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元スレ榛名「榛名だってイチャイチャしたい」
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――――
――
榛名「~♪」フンフン
霧島「……」メガネフキフキ
霧島「榛名、良いことでもあった?」
榛名「うん」エヘヘ
霧島(提督は上手くやってくれたみたいね)
霧島「……」ヨシ
霧島「あら? 榛名、そんな髪留め持ってたっけ?」
榛名「あ、んふふ……提督に頂いたんだ」ニコニコ
霧島「へぇ……」ジー
霧島(シンプルだけど、小さな宝石があしらってある。高級感もあるし、素材も悪くなさそう)
霧島「良かったじゃない」
榛名「うん。榛名、毎日これつける!」
霧島("ご褒美"がしょうもない物だったらまた乗り込んでやろうかとも思ったけど、これなら及第点かな)
ドア<バーン
金剛「榛名、いるー?」
榛名「はい。ここに」
金剛「お弁当箱買ってきました! これで女子力アピールしまショ!」
霧島「どうしてまた急に?」
金剛「男をつかむなら、まず胃袋をつかめ! デース!」
榛名「確かに昔からそう言いますが……以前、榛名は一度料理をご馳走していますよ?」
金剛「ノー! せっかく練習したのに一度きりなんて勿体無いワ!」
金剛「ここで改めて榛名の料理好きをアピール!」
金剛「それを繰り返すうちに提督の胃袋が榛名の手料理を求め始めるはずデース!」
金剛「そうなったらもうこっちのモノネ!」
金剛「毎日弁当を作って正妻アピールも良し!」
金剛「提督の部屋で直接ご馳走するも良し!」
金剛「料理上手をアピールして損はないワ!」
霧島「それはそうですが……ん?」
霧島(金剛お姉さまの手に本が……)
金剛「」つ"胃袋神話"
霧島(……神話)
榛名「はい! 榛名頑張ります!」
金剛「応援してるからね!」
――――
――
榛名「提督! 榛名、今日はお弁当を作ってきました!」
夕張「むむ……」ジー
提督「お、おう」
夕張「むぅ……」ウーン
榛名「夕張さんの分もあるので一緒に食べましょう!」
夕張「あ、はい。ありがとうございます」
提督「じゃ、いただきます」
夕張「ます」
榛名「はい!」
提督「ん……」モグモグ
夕張「ん~、美味しい!」パァァァ
提督「ああ、相変わらず絶品だな」
榛名「良かった」パァァァ
夕張「ってそうじゃない!」ガタッ
提督「」パクパク
榛名「?」モグモグ
夕張「なんか最近榛名さん近くないですか!? 積極性増してませんか!?」
夕張「え、何? はっ」
夕張「もしかして私がいない間に何かありました!? 浮気!?」
榛名「うふふ……」サス
夕張「何でお腹さすってるんですか!?」
榛名「楽しみですね、ぱぱ?」
提督「誰が誰のパパ!?」
夕張「ちょっと提督!?」ガシッ
提督「いやまて夕張! 俺には覚えがない!」
夕張「どういうことなんですかぁ!? 説明してください!」ガクガク
提督「ま、待って、待て夕張!」ガクガク
榛名「ふふっ」クスクス
夕張「むっ」ピタッ
榛名「冗談です」
夕張「……」
提督「だから話を聞けと……」グラグラ
榛名「でも、本当にしたいって……思ってますよ?」
提督「なっ」
夕張「っ」
提督「いや、榛名。俺は」
榛名「あ! 榛名お姉様と約束があるんでした! 失礼しますね!」
タタタッ
提督「ぬぅ……」アレー
夕張「むぅ……」
――――
――
提督「……」カリカリ
榛名「……」カリカリ
提督「……榛名、なんか近くない?」
榛名「気のせいだと思います」
提督「そうだろうか……」
提督(最近、榛名が近い)
提督(デスクワークをする時はもちろん、工廠や演習で現場に向かう時もご飯を食べる時も……彼女が秘書官を務める時は、何をするにも俺にひっついてまわる……)
提督(嫌なわけではないが、正直落ち着かない。夕張に対する後ろめたさもある)
提督「そうかな……榛名の香りを感じるぐらいには近い気がするんだが」
