元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「これで最後、だね」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×5
351 :
イィィイイイヤッホォォオオオオ!!更新だぁぁああああ!!!
352 :
>>349
信長くんとわたりんのやりとり思い出した
353 :
あと二時間で今日終わるぞ
354 :
1?2時頃に来そう、だいたいこの時間帯。
355 :
明日になる(24時を越えないとはいっていない)
356 :
すいません。このままだとすげー遅くなりそうなんで、二回に分けて投下したいと思います。
続きは明日で、とりあえず今日は前半を更新します!
359 = 1 :
*
八幡「ん……もうこんな時間か」
ふと、腕時計へと視線を落とす。
すると気付かなかったが、いつの間にかいい時間帯へとなっていた。あと数時間もすれば日付が変わる。
読みかけの本を閉じ、逡巡した後、購入を決めてレジへと向かう。
もう既に三分の一程読んでしまったが、中々面白かったからな。店員さんにも申し訳ないし、買っておこう。
場所は千葉某所にある大型書店。
俺の家からは比較的遠くに位置しているので、これまではあまり訪れてはいなかったんだが、今は別だ。
会社勤めという状況になってからは、遅くまで開いているここはとても重宝している。
360 = 1 :
ほら、次の日休みとかだと遅くまで本読んでいられるから、どうしても仕事帰りに欲しくなるんだよ。だから本の発売日は週末がベスト。まぁ今日は寄った時間が遅過ぎて売り切れだったんですけどね!
その腹いせとも違うが、以前から気になっていた自伝小説を手に取ってみて、それが案外面白かったのだからこんな時間だ。それも結局買ってるし。あれ、これ俺店の思うがままじゃね?
そんな疑念を払いつつ、レジで会計を済ませ店を出る。
エスカレーターを使い一階へと降りていると、ふと入り口から入ってくる人物を目で捉える。
その長い黒髪は、とても見覚えがあった。
我が担当アイドル……ではなく。
黒髪を、赤いリボンで結んでいる少女。
八幡「……よう」
雪ノ下「……あら。こんばんわ」
雪ノ下雪乃であった。
361 = 1 :
八幡「こんな遅い時間に何やってんだ? 補導されんぞ」
雪ノ下「大丈夫よ。外に車も止めてあるし、いざとなれば“どうにか”するわ」
どうにかってなんだよ。そこはかとなく怖い空気を感じるよ……
雪ノ下「ちょっと眠れなくてね……。今日発売だった本の事を思い出したから、気分転換も兼ねて出て来た所よ」
八幡「そんな散歩感覚でリムジン出させるなよ」
雪ノ下「誰もリムジンで来たとは言っていないでしょう」
八幡「違うのか」
雪ノ下「……否定もしないけれどね」
やっぱリムジンで来ているようだった。
しかし、こうして雪ノ下と話すのも久しく感じる。
最後に会ったのは、戸塚と一緒に下校したあの時になるのか。そう考えると、もう既に一ヶ月以上会っていなかった事になる。
そしてそれは、由比ヶ浜もまた同様だ。
362 = 1 :
そして少しの沈黙の後。
雪ノ下は小さく溜め息を吐くと、入り口横のベンチへと腰かける。
それだけでも不思議な事態なのに、何故か俺もそれに続いてベンチへと座ってしまう。あまりに自然に体が動いたので、内心自分で自分に驚いてしまった。
雪ノ下「……今は、プロデュースは順調にいっているの?」
八幡「……どうだろうな。どっかの事務員のおかげで、また臨時プロデュースをやらされてるよ」
雪ノ下「そう……」
どうやら、自分の行動に驚いているのは雪ノ下も一緒らしい。
唐突な会話の切り出しに、僅かな動揺が見て取れる。
だがいくつかの会話を交わす内に、自分自信の行動の理由に思い当たるのは、そう難しくなかった。
雪ノ下も、俺も。
久しぶりの再会に、もう少しだけ話したいと。
単純に、そう思ったのだ。
363 = 1 :
……以前の俺なら、こんな気持ちは絶対に認めなかっただろうがな。
むしろ、自分の気持ちに気付かなかったまである。
いや、気付かないフリを通す、って方がしっくりくるか。
こんな、まるで“友達”との間に存在するような感情。
