元スレ兄「彼女できない」妹「そうだね」
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251 = 224 :
妹友「うわぁぁああああん!!!」
兄「うおっと、……仕方ねぇな。好きなだけ胸貸してやるから思う存分泣けや」
私は泣いた。
お兄さんの胸にしがみついて泣き喚いた。
もう涙は枯れるほど流したはずなのに……こんなにもまだ泣けるなんて。
妹友「ああぁぁあああああ!!」
兄「……大丈夫だよ…大丈夫」
お兄さんの言葉が…お兄さんの温もりが……私の心を癒していくようだった。
252 = 224 :
《トラウマ8》
私が泣き止んでから、とりあえずこの場を移動して、今は喫茶店。
兄「ほれ、今日は俺の奢りでいいから好きなの頼め」
妹友「……ども……です」
兄「すみませーん!ミルクティー2つ」
妹友「………好きなの頼め?」
兄「財布に700円しか入ってなかった。これで我慢しやがれ」
妹友「……甲斐性なし」
兄「あん?」
妹友「なんでもないですよー」
兄「………」
253 = 224 :
店員「お待たせしましたー。ミルクティー2つになります」
兄「どもです」
店員「ごゆっくりどうぞー」
兄「……ふぁ……ねみぃ」
妹友「……あの」
兄「ん?」
妹友「助けてくれて……ありがとう……ございました」
兄「片言だな。敬語苦手ならタメ語でもいいよ?」
妹友「じゃあお言葉に甘えて。……助けてくれて、本当にありがとう」
兄「うん、別にいいよ」
妹友「……あの、聞いてこないの?」
兄「なにが?」
妹友「その…あたしがあんな所にいた経緯とか……」
兄「興味ないかな?」
妹友「あ……そう」
なんか知らないけど若干傷ついた。
254 = 224 :
妹友「じゃあ…どうしてお兄さんはこんな所にいるんですか?」
兄「ん?…あぁ、妹に言われたんだよ」
妹友「え、妹ちゃん?」
兄「お前の様子がおかしかったから見ていてくれって…まぁ俺その時はもう学校出てたからアンタの所までたどり着くのに苦労したんだけどなー」
妹友「……妹ちゃんが」
あんな酷いこと……言ったのに。
兄「……妹、泣いてたぞ」
妹友「……そう、ですか」
胸が痛い。
255 = 224 :
兄「喧嘩したの?」
妹友「……私が悪いの……私が妹ちゃんに酷いこと言ったから……」
兄「そか……ん、安心したわ」
妹友「は?」
なに言ってるのこの人?
安心した?
兄「なんだあいつ……ちゃんと友達作れてんだな………」
妹友「いや、でも私……喧嘩して……」
兄「友達だから喧嘩したんだろ?」
ーーーえ?
兄「友達でもない奴と喧嘩なんてしねぇよ、普通。つーか喧嘩するほどの友達なんて中々作れねぇよ」
妹友「……でも……もう妹ちゃんは……私のこと友達なんて思ってないかも……」
兄「そりゃ本人に聞け」
妹友「え?」
妹「妹友!?」
店の扉を思いっきり開けて駆け込んできたのは………。
妹友「妹…ちゃん?」
256 = 224 :
妹ちゃんは私の顔を見るなりズンズンと私に近付いてきてそのままー。
妹「ばか!!…心配させんなや!」
私のことを思いっきり抱き締めた。
妹友「い、妹ちゃ……ん」
妹「なにやってんのよアンタは!……私が…私がどれだけ心配したと思ってんのよクソボケ!!」
妹友「で…でも、私…あなたに酷いこと言って」
妹「ちょっと喧嘩したぐらいでバカなことしてんじゃないわよ!!アホかアンタは!」
でも、でも私…あなたの気持ちを裏切るようなことばかりして……だから。
妹友「でも……」
妹「でもじゃない!!この際だから言っとくけどね!私はアンタのこと大好きだよ!!親友だと思ってるの!!だからアンタが悩んでるなら私は力になってあげたいし!アンタが泣いてるなら私がそれ以上に笑わせてやるわよ!!文句あるかアホ!!」
兄「お前らちょっと声大きい。店の空気がとんでもないことになってる。やめてマジで」
