元スレ晴絵「個人戦は見学していくからね」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
151 = 1 :
由子「……もう遅いし、今日のところはここまでにしておくのよー」
穏乃「いいんですか?大切なものなんじゃ……」
由子「この暗さじゃ見つかるものも見つからないし、高鴨さんも眠そうなのよー」
穏乃「あ、そんな私のことなんて……」
由子「姫松の子だったらまぁいいとしても、高鴨さんは他校の生徒だし何かあったら責任とれないのよー」
穏乃「……そうですね、ごめんなさい」
由子「そんなシュンとされると私も困っちゃうのよー……あ、そうだ!高鴨さんにはお礼としてアメちゃんを差し上げるのよー」
152 = 1 :
由子「ちょっと待ってほしいのよー」
真瀬さんがポーチから飴玉を取り出してこちらに差し出す
由子「はい!どうぞ受け取ってほしいのよー」
穏乃「……はいっ!ありがとうございます!」
気を遣わせてしまったし、せっかくなのでいただいておく
由子「あ」
穏乃「どうしました?」
由子「時計、あったのよー!」
153 = 1 :
由子「そういえば、プールに行ったときに外してポーチにしまってたのよー」
穏乃「ポーチの中、探してなかったんですか?」
由子「えへへ……うっかりしてたのよー」
穏乃「うっかりなら仕方ないですね!」
私もよくうっかりしちゃうし人のことは言えない
真瀬さんも嬉しそうだし、私も嬉しくなってきた
やっぱり笑顔は人を元気にするよね!
154 = 1 :
由子「高鴨さんには迷惑かけてしまって申し訳ないのよー」
穏乃「気にしないでください!見つかって良かったです!」
由子「ありがとうなのよー……大阪に来るときは是非連絡してほしいのよー」
ニコニコと笑う真瀬さんと連絡先を交換する
穏乃「ありがとうございます! それじゃあ、私も奈良とか山なら案内できますから!」
由子「ふふふ……それじゃあ今度遊びにいくのよー」
155 = 1 :
――――――
穏乃「ただいまー!」
憧「おかえり! 遅かったねーシズ」
穏乃「いろいろあって……って、なにしてんの?」
憧「私の化粧水しらない? ここら辺に置いたと思ったんだけど……」
穏乃「あ、探すの手伝うよ」
156 = 1 :
穏乃「スエハラスエハラ~」
憧「急に何言ってんの!?」
カン!
157 = 1 :
由子「あ、高鴨さんから電話なのよー」
恭子「高鴨……って阿知賀の?」
由子「うん!時計探すの手伝ってもらったのよー」
恭子「そうなんか……ちゃんとお礼言っとかんとな」
由子「もしもし? 高鴨さんどうかしたのよー?」
穏乃『スエハラ効きませんでした!』
由子「それは申し訳ないことをしたのよー」
由子「ほら、恭子も謝るのよー」
恭子「ハァ……ごめんな高鴨さん」
もいっこカン!
158 = 1 :
最近気づいたけど咲日和大好きです
由子の時計とか漫ちゃんの実家とか、ひっそりとアニメ公式で出した情報たちはどっかで反映されてくんですかね?
