元スレやよい「5億年ボタン?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
351 = 347 :
-某テレビ局の更衣室-
やよい「貴音さん!今日も一緒に収録がんばりましょうねー!」
貴音(金)「そうですねやよい・・・今回もめいいっぱい食しますのでおいしい料理を期待しております」
やよい「えへへ、そう言われると嬉しいけど貴音さんはアシスタントなんですからね」
貴音(金)「・・・」
やよい「だから貴音さんと一緒にお料理できたらもっと嬉しいかなーって!」
貴音(金)「・・・そうですね」
やよい「じゃあ行きましょうか!」
貴音(金)「ええ・・・・・・・・・あ」
やよい「?」
352 = 346 :
貴音(金)「申し訳ありませんやよい、少し衣装の着付けの具合が思わしくありませんので先に楽屋に戻っていただけますか」
やよい「う?それならここで待ってますよー」
貴音(金)「いえ、収録までそこまで時間もありませんしやよいは先に戻って準備していて下さい」
やよい「・・・わかりました!楽屋で待ってますね!」
貴音(金)「・・・ええ」
バタン
貴音(金)「・・・」
貴音(金)「・・・ふふふ」
貴音(金)「プロデューサーは私が何も知らないと思っているのでしょうか」
353 = 347 :
貴音(金)「ペンダントを解析することが逆に相手に情報を与えるとは考えないのですかね・・・」
貴音(金)「わざとやよいにペンダントを渡すように仕向けたとも知らずに・・・」ベロチョロガサゴソ
貴音(金)「・・・・・・あった」
ペンダント『・・・』
貴音(金)「・・・これでプロデューサーの思惑もここまで・・・ふふ」
ペンダント『・・・』キィィィィン
貴音(金)「・・・・・・え?」
カッ
――――――――
――――
354 = 346 :
――――――――
『・・・』
『・・・!・・・・・・』
『・・・・・・・・・』
――――――――
355 = 347 :
――――――――
――――
貴音(金)「うっ・・・どうして・・・一体なんだというのですか・・・・・・」ハッ
貴音(金)「ペ、ペンダントは・・・?」
貴音(金)「・・・・・・ない、べろちょろの中にも・・・」ガサゴソ
貴音(金)「・・・・・・っ・・・収録時間が・・・致し方ありません、べろちょろの中にないならやよいも見つけられないはず・・・」
貴音(金)「・・・・・・」
貴音(金)「(・・・それにしても・・・・・・)」
――――――――
356 = 346 :
~収録後の更衣室~
やよい「今日も楽しかったですね!貴音さん」
貴音(金)「ええ、まこと・・・美味な料理でした」
やよい「えへへ、今日作った料理の味付けは使えるかも!」ガサゴソ
貴音(金)「・・・」
やよい「・・・あ、あれ?」ガサゴソ
貴音(金)「・・・どうしました、やよい」
やよい「い、いえ・・・その・・・」ガサゴソ
貴音(金)「・・・」
やよい「・・・あ、あの貴音さん」
貴音(金)「どうしたのです、やよい」
357 = 347 :
やよい「あの・・・これくらいのイルカの形をしたペンダント見ませんでしたか?べろちょろの中に入れてたんですけど見つからなくて・・・」
貴音(金)「・・・いえ、そのようなものは存じませんが・・・大切なものなのですか?」
やよい「・・・あの、プロデューサーにもらった大事なもので・・・うー、どうしよう・・・ないよう・・・」
貴音(金)「・・・」
貴音(金)「・・・それほどまでに大事にしていたのですからどこかで落としたということはないでしょう、きっと家か事務所においてきてしまったのではないですか?」
やよい「うー・・・でもべろちょろの中から出した覚えはないんです・・・」
貴音(金)「・・・人の記憶とはいつどのように変わるのかわかりません、きっとそのうち見つかりますよ」
やよい「そんなものですかね・・・」
貴音(金)「私も明日一緒に探してあげますから・・・さ、とりあえず今日は帰りましょう」
やよい「・・・はい」