妹友「…ホントに?ホントに私のこと……好き?」
妹「当たり前だろうが……だから、心配させんなよ……ホントに」
信じたい。
今度こそ、私は……
257 = 224 :
兄「声のトーン下げてお願いだから!!」
妹・妹友「うるさい」
兄「あ、すみません」
店員「お客様…他のお客様にご迷惑になりますのでー。」
3人「あ、すみません」
勇気を出してみようと思った。
258 = 224 :
兄「……で、外に追い出されたわけだが」
妹「……」
妹友「……」
兄「なんで君ら無言なわけ?…いや、わかるけどね?そりゃあんだけ告白劇みたいなことしたら恥ずかしいに決まってるけどさ……そのなんか甘酸っぱい沈黙やめてくんね腐りそう」
妹「もう兄貴は腐り切ってるから大丈夫よ」
兄「ホントわけわかんないっす。マジ俺損な役ばっかりじゃん」
妹友「……ふふ」
兄・妹「おっ」
妹友「な、なんですか2人揃って」
妹「ふふ…やっと笑ったね」
妹友「え?」
妹「…ここ最近ずっと気難しい顔してたからさ、よかった笑ってくれて」
妹友「……妹友ちゃん」
妹「あのさ…妹友」
妹友「…なに?」
259 = 224 :
妹「ごめんね、私……相談乗るとか言って…相手の気持ちとか全然考えてなかった。図々しかったよね!ホントごめん!!」
妹友「……それはもういいの、それより私のほうこそごめん、酷いこと言って。私、クラスの人達にあなたのこと取られた気になっちゃって……嫉妬してた。それであんなこと言っちゃったの……本当にごめんなさい」
妹「妹友……」
妹友「あの……さ……お願いがあるの」
妹「お願い?」
勇気を出せ。
妹友「あの……わ、私とー。」
妹友「仲直りしてください!!」
260 = 224 :
妹「………へ?」
妹友「……えと、妹ちゃん?」
妹「仲直りて……あはははは!!何を今更言ってんのよ!あはは!アンタ天然だったっけ?あはははは!」
え……なんでこんな笑われてんだろ私。
兄「……ぷ」
妹友「お兄さんまで笑うな!!」
妹「いや……はは、アンタやっぱりおもろいわ!」
なんか凄くバカにされてる気がする!
妹「そんな膨れないでよ……ふふ、うん!もちろんいいよ!仲直りしよ!」
…なんか納得できない。
兄「……アホだなぁお前」
妹友「な、なんですかいきなり」
兄「お前の親友さんはもうとっくに仲直りしたつもりだったんだぜ?」
妹友「え、そうだったの?」
妹「あったりまえでしょ?あの流れでどうしてまだ喧嘩中になっちゃうのよ……まぁ言葉にするのは大事だと思うけどね?笑っちゃってごめんね」
261 = 224 :
妹友「そっか……」
私、色々空回りしてたんだな。
こんなにも簡単なのことだったのに。
バカだな私。
妹「お、駅着いたね。それじゃ私はお先に帰るとするよ」
妹友「え?妹ちゃん?」
兄「あぁ?こんな夜道1人で帰るつもりか?」
妹「もうお母さんに連絡したから駅まで迎えに来てもらうよ。兄貴は私の親友を家まで送ってあげて!」
妹友「え、えぇぇ?」
兄「えー」
妹「2人とも駄々こねない!それじゃまた明日ね妹友!……兄貴、ちゃんと帰ってくるのよ?」ギロ
兄「い、イエッサー」
妹友「え、あの……」
妹「じゃね!……あ、妹友」
妹友「え、なに?」
妹ちゃんは私のそばに来てお兄さんには聞こえいようにして耳元で囁いた。
妹「アンタの悩み……私じゃ解決できないかもしれないけど、たぶん兄貴なら解決してくれるよきっと………それだけ」
妹友「妹ちゃん……」
妹「じゃ、またね!」
妹友「また明日ね!………行っちゃった」
兄「勝手な奴だ…んじゃ俺たちも行くか」
妹友「……うん」
262 = 224 :
《トラウマ9》
兄「へぇ…1人暮らししてんだ?」
妹友「はい、妹ちゃんも何回か来たことありますよ」
兄「あーそういやこの前泊まりに行ったとかなんとか言ってたな。仲がよろしいことで」
妹友「どーもです」
