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    元スレ提督「新薬の効果を試してほしい?」

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    351 :

    カッコカリ4人編成でも羅針盤に弾かれ続けてるよ

    352 :

    夕張
    >>1の書く夕張最高です

    353 :

    >>345
    あーあ…

    355 :

    KOTATSUといったら球磨と多摩
    後個人的に時雨や夕立、武蔵とか木曾とかみたいですオナシャス

    356 :

    復活してた!
    凄い久しぶりな気もしますが、今はスマホからなので帰ったら少しですが続き投下していきます!

    357 = 356 :

    またコテハン失敗うわああああ

    358 :

    舞ってる

    359 :

    帰還しました!
    実は酔っぱらってフラフラなので本当に少しだけ投下します!すいません!

    360 = 24 :

    提督「んー……それにしても」

    提督「やはりこいつは出すべきではなかったか……自分も動けそうにないな」

    提督「ええい、ここから出ないと始まらん!気合だ!」

    と、同時にまた扉を叩く音がした

    提督「ん、鍵は空いてるぞー」

    青葉「ども!司令官、失礼しまーす!」ガチャ

    屈託の無い笑顔で入ってきた子は、この鎮守府の広報役。青葉だった

    逆に、提督の顔は若干引きつった。何故ならこの子が来る時は……

    青葉「ところで、先ほど金剛さんが泣きながら提督室から出て行くのを見たんですが……」ワクワク

    ……そう、このように必ず新聞のネタになるような事があるからだ

    今までも、例えば駆逐艦の子と喋ってただけで実はロリコン!?大人の女性に靡かない真の理由とは……!?

    みたいな見出しで新聞に書かれたり……

    誰かと二人で喋っていた所を写真に撮られて、深夜の密会!?提督との危険な接触!……とか書かれたり

    一度流石にこれは取り締まろうと青葉に詰め寄った事もあったのだが、青葉曰く

    この新聞は大量のリピーターが居るので、これを潰したら皆さんが悲しみますよ?と逆に脅されてしまった

    ……実際にこの新聞の売れ行きはいいようである。正直納得がいかない部分もあるが、皆が喜んでるならそれでいいかと放っておく事にした

    まあ、青葉自身も新聞は楽しく書いているようだし、戦闘の息抜きになればいいとも思ったというのもあったが

    提督「あー……それはだな」

    青葉「しかも、チラっとすれ違う時に金剛さんの顔に何か赤い痣のようなものが付いていたんですが……」

    青葉「これは、久しぶりに大スクープになりそうな気がしますね……青葉、記者魂が燃えてきました!」

    提督「いや、だからそれh」

    青葉「もしかして、大人のプレイ……しかもちょっぴり過激な事をしていたとか……?」

    青葉「うむむ……これをはたして記事にしてもいいんでしょうか……しかし全てを平等に伝える事が記者としての青葉の務めなのでは……」ブツブツ

    青葉「……よし、やっぱり、きちんと書くべきですね!どれだけショッキングな事でも、青葉は耐えてみますよー!」

    提督「……」

    この若干……というより、大分思い込みが激しいのもこの子の特徴でもある

    361 = 358 :

    期待

    今日は誰が出るかなー

    362 = 24 :