――――――――
358 = 346 :
~2日前~
P「やよい、ちょっといいか?」
やよい「はい?」
P「あの・・・ペンダントのことなんだが」
やよい「あ・・・」
P「ん?」
やよい「(どうしよう・・・朝に貴音さんと一緒に探しても結局見つからなかったし・・・)」
やよい「い、いえ・・・それがどうかしたましたか?」
P「あー・・・そのなんだ、イルカとは仲良くやってるか?」
やよい「・・・」
やよい「・・・はい、とっても仲良くやってますよー」
P「・・・そうか、ならいいんだ・・・呼び止めてすまなかった」
やよい「いえ・・・」
やよい「(どうしよう・・・嘘ついちゃった・・・)」
――――――――
359 :
~1日前~
P「・・・」
P「(・・・やよいが何かおかしい)」
P「(今日もいつもより元気がなかったし・・・やっぱり貴音との収録で何か・・・?・・・いやでももしそうなら今頃は・・・)」
P「(・・・やっぱり明日もう一度やよいにちゃんと聞いてみた方がいいな・・・)」
P「・・・」
――――――――
360 :
貴音(金)「・・・」
貴音(金)「(・・・結局見つかりませんでしたか・・・)」
貴音(金)「(・・・あまり所在がわからない状況は思わしくないのですが・・・)」
貴音(金)「(ただ今回のことがプロデューサーが意図するところでなければ・・・)」
貴音(金)「・・・」
――――――――
361 = 359 :
~当日~
P「なぁやよい・・・」
やよい「・・・・・・」
P「・・・あー、一昨日も聞いて申し訳ないんだけど・・・」
やよい「あ・・・ぅ・・・」
P「えーと・・・」
やよい「ご、ごめんなさい!」
P「・・・」
やよい「ごめんなさい・・・本当はこの前のお料理番組の収録であのペンダント失くしちゃってて・・・」
P「・・・」
やよい「一昨日も嘘ついちゃってごめんなさい・・・せっかくプロデューサーにもらったのに・・・失くしたら嫌われるって・・・そう思って・・・」
P「・・・・・・」
やよい「でも・・・探しても全然見つからなくて・・・」
P「・・・・・・」
362 = 360 :
やよい「・・・ぅ・・・うぅ~・・・」ポロポロ
P「・・・・・・は!・・・い、いや泣かなくていいぞやよい!」
やよい「うぅ~・・・でもぉー・・・」ポロポロ
P「・・・いやほら、実はあれって結構どこでも買えるペンダントでさ!・・・だからそんな深刻に考えなくても大丈夫だから・・・な?」
やよい「・・・ぅぅ・・・ごめんなさい」グスッ
363 = 359 :
P「ほら、怒ってないって言ってるだろ?それにアイドルが泣き顔なんか作っちゃダメだぞ?」
やよい「・・・・・・」
P「・・・」
やよい「本当にごめんなさい・・・プロデューサー・・・」
P「あぁ、こんなことでやよいのことを嫌いになったりなんかしないよ・・・だから、な?」
やよい「・・・・・・」
やよい「・・・はい」ニコッ
P「よし、じゃあ今日もがんばってこい!」
やよい「はい!」
貴音(金)「・・・・・・」
――――――――
364 = 360 :
貴音(金)「・・・やよい、ちょっとよろしいですか?」
やよい「はい!なんですか貴音さん」
貴音(金)「・・・ちょっと話がありまして、会議室まで来ていただきたいのですが・・・」
やよい「話、ですか?わかりましたー、ちょっと待ってて下さいー」
貴音(金)「はい、では中で待っております・・・ふふふ」
――――――――
365 = 359 :
P「・・・」
P「(・・・やよいが持ってない、ってことはこれはどう考えても貴音(金)に取り返されたか・・・?)」
P「(・・・これはまずい・・・)」
P「(・・・このまま5億年ボタンを使われたら・・・)」
P「・・・!そうだ・・・貴音(金)は・・・」
???「あの2人なら会議室ですよ」
P「!?」
P「・・・お前は・・・」
――――――――
366 = 360 :
-会議室-
やよい「5億年ボタン?」
――――――――
367 = 359 :
