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元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「これで最後、だね」

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951 = 1 :




電車に乗れば。


ポスター『○月△日! シンデレラプロダクション アニバーサリーライブ!!』

八幡「……」




店に入れば。


ラジオ『今日、あのデレプロのアニバーサリーライブなんですよ~』

八幡「…………」




街を歩けば。


街頭テレビ『いよいよ本日、シンデレラプロダクションのアニバーサリーライブ! 皆さん見に来てくださいね♪』

八幡「………………」




完全チケット制なんだから、当日に見に行けるわけないだろぉぉおおおッ!!!!

と、思わず心の中で島村にツッコミを入れてしまった。


本当に一体なんなんだ……
今日は、どこへ行ってもこんな感じだ。


いたる所でその広告を目にし。

どこへ行ってもその名を耳にする。


本当に、一流のアイドルプロダクションだ。
元社員であった俺が言うんだから、間違いない。


……それだけに、鬱陶しい

952 = 1 :



ケータイを見て、時間を確認する。

ライブ開始まで、残り一時間ちょっと。
今は東京都内まで出ているから、ここからなら普通に間に合うな。



八幡「……なに考えてんだよ。この期に及んで」



行ってどうするというのだ。
行ったって、俺には何もする事はない。


何も、出来はしない。


俺はもうただの一般人で、プロデューサーどころか関係者でもない。
というか、行ったりしたらまたマスコミに何を言われるか。

そうだ、無駄な考えては捨てろ。

その為にも……



俺は、アニバーサリーライブの会場とは逆方向へと向かう。
バスでも、電車でも、タクシーでも、なんだっていい。

とにかく、違う場所へ。


間に合わない、所へ。


953 = 1 :




それから気付けば、どこかの駅にいた。
テキトーな場所で電車を降りてしまった為、駅名もよく確認していない。

一応都内ではあるようだが、正直初めて降りた駅なのであまり分からない。


ふらふらと歩き、待合室のような開けた空間を見つける。
人の少ない手頃な所に向かい、椅子へ座った。


時計を見る。
ここからなら、どうやったって間に合わない。

もうじきライブも始まる。
後は、時がたつのを待つだけ。


俺は一息つくと、背もたれに背中を預け、顔を上げた。












テレビ『さぁアニバーサリーライブの開演です! これからこの時間は、その様子を中継していきたいと思います!!』


八幡「……………………」









ここの駅は、待合室に大きなテレビが設置されていた。

いや完全に嫌がらせですよね?


そういや、確かにライブの一部を中継するみたいな事は言ってたな……
企画段階ではそんな話を聞いていたが、俺はあの事件のせいで途中から参加していなかった。

まさか、本当にやっていたとは……

954 = 1 :



正直、本当に嫌でしょうがない仕打ちだが、ここまで来ればもう関係ない。
何かの拍子に血迷ったとしても、ここからでは何も出来ない。


……ある意味では、これが俺に対する罰なのかもな。


何も出来ず、ただその光景を見せられる。

あいつの、歌う所を見る。


それは、今の俺にとっては地獄のような状況だと言えた。
なら、俺はそれを甘んじて受けるべきかもしれない。


椅子へと座ったまま、画面へとジッと目を向ける。
まだ、開演には幾ばくかの時間があった。


……凛のソロは、何曲目だったか。


無意味な思考を振り切るように。



俺は、その目を閉じた。









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暗闇だ。



真っ暗で、何も見えない。


当たり前だ。目を閉じているのだから。

そうしていると、やけに耳に入ってくる音が鮮明になる。

自分が駅にいるという事を実感させる喧噪。

テレビから聞こえてくる、ライブ開演までの、中継模様。



そして、






「あー! も、もうライブ始まっちゃうよぉ……」






女の子の、声だった。



八幡「……」



その声に、思わず目を開ける。

特に大きな声ではなかったが、やけに通る声だった。


見ると、そこにいたのは一人の女の子。

956 = 1 :



歳は俺と同じくらい。私服だが、恐らくは女子高生。

キャスケット帽を被り、黒ぶちのメガネをかけている。
テレビ画面へと視線を向けているので顔はよく見えないが、たぶん可愛い。

印象としては、どこにでもいる普通の女の子。

島村を、なんとなく思い出した。



「はぁ、折角招待して貰えたのに……まだお仕事長引いてるのかな」



独り言を呟きながら、ケータイを見ている。
恐らくは誰かと待ち合わせをしていて、もう一人が遅れているのだろう。

しかしライブに招待して貰えるって……関係者か何かか?