以前の俺では、認めるのも癪だっただろう。
それも、雪ノ下相手に。
……それに雪ノ下はそう感じてはいないかもしれないしな。
俺だけそう結論づけて勘違いなんて、恥ずかし過ぎる。
けれど、今ではそう思う事にも恐れはあまり感じない。
これも、あのアイドルたちのおかげと言うべきか。
雪ノ下「その新しいアイドルという子は、また何か悩みを?」
八幡「まぁ、そうだな。ある意味じゃ、今までで一番問題を抱えてるとも言える」
雪ノ下「……それは人には言い辛い、という解釈でいいのかしら」
雪ノ下のその問いに、俺は少しばかり返答に詰まる。
別に言い辛いってわけでもないのだが、雪ノ下に分かり易く伝えるのであれば……うむ。
364 = 1 :
八幡「まず、雪ノ下がプロデューサーだったとするだろ」
雪ノ下「ごめんなさい、今その例えが必要な会話の流れとは思えないのだけれど」
冷めたような困惑したような目を俺を見る雪ノ下。
さすがに唐突過ぎたのは自分でも認めるが、これが一番的確に表せるのだから仕方が無い。
八幡「まぁ聞け。そんで、お前には担当アイドルがいる。まぁ由比ヶ浜辺りで想像しておけばいい」
雪ノ下「そう。それはプロデュースのしがいがあるわね」
何故かちょっと嬉しそうに言う雪ノ下。
しかし自分で言っておいてなんだが、雪ノ下が由比ヶ浜のプロデュース……ちょっと見てみたい気もする。スレ立てはよ。
八幡「んで、お前は新たに臨時プロデュースをする事になるんだ。そのアイドルってのが…」
雪ノ下「ええ」
八幡「イケメンな材木座だ」
雪ノ下「想像出来ないわ」
酷く冷たい表情で即答されてしまった。
そんな言い方しなくていいんじゃない? ほら、声だけはカッコいいし。声だけは。
365 = 1 :
八幡「とまぁそんな感じだ。今の俺の状況はな」
雪ノ下「結局良くは分からなかったけれど、とても困難な状況という事は理解したわ」
八幡「簡単に言や、材木座のアレを回りに認めて貰おうっつう事だ。あ、イケメンな材木座な」
ついでに付け加えると、性格も良くてイケメンな材木座なんだけどな。何それもう材木座じゃない。
しかし雪ノ下には一応伝わったようなので、良しとしよう。
雪ノ下「人に認められるように、ね……」
八幡「……まぁ、俺がそんなプロデュースをするのは過ぎた事だってのは、理解してるよ」
誰よりも人に認められず、ぼっち街道をひた走ってきた俺が、誰かを認められるようにプロデュースする。
それはとても皮肉な話で、滑稽なようにも思えた。
そう言えば昔、野ブタをプロデュースってドラマが流行ったな。
原作が好きだっただけに、あのドラマの改変は残念だった。ま、別物として見れば面白かったのかもしれんが。
それでも、あの物語は、あの終わり方だからこそ意味があったように思えたのに。
雪ノ下「……あなたは、誰かに認めてもらいたいと思う?」
見ると、雪ノ下はその双眸を俺へと向けている。
しかしその問いは、あまりにもナンセンスだ。
366 = 1 :
自分自身を、他の誰かに認めてもらいたいか。
それに対する答えは、お前が誰よりも理解しているだろう。
八幡「愚問だな」
雪ノ下「……そうだったわね」クスッ
その後、奉仕部の近況を聞いた後、俺たちは別れた。
雪ノ下は二階の本屋へ。
俺は出口へ。
不思議と、どこか足取りは軽い。
それが久々の再会への喜びなのかは分からない。
しかし、時が経とうと変わらないものに安堵したのは、否定のしようもない事実だ。
人間関係に安心を抱くとは、俺もつくづく毒されたと思う。
久々に会った彼女は、いつもと変わりなく。しかしどこか、柔らかな雰囲気を感じさせた。
その理由かどうかは分からないが、今回彼女から暴言を一つも吐かれなかった事に気付いたのは、家も目前の帰路の途中だった。
367 = 1 :
*
数々の対策会議を経て、ようやくこの日が訪れた。
シンデレラプロダクションアニバーサリーライブ直前、残り僅か二ヶ月となった今。
臨時プロデュースの対象である神崎蘭子、その蘭子の為のーー
ーー奉仕部主催、デレプロミニライブである。
未央『さぁーー! アニバーサリーライブ直前のミニライブ! いよいよ始まるよーーーッ!!』
ーーワァァァアアアアアアアアアアア!!!!