P「会議室なら今すぐ行って色々聞かないと・・・」
???「いえ、ここで待っていて下さい」
P「え?・・・でもこのままもしやよいが5億年ボタンを押すようなことになったら・・・」
???「それも大丈夫です、そもそも今は会議室に鍵がかかっていて入れないはずですよ」
P「・・・し、しかし・・・」
???「・・・私を信じて下さい・・・」
P「・・・」
――――――――
368 :
随分長編になったな
369 = 359 :
-会議室-
やよい「2人で・・・ですか?」
貴音(金)「・・・」
春香「うん!2人ならそこまでこわくないでしょ?」
貴音(金)「(なぜ春香が・・・)」
やよい「うーん・・・それなら少し安心かなーって!」
貴音(金)「(・・・まぁ・・・2人でもそこまで計画に支障は来さないでしょう・・・)」
春香「よーし、じゃあ決定!じゃあ早速押すよ?準備はいい?」
貴音(金)「(それでは・・・)」
やよい「いいですよー」
貴音(金)「(・・・いってらっしゃい・・・春香、やよい・・・)」
春香・やよい「ポチッ」
――――――――
5億年スタート
――――――――
371 :
――――――――
――――
~少し時間は戻って~
-???-
貴音「う・・・はっ!」
貴音「・・・こ、ここは?」
P?「おっ、目が覚めたな貴音」
貴音「あ、あなた様?・・・こ、ここはどこです?いやそれよりも一体何が・・・」
P?「・・・まぁ落ち着け」
貴音「落ち着けと言われましても状況が・・・」
P?「・・・」
貴音「・・・」
P?「・・・どうした?」
貴音「あの・・・本当にあなた様ですか?」
372 :
P?「・・・」
貴音「いえ・・・失礼なことを聞いているのは承知です、しかし最近あったことを考えますとさすがに・・・」
P?「・・・さすが貴音だな」
貴音「?」
P「・・・そうだな、今何が起こっているのか教えるよ」
――――――――
373 = 371 :
貴音「つまり・・・ここはげぇむの世界ということ・・・ですか?」
P?「正確にはさっきまで貴音がいた向こうの世界は、だな・・・ここは単なる情報だけの存在でゲームには関係ない」
貴音「・・・」
P?「お前達が創られたのは2003年頃、その後ゲームのキャラとして必要に応じてキャラクターとして世に出ることになった」
貴音「・・・必要に応じて・・・」
P?「そうだ、最初は貴音や響もそのゲームの構想にはあった、だが実際にはお前達2人はキャラクターとして採用されなかった」
貴音「・・・」
P?「・・・その貴音は今向こうにいる貴音(金)のことだがな」
貴音「・・・」
貴音「そしてその数年後に・・・当時採用を見送られた私達が異なるげぇむできゃらくたぁとして登場するようになった・・・と」
P?「・・・あぁ、しかし時間が経つと色々と事情も変わるみたいでな、実際にキャラクターとして採用されたのは・・・」
貴音P「最初に創られた私と響ではなく・・・その情報から生み出されたこの私自身と向こうの響・・・」
374 = 372 :
P?「・・・そうだな、特に貴音(金)は本来金髪だし・・・細かい点で言えば似てるようで全く違うと言ってもいいのかも知れん」
貴音「・・・」
P?「・・・どうした、やっぱり信じられないか」
貴音「・・・いえ、あなた様が嘘を言うとも思えませんし、ここ数ヶ月に私の身に起こっていた現象を考えるとこれが夢でもない限り事実と考えるべきでしょう」
P?「・・・」
貴音「・・・その上で・・・質問してもよろしいでしょうか?」
P?「・・・なんだ」
貴音「まずもう1人の私が響に渡したであろうイルカのペンダントは・・・何か関係があるのでしょうか」
P?「あれは元々やよいの持ち物として採用されるはずだったものでな・・・それが途中でべろちょろに変更されることになった」
貴音「・・・それをなぜ響に・・・」
P?「それは・・・俺にもなんとなくしかわからないが、それはまた後で話そう」
375 = 371 :
貴音「・・・」
貴音「響は・・・私と同じ境遇のこちらの響はどうなっているのでしょうか」