するとその女の子はメールでも送り終えたのか、ケータイ(今時ガラケー)をしまうと、あろうことか俺の近くまで歩いてくる。
そして、二つ程離れた席に座るのだった。びっくりした……


どうでもいいが、座った時に帽子の隙間から赤いリボンが見え隠れしていた。
その様子に、なーんか既視感を覚えるのだが……思い出せん。



と、そこでテレビ画面から開幕の音楽が流れてくる。

いよいよ、アニバーサリーライブが始まるらしい。


隣では先程の女の子が「始まっちゃった……」と呟いている。
しかし、そちらへ視線を向ける余裕は無い。



ちひろさんが、アナウンスをしていた。



……あの人、事務員なのにそんな事までしてんのか。


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後半は殆ど企画会議には参加していなかったとはいえ、さすがにこれは驚いた。
また、お給料弾むよとか言われたのだろうか。


ちひろさんのアナウンスが終わると、やがて、あのよく知ったメロディーが聞こえたきた。

やっぱり、最初の曲はおねシンみたいだな。



八幡「…………」



いた。

全員で歌う中、凛の姿を見つける。
会場からも特に野次などは無さそうだ。

その様子を見て、安堵と共に不安が募ってくる。


何処か、凛の調子が悪い。


見れば分かる。
動きはぎこちないし、声にも覇気が無い。

他の奴にとっては些細な違いかもしれないが、俺には分かる。


そりゃ、あんな事があったんだ。元のようにやる方が難しいのは分かる。
だがそれでも、何をしているんだという気持ちが湧いて出てくる。

そうさせたのは、俺なのに。



八幡「チッ……」



気付けば、拳を強く握っていた。



「あの、どうかしたんですか……?」

八幡「ッ!」


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隣からの声に、思わずハッとなる。

見ると、先程の少女が心配そうな顔で俺の事を見ていた。



「凄く辛そうな顔で画面を見てましたけど……」

八幡「……いえ、大丈夫です」



平静を装い、その少女に対し言葉を返す。
どうやら、思わず声をかけられる程に酷い顔をしていたらしい。

だがそれにしたって、見ず知らずに人間にいきなり声をかけるなんてな。

余程のお人好しか、変わり者だろう。



「……アイドル、苦手なんですか?」



そのまま、少女は俺に話を振ってくる。
声にはどこか不安を混ぜたようなニュアンスがあり、同時に、俺を気遣ってるようにも感じた。

正直、話しかけられのは若干鬱陶しいが……今の俺は、どうかしていたらしい。



八幡「……好きだよ。自分で自分に引くくらいな」



正直に、そのまま言葉が口から出ていた。
同年代だし、敬語を使うのもアホらしかった。



「へ、へぇ…そ、そうなんだ……」



そして、女の子も引いていた。あっるぇー?

つーかお前も敬語無くなってんぞ……

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俺が思わずジト目で睨むと、少女は慌てて弁解しだす。



「あ、あぁいや! い、良いと思うよ! きっとそう言って貰えるアイドルも嬉しいよ! うん!」



手をわたわたと振り、うんうんと頷いてみせる。
いや必死過ぎない? なんか逆にその気遣いが痛い。
 


八幡「……そんなの、本人じゃないと分からないだろ。気持ち悪いと思って…」

「分かるよ」

八幡「っ……」

「私には、分かる」



思わず、目を見開く。
そう言った少女の顔が、いつぞやのアイドルたちと一緒で。

俺は、押し黙るしかなかった。



八幡「……そうか」



俺はぼつりと呟き、その後少しの間沈黙が続く。

そして、再び少女は俺に問うてきた。



「……ねぇ、あなたは、ライブへは行かなくて良かったの?」

八幡「……チケットが取れなかったんだよ」

「……そっか」



無論、嘘だ。
そもそもプロデューサーを続けていたら、顔パスで会場へ入れただろう。

だが、今は関係無い。

960 = 1 :



しかし少女は、俺のその答えでは満足出来なかったようだ。



「……本当に、それだけ?」



もう一度、俺に問いかける。



八幡「……何が言いたいんだよ」

「えっと…………何だか、私にはそう思えなかったから、かな」



言葉を選ぶように、ゆっくり話す少女。

本当に余計なお節介だ。
普段なら、無視していたって不思議じゃない。

……けれど、気付けば俺の口は勝手に開いていた。



八幡「……あんたなら」

「え?」

八幡「あんたなら、どうする?」



不思議と、俺は話しだしていた。



八幡「誰かの為に行動を起こして、でもそれは相手にとっては望んでいない事で、それでも止めるわけにはいかなくて……」



何がそうさせたのかは分からない。
それでも、俺は何故か少女に言葉をかけていた。



八幡「……合わせる顔が無い。あんたなら、どうする」

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それはたぶん、懺悔のようなものだ。
まともな返しなんて求めちゃいない。