ステージの上で高らかに開始宣言をする本田。
やっぱ、ああいう役目はあいつに向いてるな。
368 = 1 :
俺がいるのは舞台袖。
ここから見る限りでは、客の数も中々の入り具合だ。
以前にやった総武高校のライブに比べても、その違いがはっきり分かる。ホントに売れたんだなぁ……
ちひろ「いやー無事開催出来て良かったですね~」
横を見ると、ちひろさんが安心したように顔を綻ばせている。
つーかこの人、事務員だというのにこんな所に居て良いんだろうか。
八幡「そうですね。俺が発案した企画でここまで規模が大きいのは初ですし、俺も結構ホッとしてます」
凛が売れ出してからは、何かと受け身になりがちだったからな。
こうやって自分で大きな企画を立ち上げて実行に移すとなると、さすがにプレッシャーも中々だった。
それに、この会場の準備も、出演陣も俺が掛け合って集めたからな。結構苦労した。
……けどまさか、ここまで集まるとは思ってなかった。
ちひろ「未央ちゃんに卯月ちゃん。他にも杏ちゃんにきらりちゃん。本当にいっぱい集まってくれましたね」
八幡「一応臨時プロデュースした奴らには声かけましたからね。何人かは忙しくて無理でしたけど……でも、まさか皆あんなに出たがるとは思っていませんでした」
369 = 1 :
特に奈緒と加蓮はめちゃくちゃ悔しそうにしてたな。
トライアド・プリムスが再結成!? とか期待しちゃったが、それはまた別の機会になりそうだ。
八幡「そういや、輝子とは連絡すら取れなかったんですけど、ちひろさん何か知りませんか?」
ちひろ「あー……輝子ちゃんはですね、今ちょっと海外ロケに出てまして……」
八幡「海外ロケ?」
ちひろ「ええ。『秘境のキノコを求めて~トモダチ100人採れるかな?~』という番組で……」
八幡「……」
輝子……無事に帰ってこれるといいな……
つーか、何なのその番組。ケータイが繋がらなくなるほど秘境まで行って、やる事がキノコ採取って……
一周回って普通に見てみたい。
ちひろ「そう言えば、凛ちゃんはどこに?」
八幡「楽屋にいますよ。今は精神統一中です」
今までも何度か修羅場をくぐり抜けて来たが、それでもこういった緊張は何時までたっても慣れないらしい。
まぁ、何事も緊張感を持って事にあたるのは大切だとは思うがな。慣れてしまえば、そこには必ず隙が生まれる。落ち着きと油断は別物だ。
370 = 1 :
八幡「それに今回は、大きなライバルもいますしね」
ちひろ「あぁ……十時愛梨ちゃん、ですか」
今最もシンデレラガールに近いと言われている少女。
十時愛梨。
彼女もまた、今回のミニライブに参加している。
ぶっちゃけ、今回のライブで一番苦労したのはそこだった。
既に売れっ子である十時にスケジュールを調整して貰うのはかなり至難だったからな。
どちらかと言えば、ライブの日程を十時に合わせたと言っても過言ではない。
八幡「ホント、上手く日程が噛み合って良かったですよ」
ちひろ「そうですね。でも、どうしてそこまで愛梨ちゃんにこだわったんですか?」
ちひろさんは不思議そうに訪ねてくる。
ちひろ「やっぱり、蘭子ちゃんの臨時プロデュースに関係が……?」
八幡「まぁ、正直言うと特に意味は無いです」
ちひろ「へ?」
371 = 1 :
ちひろさんが気の抜けたような声を出すが、実際その通りなのだから仕方がない。
今回蘭子の臨時プロデュースに当たって、確かに仕込みは用意しているが、そこに十時は殆ど関与していない。
ならば、何故彼女を今回のミニライブへと呼び込んだのか。
八幡「見せつけてやりたかったんですよ」
男を惑わすプロポーション、天然な可愛らしい性格、どこまでも無邪気な笑顔。