P?「・・・響はこっちの自分の世界で元気でやってるはずだぞ・・・ここはあくまで貴音の世界だからここにはいないが」
貴音「(・・・私の?)」
貴音「・・・では、もう1人の私は一体何をしたいのですか?私の体を乗っ取って・・・それで満足してしまったのでしょうか」
P?「・・・」
P?「・・・向こうの貴音(金)からしたら裏切られた形になるからな・・・少なくともその裏切ったとも言える世界だけで満足はしないだろう」
貴音「・・・と言いますと?」
P?「・・・」
P?「なぁ貴音、ここまでの話を聞いておかしいと思わないか・・・765プロのみんなのこと」
貴音「・・・おかしい・・・とは?」
376 = 372 :
P?「・・・みんなはただの人形だったわけじゃない」
P?「それぞれこの世界で自我を持って生まれてきたんだ、春香も、やよいも・・・そして貴音、お前もな・・・」
貴音「・・・」
P?「貴音・・・お前はこの世界のことを覚えているか?」
貴音「・・・!・・・」
P?「・・・つまりだ、基本的にはゲームのキャラクターとして採用される時にこの世界にいた記憶は消される」
P?「まぁ当たり前だわな、リアリティを追求するならこんなメタ要素を残しておく理由はない」
貴音「・・・記憶が・・・」
P?「・・・本来向こうの世界にいるはずのないイレギュラーな存在となった貴音(金)はその記憶を維持したままだろうけどな」
貴音「・・・」
377 :
P?「・・・向こうの世界にいる貴音(金)以外のメンバーは、響はもちろんそれ以外のみんなも貴音(金)の知っている仲間であって仲間ではないんだよ」
貴音「・・・もう1人の私は本当の仲間をほしがっている・・・と?」
P?「・・・」
貴音「自分だけではなく・・・本当に最初に創り出されたみんなが揃うことが願いで・・・」
P?「そして目的というわけだな」
貴音「・・・」
P?「響にペンダントを渡したのはこの世界の情報をペンダントを通じて伝えようとしていたんだろう」
P?「響が1番貴音(金)との境遇に近いし、実際にもう1人の響はこっちの世界にいるわけだからな」
貴音「・・・」
貴音「・・・そんなことができるのかという疑問は残りますが・・・その前にもう1つ質問させて下さい」
P?「・・・なんだ」
貴音「・・・あなた様は一体何者ですか」
378 = 372 :
P?「・・・」
貴音「先ほどここでお会いした時にも感じたことですが、ここまでの話を聞いてもやはり向こうの世界のあなた様と同一人物だとは思えません」
貴音「ある程度はこの世界の記憶があれば知っていてもおかしくないのでしょうが・・・なぜそこまで精通しているのですか」
貴音「しかも話を聞く限り・・・今思えば向こうの世界のあなた様はこの世界の記憶を消されていないようですが・・・」
P?「・・・」
貴音「それにあなた様は言いましたよね、ここは私の世界だと」
貴音「どうしてあなた様が私の世界に入ってくることができるのでしょうか・・・」
P?「・・・」
379 = 377 :
貴音「・・・」
P?「・・・・・・それはな」
――――――――
――――
P?「・・・というわけだ」
貴音「・・・」
P?「・・・まぁ色々と思うところもあるだろう、その上で聞きたいんだが・・・」
貴音「・・・」
P?「お前は向こうの貴音(金)の思惑を阻止したいと感じているのかどうか・・・だ」
貴音「・・・え?」
P?「あの貴音(金)が向こうの世界に行きたがっていたことも事実だし、そうなる気持ちもわかる」
P?「しかしこのまま何もしないでいれば貴音(金)の目的が達成されようがされるまいが体を取り戻すことは出来ないだろう」
P?「そしてここでもし体を奪い返すようなことができれば・・・今度こそ貴音(金)は向こうの世界に行く術を失うだろうな」
380 = 372 :
貴音「・・・」
P?「確かに貴音から体を奪い取ったのは事実だし、お前には奪い返そうとする権利がある」
P?「だが向こうの貴音(金)の境遇を聞いて・・・その奪い返すという目的を躊躇なく果たそうとすることができるか?」