何故なら、俺はもう選択してしまったから。

だから、今更何を言われようが、変わる事はない。



「…………」



そして俺の言葉を聞いた少女は、俯いていた。

目を伏せ、口をつぐんでいる。

そして顔を上げたかと思うと、彼女はこう言った。






「わからない」

八幡「…………は?」



至極単純なその答え。
思わず、間抜けな声を出してしまった。

少女はタハハと笑い、頭をかいている。

いや、わからないて……



「……その時になってみないと、私がどうするかなんて分からないよ」



八幡「いやまぁ、そりゃそうなんだが…」

「でも、これだけは言えるかな」



少女は、俺を真っ直ぐに見つめ、その口を開いた。



「私はきっと、その人にも分かって貰おうとするよ」



少女は、微笑んでいた。

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「その人が望んでいなくても、自分でやりたいと思ったから行動したんでしょ? なら、それを分かってもらおうと頑張るよ。私なら」

八幡「……思いっきり否定されても、か?」

「思いっきり否定されても、だよ」



そう言って、少女はまた笑う。


何故、そこまではっきり言えるのか。
仮定の話だから、そんな事が言えるんじゃないか。

最初はそう思った。だが、彼女の言葉には強い意志が感じられた。


俺なんかよりも、辛い事や大変な事を何度も乗り越えた、そんな強い意志が。



……けど、



八幡「……もう、遅いよ」

「え?」

八幡「俺は、もう選択しちまった。俺があいつに出来る事は、もう無い」



あいつの、凛の為に、俺はプロデューサーをやめた。
そしてそれが俺に出来る最後のプロデュースで、

プロデューサーを辞めた今、俺には何も出来ない。


しかし、それでも少女は言う。



「そんな事ないよ」



笑って、俺の背中を押すように。

言葉を、投げかける。


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「その人の為にあなたは頑張った。……なら、次はあなたの為に何かすればいいよ」

八幡「俺の、為……?」



少女は、虚空を見つめ、懐かしむように言う。



「『未来は今の延長……だからこそ、今を大切に。悔いの無いように』」



静かに、それでも良く通る声で、彼女は言った。

その言葉は、すんなりと俺の胸の内へと入ってくる。



「……今のは、私の大切な人に言われた台詞なんだ」



そう言って、照れくさそうに笑う少女。



「その人がいたから、今の私がいる。……でも、その人が遠くにいっちゃう事になってね」

八幡「…………」

「その時、今の台詞を言われて……それがずっと、私の支えになってくれた」



改めて、俺に向き合う少女。
その瞳の奥には、確かな輝きが見えた。



「あなたは、今を大切にしてる?」

八幡「……俺は」



俺は、今を大切にしているのだろうか。



凛の為に。

凛のファンの為に。

凛の、将来の為に。

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俺は大切にしてきた筈だ。

大切だから、俺は責任を取った。
……だがそれは、あくまでプロデューサーとして。


プロデューサーだから、俺は凛に、余計な感情を抱いちゃいけなかった。

プロデューサーとして、俺は責任を取ったんだ。


なら、今の俺は?


プロデューサーとして、俺にもう出来ることはない。

なら、比企谷八幡としての俺には、もう出来ることは無いのか?


……そんな事は、ない。

そんな事はないはずだ。


プロデューサーではなく、ただの比企谷八幡として。


俺の為に。

比企谷八幡として。

俺に、出来ること。



八幡「……未来は今の延長。だからこそ、今を大切に。悔いの無いように…」



なら……



俺は、どうしたい?


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「おーいっ!」



その時、改札側から呼びかける声が聞こえてくる。

小走りで駆け寄ってくるのは、一人の若い男性。

スーツ姿でメガネをかけており、爽やかな印象。
何となく、十時愛梨のプロデューサーを思い出した。


恐らく、彼が待ち合わせをしていた相手なんだろう。



「あっ、もう! 遅いですよ!」



椅子から立ち上がり、抗議するように言う少女。
だが、別に本気で怒っているわけではないらしい。

何となく、俺もつられて椅子から立ち上がる。



「すまんすまん、前の仕事が長引いてな……あれ、そちらの方は……?」



その青年は俺に気付くと、それとなく少女に訪ねる。



「ふふ、熱心なアイドルファンです」



設置されたテレビに視線を向けつつ、ご丁寧にそう説明してくれる彼女。
いやいやいや。その説明だと俺完全にただのアイドルオタクみたいじゃないですか。否定できないけど。

俺が苦虫を噛み潰したような顔をしていると、青年は目を丸くし、その後微笑む。



「……そうか」



その様子は、何かに気付いたようでもあった。

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「……なぁ、ちょっと音無さんに遅れるって電話してきて貰えるか?」