    青葉「さあ、司令官!是非何か一言を!」ズイッ

    提督「……青葉、ちょっと下を向いてくれるか?」

    青葉「え……?はい、こうですか?」スッ

    提督「落ち着け」ペシッ

    暴走している青葉を落ち着ける為に、軽く頭を叩く

    青葉「あたっ!」

    青葉「ちょ、ちょっと司令官!青葉の頭を叩くなんて、駄目ですよぉ!」

    青葉「この頭の中には大事な記事のネタが詰まってるんですからぁ……忘れちゃったらどうするんですか!」

    提督「そんなに強く叩いた覚えはないし、捏造だらけのネタなんて忘れてしまいなさい」

    青葉「……ぶー、捏造なんかじゃないですよ!青葉の記事は全部真実しか載せません!」

    提督「……」

    どこがだ、と言いたかったがあえてスルーする事にした

    提督「じゃあ、きちんと新聞に載せる為に真実を話さないとな……」

    青葉「お、そうこなきゃですよ!司令官!」ワクワク

    こうやって、ネタを貰える時の青葉の顔は、まるでエサを貰える時の犬のような期待に満ちた顔している

    多分、尻尾が付いていたらぶんぶん振り回さていることだろう

    提督「……とまぁ、こんな話だ」

    青葉「……なるほど、金剛さんらしい話でしたね……」ズーン

    提督「どうだ、これは新聞に載るか?」ニコニコ

    青葉「……そーですねぇ、ちょっと青葉の脚色を加えて、鬼畜提督!?あの金剛さんを泣かせた訳とは!?みたいな記事になら……」

    提督「おい、真実を載せるんじゃなかったのか!」

    青葉「じょ、冗談ですよぉ、そんな記事書いたってつまらないですからねぇ」

    提督「全く……」

    青葉「それに、司令官が私達にそんな仕打ちをするなんて微塵も思ってないですしね」

    と、信頼しきったようにニコっと笑って、そう言った

    363 = 24 :


    提督「ん、ん……そうか、ありがとう」

    青葉のもう一つの特徴としては、こういう思っている事をサラっと述べられる事だと思っている

    これも青葉曰く、真実を追求する為には、自分も真実を話すべき!というポリシーを持っているらしい

    青葉「んんー……でもネタが一つ潰れてしまいましたねぇ、結構スクープになりそうだったんですが」

    青葉「司令官、お詫びに何かネタになりそうな事ないですか?」

    提督「なんで自分がお詫びする立場なんだよ!」

    青葉「おおう、司令官の本格ツッコミいただいちゃいました!恐縮です!」

    ……やっぱり、青葉と接していると、調子が狂うな

    なんだか、彼女の手のひらの上で踊らされているようである

    青葉「何かネタになりそうなものはー……っと、司令官、炬燵なんてあったんですか?」

    きょろきょろと辺りを見回し始めた青葉の視線は、つい先ほど部屋の真ん中に置かれた炬燵に止まった

    提督「ああ、自分も昔に買った物だったから、しばらく忘れていたが奥の方にあったのを見つけたんでな」

    青葉「へぇー……青葉はこんな物があるなんて知りませんでした」

    青葉「……!そうだ!」

    提督「ん?」

    青葉「青葉にいい案があります!聞いてもらえますでしょうか!」

    何かを思いついたかのように、手を上げる

    まあ、青葉の提案であんまり良い方向に向かった事が無いのが辛いのだが

    提督「うん、聞くだけならな……」

    青葉「ありがとうございます!それでは早速ですね……」

    青葉「以前、司令官に取材していた時に、ポロっとこぼしていた事を参考にさせてもらったのですが……」

    青葉「自分は、皆ともっと交流したいと……そうおっしゃってた事は覚えてらっしゃいますか?」

    提督「ん、そうだな。できれば皆ともっと仲良く、そして絆を深められたらと思っている」

    青葉「それでですねぇ……ここにある炬燵、皆の憩いの場にしちゃいませんか?」

    提督「……へ?」

    青葉「とは言っても、全員が押しかけてしまったら部屋がぎゅうぎゅうになってしまうので、何かしらの制限を付けるようにしますよ?」

    青葉「日替わりとか、週替りとか、そんな感じで交代制にしていくつもりです!」

    青葉「どうでしょう!司令官は皆と交流できるし、皆はここで寛げるし、一石二鳥だと思うんですが!」

    提督「う、うーん……」

    364 = 24 :