提督(そう思ってやんわり伝えようとすると)
榛名「……榛名臭いでしょうか」
提督「そんなことはない。むしろいい匂いがするぐらいだけど」
榛名「いい匂いだなんて、榛名感激です!」
提督「いや、そういうことじゃなくてね」
榛名「あ、提督、喉が乾きませんか? 榛名、お茶をお持ちしますね!」タタッ
提督(なんやかんやで話が途切れ)
提督(かと言って、直接伝えようとすると)
提督「なあ榛名」ズズッ
榛名「はい! なんでしょう?」トナリニスワル
提督「……近い」
榛名「え……」
提督「その、離れてくれないか」
榛名「……」ウルッ
提督「っ……」
榛名「……」ジワッ
提督(こうやって泣きそうな顔をするのだ)
提督「嫌なわけじゃない。でも、やっぱりちょっと近いというか、いろいろ困るから、その……」
榛名「……意識、していただけてるのですか?」
提督「うぐっ……」
提督「……」ガシガシ
提督「榛名、前にも言ったと思うけど俺は」
スッ
榛名「言わないでください」ピト
提督(拒絶の言葉を吐き出しかけた俺の唇は、彼女の人差し指で塞がれていた)
榛名「わかってます。でも、榛名が提督を好きでいることは榛名の自由……ですよね?」
榛名「榛名は提督のことが好きです。ですから、たくさんアプローチすることにしたんです」
提督「榛名、それは「好き」」
榛名「好きです」ジッ
提督「う……」カァァァ
提督「……」コマッタ
榛名「……こうして想いを募らせることも、いけないことでしょうか」
提督「そんなことはないが……」
榛名「でしたら、もう少しこの気持ちを抱かせてください。すぐに忘れてしまえるほど簡単なものではないんです……」
提督「……」
榛名「もちろん、夕張さんと別れてくれなんて言うつもりもありません」
榛名「ただ、提督の寵愛をほんの少し榛名にも注いで頂ければ……なんて」
提督「それは難しい相談だが……」
榛名(榛名が言葉を遮るからか、提督の優しさか……提督は苦い表情をしつつも榛名を強く拒絶したりはしない。こうして秘書官も続けさせてくれている)
榛名(その提督の優しさにつけこんで榛名はこうしてアプローチを続けている)
榛名(あの秘め事を繰り返すようになって、少し……積極的になれたのかもしれない)
提督「……」
榛名(でも、困ったような表情をする提督を見ると、それが正しいことなのかはわからなかった)
榛名(……結局榛名は自分のことしか考えていないのかもしれない)
――――
――
榛名「提督……ごめんなさい」
榛名("いつものように"眠った提督に唇を重ねながら、小さく謝罪する)
榛名「榛名、提督を困らせてますよね……」
榛名(でも、それでも……と思ってしまう)
榛名(榛名は提督に必要とされたい。もっと触れ合いたい)
榛名「いつまでも榛名をお側において欲しいんです」
榛名(提督は返事をしない。眠っているから当然だが……)
榛名「ん……ぷは」
榛名「……」モンモン
榛名(最近、どうも満たされない)
榛名(こうして提督に触れて、重なりあって、それは榛名が望んでいることで、幸せなことのはずなのに)
榛名(なのに、日に日にもやもやは高まるばかり)
榛名(提督の体温、吐息、その唇……それをどれだけ味わっても満たされない)
榛名「……」
榛名(理由はわかっている)
提督「」スー
榛名(提督が眠っているから、意識がないままだからだ)
榛名「提督……」
榛名(だらりと垂れた提督の腕を掴み、榛名の腰に回す)
榛名(力ないその手は榛名を包み込んではくれない)
榛名「……」ギュッ
榛名(榛名は提督の意志でそれをして欲しいのだ)
提督「」スー
榛名(抱きしめて欲しい)
榛名(愛を囁いて欲しい)
榛名(愛を紡いだその口で、榛名の唇を奪って欲しい)
榛名「……」
榛名(どうしたら良いのだろう)
榛名(どうしたら、提督は振り向いてくれるのだろう)
榛名(……このままアプローチを続ければ、いつか提督は応えてくれるのだろうか)