「え? 私がですか?」

「あぁ。……俺がすると、怒られそうだろ?」


もう仕分け無さそうに頼む青年を見て、少女は「分かりました」と言って頷く。
ケータイを取り出し、少し離れた所まで歩いて電話をかけ始めた。

その場には、俺と青年が取り残される。



「……その格好、今日は学校に?」



青年は、そう言って俺に訪ねてくる。
言葉には何となく、優しさが含まれているような気がした。



「ええ。……まぁ、行く途中で嫌になってサボっちゃいましたけど」

「それは頂けないな」



苦笑し、テレビへと視線を向ける青年。



「……ここにいて、いいのかい?」

八幡「…………」



微笑みながら、青年は問いかける。

俺は、沈黙で答えるのみ。



八幡「…………一個、訊いてもいいですか?」

逆に俺は、青年へと問うた。

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「なんだい?」

八幡「あなたから見て、俺のやった事は……正しいと思いますか?」

「……そうだね」



とても難しい質問をされたように、彼は目を伏せる。

だが、答えは存外すぐに返ってきた。



「思うよ。君は、正しい事をしたと思う」

八幡「……」

「プロデューサーとして、ね」



彼は俺の方へと向き合い、真っ直ぐにその瞳を向けてくる。



「プロデューサーとして、最善の手だったと俺は思う」



それはつまり、個人の気持ちは捨ててという事。
彼は、暗にそう告げていた。



八幡「プロデューサーとして、ですか」

「ああ」

八幡「……なら、俺自身にとっての答えって、なんなんでしょうね」



俺の呟きに、しかし彼は笑って言う。



「……もう、答えは出てるんじゃないのか?」


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それは、答え合わせのようなもの。



そうだ。

初めから、本当に最初っから。

俺は、ずっと気付いていた。



なら……






俺は、こんな所で何をしている?






そう思った瞬間、俺は動く。

青年へと真っ正面に向き合い、深く頭を下げる。
その行動に青年は面食らうが、お構い無しに告げる。



八幡「ありがとうございました」



しっかりと、お礼を言い、頭を上げる。



八幡「……彼女にも、お礼を言っておいてくれますか?」



その一言で、彼には伝わったようだ。
チラッとだけ電話をしている少女に視線を向け、その後微笑み、頷く。



「ああ。ちゃんと伝えておくよ」



その言葉に、思わず俺も笑いを零す。

すると、青年はポツリと呟いた。



「……君は、良い目をしているね」

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思わず、目を見開く。
まさか、俺のこの目を褒めてくれる奴がいようとは。



八幡「皮肉ですか?」

「まさか。……大事なものを見据えている、良い目だよ」

八幡「……そんな事言われたの、初めてですよ」



俺は苦笑し、また軽く頭を下げる。



八幡「それじゃ、失礼します」



俺は、その場を後にする。



走れ。



とにかく走れ。






まだ、終わっちゃいないーー!







970 = 1 :




× × ×









「行ったか……」



青年は、以前微笑みながらその背中を見送る。



「あれ、もう行っちゃったんですか?」



背後からの声に青年が振り向くと、そこには電話を終えたのか、リボンの少女が立っていた。



「ああ。……春香にお礼を言っておいてくれって頼まれたよ」

「そうですか……私なんかの言葉が力になってくれたんなら、嬉しいな」



微笑み、少女は照れくさそうに言う。



「彼を見てたら、昔の自分を思い出したよ。頑張ってほしいなぁ」

「プロデューサーさんったら。そんな事言って、今後強力なライバルとなって立ち塞がるかもしれませんよ?」

「あはは、それは大変だ。敵に塩を送るような真似しちゃったかな……?」



そう言いつつも、二人の表情は明るい。

まるで、あり得たかもしれない未来の共演を、楽しみにするかのように。



一人の少年を、見守るのだった。





971 = 1 :




× × ×









走る。



駅の中を駆け、とにかく急ぐ。

足が、止まるなと勝手に動く。


正直、虫の良い話なんだとは思う。
俺はプロデューサーとして責任を取って、もう凛にしてやれる事はない。

そう、思っていた。

けれど、俺個人として。
比企谷八幡として、まだ出来る事があるんじゃないか。
かけてやれる言葉があるんじゃないか。


……いや違う。


俺が、俺の為にしたいのだ。
大した事じゃなくっても、とにかく、行動したい。

そう思ったら、いても立ってもいられなかった。

そうだ。
俺はプロデューサーである前に、


比企谷八幡なのだ。


なら、後は行動するだけだろう。

走れ。



とにかくーー走れ!