貴音「・・・」
P?「・・・ゲームの世界の存在、この世界と向こうの世界の関係、貴音(金)の本心・・・それらを知った上でお前は何を望む?」
貴音「・・・」
貴音「・・・」
貴音「・・・・・・私は・・・」
――――――――
――――
381 :
~5億年ボタンが押される直前~
P「・・・」
P「(・・・やよいが持ってない、ってことはこれはどう考えても貴音(金)に取り返されたか・・・?)」
P「(・・・これはまずい・・・)」
P「(・・・このまま5億年ボタンを使われたら・・・)」
P「・・・!そうだ・・・貴音(金)は・・・」
???「あの2人なら会議室ですよ」
P「!?」
P「・・・お前は・・・」
382 :
貴音「・・・」
P「貴音!?」
貴音「・・・幾日ぶりですね、あなた様」
P「貴音・・・どうしてここに!?いやそれより会議室の中の貴音(金)は一体・・・」
貴音「・・・」
P「・・・っ!・・・いや今はそんなことよりも・・・会議室なら今すぐ行って色々聞かないと・・・」
貴音「いえ、ここで待っていて下さい」
P「え?・・・でもこのままもしやよいが5億年ボタンを押すようなことになったら・・・」
貴音「それも大丈夫です、そもそも今は会議室に鍵がかかっていて入れないはずですよ」
P「・・・し、しかし・・・」
貴音「・・・私を信じて下さい・・・」
P「・・・」
――――――――
383 :
-会議室-
やよい「うーん・・・それなら少し安心かなーって!」
春香「よーし、じゃあ決定!じゃあ早速押すよ?準備はいい?」
やよい「いいですよー」
貴音(金)「(・・・いってらっしゃい・・・春香、やよい・・・)」
春香・やよい「ポチッ」
――――――――
5億年スタート
――――――――
384 = 382 :
――――――――
~やよいと春香の世界~
貴音(金)「・・・」
貴音(金)「・・・さて、後はやよいと春香の5億年に期待するだけですね」
貴音(金)「・・・これで私の願いも叶うはず・・・きっと」
P「・・・」
P「・・・貴音(金)」
貴音(金)「・・・・・・やはり来ましたか・・・プロデューサー・・・」
P「貴音(金)、悪いがお前の思惑通りにはさせない」
貴音(金)「・・・しかしあなたに何ができると言うのですか?やよいはペンダントを所持していないのでしょう?」
P「・・・」
貴音「残念ながら・・・そうでもありません」
P?「・・・だな」
貴音(金)「なっ!」
貴音(金)「・・・」
貴音(金)「もう1人のプロデューサー・・・いやそんなことよりもう1人の私・・・どうしてここに」
P「色々驚くのも無理はない・・・俺もついさっきまで状況を理解していなかったくらいだしな」
貴音(金)「・・・」
――――――――
385 :
~貴音の世界~
P「・・・」
P「・・・くっ、なぜだ・・・どうして貴音はあんな簡単に5億年ボタンを押させたんだ・・・」
貴音「・・・」
P?「・・・・・・」
P「はっ!・・・貴音と・・・お、お前は・・・・・・」
P「・・・・・・2人ともどうしてここに・・・」
貴音「・・・あなた様・・・」
P?「・・・」
P「・・・」
P「い、いや・・・それより状況を説明してくれ・・・まずなぜこの貴音がこの世界に存在できる?」
P?「・・・」
P?「・・・どうやらあっちの貴音(金)が貴音の体を掌握したことで貴音がこの世界に送り込まれたようでな、まぁこれもイレギュラーな事態だが」
P「・・・それで、お前の方からこの貴音に干渉しかけたってことか」
P?「・・・その通りだ・・・」
P「・・・ということはボタンが押される直前に俺を止めたのもお前の仕業だな?」
P?「あぁ・・・」
386 = 382 :
P「・・・色々言いたいことはあるがとりあえず核心を聞こう、ボタンを押させても大丈夫ってのは一体どういうことだ?」
P?「・・・それは」
貴音「今やよいがペンダントを持っている、ということですよ、あなた様」
P「・・・やよいが?・・・でも失くしたって・・・」