    確かに、青葉の言ってるとおり、ここに皆が来てくれるならそれは有り難い事だし、皆も寛げるなら何よりだと思う

    だが、形式上とはいえ、仕事をする部屋に皆を招いていいものかと思ってしまった

    交流するのに比重が傾き、仕事を疎かにしてしまったらそれこそ本末転倒だ

    青葉「なかなかここ最近では一、ニを争う名案を出したと思うのですが……何かご不満な点がありましたか?」

    提督「そうだなぁ……まあ、確かにいい案だと思うんだが、一応ここは執務室でな……自分が仕事をする為の部屋なんだ」

    提督「だから、なるべく秘書艦の子だけ居てもらって、他の子と交流する時はなるべく外で……というのが自分の中で区切りがあったんだ」

    まあ、一部の子達はずかずか執務室に入ってくるのだが

    青葉「ふうむ……まあ確かに、仕事に支障をきたすようになったら、ちょっといけないところがありますねぇ……」

    うーん、と唸る青葉

    しかし、すぐに何かを考えついたのか、顔を上げた

    青葉「なら、時間を決めて訪ねるようにする、という風にするのはどうでしょう?」

    青葉「司令官の負担にならないようにあまり長い時間は居ないようにする、というのも追加しておきましょう!」

    青葉「ちょっと寛ぐ、とは離れてしまうかもしれませんが、それでも司令官とお話したい子はたくさん居ると思いますしね!」

    提督「ふむ……それなら、いいかもな」

    青葉「本当ですか!」

    提督「ああ、そこまで自分の事を考えてくれるなら、提案を許可するしかないだろう?」

    提督「それに、その提案は自分にとってもすごい魅力的な話だしな、是非こっちからお願いするよ」

    青葉「ありがとうございます!司令官!」

    青葉「よーし、明日の特別記事が決まっちゃいましたね!今日は徹夜で奮闘しますよー!」

    提督「おいおい、あんまり無茶するなよ」

    青葉「青葉の事心配してくれるんですか?大丈夫です!こう見えて青葉は意外と強いですから!」

    提督「……そうか、なら、期待してるよ」

    青葉「ええ、楽しみにしていてください!」

    そう言って、青葉は嬉しそうに、輝くような笑顔を見せてくれた

    なんだかんだ言って、この笑顔を見てしまうと、とてもじゃないが憎めなくなってしまうのである

    365 :