161 :
投下します
162 = 1 :
幼馴染みで親友です、だって
そう思ってくれてたのは嬉しいけど、ちょっと照れくさい
163 = 1 :
「あの、阿知賀の新子さんではありませんか? 『WEEKLY麻雀TODAY』読みましたよ!」
憧「へ? 『WEEKLY麻雀TODAY』?」
「おや? 和から聞いていませんか?」
憧「和? なんで和が……えっと、新道寺の」
煌「すばらです!」
憧「須原さん」
煌「あ、花田煌と申します」
憧「失礼、花田さん」
164 = 1 :
――――――
憧「和、こんなこと言ったんだ……」
煌「幼馴染みで親友!すばらなことではありませんか!」
この記事を全国の麻雀ファンが読むんだと思うとさすがにちょっと……いや、かなり恥ずかしい
そりゃあ、私も……その、そういう風に思ってたけど、他人に堂々と言うのは照れくさいし……
それに、実際一緒に過ごしたのは一年ほどだし中学も離れてしまっていたから……大切な友人です!とか言われちゃうと、やっぱり嬉しいやら恥ずかしいやらで顔が熱くなる
165 = 1 :
憧「それにしても、花田さんが和の転校先の先輩だったなんて……不思議な縁ですねぇ」
煌「すばらなことです……和が以前奈良にいたことは聞いていましたが、まさか阿知賀女子の皆さんが友人だったとは」
煌「そういえば、和は奈良ではどのように過ごしていたのですか?昔の話はあまり聞いたことがないんですよ」
憧「そうですね……最近会った感じだと、奈良にいた頃からあまり変わらないんじゃないですかね」
憧「昔から玄と打ってるのに『そんなオカルトありえません!』でしたし」
煌「ふふっ……和らしいですね」
煌「長野に来てからもずっとその調子で……麻雀の腕もたしかでしたけど」
憧「奈良に来た頃から一貫してデジタル打ちでしたからねー」
牌譜を見る限りでは高校に上がってからもかなりレベルアップしたようで、ハルエも精度が段違いだって褒めてたし
166 = 1 :
煌「オカルトの話にしても……和の信念はブレませんからね!そこが彼女の強さですし」
憧「そうですねー……変わったのなんて胸が更にでかくなったぐらいで……」
昔からでかかったのにまだでかくなってるのだからずるい
私なんて、正直小六の頃の和より……
煌「新子さん」
憧「あ、はい!?」
煌「気にしなくていいんですよ」
憧「え……」
煌「みんな違ってみんな良いんですよ」
煌「和には和の、あなたにはあなたの魅力があるんですから」
……凄く良いこと言ってるけど、私より小振りな人に言われても
いや、でかい子に言われたら嫌味に聞こえるんだけど
167 = 1 :
煌「そういえば!」
憧「な、なんですか?」
煌「団体戦決勝、大変すばらな試合でしたよ」
……わざわざ話題を変えてくれたらしい
そんなに沈んだ顔をしていたのだろうか
憧「ありがとうございます……負けちゃいましたけどね」
煌「いえいえ!三位もとてもすばらな成績ですよ!全国で三番目に強い高校生チームなんですから、胸を張ってください!」
どうせ私には張るほどの胸は……って、へこむだけだしやめておこう
それに……
168 = 1 :
憧「私、決勝ではあまり……」
オーラスに役満を和了る白糸台の渋谷尭深に、悪待ちの竹井、ついでに世界ランカーと厳しい戦いだった
私がもっと稼げれば灼さんやシズにもっといい点数で回せたのだ
優勝も狙えたんじゃないかと思うと、やっぱり悔しい
煌「そんなことありませんよ、新子さんはすばらな打ち回しだったではありませんか」
煌「新子さんだったからこそ後続の鷺森さんに綺麗に繋げたのですから……私だったらもっと削られていましたよ」
憧「そんな、私なんか……そういう花田さんなんて、九州の名門校で先鋒張ってるじゃないですか」
169 = 1 :
煌「そんな、新子さんもわかっているでしょう?うちは後ろに戦力の比重を置いています」
煌「それに、私は校内でのランキングもあまり高くありませんから」
憧「え?……普通、その場合は五位の人が先鋒になるんじゃないですか?」
煌「……私の実力はけっして高くはありません。 新子さんならわかるでしょう?」
憧「…………」
実際、新道寺との対戦前に全選手の牌譜は確認したけど花田さんは……怖い相手とは思わなかった
煌「ですが、私は……少々特殊な雀士なものですから」
煌「まあ、言ってしまえば私は捨て駒……相手校のエース相手にいくら失点してもトビさえしなければ白水部長たちが取り返してくれる、というオーダーですからね」
170 = 1 :
特殊?花田さんもなにか玄みたいな……って、そっちよりも