972 = 1 :



駅の中で、時刻表と駅周辺の見取り図を見つける。
それを確認し、現在の時刻と照らし合わせる。


もう既にライブは始まっている。
だが、凛のソロまではいくらか時間はある筈だ。


それまでに、あいつが歌う前に、何としてでも会いたい。

あいつに、この気持ちを伝えたい。


時刻表と時計を見ながら、算段を立てる。


電車は……ダメだな。次のに乗っても間に合わない。
しかも駅からもそれなりに距離があるし、そっからの足も問題になる。

バスも恐らくは似たようなもの。
会場近くまでは直接行けても、時間がかかるようじゃ意味がない。

なら、タクシーはどうだ?

……いや、距離があり過ぎる。超かっ飛ばしたとしてもギリギリだ。
今日は土曜。どう考えたって混むし、会場付近となったら尚更だ。









…………あれ?









八幡「……………………」






どう考えたって、間に合わなくね?






一瞬、思考が止まる。






間に合わねぇぇええええええええええッ!!???


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思わず、その場でリアルに頭を抱えてしまった。


え、え、あんだけ威勢良く走り出しといて、間に合わないの?
何それ格好悪過ぎる。


いやいや、んな事言ってる場合ではない。
どうにかして、どうにかしてこの状況を打破しなければ。

どうする。考えろ、考えろマグカイバー……!



八幡「……………そういや」



そこで、思い出す。

あいつらにも、チケットは送っておいた。
なら、きっと会場にいる筈。


俺はケータイを取り出すと、スパムメールのような登録名を選択する。


……総武高の困った奴は、ここに頼むんだよな。
今にして思えば、確かに、あいつらは頼れる存在かもしれない。

なら、俺が頼み事をするのも、当然のことだ。



俺は、電話をかけた。



…………。



何度も、コール音が鳴り響く。



……出ないな。



と、俺が諦めかけた時だった。

子気味良い音と共に、着信に応答した旨が、画面に表示された。

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由比ヶ浜『ヒッキー!? ヒッキーなのッ!?』



思わず耳から電話を離したくなる程の声量。
だが、こいつなら出てくれるって思ってたぜ。



八幡「ああ。そのヒッキーだ」

由比ヶ浜『もう! 心配したんだよ! 何も連絡寄越さないし! ってか、今どこ!? ライブには来ないの!?』



だから声デケーって。
いや、ライブ会場にいるから声大きくしてんのか?

……それはねーか。電話するんなら、さすがに会場は出ないと迷惑だろう。



八幡「落ち着け。それより、そこに雪ノ下はいるか?」

由比ヶ浜『え? ゆきのん? いるけど…』

八幡「代わってくれ」



由比ヶ浜づてでも良かってが、如何せん今は時間が無い。
とにかく、早く事を運びたかった。

由比ヶ浜は若干不服そうにしながらも、すんなり代わってくれた。



雪ノ下『もしもし。比企谷くん?』

八幡「雪ノ下。頼みがある」

雪ノ下『……代わってそうそう、いきなりね』



その声には呆れが多分に含まれていたが、どこか、安堵したような声音も感じる。
いや、雪ノ下に限ってそれはねぇか。



八幡「悪いが、時間が無いんだ。頼む」

雪ノ下『……なら、一つだけ確認させて貰えるかしら』


975 = 1 :



そう言った雪ノ下は、相変わらず良く通る声で俺に尋ねる。



雪ノ下『その頼みは、奉仕部への依頼? それとも、プロデューサーとしての頼み?』

八幡「……いや」



その問いに対する答えは決まっている。
俺は、はっきりと言葉を返す。



八幡「俺個人の、お前らへの頼みだよ」



奉仕部も関係なければ、俺はプロデューサーでもない。
これは、単なる俺の我が侭だ。

だから、こいつらしか頼めない。



雪ノ下『そう……』



俺の言葉を聞いて、なんとなく、雪ノ下は笑っているような気がした。
電話越しなのだから、実際どんな顔をしているかは分からない。

けれど、不思議とそう感じた。



雪ノ下『分かったわ。それで、頼みというのは?』

八幡「ああ。まず、どうにかして凛のソロの前に会場へ行きたい」



その後は簡潔に状況を説明する。

今現在いる場所。利用出来る交通手段では間に合わない事。
そして、凛のソロまでの恐らくの時間。

それを聞いた雪ノ下は、少しだけ考えた後呟く。

976 = 1 :



雪ノ下『まず無理ね』



ですよねー。

思わず、口からついて出そうになった。



雪ノ下『……けれど、どうにかするわ』



しかしそこはそれ。
やはり、雪ノ下雪乃は有能であった。



雪ノ下『発想の転換で、プログラムの方を変更して貰いましょう』



……は?

今、こいつは何と言った?