榛名「……後ろ向きな考えは良くない、ですよね」
榛名「……」ナデ
榛名「榛名だって、イチャイチャしたいですから」
提督「」スー
榛名「……ちゅ」
榛名(最後にもう一度唇を重ねて立ち上がる)
榛名「……」
榛名(提督にタオルケットをかけ、少しだけ乱れてしまった服装を整える)
榛名「仕事、しなくちゃ……」
――――
―― 医務室
提督「……どうだ? 何かわかったか?」
明石「まあ……断定はできませんが」
提督「そうか、良かった。最近意図せず眠ってしまうことが多くて本当に困っていたんだ。原因がわからなければ対策もできないからな」
提督「夕張や榛名のおかげで今のところ実務に影響はないが、今後もそうとは限らないからな」
提督「それで、どうなんだ? もしかして病気か何かか?」
明石「……最初はそう思いました。不眠症があるように、逆に眠りすぎてしまう過眠症なんて病気もありますから」
明石「そこまではいかないにしても、ストレスなどでそれに近い症状が出てるのかと思ったんですが……」
提督「……」
明石「……」ウーン
明石「提督、最近何か薬を服用したりはしていますか? 風邪薬とかアレルギー薬とか……睡眠薬、とか」
提督「いや、飲んでないが……だいたい睡眠薬なんて飲んでたら、眠くなるのは当たり前だ。こんな相談をしに来たりはしない」
明石「ですよね……」
提督「なんだ? 何かあるならはっきり言ってくれ」
明石「……単刀直入に言いますと、何か薬物を使われた可能性があります」
提督「……」
提督「は?」
明石「その――」
ダダダッ
ドア<バーン
提石「「」」ビクッ
夕張「……」
提督「お? え? 何?」
明石「夕張さん……?」
夕張「……」ツカツカ
提督「夕張?」
提督「急にどうした。怒ってるのか?」
夕張「これ、見てください」ガサガサ
提督「……青葉の新聞か?」ドレドレ
明石「……」ノゾキコミ
提督「……え?」
明石「あら……」
夕張「……」
提督「何、この……これ」
明石「ほぅほぅ……榛名さんも大胆ですねぇ」
夕張「……どうするんです?」
提督「どうするって……」
明石「犯人、見つかっちゃいましたね」
提督「……」
――――
ーー 掲示板前
ザワザワ
榛名「……」
榛名(どうして、なんで)
榛名("それ"をする時は他に人がいないことを確認して、執務室に来そうな人の予定も把握して、鍵もしめて……タイミングは見計らっていたはずなのに)
榛名(鎮守府通信【号外】とかかれたそれには、榛名がしたことと眠った提督の唇を奪っている榛名の姿が写っていた)
榛名(最早日課にもなりつつあったあの甘い秘め事は、榛名が望まない形でこんなにもあっさりと露呈することとなった)
ザワザワ
榛名(みんなが榛名を見ている気がする)
榛名(脂汗が浮かび、眼の焦点が合わない)
榛名「ち、違うんです……榛名、榛名は……」
榛名(振り返り、絞り出した声は自分でも驚くほど震えていた)
夕張「……榛名さん」
榛名「」ビクッ
榛名「ゆ、夕張さ」
夕張「提督が呼んでます。一緒に来てくれますね?」
榛名「っ」
榛名「……はい」
どうしてもこの展開にするために提督はヘタレ演出なんだろうけど…
イケメンor美女がその見た目でビビってるザマを見てるかのようでなんか腑に落ちない
乙
イケメンor美女がその見た目でビビってるザマを見てるかのようでなんか腑に落ちない
乙
言うほどイラつくかねぇ
俺も嫁艦が他の男作ったらショックだから夕張を大事にしたい提督の気持ちもわかるんだけど
俺も嫁艦が他の男作ったらショックだから夕張を大事にしたい提督の気持ちもわかるんだけど
球磨改二が来るまでずっとカッコカリせずに保管している身からすると、勝手に他の娘にカッコカリの指輪を使われてしまったようなイライラ
――執務室
提督「……」
夕張「……」
榛名「……」
提督「……さて」
榛名「」ビクッ
提督「呼ばれた理由はわかるな?」
榛名「……はい」
夕張「釈明があるなら聞きます」
榛名「……その、ごめんなさい!」