貴音「べろちょろの内側と外側の隙間に入れておきました・・・もちろんちゃんと縫い付けて」
P「・・・入れておきましたって・・・・・・一体どうやって・・・」
貴音「もう1人の私とやよいがお料理番組に出た時のことを覚えていますよね?」
P「あ、あぁ・・・その時におそらくやよいが失くしたと思っていたからな・・・」
貴音「あなた様は知らないでしょうが・・・その収録の、ほんの少しの間だけですが・・・訳あって私が自分の体に戻る時があったのです」
P「・・・」
貴音「その間にそのような細工をしておきました」
P?「・・・」
P「ちょっと待て、それはもちろん向こうの貴音(金)の手にペンダントが渡らないようにするための細工だよな?」
貴音「はい」
P「ってことはどうして俺がペンダントをやよいに持たせたか、とかも知ってるわけだよな」
貴音「・・・はい」
P?「・・・」
387 :
P「・・・お前達は一体どこまで今の状況を知っているんだ?・・・できれば情報を共有したいんだが・・・」
P?「・・・」
P?「今回の問題解決のための情報という点で言えば・・・」
P?「・・・基本的にはそこまで俺とお前で持っている情報の差はないはずだ・・・ただ」
P「・・・?」
P?「1つだけ・・・向こうの貴音(金)の目的については俺はおよそ見当はついている、それは・・・」
――――――――
P「貴音(金)が・・・」
P?「おそらくな、向こうの貴音(金)を見る機会が少なかったからお前は気がつかなかったんだろう」
P「・・・」
P?「・・・じゃあそろそろ行くか」
P「・・・」
貴音「・・・あなた様・・・」
P?「向こうの貴音(金)を止めないとな」
貴音「・・・」
P?「・・・それがこの貴音の『願い』でもあるからな」
――――――――
388 = 382 :
~やよいと春香の世界~
P「・・・というわけだ」
貴音(金)「・・・なるほど、もう1人の私がこちらの世界に干渉するとは・・・あと・・・」
P「・・・ん?」
貴音(金)「・・・いえ、それは想定外でした」
P?「・・・」
貴音「・・・」
P「・・・まぁこのままやよいがペンダントの存在に気づかなければ大方はお前の思惑通りに進むだろう」
貴音(金)「・・・しかし春香は・・・」
P「・・・そうだな、春香が5億年ボタンを押すことはお前にとっても・・・もちろん俺にとっても想定外だ」
P?「なら・・・」
貴音(金)「・・・」
P?「この結果の鍵を握るのは意外に春香・・・かも知れないな」
貴音(金)「・・・」
389 :
P「ところでここはボタンを押した2人の・・・やよいと春香の世界でいいんだよな・・・」
貴音(金)「えぇ、もちろん私や響のそれとは違って数年前を境にして誰も存在しない世界・・・でしたけど、ね」
P「・・・」
貴音(金)「5億年ボタンを押した人物の世界に飛ばされるようになっておりますので・・・まぁ2人同時に押してどうなることやらという感じでしたが」
P「・・・」
P「・・・前々から気になっていたんだが、その5億年ボタンとやらは結局なんなんだ?」
貴音「・・・」
P「この1ヶ月半で色々調べはした・・・しかし根本的なところは何もわからなかった・・・」
P「・・・もういいだろう・・・一度ちゃんと説明してくれないか・・・」
貴音「・・・」
貴音(金)「・・・そうですね、ここまで来たらもういいでしょう・・・全て話しましょう」
P「・・・」
390 = 382 :
貴音(金)「5億年ボタン・・・一言で言うとそれは、この世界の中のさらに『閉じられた世界』に精神を5億年間閉じ込めるボタンです」
P「・・・『閉じられた世界』?」
貴音(金)「えぇ、イメージするならば・・・私達はこの世界にさらに個々の世界を持っていますよね?」
貴音(金)「その各々の世界、やよいの世界や春香の世界の対となって存在する『裏の世界』とでも言いましょうか・・・」
P?「・・・つまりボタンを押したやよいと春香は今俺達がいる『やよいと春香の世界』の『裏側』にいる、ということか」