八幡「プログラムの変更って……お前、曲順を変えるって事か?」

雪ノ下『そのつもりで言ったのだけれど?』



いやいや、そんなしれっと言いのけられても。



雪ノ下『あまり使いたくは無い手段ではあるけど、アイドルの子たちにお願いしてみるわ』

八幡「お願いしてみるわって……あーでも、アイツらなら普通に承諾しそうで怖い……」



なんとなく、その光景が目に浮かぶ。
だがアイドルが良いと言ったからって、そんなに簡単に通るとも思えない。

しかし意外な事に、雪ノ下は自身満々に言う。



雪ノ下『あなたの名前を出せば、少しは良い返事を期待できるんじゃないかしら』



思わず、言葉を飲み込んでしまった。
まさか雪ノ下から、そんな事を言われる日が来るとは。

977 = 1 :



八幡「……どうだろうな。逆に反対意見が出るかもしれないぞ」

雪ノ下『さて、どうかしらね』



ふふっと、彼女は今度こそ確かに笑った。
全く……

ホントにこいつには、敵わない。



雪ノ下『それじゃあ時間も無いし、早速こっちは行動に移るわ』

八幡「ああ。すまんが頼む」

雪ノ下『それと最短の移動手段だけど、こちらで準備が出来次第連絡するから、そのまま待機していて頂戴』



は? 準備出来次第って、何を準備するんだ?

それを確認しようと口を開くが、しかし電話の向こうで相手が代わってしまう。



由比ヶ浜『ヒッキー! なんだかよく分からないけど、アタシも手伝うから!』



必死にそう告げる彼女の声を聞いて、思わず苦笑が漏れる。
ホント、どこまで行っても“優しい女の子”だな。お前は。



八幡「……ああ。頼む」

由比ヶ浜『っ! ……うん!』



嬉しそうに返事をする由比ヶ浜を最後に、電話は切れる。

アイツらなら、きっと大丈夫だろう。
そんな気持ちが、確かにあった。



978 = 1 :












『西側駅出入口の駐車場にて待機』



由比ヶ浜のアドレスからそうメールが届いてきたのは、電話を切って10分後の事であった。

この簡潔なメール、明らかに雪ノ下が打ったものだと分かる。
まぁ、今は状況が状況だからな。


その命令通り、俺は指定された場所に立つ。

しかし雪ノ下が準備すると言った辺り、あいつが足を用意したって事だよな?
そうなると、まさかリムジンがお出迎えしてくれたりするんだろうか。

しかし、俺のその予想はある意味で大きく外れる事になる。



気付けば、猛スピードで近づいてくる車が一台。

駅前の急カーブをものともせず、まさかのドリフト。
そのまま俺の眼前へピタリと駐車し、エンジン音を唸らせる。



彼女は、その姿を現した。






平塚「乗りたまえ。急いでいるんだろう?」






いや、格好良過ぎねぇ? いやマジで。

今回ばかりは、惚れても仕方が無い。

979 = 1 :



その劇的過ぎる登場に俺は最初硬直していたが、ハッと我に帰り、ドアを開けて車に乗り込む。
直後、車は直ぐに発進しだす。



八幡「あの、場所は…」

平塚「心配ない。雪ノ下から聞いてるよ」



進行方向から目を離さず、そのまま答える平塚先生。
口には煙草をくわえており、それがまた相変わらずカッコイイ。


なるほどな。雪ノ下の言っていた移動手段とはこれの事か。
確かに、平塚先生の車なら並の車よりずっと速い。

でも、それならまだタクシーのが早かったんじゃ?



平塚「今日はライブの他にも、色々とイベントをやってるらしくてね。中々タクシーも拾えないそうだ」



と、まるで俺の心を読んだかのようなタイミングで声をかけてくる平塚先生。
そして、チラッと俺へと視線を向ける。



平塚「それとも、私の運転では不満かな?」

八幡「め、滅相も無い」



ふるふると首を振り、否定する。
やべぇな、やり辛い。


俺は一体いつあの話を振られるのかと、内心ビクビクしていた。

いや感謝もしているのだが、それ以上におっかなかった。

980 = 1 :



平塚「比企谷」

八幡「っ!」ビクッ

平塚「……何か、言う事があるんじゃないのかね?」



き、来たァ!!