提督「……」
榛名「ごめんなさい。最初はほんの出来心だったんです……」
榛名「提督をもっと近くで見たくて、触れたくて……」
榛名「……最初は、提督がお昼寝をした時に隣に座って抱きついてたんです」
榛名「でも、段々エスカレートしてしまって……提督がもっとぐっすり眠ってくれたなら、いろんなことができるって思ってしまったんです」
榛名「それで……薬を使いました」
提督「……」
榛名「……普通に、気持ち悪いですよね」
榛名「寝ている間に……それも、薬まで使って」ジワ
榛名「ごめんなさい……本当に」ポロポロ
夕張「……」
榛名「ごめんなさい。どうか、嫌わないでください……」
提督「……別に嫌いになってはいない」
提督「むしろ、そういう行動には萌えすら感じるぐらいだが……」
夕張「……」ゲシッ
提督「痛い!」
提督「とは言え……実際に自分が当事者になると、正直気分の良い物ではないな」
榛名「ごめんなさい……」
提督「反省してるならいい。今回のことは、はっきりと拒絶してこなかった俺にも責任があるだろう」
提督「これ以降、こういうことは一切無しだ。俺は榛名の気持ちに応えることはできない。いいな?」
榛名「……はい」
提督「……今回のことに対する榛名の処分だが、他の奴らの手前もある。不問とするわけにはいかない」
提督「次の出撃まで……2週間ぐらいか。それまで榛名を謹慎処分とする」
榛名「はい……はい?」
提督「どうした」
榛名「それだけ……ですか?」
提督「ああ。言っただろう。今回のことは俺にも責があると」
榛名「ですが……」
提督「いい。もう下がりなさい」
榛名「っ」
榛名「……ありがとうございます。失礼します」
夕張「榛名さん」
夕張「提督はこう言ってますけど、私は怒ってます」
夕張「いくらなんでも薬を盛るのはやり過ぎです。謹慎中自分がしたことをよく考えてください」
榛名「はい。ごめんなさい……」
ドア<パタン
提督「……はぁ」
夕張「……」
提督「……青葉、いるんだろ」
青葉「ばれましたか」
提督「今回のこと……記事にしたのはあまりに軽率だったんじゃないのか。俺か夕張に伝えるだけで良かったのに」
青葉「あまりの出来事に興奮してしまって……すみません」
夕張「記事にしてしまったのは今更どうしようもありません」
提督「ああ。だが青葉、お前が記事にしたんだ。事態の収集もしっかりやれ」
提督「間違っても、今後榛名が皆から距離を置かれることがないように」
青葉「わかりました」
青葉「……でも提督、薬盛られて唇奪われたのに、案外ケロッとしてますね」
青葉「榛名さんのこと、嫌いになったりはしないんですか?」
提督「……こんなことで榛名を嫌いになるわけないだろ」
夕張「はいはい。提督は役得ですもんね。榛名さんのキスできて!」
提督「う……悪かったよ。でも、俺だって本意じゃない」
夕張「それは……わかってますけど」
提督「……今回のことは正直驚いたし、気分が良いものではないのも事実だ」
提督「だが、榛名を嫌いになることはない」
夕張「……提督は甘すぎます」
提督「榛名を嫌いにならないのはお前だって一緒だろ?」
夕張「……それは、そうですが」
青葉「ほほぅ……そのお二人の言葉、記事にしちゃったりして」
提張「「駄目だ」です」
青葉「……ですよね」
――執務室の廊下
榛名「……」シャガミコミ
榛名(嫌われた。きっと)
ドア<ハルナサンノコト、キライニナッタリシナインデスカ
榛名「」ビクッ
榛名「ひぐっ」ジワ
榛名(怖い。提督の答えを聞くことが。その言葉を聞くことが)
榛名(でも、榛名はその場から動かず聞き耳を立ててしまっていた)
ドア<ハルナヲキライニナルコトハナイ
榛名「え……」ドキッ
榛名(……予想外の言葉に胸が高鳴った)
榛名「……」ドキドキ
榛名(同時に湧き上がってきたのは強い後悔と、夕張さんへの嫉妬、そして、抑えがたい情欲だった)
榛名(提督の言葉が嬉しかった)
榛名(諦めようとしていたのに……吐き出すことのできない気持ちが今にも溢れだしてしまいそうだ)