憧「花田さんは……辛くなかったんですか?そんな、捨て駒だなんて……」
煌「まさか!私はどんな役割であれ、チームに必要とされて嬉しかったですよ」
煌「私でも、誰かに必要とされる……とてもすばらなことです」
憧「花田さんは……なんというか、凄いですね」
私だったら捨て駒扱いなんてされたら悔しいし……そんな前向きに捉えることはできないと思う
171 = 1 :
煌「新子さんはもっと自信を持っていいんですよ?」
煌「新子さんの実力はすばらです!全国大会を勝ち抜き、あの強力な雀士たちを相手に退かずに打ち合えたのですから!」
煌「実力で勝ち取ったレギュラーなんですから、ね?」
憧「花田さん……」
憧「うち、部員五人です」
煌「すばっ!?」
172 = 1 :
煌「え、えーとですね……」
……さっきまで凄く大人っぽく見えてたけど、こうして慌てている姿を見るとやっぱり同じ高校生なんだなーと思う
憧「あははっ!ごめんなさい……ありがとうございます!ちょっと元気になりました」
煌「そ、そうですか?それはすばらです!」
173 = 1 :
――――――
なかなか素敵な出会いだった
花田さんはとっても元気で、前向きで……やっぱり私よりも大人な人だと思う
連絡先も交換したし、なにか悩みごとなんかは晴絵よりも花田さんに相談した方が頼りになるかもしれない
話の方も楽しかったし……それにしても、二年間通って未だに言葉で苦労してるって怖い
英語の方がまだわかるなんて言ってたし、そんなのほぼ外国じゃないか
穏乃「あ、おかえり憧ー」
憧「ただいまー……ってみんな集まってなにしてんの?」
玄「さっきメールしたよ?気づかなかった?」
憧「え、嘘!?ごめん!急ぎの用事だった?っていうかみんな待たせてた!?」
174 = 1 :
気にしてな……って灼さんは言ってくれてるけどさすがに申し訳ない
花田さんとの話が楽しくって気づかなかった……なんて言い分けもしづらいし
宥「ほら、前に赤土先生が優勝したらステーキおごって、なんて言ってたでしょ?」
灼「やっぱりハルちゃんにはお世話になったし……」
穏乃「みんなでなにか準備しようって相談してたんだ!」
憧「すばらな考えね!私たちがここまで戦えたのはハルエのすばらな指導のお蔭だし……」
175 = 1 :
「「「「すばら?」」」」
憧「ふきゅ」
カン!
176 = 1 :
落ちてないけど許してください
すばら!とか知らんけど、なんもかんも~あたりは普段ポロっと出ちゃうので怖い
忙しいと文量も減るしそれならいっそしっかり書き溜めた方がいいんじゃないかと悩む……
177 :
すばらでした
178 :
乙乙
179 :
最新話載ってて安心しました
ちっさいコマの髪下ろした揺杏がかわいかったです
投下します
180 = 1 :
阿知賀とは違う過ごし方が、けっこう楽しい
181 = 1 :
正午前になると、彼女はいつも日陰のベンチで本を読んでいる
団体戦も終わり、時間を持て余している私の足はついそこに向いてしまうのだ
灼「……咲」
咲「あ、灼ちゃん」
こんにちはー、と笑顔で挨拶される
灼「ども……」
なんとなく照れくさくて、愛想なく返してしまう
まぁ、私が笑顔で挨拶すると今度は咲が照れちゃうんだけど
182 = 1 :
灼「今日も暑いね……お茶いる?」
咲「ありがとう……いただきます」
咲とは、阿知賀と清澄で交流会――まあ、実質玄たちと原村さんの再会麻雀パーティーといったところか――で、仲良くなった
ハルちゃんの子ども麻雀クラブに参加してなかった私は少し場違いな気もしていたし、すぐに溶け込んだ片岡さんと違って一歩引いた位置にいた咲となんとなく固まってたら意外と話が合ったのだ
穏乃や憧は友達だけど、やっぱり先輩後輩の関係が先にあるし、単純な年下の友人というのは初めてで……ちょっとお姉さんぶってみたりするのが楽しい
183 = 1 :
灼「…………」
咲「…………」
私は、どちらかというと口数の少ないタイプだ
それは咲も同じで、二人でいると特に何も話さずに時間が経ったりもする
うちは結構騒がしいから、こうやってのんびり過ごすのは新鮮だ
ふと、咲が読んでいた本を閉じる
灼「いいの?」
咲「うん。 キリの良いところまで読んだから」
184 = 1 :
灼「ん……今日は何を読んでたの?」
咲「海外のミステリーだよ。 この作家さんは――」
咲は本のこととなると結構話す
読書は私も結構好きだし、咲からは色々な話が聞けて面白い
……それにしても、咲は毎日ここで本を読んでいるけど大会に向けて調整しなくていいのだろうか?