    青葉「で、えーとですね……」

    提督「ん?」

    何故か、先ほどまでとは打って代わり、言いにくそうにもじもじとし始めた

    その顔は若干、紅潮しているようにも見えた

    青葉「こ、これは記者の特権というか……やっぱり、まず、青葉自身が体験しなきゃいけないと言うか……」

    青葉「と、という事で!青葉がまずは一番のお客さんという事になりましょう!」

    と、自分を奮い立たせるかのように一気に話した

    赤面しながらも、真剣な表情をした、その顔がどうにも可愛く思えて

    提督「……青葉は可愛いなぁ」ボソッ

    と、つい本心が口から出てしまった

    青葉「か、かわっ!?」

    提督の突然の言葉に、青葉の顔は、茹でたタコのように真っ赤になっていた

    実際には見えていないが、頭から蒸気が出る位顔周辺の温度が上がっている気もした

    青葉「う、うー……司令官は突然魚雷を放ってきますから、恐ろしい存在ですよ……」

    提督「い、いや今のは本当に無意識でな」

    青葉「……無意識の方が、怖いですよ」

    青葉「ん……ごほん、で、ですが、青葉は先ほど言ったように、真実を追求する者なのです」

    青葉「……なので、先ほどの言葉、もう一回言って貰っていいですか……?」

    提督「……う、うむ」

    流石に、無意識で出た言葉をもう一回言うのは恥ずかしいものである

    が、青葉のためならと思い、自分を奮い立たせる

    提督「……青葉は可愛いな」

    青葉「~~っ!!」

    青葉「す、すいません司令官、も、もう一度……」

    青葉にもし犬の尻尾が付いていたら、千切れるのではと心配になるくらいぶんぶんと動いていることだろう

    顔は真っ赤だったが、嬉しさを抑えきれないように口角が上がっていた

    提督「も、もういいだろう……」

    そして、茹でたタコのように真っ赤な顔をした人物が、もう一人増えたようであった

    青葉「い、いえ、その、よく聞こえなかったのでぇ……えへへ」

    ぽりぽりと痒そうに頬を掻きながら、目を細めて、もう一度というように人指し指を立てる

    提督「ん……ごほん、青葉は可愛いし、と、とても綺麗だよ」

    ここまできたならと思い、提督は、からかうつもりで言葉を追加してみた

    だが、言った後に死ぬほど恥ずかしくなり

    青葉「え、えぇぇぇえ!?」

    そして言われた青葉も、不意打ちを食らい、真っ赤になってしまったようで

    向かいあった二人は、どちらが何を言うでもなく、そのまま顔をごちん、と炬燵にぶつけるように伏せてしまった

    まるで、若いカップルのような初々しさである

    そんなこんなで、鎮守府の夜は更けていく

    366 = 24 :

    投下終わります
    炬燵のくだりはどう考えても某艦これSSの影響を受けています
    が、こちらをメインにする気はないのでどうにかお許しください……
    リクエストされたキャラは基本いつかは出すようにします!是非希望ガンガンお願いします!

    367 :

    おつー
    青葉かわいいなぁ

    出てない子も気になるけど、そろそろ新薬あたり組の変化っぷりもみたいですねぇ

    368 :

    おつなのです
    グイグイ来る子がテレまくる様は天使であるな

    弥生若葉曙がみたいです
    被験者にしても面白そうだしそうじゃなくても好きなので

    369 :

    畜生、青葉が可愛すぎる

    いろんな子との絡みを見てみたいけど、絞るなら伊勢榛名衣笠さんかな

    370 :


    陽炎と霰と霞が見たい

    371 :


    摩耶様が見てみたい

    372 :


    長良型がいいな

    373 :

    スマホからなので手短にお伝えさせていただきます
    単刀直入に言うと、正直続きを書くのに凄い行き詰まっている状況です
    なので大変申し訳ないのですが、しばらく更新を休止して、息抜きに何か別のssを書いてみることにしました
    リクエストを皆さんに聞いておいてこの様なのは本当に申し訳ないです
    戻ってくるのは短かったり長かったりするかもしれませんが、どうかよろしくお願いします

    374 :

    了解。こちらは読ませてもらってる立場だし、自分が色々納得出来るようになるのが一番だと思います

    375 :

    マイペースに書けば良いんじゃない

    376 :

    そんな時もあるネー、気長に待ってるデース

    377 :

    把握でち

    378 :

    待機中……

    379 :

    皆様、大変お久しぶりです
    このSSをもし、待っていてくれている方が居ましたら、大変ご迷惑をおかけしました
    ここ最近新生活の為の準備で大変忙しく、中々続きを書く機会がありませんでした
    ですが、やっと落ち着いてきて、大分リフレッシュもしたので、ブランクが結構できましたがぼちぼち続きを書いていこうと思います
    但し、更新頻度には期待するのはお控えください。更新があったら、あ、なんかこいつ書いてんな位の冷たい視線で詰ってください
    基本週末投稿、筆が進んだら平日も、という形で進行させていただきたいと思います、それではまた

    380 :

    把握

    381 :

    舞ってた

    383 :

    待ってた甲斐があったというもの

    386 :

    はい、明日からgwでございます
    今日私はウキウキの気分で帰路につこうと思ったら定期落としてました
    最高に鬱になりましたが、gw中には少し投下できると思います、もうしばらくだけお待ちください

    388 :

    どうも、さっき郵便歩いて出しに行ったら鴉にまさかの糞を頭にダイレクトアタックされました
    少量投下していきます
    前と違和感を感じても生暖かい目でスルーしてください

    389 = 24 :