榛名(提督はどうしてこんなにも榛名に優しくしてくれるのだろう)
榛名(愛おしい。狂ってしまいそうなほどに)
榛名「……」
榛名(夕張さんはその提督の愛を一身に受けているんだ)
榛名「……ずるい」
榛名(ずるい。ずるい)
榛名(榛名だって提督と重なりたい)
榛名(繋がりたい)
榛名(愛されたいのに……)
足柄<実際のところさー、榛名がその身体を使って誘惑したらコロッといくんじゃない? 意外に>
榛名(前に足柄さん達と飲んだ際、彼女たちが言っていた言葉が頭に反芻する)
陸奥<……コロッとはいかなそうだけど、なし崩し的に関係は持てそうよね>
榛名(思えば榛名は、提督に言葉や態度でアプローチこそすれ、直接的な"誘惑"というものはしていない)
榛名「提督と、関係を……」
榛名(舌の根の乾かぬうちにそんなことをしては、今度こそ榛名は信用を失うかもしれない)
榛名「でも――」
榛名(どうせ叶わない恋なら……)
――廊下
提督「はぁ……」
提督(何だか大変なことになってしまった)
提督(あんなことがあったとわかっても、榛名のことは嫌いにならない。それは嘘偽りない正直な気持ちだ)
提督(だが、気分の良いものではなかったのも事実だし、それ以上に困惑してしまって思考がぐちゃぐちゃだった)
提督(夕張にも申し訳ないことをした。口に出して非難してくることはないが、ずっと難しい顔をしているし、一度ちゃんと話さないと――)
グイッ
提督「ほわぁっ!?」
バタン
提督「は?」
ガチャ
提督「え?」
榛名「……」
提督「は、榛名? 何故ここに、それにこの部屋は……」
提督(榛名に引き入れられた部屋は普段あまり使われる事のない空き部屋だった)
提督(薄暗い部屋の中、今しがたドアの鍵を閉めたであろう榛名がぼんやりと佇んでいる)
提督「……榛名、お前には謹慎を言い渡したはずだ」
榛名「……」スッ
提督(無言で足を踏み出す彼女に思わず後退る)
提督「榛名……?」
提督(部屋が薄暗いせいで彼女の表情がよく見えない。だが、ただならぬ雰囲気の彼女に気圧され、距離を取るように少しずつ後ろに下がっていた)
榛名「……提督、ごめんなさい」グッ
提督「うわっ」トン
提督(一気に距離を詰められたかと思うと、肩を押され壁に追いやられていた)
榛名「……」ギュッ
提督(俺の動きを封じるように手を取り、体を密着させてくる)
提督「……榛名、どういうつもりだ」
榛名「ごめんなさい。でも、榛名……榛名は……」
提督「待て、待て榛名。こういうことは無しだとさっき言ったはずだ」
榛名「ごめんなさい。ごめんなさい。でも、提督が榛名を嫌いにならないなんて言うから。優しくするから」
提督「なっ、聞いてたひぅ!?」
榛名「ちゅ……」
提督(首筋に榛名の唇が触れる)
提督(振り払おうと腕に力を込めるが、動かない)
提督(彼女の手の平は優しく、だが確実に俺の手を絡み取り、拘束具か何かのように動きを封じていた)
榛名「はぁ……提督」
提督(密着したことで彼女の姿が、表情がよく見える)
提督(首筋に吸い付きながら、彼女は蕩けた瞳で俺を見上げていた)
提督(豊かな2つの膨らみを俺の胸に押し付け、下腹部を擦り付けるようにして密着してくる)
提督「っ、は、榛名!?」
榛名「んっ……はぁ……」
提督(優しく擦り寄せられた鼻先が首筋を撫でる)
提督(時折吐き出される甘い声がどうしようもなく官能をくすぐった)
榛名「……榛名は我慢できません。諦めようとしてたのに、どうして、どうして……ああ、提督、ごめんなさい」
提督(彼女はごめんなさい、と繰り返しながら益々体を密着させてくる)
提督(柔らかな唇が頬に軽く重なり、暖かい吐息が耳をくすぐった)
提督「榛名、離れろ」
提督(少し強い口調でそう言うが、彼女は聞く耳を持たず、その命令に抗うように体を重ねてくる)
榛名「んっ、ふ……」
提督(すらりと伸びた彼女の脚が俺の太腿の間に滑りこんだ)
榛名「……あっ、はぁ……ふぁ……」