貴音(金)「基本的には個々の世界は別ですから今のところは『やよいの世界』と『春香の世界』の『裏側』にいるようですけどね」
P「・・・」
P「・・・しかし5億年なんてそんな非現実的な数字を・・・」
貴音(金)「・・・ふふふ」
391 :
乙
先が気になる
392 :
貴音(金)「5億年ボタン・・・一言で言うとそれは、この世界の中のさらに『閉じられた世界』に精神を5億年間閉じ込めるボタンです」
P「・・・『閉じられた世界』?」
貴音(金)「えぇ、イメージするならば・・・私達はこの世界にさらに個々の世界を持っていますよね?」
貴音(金)「その各々の世界、やよいの世界や春香の世界の対となって存在する『裏の世界』とでも言いましょうか・・・」
P「・・・つまりボタンを押したやよいと春香は今俺達がいる『やよいと春香の世界』の『裏側』にいる、ということか」
貴音(金)「基本的には個々の世界は別ですから今のところは『やよいの世界』と『春香の世界』の『裏側』にいるようですけどね」
P「・・・」
P「・・・しかし5億年なんてそんな非現実的な数字を・・・」
貴音(金)「・・・ふふふ」
393 :
P「・・・」
貴音(金)「ここまで知っておいて非現実的という言葉が出ますか・・・」
貴音(金)「承知のこととは思いますが・・・もちろんこの世界も万能なわけではありません」
貴音(金)「人類の想像力を超えたものは存在しませんし、そもそも『インプットされた情報』以外を使うことは出来ません」
貴音(金)「もちろんそれは『閉じられた世界』とて例外ではない・・・」
P「・・・」
P「・・・そう言えば」
P「この個々の世界とは別に・・・創られたキャラクターを削除するための、言わばゴミ箱のような世界が存在するとは聞いことがあるが・・・」
貴音(金)「・・・」
貴音(金)「・・・そう、その『閉じられた世界』は元々情報としてインプットされていた『ゴミ箱』を元にして作られた・・・ということです」
貴音「・・・」
394 = 392 :
P「・・・しかし!・・・あくまで一介のキャラクターにすぎないお前にどうしてそんな世界を作ることができた?」
P「そもそも他者の世界を把握することすら難しいのに・・・それをさらに変容させるなんて、一体どうして・・・」
P?「・・・」
貴音(金)「・・・プロデューサー・・・」
P「・・・」
貴音(金)「私にそんな力があるわけないじゃないですか」
P「えっ?」
貴音(金)「おっしゃる通りですよ、私は基本的にただのきゃらくたぁで言われるがまま、なされるがままの存在です・・・」
貴音(金)「・・・だから私にそんな力はありません」
P「・・・だが実際に!」
貴音(金)「知っているはずですよプロデューサー」
395 = 393 :
P「・・・」
貴音(金)「この世界の中を自由に行き来できて、なおかつげぇむの調整に一定の権利を付与された『きゃらくたぁ』が存在することを・・・」
貴音「・・・」
P「お前・・・一体何を言って・・・・・・ん?」
貴音(金)「・・・」
P?「・・・」
P「・・・まさか」
貴音(金)「そう・・・」
貴音(金)「・・・それはプロデューサー・・・あなた・・・」
P「・・・」
貴音(金)「・・・と」
396 = 392 :
P?「・・・」
貴音(金)「・・・もう1人のプロデューサーしかいませんよね」
P?「・・・」
P「・・・お前・・・」
P?「・・・」
貴音(金)「お察しの通り、5億年ボタンを作ったのは・・・もう1人のプロデューサーですよ」
P「・・・・・・そんな」
貴音(金)「いや」
P「・・・?」
貴音(金)「『本当の』プロデューサー・・・と言った方が正しいでしょうか?」
P「っ!・・・」
397 = 393 :
P「お前どうしてそれを・・・!」
貴音(金)「・・・」
P?「・・・俺が言ったからだよ」
P「なっ・・・」
P?「・・・この貴音(金)が言ったことは事実だ・・・俺が5億年ボタンを作り、そしてそれを貴音(金)に渡した」
P「どうしt」