    青葉「う、うぅ……」

    呻きながら、よろよろと立ち上がる青葉

    青葉「きょ、今日のところはこの辺で!明日の新聞楽しみにしててくださーい!」

    と、早口で捲し立てそのまま急ぎ足で提督室から出て行ってしまった

    提督「ふぅ……どっと疲れが溜まった……」

    提督「今日はもう寝るか……」

    提督「多分、今日仕事をしても捗らんだろう……」

    提督「とりあえず風呂に入ろう……」

    炬燵からなんとか抜け出し、ふらふらとした足取りで風呂場へ向かうのであった

    提督「はぁ……」

    手短に風呂を済ませ、行きと同じようにふらふらとした足取りでそのままベッドに突っ伏した

    ちらりと自分の机を見る、そして散乱した書類を見て、げんなりした

    仕事、溜まりつつあるなぁ……明日こそ頑張らなきゃな

    ぼんやりとそんな事を考えつつ、電気を消し、目を閉じる

    疲れきった体に睡魔が襲ってくるのは、あっという間だったようで、数分後には安らかな寝息が聞こえていた

    390 = 24 :


    提督が寝息を立ててから数分後、扉をノックする音がした

    だが、部屋の主は寝ているため当然返事は返ってくるはずはなく、仕方がなく来訪者は中を確認するようにゆっくりと扉を開いた

    「失礼します、提督」

    「……あら、寝ちゃってるんですね」

    「そうですよね……いつもあんなに頑張ってらっしゃるんですから、疲れてないはずがありませんよね」

    「ふふ、それにしても、いつもとはこんなに違う表情をして眠るんですね提督は」

    「報告もわざわざ起こしてしまうのは気が引けますし……かといってこのままなにもせず帰るのもなんだか惜しいですね……」

    深夜の来訪者は、安らかに眠る提督の顔を見ながら何をすべきかと思案する

    いつもは提督をサポートして、無邪気に提督に懐く子達のお世話もする彼女だが、今日の彼女の顔はまさしくその無邪気に懐く子達の顔をしていた

    きっと提督が起きていたら、さぞ驚いただろう。この新しい悪戯を考えた子供のような彼女の表情は、中々見れる物ではない

    「さて、まずは本当に寝ているのかを確認しましょうか」

    と、誰に言うでもなく、独り言を呟く

    391 = 24 :


    足音を忍ばせ、提督の寝ているベットの側に立ち、そっとベッドに腰掛けた

    先ほどもまじまじと観察した提督の顔を、更に観察し始める

    「おや、提督ったら、お髭の剃り残しがありますよ」

    提督は基本的に毎日風呂で髭を剃っている。

    本人曰く「軍人として清潔感を保ちたく、また、自分を磨く為にも髭を剃っている」との事だが

    提督が年齢の割に童顔であり、髭を伸ばしても貫禄がつくどころか全く似合わないと考えているのが本当の理由でもある

    まあ、その思惑も艦娘の皆に筒抜けな訳だが

    「提督ってば、いつもビシッとしてるようで、少し抜けている部分もあるんですから」

    「まあ、その抜けている部分が可愛いんですけどね」

    と、呟きながら頬をつついてみる

    ぷにぷにとした感触、そして男の割には綺麗な肌をしており、そのまま頬に指を伝わせていくと、すべすべとした感触も得られた

    肌年齢も、世間の肌の悩みを抱えている女子諸君には、軽く嫉妬される程のレベルのようだ

    「きっと、お化粧したら提督だって気づく子、少ないかもしれませんよ?」

    女装した提督を前にした皆の反応を考えると、クスリと笑いがこぼれた

    392 = 24 :


    「今度起きてる時に、提案してみましょうかね、ふふ」

    「ねえ、ちょっと興味あるんじゃないんですか?て・い・と・く」

    頬を撫でる手を止めず、急に耳元で呟く

    ぼそぼそと脳を溶かす蠱惑的な甘い声、耳に吹きかかる彼女の息遣い

    これがもし狸寝入りだったら、提督は飛び起きていただろう、しかし今日に限ってはよほど深い眠りに落ちているようだ

    「……ふふ、本当にお疲れみたいですね」

    「まあ、それならそれで私も好都合です」

    何か意を決したかのように、彼女は大胆にも提督へのベッドに侵入をし始めた

    毛布を捲り、きっちりとした性格を表しているかのようなびしっと両腕を体に添えて寝ている提督に寄り添うように滑りこむ

    「あぁ、温かいですね、提督」

    そのまま、抱きつくように提督の反対側の肩に自分の手を回す

    「今日は少々冷えますから、ちゃんと暖をとらないと、ね?」

    寝ている提督に、彼女は語りかける

    393 = 24 :