185 = 1 :
灼「…………」
咲「なぁに?」
灼「……麻雀はしなくてもいいの?」
咲「……私だってちゃんと練習してるもん」
プクーと頬を膨らませて抗議する咲はかわいらしい
咲「そりゃあ、毎日ここで本読んでるけど……それは灼ちゃんとお話したいっていうのもあるし」
灼「そんなにはっきり言われると恥ずかし……」
186 = 1 :
咲「和ちゃんなんかは阿知賀のみんなとか、新道寺の花田さんとか知り合いが多いからいいけど、私はこっちに知り合い少ないし……」
片岡さんは一緒に色々行ってるみたいだし、咲もついていけばいいのに……
というか、咲も知り合いは居るだろうに
灼「お姉さんとは会わないの?」
咲「……ちょっと、喧嘩中で」
灼「ごめ……」
……あまり触れない方が良さそうだ
187 = 1 :
灼「えーと……」
なにか話題は……
灼「あ……せっかく東京来たんだし、彼氏と観光でもしてきたら?」
咲「か、彼氏!?」
灼「違うの?」
咲「ち、違うよぉ!京ちゃんはただの友達で……」
灼「京ちゃん、なんて随分親しげだったからてっきり……」
咲「そ、そんなこと言ったら灼ちゃんだって赤土さんのことハルちゃんって呼んでるけど付き合ってないでしょ!?」
灼「それは比べるところじゃないと思……」
188 = 1 :
なんだ違うのか
ちょっとガッカリだ
阿知賀は女子校だから仲間内だと恋ばななんてできないしちょっと興味あったのに
灼「でも、共学だしそういう話はないの?」
咲「私はないけど……和ちゃんなんか男子に人気だよ」
灼「あー……」
そりゃモテるだろうな
かわいいし
……でかいし
189 = 1 :
灼「でも、咲も人気でるかもよ?インターハイで大活躍だし……」
咲「えぇ?それはないよ」
私地味だもん、なんて言いながらニコニコしてるけど咲はけっこうかわいいと思う
いろいろ危なっかしくて世話してあげなきゃって気になる
咲「灼ちゃんの方こそそういうのないの?」
灼「私……?」
190 = 1 :
灼「ないよ」
咲「ないの?」
灼「阿知賀は女子校だからそもそも男子の知り合いがいな……」
咲「そうなんだ」
灼「うん」
……友達もいるし、麻雀も楽しいし、寂しい青春とは思ってない
191 = 1 :
くー
咲「あぅ」
……咲のお腹の音のようだ
話している間にだいぶ時間が経っていたらしい
灼「……ご飯、食べに行かない?奢るよ」
咲「え、そんな……奢りなんて悪いよ」
灼「じゃあ、団体戦優勝のお祝いってことで……」
咲「……それじゃあ、お世話になります」
192 = 1 :
――――――
咲との食事は楽しかった
玄や穏乃とわいわい食べるのもいいけど、私はのんびりしてる方が性に合ってるかもしれない
それにしても……共学は進んでるって聞いてたけどそうでもないのか
いや、咲がそういうのに疎いだけか
晴絵「あ、おかえり灼ー!私今から熊倉さんとこ行ってくるから」
灼「ん……行ってら……」
灼「あ、そういえばハルちゃん」
晴絵「なに?」
灼「ハルちゃんは結婚とかしないの?」
晴絵「」
193 = 1 :
晴絵「……あ、いや私はまだ結婚考える年じゃないというか」
あ、これ聞いちゃいけない奴だった
凄い勢いで目が泳いでるし
晴絵「いや、ほんと……全然平気だし!ほら、小鍛治プロとかもまだ結婚してないし」
麻雀ならともかく、ハルちゃんはそこで小鍛治プロと並んでいいのか
晴絵「えっと、ほら……」
194 = 1 :
晴絵「灼がお嫁さんに来てくれてもいいんだよ?」
灼「わずらわし……」
カン!
195 = 1 :
咲さん言葉遣いは見た目で判断説に従いタメ口
土日来れなそうなのでキャラ名挙げてもらえれば拾って書き溜めとこうと思います
196 :
乙です
羊先輩が見たいなって
197 :
乙乙 咲さんとあらたそは合いそうだね
亦野さんとの絡みもみてみたいっす
198 :
乙あらたそ~
巴さんお願いします
199 :
羊先輩投下
方言は変換サイトの使用とwikiで多少勉強して、適当に標準語にしたりマイルドに……まぁ、エセ方言だよって話です。
そこまで気にする人もいないだろうけど一応言い訳
200 = 1 :
松実館がこの先生き残るためには
みんなの評価 : ★★★×4
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