やべぇよ、これ完全に怒ってるよ……
仕方あるまい。これ以上怒らせる前に、正直に謝っておいた方が吉だ。



八幡「…………ほ」

平塚「ほ?」

八幡「補習サボってすいませんでしたぁっ!!」

平塚「そっちじゃなぁーーーいいッ!!!」



瞬間、真横から拳骨が飛んできた。
ビルドナックルもびっくりの威力である。

俺が打たれた側頭部をさすっていると、平塚先生が呆れたように言ってくる。



平塚「私が言っているのは、君がプロデューサーとしてやった事だ」

八幡「……」

平塚「それ自体は咎めたりはしない。……だが、一言くらい相談してくれても良かっただろう」



そう言う平塚先生は、怒っているというよりは、悲しんでいるようだった。
どうして、生徒が先生に相談してくれないのかと。

まるでそう言うように。



八幡「……すいません」

平塚「……まぁ、いいさ。今はこうして力になれるのだから」

981 = 1 :



平塚先生は、笑う。

本当に、迷惑をかけてばっかりだ。


そしてふと、ケータイが鳴る。
着信は由比ヶ浜から。まぁ、雪ノ下からという可能性もあるが。

俺は確認の意味で平塚先生に視線を向けると、先生は構わないと首肯する。

画面をスライドさせ、俺は電話に出た。



八幡「もしもし」



ちひろ『もしもし? 比企谷くん?』

未央『本当に出た!』

卯月『由比ヶ浜さんからの着信だと、ちゃんと出るんですね~』

加蓮『もしかして、実はそういう関係だったり?』

奈緒『なっ……た、確かに前々から怪しいとは思ってはいたが…』

由比ヶ浜『え、えぇ!? いや、別にそういうんじゃなくて…』

美嘉『なんか、そうやって必死に言い訳する方が怪しいような~?』

輝子『フヒ……八幡、こっちに来るの……?』

雪ノ下『ええ。……だから、そろそろ本題に移ってもいいかしら?』



電話に出たらアイドルだらけであった。

いや、お前らライブ中だろ!?


時間を確認する。
今のメンバーから考えて、恐らく今は楓さんが歌ってるのか?

982 = 1 :



ちひろ『比企谷くん。雪ノ下さん達からお願いされた通り、曲順は何とか変更出来そうです』

八幡「そうですか。……本当にありがとうございます」



またも、この人に迷惑をかけてしまった。
だが、ちひろさんは笑いながら言ってくれる。



ちひろ『何言ってるんですか。私と比企谷くんの仲ですよ♪』

その言葉に、俺も思わず笑みを零す。



八幡「……はい。……そういや、凛は?」

雪ノ下『安心して。ここにはいないし、事情も説明していないわ』

由比ヶ浜『一応、演出の手違いって事にして貰ったから!』



それは、また何とも不安になる言い訳だな。
だが、凛に言っていないのは助かった。

出来れば、俺の口から直接言いたい。



奈緒『そういうわけだから、早く来い!』

加蓮『それと、後でちゃんと説明して貰うからね?』

美嘉『そーそー。プロデューサー辞めるとか、アタシたちも納得してないし?』

輝子『八幡……待ってるから』

未央『まだまだ、言ってやりたい事がいっぱいあるんだから!』

卯月『凛ちゃんも、きっと待ってますよ!』

八幡「……お前ら」


983 = 1 :



その言葉を聞いて、感情が昂る自分を感じる。
今更、本当に今更なのに。

こいつらの臨時プロデュースをして、本当に良かった。



蘭子『……プロデューサー』

八幡「っ!」



そこで、初めて蘭子の声を聞く。
てっきり、別室で準備していると思ったのだが。



蘭子『その魂……解き放てっ!!』



顔が見えなくても、ノリノリで言ってるのが分かる。
……ホントに、意味分かんねぇよ。


けど、



八幡「……ああ。ありがとな」



充分、伝わった。



すると、電話の向こうで「デレたープロデューサーがデレたー」と大騒ぎ。
いやデレてねぇし。ただちょっと素直に感謝しただけだし。

……いや、それがデレたって言うのか。


思わず、自分で自分に笑ってしまった。



雪ノ下『そういうわけだから、あなたも急いで頂戴。変更したとはいえ、それでも時間ギリギリよ』

八幡『ああ。分かった』

由比ヶ浜『ヒッキー、頑張ってね!』

984 = 1 :




そして、電話は切れた。

あいつらに頼んで本当に良かった。
時間もそうだが……


こんなに、勇気を貰えるなんて。


と、そこで平塚先生がもう仕分け無さそうに言う。



平塚「比企谷。悪いが、私に出来るのはここまでのようだ」



言われて見ると、辺りは酷い渋滞。
これでは、もうまともに動けない。



平塚「ここからなら、直接走った方がまだ早い。行きたまえ」

八幡「分かりました。……平塚先生、本当にありがとうございました」



シートベルトを外し、お礼を言う。
だが、平塚先生はそれを何て事のないように笑い飛ばす。



平塚「何を言う。私は当然の事をしたまでだ」

八幡「教師が生徒の背中を押すのは当然の事……ですか?」



いつか、俺がプロデューサーになるのを悩んでいた時に言われた言葉だ。
普段のお返しとばかりに、俺は先回りして言ってやる。



平塚「いいや、違うな」



しかし、平塚先生はそれすらも違うと言う。

985 = 1 :