    「こうやって、体を寄せあって……んっ」

    モゾモゾと彼女が動く度に、提督の腕に彼女のその豊満な女性の象徴とされる部分が当てられる

    提督の腕に当たるたびに形を柔軟に変える"それ"は男の永遠に求めるべきとも言えるであろう

    今度は、世に溢れる男性から怨念を浴びる形になったようである

    しかし残念な事に彼はその感触を味わえていない、それどころか彼女が自分に添い寝していることすら分からないのである

    「提督は、大きい子の方が好みなんでしょうか?」

    「私、結構"ここ"には自信があるのですか、如何でしょうか?」

    大胆にも、彼女は豊満なそれを押し付ける

    もしかしたら彼女は酔っていたのかもしれない、それは酒ではなく、場の空気というものに

    実際、彼女の頭の中では、今自分がしている行動を客観的に見て驚いている彼女が居た

    これほどまでに大胆に出れたのは理由は、誰の目を気にする事も無かったからだろう

    ここには二人以外誰も居ない、そして想う相手の目も無い

    394 = 24 :



    これほどまでに大胆に出れたのは一番の理由は、誰の目を気にする事も無かったからだろう

    ここには二人以外誰も居ない、そして想う相手の目も無い

    ただ、それだけで踏みきれた訳ではない

    彼女もまた、あの薬によって起こされた騒動に感化された者であり、競争の場に踊りでた者なのである

    今まで、微笑ましいと思って見ていた駆逐艦や軽巡の子達のコミュニケーションも

    重巡の子や戦艦の人たち、はたまた空母の皆との和やかな会話も

    今の彼女にとっては、どこか焦燥感を煽られる要因になっていた

    今までは、彼女は自惚れかもしれないが、それなりにここに居る年数も長く、提督に信頼されていて、一番ではなくとも提督のお側には居ると考えていた

    しかし、あの薬の騒動で環境は急変し、少なからずの子達はもう既に好意を直接ぶつけ、そして提督もそれを聞いて徐々に変わりつつある

    その姿を見ている内に、彼女の中ではいつしか独占欲というものが芽生えていた

    もっと私を見て欲しい、もっと私をお側に置いてほしい、もっと私を愛してほしい、と

    そんな感情を、彼女は振り払うように仲間達と積極的に接していた

    皆が幸せなら、それでいい、それ以上に何を望むのかと

    私は、この関係を、この場所を失いたくないと、そう思っていた

    でも、たった一つのきっかけで、その願いは崩れてしまうかもしれない、そう、"今"が例えばたった一つのきっかけなのかもしれない

    395 = 24 :


    「ねえ、提督」

    体をぎゅっと密着させ、提督の耳元で呟く

    もう少し近づけば、提督の耳とキスしてしまいそうな勢いである

    「どうして、あんな物が私達の所に飛び込んできてしまったんでしょうか?」

    「私は、今のままの関係でもよかった、と言えば嘘になるかもしれません」

    「でも、こんなに急に何かが変わっていく事を、私は望んでいませんでした」

    「ゆっくり、ゆっくりお互いの気持ちが知っていければって、そう思ってました」

    「それこそ、皆が幸せなら、私は何番目でもよかった、選ばなくたってよかった」

    「でも、今は違うんです、私の中で何かが暴れているんです」

    「もっと私を見て、もっと私を愛してって、そう思ってるんでしょう?って、まるで私の中にもう一人の私が居るかのように、私に話しかけてくるんです」

    「その声が、日に日に大きくなっていくんです、それが、私は怖いんです」

    「もしかしたら、この私の中に居る私が、いつか本当の私になってしまうんじゃないかって考えるのが」

    「それとも、この醜い感情を持った私が、本当の私なんでしょうか?もしかして今まで、偽物の私がこの体を乗っ取っていたんでしょうか?」

    「考えれば考える程不安になるんです、そして提督の顔を見る度に、抑えられなくなってきて」

    396 = 24 :