提督(体をぐいぐいと押し付け、"自分の"を俺の脚に擦り付けくる)
榛名「んくっ……ひ……う、っ……」
提督(耳元で囁かれる蕩けたようなその声音と淫靡な甘い香りが理性を溶かしていくようだった)
提督(熱を帯びた彼女の吐息が耳を包む度に背筋にゾクゾクとした快感が走り、喘ぎ声も相まって俺の頭はもはや冷静とは言えない状態になっていた)
提督「榛名、止め「お願いします」」
提督(俺の言葉に被せるように彼女は言った)
提督(静かだが、有無を言わせぬはっきりとした言葉だった)
提督(動きを止めた彼女は熱い吐息を漏らしながら俺の耳元に唇を寄せる)
榛名「お願いします。一度だけでいいんです。榛名を、抱いてください」
提督(まるで懇願するような、今にも泣きだしてしまいそうな……そんな声だった)
提督「……」
榛名「……駄目ですか。もちろんこのことは誰にも言いません。本当に一度だけでいいんです」
提督「……駄目だ」
榛名「どうしても、ですか?」
榛名「提督だって男性です。こういうこと、嫌いじゃないですよね……?」
提督(彼女は妖しく微笑みながら、身体をゆっくりと擦りつけてくる)
榛名「っ…んっ……あっ」
提督(俺の胸には2つの豊満な胸が淫らに潰れた形で押し付けられ、太腿にはじんわりと熱をもった彼女の秘所が当たっていた)
榛名「……あぁ…てっ……提督っ」
提督(彼女が身体を擦り付ける度にそれらは俺に強く押し付けられ、熱を帯びた吐息が耳をくすぐった)
榛名「……ふふ」チラッ
榛名「大きくなってますね……榛名で興奮してるんだ……嬉しい」スッ
提督(悔しいが、事実だった)
提督(身体は正直だ、なんてその分野ではもはや使い古された言葉だが、自分が身を持ってそれを体験することになるとは思わなかった)
提督(だが、榛名みたいな美人に密着され、妖艶な喘ぎ声を耳元で囁かれて反応しない男なんて果たしているのだろうか)
提督「っ、違う。これは……」
提督(いくら夕張が好きだと言っても、正直に反応してしまう自分に腹が立つ)
榛名「提督も苦しい、ですよね? 手で触ってあげます。ゆっくり……ですけど」
提督(彼女のしなやかな指が、すっかり張ってしまったズボンをなぞる)
提督(ゾクゾクとした快感ともどかしさを感じながら、目の前の彼女を欲望のままに組み敷きたいという欲求が頭をもたげるのがわかった)
提督「ぐっ……」
提督(頭を振ってその気持ちを押し出す。俺には夕張がいるのだから)
提督「榛名、止めてくれ」
提督(ゆっくりそう言うが、その声は自分でも驚くほど弱々しかった)
榛名「どうしてそんなこと言うんですか? 直接……触ってほしくないんですか……?」
提督「駄目だ。止めろ」
提督(言いながら開いた手を動かし、何とか彼女を突き放そうともがくが、彼女はこれ以上ないぐらいに身体を密着させ益々俺の自由を奪っていく)
榛名「駄目ですよ、提督。だって、提督のここ……こんなに苦しそうです」
提督(優しく股間を撫でていた白い指がおもむろに俺のそれを掴んだ)
提督「っ」ビクッ
榛名「本当は提督だって、したいんですよね? ね……? そう言ってください。お願いです」
提督(彼女の唇が首筋を這う。彼女の指は握る強さを増していき、溜まった血液がドク、ドクと脈打っていた)
榛名「はぁ……榛名と、して頂けます……よね?」
提督「だ、駄目だ。榛名、それはできない……一度だってやってしまったら――」
提督(吐き出しそうになった言葉を呑み込む)
提督(俺は今何を言おうとした。"こんなこと"を考えること自体が、夕張への裏切りに他ならないのに)
榛名「あ……」
提督(が、彼女には出していないその言葉が聞こえてしまったようだった)
提督(彼女の口角が小さく上がり、腕を掴む手に力が入る)
グイッ
提督(腕を引かれたかと思うと、肩を押され尻もちをついてしまう。そのまま間髪入れず彼女が覆いかぶさってきた)
提督(肩を押さえつけられ、彼女がのしかかって来る)