P?「俺と貴音(金)が繋がっているんだから『そのこと』を貴音(金)が知っていてもおかしくはないだろう?」
P「・・・」
P「・・・待て、ということはそっちの貴音もまさか・・・」
P?「・・・」
――――――――
――――
398 = 392 :
――――――――
――――
~貴音の世界・5億年ボタンが押される前~
貴音「あなた様が本当のプロデューサーになるはずだった・・・ということですか?」
P?「あぁ、貴音が知っている『プロデューサー』は本当は向こうの貴音(金)と同じ・・・とは少し違うが採用を見送られるはずだった『プロデューサー』だ」
貴音「・・・」
P?「そもそもの話だが・・・この世界の情報伝達は『プロデューサー』という媒体を通して行われることになっている」
P?「そしてその中で得た情報を解析し、よりゲームとしての完成度を高めるためにルールや細かい点を調整するのも『プロデューサー』の役割だ」
P?「だから『プロデューサー』はお前達の世界の間を行き来できるし、制限された情報の中でだが、この世界で種々の物質や概念を作り出すこともできる」
貴音「・・・そのような・・・まるで神様のようなことが・・・」
399 = 393 :
P?「あぁ、確かにまるで神様だな・・・だからこそ最初のゲームに採用された中で唯一向こうの『プロデューサー』だけが採用を見送られる予定だったのかもな」
貴音「・・・と言いますと?」
P?「・・・ゲームの根本に触れすぎたりその情報を得すぎることは得てしてバグを引き起こしやすい」
貴音「・・・ばぐ、ですか」
P?「そうだ、例えばゲームに登場する通行人はそのゲーム内での必要な知識さえ持っていれば問題ないだろう」
P?「余計なメタ情報を持っていては異常な行動を引き起こす危険性があるだけで、はっきり言ってなんの得もない」
貴音「・・・」
P?「・・・もちろんゲーム内の『プロデューサー』は割と重要なポジションだから一概には同じとは言えないが、不必要な情報を多く持っていることには変わりはない」
貴音「・・・」
P?「そういう不必要な要素を排除するために新しい『プロデューサー』が必要だったんだろうな」
貴音「・・・」
400 = 392 :
P?「・・・」
P?「・・・そして予想された通りというか、やはりバグは発生した」
貴音「え・・・?」
P?「・・・もう1人の俺はな、新しい『プロデューサー』が作られるという情報を得て少し細工をしたんだ」
貴音「細工?」
P?「まぁそんな深い意味じゃなくて、簡単に言うとその時情報としてすでに存在していた新しい『プロデューサー』である俺とあいつの立場が一見逆に見えるように世界を調整したんだよ」
貴音「・・・」
P?「・・・全く別人になりきろうってわけじゃないから『プロデューサー』にとっては難しい細工ではなかっただろうな」
貴音「・・・それは・・・自分がげぇむの世界の住人として採用されるために?」
P?「そうだ・・・今向こうにいる貴音(金)やこっちの響と同様にもう1人の俺にもそういう気持ちがあったってことだな、当然ではあるが」
貴音「・・・」
P?「もちろんだからと言ってそんな手段を取れるとは限らないんだが・・・」
P?「この世界のキャラクターである俺達は『正常の状態』なら外部からの情報に対して逆らうことはできないんだけどな・・・」
貴音「・・・」
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- モバP「アイドルライン?」 (178) - [43%] - 2014/1/27 8:15 ★
- モバP「王様ゲーム?」 (298) - [41%] - 2014/10/18 8:00 ★
- ちひろ「バカテスト」 (264) - [40%] - 2015/6/10 12:00 ☆
- 姫「もう半年か・・・」 (62) - [40%] - 2022/12/12 4:15
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