彼女のグラビア雑誌はすぐに売り切れ。その上、歌唱力もある。
シンデレラガール筆頭は、伊達じゃない。
そしてそれに対するは、一人の中二病な女の子。
どこにでもいるような、ちょっと痛くて、ちょっと頭の悪い、普通の女の子。
けれど俺は知っている。
彼女が、誰よりも“可愛い”ことを。
だから、教えてやらねばなるまい。
八幡「アイツの魅力は、十時に勝るとも劣らない、ってね」
372 = 1 :
観客は勿論、会社の奴ら全員に、な。
俺の台詞を聞いて、ちひろさんは小さく微笑む。
ちひろ「そういう事、あまり凛ちゃんの前では言わないようにしてくださいね? 怒られちゃいますよ」
八幡「気をつけておきます。……けど、凛だって分かってるはずですよ」
ちひろ「え?」
ステージを見ると、早速一人目の曲が始まったようだ。
観客のボルテージも、嫌がおうにも盛り上がっていくのが分かる。
八幡「さっき、大きなライバルがいるって言いましたけど、凛にとっては十時だけじゃなく、アイツもそうなんです」
凛も、本能的に感じているのだろう。
神崎蘭子の、そのポテンシャルに。
八幡「まぁ見ててください。神崎蘭子はーー化けますよ」
373 = 1 :
そして次回に続く!
一応明日の予定ですが、あまり信用しないように!
374 :
乙!
蘭子ちゃんどうなるのかなー
377 :
乙! 後半も楽しみにしてる!
>『秘境のキノコを求めて~トモダチ100人採れるかな?~』
何それマジ見たい
378 :
乙
明日も楽しみです
379 :
乙、明日も楽しみにしとくよ
野ブタはドラマ見て面白かったから原作読んだら、完全に別物じゃねーかってなった
ラストもビターというかなんというかでな…、でも確かにヒッキーは好きそうな感じだわ
380 :
>>377
言葉の捉え方次第で凄く卑猥な番組を想像しなくもない
381 :
渋に凛と八幡が一緒にいる絵を見つけた。
382 :
>>381
何処?
383 :
それはわた...雪ノ下さんじゃないのかしら?
384 = 374 :
このss読んで描いたって書いてあったな
386 :
検索機能があるんだから自分でさがせよ
387 :
ニュージェネレーションSR+のしぶりん見てしぶりん+αでひなビタのカタルシスの月を歌ってもらいたいおも思った
388 = 1 :
済まぬ…済まぬ……今夜は無理だ……
389 :
やっぱりなー
390 :
まじかーー!!!
391 :
ホモは嘘つき(確信)
392 :
>>1ですら嘘をつく。そんな当たり前のことが許容できない自分が俺は嫌いだ
393 :
野ブタをプロデュース放送時は今の高校生は幼稚園ぐらいか?
まあ再放送とかもあるが
394 :
おとなはウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです……
395 :
>>385
まだ必要かは分からんが
http://m.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=41754661&PHPSESSID=7f824c6bff9c27904be8e250cc1e27bb&guid=ON
396 :
>>395
それだな
397 :
今日更新されてると思ってきてみたんだが………。今晩かな?
398 :
>>397
夜、しかも日付が変わってからだと思われる。いつも大体そうだからな。
まぁ、くればの話だが……。
399 :
……うん、今日はもう寝るか
400 :
今日>>1は来るかな?
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