榛名「駄目ってどういうことですか? なんですか? ちゃんと説明してください」
提督「それは……」
榛名「どういうことですか?」
榛名「榛名と一度でもやってしまったら、どうなっちゃうって思ったんですか?」
提督「は、榛名……」
榛名「それは、榛名で欲情していただけたってことですか?」
榛名「本当は榛名と……したい、ってことですか」
提督(はだけた服、上気した頬、じっとりと湿った秘所……)
提督(そのどれもが扇情的で、手の届く場所にあった)
提督(今こうしている間も彼女からは確かな好意を感じるし、それ故に彼女が囁き、肌を重ねて俺を誘惑する様はクるものがあった)
提督「……」ゴクッ
榛名「……ああ、良かった」
榛名「榛名、本当は不安だったんです」
榛名「提督にとって榛名は魅力的じゃないんじゃないかって。提督は榛名を求めてくれないんじゃないかって」
榛名「でも、提督にとって榛名はちゃんと魅力的だったことですよね?」
提督「……確かに榛名は魅力的だ。だが、それと榛名と"したい"かは別の話だ」
榛名「……嘘です」
提督(彼女は言いながらゆっくりと腰をくねらせた)
提督「っ」ビクッ
榛名「だって、提督のここ……こんなに固くて大きくなってます」
提督(下着越しでもわかるくらい濡れている彼女の"そこ"が容赦無く俺を刺激してくる)
提督(乱れたスカートの隙間から彼女の下着が見え隠れし、彼女が動く度に豊満な胸が揺れた)
榛名「ん……あっ、わかりますか? 榛名の、ここも……もうこんなに濡れて……」
榛名「ごめんなさい、はしたないですよね……でも、榛名は提督のこと思うだけでいつも……」
榛名「……いいですよね? 入れちゃっても」
提督「っ……だ、駄目だ」
榛名「提督、我慢しなくていいんです。榛名ももう、我慢したくありません」
提督「榛名、止めてくれ」
榛名「提督、キス……しますね」
提督「榛名!」
榛名「」ビクッ
榛名「てい、とく……?」
提督「駄目だ榛名。止めてくれ」
提督「俺は、夕張を裏切りたくない」
榛名「あ……」
榛名(提督の悲しげな表情に、頭に登っていた血が一気に引いていく)
榛名「そんな……どうして、そんな顔をするのですか」
提督「……」
榛名「提、督……」
榛名(ああ、榛名は愚かだった。少し考えればわかるはずだった)
榛名(いくら提督が優しくたって、自分を無理やり犯そうとしている相手に微笑んでくれるわけがない)
提督「……」
榛名(確かに榛名は提督と繋がりたかった)
榛名(そのためなら強引に押し倒してしまっても、と思った。強姦のような形になってしまっても構わないと)
榛名(でも、でも……)
榛名「あ、榛名……なんてことを……」
榛名(榛名は提督にそんな顔をして欲しかったわけじゃない)
提督「榛名……」
榛名(提督に……そんな目で榛名を見て欲しかったわけじゃない)
榛名「あ、ああ……榛名……榛名は……っ、ごめんなさい!」
榛名(どうしてもっと早く気付けなかったのだろう……)
榛名「ごめんなさい、ごめんなさい」
榛名(榛名は提督に甘え過ぎていた)
榛名(提督なら受け入れてくれるんじゃないかってそう思っていた)
提督「……」
榛名(目先の欲望を満たすことで頭がいっぱいで……自分に都合の良い未来、行動を正当化するための言い訳しか考えていなかった)
榛名「ごめんなさい」
榛名(結局榛名は、自分のことしか考えていなかったのだ)
榛名「もうしません。もう、しないから……だから。嫌いにならないでください……お願い、します……」
榛名(こうして今も自分のことを考えてる。本来なら、提督に嫌われる榛名のことではなく、榛名に襲われた提督を心配すべきなのに)
榛名「ごめん、なさい……」
榛名(榛名は本当に……どうしようもなく卑屈で、卑怯で、下衆な女だ)
榛名(こんな榛名が提督に愛されようなんて、それこそおこがましいことだったのかもしれない)
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