本当に心配してます」
榛名「提、督も……?」
金剛「Yes! 榛名のこと、心配してたよ?」
榛名「榛名を、心配……」
榛名(どうしよう。そんなつもりじゃなかったのに……)
榛名「……」
榛名(嬉しい。嬉しい)
榛名(提督は本当に優しい。こうして離れてもなお、どんどん好きになってしまう)
榛名(喜んでもらいたい。気に入られたい)
金剛「榛名?」
榛名「」ハッ
榛名(違う。それは、駄目だ)
榛名「ごめんなさい、お姉様。榛名……少し休みます」
榛名「ご心配ありがとうございます。でも、榛名は大丈夫ですから」
金剛「榛名」
榛名「わかってます。お姉様の仰るようにちゃんと休みも頂くようにします」
榛名「お姉様にも夕張さんにも……もちろん提督にもご迷惑をかけるわけにはいきませんから」
金剛「……」フム
榛名「それじゃ、榛名は部屋に戻ります」
金剛「榛名」
金剛「休むのはもちろんいいことです。でも、勘違いしないでください」
金剛「私にはいくらでも迷惑かけていいんだからネ!」
榛名「……ありがとうございます、お姉様」
――――
――
提督「さて、第二次SN作戦もいよいよ佳境に入る」
提督「ここまで本当によくやってくれた。次の出撃で本作戦は終了となる」
提督「FS作戦。連合艦隊での出撃となる。編成は先立って伝えた通りだ。旗艦は第一艦隊を榛名、第二艦隊を夕張に任せる」
提督「先遣隊の情報では、戦艦棲姫が2体に加え、新たな姫級が確認されている」
提督「残念ながら、ここまでの戦いで我が鎮守府の備蓄資材は潤沢は言えないが……」
榛名「大丈夫です」
赤城「ええ。油断も慢心もありません」
夕張「いつも通り、きっちりしっかりやってきますから」
提督「ああ、信頼してる」
榛名「必ず勝利をお届けします」
提督「夕張」チョイチョイ
夕張「はい?」
提督「榛名のこと、何かあったらフォロー頼むな」
夕張「はい」
提督「もちろん、他の皆も」
夕張「もちろん」
提督「それから、お前も無理はするな」
夕張「……わかってます」
夕張「……」キョロキョロ
夕張「あの、提督」
提督「ん?」
夕張「行ってらっしゃいのちゅーを……んー」
提督「なっ、お前」
夕張「んー!」
提督「……」キョロ
夕張「ん……それじゃ、頑張ってきますね」
提督「ああ、気をつけてな」
夕張「艦隊帰投しました」
提督「ああ、お疲れ様」
夕張「まったく、今回ばかりは正直無理だと思いましたよ……」
夕張「時雨ちゃんが決めてくれなればね!」ガバッ
時雨「わっ」
夕張「もう時雨ちゃんホント最高っ」ギュー
提督「ああ、最高だよ時雨」ワシャワシャ
時雨「ちょ、ちょっと……」
夕立「むぅ~、夕張さん! 提督さん! 夕立も頑張ったっぽい!」グイグイ
提督「わかってるよ。夕立もお疲れ様」ナデナデ
夕張「夕立ちゃんも偉い!」ギュッ
夕立「」ムフー
榛名「……」ギリッ
提督「お前らもお疲れ様」
大和「……」
赤城「……」
提督「なんだ。元気ないな」
榛名「……申し訳ありません」
提督「何故謝る?」
榛名「それは、私達第一艦隊が何の戦果もあげれなかったからです」
提督「……まあそうだな」
提督「第一艦隊には戦艦、正規空母の主力級を集結させている」
提督「それは夜戦前に勝負をつける……或いは、夜戦までに敵主力を無効化し、第二艦隊の負担を減らす狙いもある」
提督「今回お前達はその役目を完璧に担えたとは言い難い」
榛名「……はい」
提督「だが、俺はお前達が頑張っていることを知っている。それこそ死に物狂いでな」
提督「戦争なんだ。過程が良ければいいなんて言えない。結果が全てだ。負けたら何も残らない」
大和「はい……」
提督「でも、お前達はみんなこうして帰ってきてくれた。誰一人欠けること無く、勝利して、だ」
提督「それは間違いなく誇るべきことだ。言っただろう? 結果が全てだ。お前達は勝った。今はそれでいい」
提督「各々反省点はあるだろうが、それは次に活かしてくれればいい
んだ」
提督「それに……お前達が無事だったことが俺は何より嬉しいよ」
赤城「提督……」
提督「ほら、辛気臭いのは終わりだ。俺達は勝ったんだぞ」
提督「さっさと風呂入って休め。明日は祝勝会だ」
赤城「!」ガタッ
赤城「一航戦、赤城! 寝ます!」タタッ
提督「いや、だから先に入渠しろと」
加賀「赤城さん、私も」タタッ
提督「……はぁ、慌ただしい奴らだな。榛名たちも早く休みな」
榛名「……はい。失礼します」
―― 祝勝会
榛名(祝勝会と言う名の宴会はまさに大騒ぎだった)
榛名(みんな笑顔で、今回の大規模作戦の成功を誰もが喜んでいる。今回の作戦はそれだけ難しいものだったということなのだ)
榛名(それを誰一人失わず完遂した提督も、私達を取りまとめ、率いた夕張さんもはやはり凄い)
榛名(それに引換え榛名は……)
榛名「……」
霧島「榛名」
榛名「霧島?」
霧島「お疲れ様。隣いい?」
榛名「うん」
霧島「」ゴクゴク
榛名「」コクコク
霧島「……嬉しくない?」
榛名「え?」
霧島「なんだか難しい顔してるから」
榛名「……今回、榛名はあまり戦果をあげれなかったから」
霧島「そんなことないと思うけど」
榛名「ううん。榛名はやっぱりまだまだだなって思ったよ」
榛名「皆を率いた夕張さんも、敵の総旗艦に止めをさした時雨ちゃんも……本当に凄いって思った」
霧島「時雨は今回のMVPかもしれないわね。あそこで代わる代わる揉みくちゃにされてるし」
榛名「でも……」
霧島「ん?」
榛名「でも……それが榛名じゃなかったことが、凄く悔しい」
霧島「……また次頑張ればいいじゃない。ほら、榛名も呑んで。今はお祝いの場なんだから」
榛名「うん……」
隼鷹「お二人さん、呑んでるぅ~?」ヒック
榛名「うわ……」
霧島「面倒なのが来た……」
隼鷹「あひゃひゃ、こいつは手厳しいねぇ!」
隼鷹「ま、呑んで呑んで……あたしの酒が飲めねってのかい!?」
霧島「いや、何も言ってないじゃない」
隼鷹「確かに」ドッ
霧島「」イラッ
隼鷹「そんなことよりさぁ……提督知らない? いないんだよねぇ提督がさぁ」
霧島「そういえば……」
榛名「あ、じゃあ榛名、ちょっと探して来るね」スッ
霧島「あっ、じゃあ私も」
隼鷹「おっと、あたしを置いてくってのかい!?」グイ!
隼鷹「一緒に飲もうぜぇ? せっかくお酒と同じ名前してんだからさ」
霧島「ちょっと、お酒臭いから離れなさい」
隼鷹「かぁ~、そんなこと言うなよ~」
霧島「は、榛名助けて」
榛名「頑張って」ススッ
霧島「え、ちょっと! 嘘でしょ?」
隼鷹「なんだよぉ……」クスン
霧島「……」シカタナイ
霧島「霧島の名、伊達ではないことをお見せしましょう!」
隼鷹「ひゅ~! 素敵! 抱いて!」
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