平塚「……“私”が“比企谷”を助けたいんだよ。当たり前だろう?」



そう言って、彼女は笑った。



八幡「……っ」



本当に、何でこの人は……



俺は無言で車から降り、扉を閉める前に言ってやる。



八幡「本当に、何で結婚出来ないんだよあんた!」



そして、思いっきりドアを閉めて走り出した。



後ろからは「な!? ちょっ、後で覚えてろよ比企谷ァー!!」という怒鳴り声が聞こえてくる。
が、俺はそれを無視。

そのまま走り続ける。



本当に、ありがとうございます。

……そろそろ、俺が貰っちまうぞマジで。





986 = 1 :













ケータイの地図をチェックしつつ、その足は止めない。


人の多い道を、ぶつからないように気を配りつつ、とにかく走る。
途中何度かぶつかりそうになり、転びそうになりつつも、それでも止まらない。


急げ、急げ!


息を切らしながら、俺は走り続ける。


時間を確認。
くそっ、このペースだとヤバイな……!


思ったよりも渋滞が酷かった為、雪ノ下の計算よりも近くまで車で行けなかった。
さっき平塚先生が言っていた通り、他のイベントやらが影響しているのだろう。

どうする? どうすれば……


と、そこで不意に声を聞く。






「お兄ちゃーーんっ!!」






それは、絶対に聞き逃す事も、聞き間違える事もない声。

声がした方を振り向けば、やはり、彼女が立っていた。

987 = 1 :




小町「お兄ちゃん! こっちこっち!」



妹の、小町だ。



八幡「小町!? なんでここに…」



とりあえず、近くまで走り寄る。
すると、そこで気付くが、小町はある物を携えていた。



八幡「これって…」

小町「うん。お兄ちゃんの自転車」



そこにあったのは、俺が今朝自宅に置いてきたチャリだった。
チェーンは、直っている。



小町「お母さんがお父さんに頼んで、直しといてくれたんだ。折角の休みにーってぼやいてたけど」



そう言って、クスクスと笑う。
っていうか、なんでお前…



八幡「由比ヶ浜に、聞いたのか?」

小町「うん。ここまでは、雪乃さんの家のリムジンで来たんだ」



小町が視線を向けた方を見れば、そこには黒いリムジンが停めてあった。
雪ノ下の奴、ここまで考えていたとはな……

さすがの俺も、舌を巻く。

988 = 1 :



小町「ほらほら、早くしないと!」



小町に促され、俺は自転車に跨がる。
確かにこれなら、こっからでも間に合うかもしれない。



小町「あっ! そうだそうだ。あとこれ……はいっ」



何かを思い出したかのように、小町は持っていたカバンからそれを取り出す。

それは、一本のネクタイとネクタイピンだった。



八幡「お前、これ……」

小町「さすがにスーツは無理だったけど……それ着けて、ビシッと行ってきなよ」



俺がプロデューサーになると決まった時、小町に選んでもらったネクタイ。

だけど、俺は……



八幡「けど、俺もうプロデューサーじゃねぇし…」

小町「なーに言ってんの」



小町は、俺の戸惑いを物ともせずに言う。



小町「小町はお兄ちゃんにそれを選んであげたんだから。だから、そんなの関係ないよ」



子憎たらしいくらい、可愛くウィンクしてそう言った。


989 = 1 :




八幡「……おうっ」



その場で、素早くネクタイを締める。

もうこの作業も慣れたものだ。
30秒とかからず終え、ネクタイピンで留める。



小町「さぁ、とっとと行っちゃえ!」

八幡「おうっ!」



思いっきり、ペダルを漕ぐ。

全力で、俺は自転車を走らせた。



八幡「愛してるぜ、小町!」

小町「私もだよ、お兄ちゃん! 特別に今だけ!」



俺の魂の叫びに対する答えはそっけなく、思わず泣きそうになったが、


それでも、今は背中を押してくれる。



なら、俺は頑張れる!





990 = 1 :

やっぱ無理っぽい! というわけで、ここで一旦区切ります。
スレ立てるんで少々お待ちを。

991 :

乙!
盛り上がってきたところでアイキャッチという感じだな

993 :

乙だよー

994 = 942 :

赤羽根Pかっけえええええええええええええええええ

995 :

やっぱ八幡の捻デレはかわええ

996 :

乙乙
やっぱたりないか
驚くほどすべてのキャラを参加させられている

997 :

お疲れ様!

次回作待ってる


準備してたこれはどうなる

998 :

乙!
今日で最終回か・・・・(遠い目


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