    すっと白くて細い、人形のような綺麗な手が提督の服に伸びる

    「こんな事をしそうになる自分が止められなく、なって、いって」

    そう呟きながら、ぷちぷちと提督の上着のボタンを外していく

    ボタンを下まで外し、少しだけ左右に服を広げてみる

    そして、提督の鍛えられた体にそっと手を沿わせる

    「心のどこかで、止めようとしている私の声が、小さくなっていくんです」

    「好きです、提督、愛しています、愛してください、見ています、見てください、お側にいます、お側に居てください」

    彼女は、もう自分を止める事ができなかった

    耳元で何度も愛の言葉を呟く、もうその頭の中には提督が起きた事を考える余裕は無かった

    397 = 24 :


    しかし、奇しくも彼女を助ける結果になったのか、邪魔する結果になったのかは分からないが、深夜の来訪者は彼女一人だけではなかったのである

    ガチャ、と戸が開けられる音が聞こえた同時に冷静になった彼女は、反射的に一先ず毛布を被り、身を隠す事にした

    「ふにゃ……司令官、起きてますかぁ……?」

    枕を抱え、眠たげに目を擦りながら入ってきた子は、文月だった

    「あれ……おねんねしちゃいましたか~?……」

    グスリと鼻を啜る、その目には少しだけ涙も浮かんでいるようである

    暗くてよく見えないのか、手を壁に沿わせつつ提督のベッドまで近づく

    「怖い夢見ちゃって……寝れないから一緒に寝て欲しいんだけどぉ……」

    「でも、司令官も寝ちゃってるし、あたしも寝ちゃっていいよねぇ……」

    そのまま、もぞもぞと提督のベッドに侵入していく

    398 = 24 :


    その声を聞きながら、先客の彼女の心拍数はとてつもなく早くなっていった

    この子がもし、私が提督のベッドに忍び込んでいた事をポロっと誰かに話してしまったら

    そうしたらこれだけ狭い環境だ、あっという間にその情報は伝わっていくだろう

    駆逐艦の子の口に戸は建てられぬとでも言うべきか、彼女はもう半ば諦めていた

    そして、文月が彼女に擦り寄り、ぎゅっと抱きつく

    「……っ」

    少しだけ、声を上げてしまった

    しかし、半分まだ寝ぼけていた文月の耳には入らなかったようである

    「むにゃ……司令官、今日はちょっと……」

    抱きついた後に呟き始める、子供は正直だ、本当の事を言ってしまうであろう

    「柔らかくて……気持ちいいね……えへへぇ……」

    と、言ったっきり、安心したかのように眠ってしまった

    「……」

    あぁ、私もそうだったなぁ、と過去を思い出した

    子供というのは、何かを疑う事もしないんだったと

    399 = 24 :


    自分に抱きついてくれた文月の手をを優しく解いて、提督のお側に近づけてあげる

    彼女は自分を冷静にさせてくれた文月に感謝をしつつ、部屋から立ち去った

    扉の前に立ち、先ほどまでの行動を整理しつつ、どことなく頭の片隅で彼女は感じとっていた

    私の中に居るあの私か、今のこの私が、どっちが偽物なんて分からないけど

    とりあえず今は、これが二つ合わさって私なんだろう、と

    仲間も大事だけど、提督も大事

    さっきの文月を見て、子供の頃を思い出していたのに、大人になってずる賢くなってしまった私に少し苦笑した

    少しだけ自分を知れた彼女は、口元に色々な事を思わせる不思議な笑みを残し、歩を進めていく

    その後ろに結んだ綺麗な銀色の髪を靡かせながら、千歳は廊下の先に消えていった

    400 = 24 :

    投下完了です、それではまた


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