兄「……てかお前、さっきから敬語になったりタメ語になったり安定してねぇぞ」
妹友「あれ?うーん……なんかタメ語をお兄さんに使うのは変な感じなんですよねぇ……やっぱり敬語に統一しようかなぁ」
兄「好きにしろや」
妹友「……」
兄「……」
妹友「……私、男性恐怖症なんです」
263 = 224 :
兄「!……そうか」
妹友「……私の話、聞いてくれませんか?」
兄「……うん」
私は今まであったことを全部お兄さんに話した。
父親に襲われたこと。
彼氏と友達に裏切られたこと。
イジメられたこと。
全てを吐き出した。
途中から涙を流しながら。
それでもお兄さんは、顔色一つ変えずに私の話を聞いてくれた。
妹友「……これが、現在に至るまでの……私にあった出来事です」
兄「そうか」
264 = 224 :
妹友「………」
兄「お前は……俺のことも怖いんだよな?」
妹友「……少し……でも、なんか、変なんですよね」
兄「変?」
妹友「私……男の人に触れたりすることはできないんですけど……でも、あの時ー。あなたが助けてくれた時、私はあなたに頭を撫でられたし、あなたに、その…しがみついたのに、不思議と嫌じゃなかったんです」
兄「……へえ?」
妹友「だから…もう一度……確かめさせてくれませんか?」
兄「は?ーーちょ!?」
私はお兄さんに背中から抱きついた。
265 = 224 :
心臓がバクバクいってる。
脚が……震えてる。
兄「……怖いんだろ?無理すんなよ」
妹友「…確かに……ちょっと怖いです」
でも、確かに怖いけど……この温もりは……すこし、安心もする。
妹友「でも……これなら大丈夫」
兄「…ホントかよ?」
私が今1番怖いのは……この温もりを失ってしまうこと。
妹友「もう少し……もう少しだけこうさせてください」
兄「……へーい」
私は今日1日で、泣き虫になってしまったらしい。
266 = 224 :
ーそして次の日の昼休み
妹友「やっほ!お兄さん!お昼ご飯一緒に食べましょう!」
兄「……」
妹「……なにやったの昨日」
兄「なにもやってないです」
妹友「そんな……あんなに優しくしてくれたのに……忘れるなんて酷い」
妹「へーえ?」
兄「冤罪だわ。最近の冤罪率は異常だわ」
妹「ちょっと昨日のこと…詳しく聞こうか?」
兄「そう言えば兄友にAV借りる約束してたんだ!じゃあな!」ダダダダダダ!
妹「逃げんなコラ!てか言い訳するにしてももうちょいまともな言い訳しろや!!」ダダダダダダ!!
妹友「……あははは」
私は今日の朝、クラスの皆に『おはよう』と言った。
あんな無愛想だった私が突然挨拶なんてするもんだから皆驚いてたけど、すぐに仲間に入れてもらえた。
妹ちゃんも凄く嬉しそうにしてた。
…今は怒ってるけど。
ありがとう。
あなた達兄妹に私は救われました。
本当にありがとう。
兄「いった!てめぇ上履き投げんなコラ!!」
妹「私の親友になにしやがった!!吐けこらぁ!!」
お兄さん……。
妹友「私……もう一度、恋におちたみたいです」
妹ちゃんごめんね?
また喧嘩になっちゃうかもね?
でも私達は……親友だから、きっと大丈夫。
兄「今なら上条さんの気持ちがわかる!不幸だぁぁぁぁあ!!」
妹「待てって言ってんでしょうがごらぁぁああ!!」
兄「ごふっ!!」
妹ちゃん…今日から私は。
妹友「あなたの親友…兼、ライバルだよ」
《トラウマ》終
267 = 224 :
《トラウマ編》終了です。
飯と風呂終わらせてからまた投稿します。
268 :
兄かっけぇぇぇぇ!
269 = 224 :
《MGがんばる》
夏休み。
サッカー部は3泊4日の強化合宿で山中湖まで行くことになっている。
ちなみに山中湖とは富士五湖の一つ。
その中でも1番大きい湖が山中湖だ。
ちなみに山梨県である。
私達サッカー部はバスで移動中。
兄友「それではぁぁ!!カラオケ大会を始めたいと思いまぁぁあす!」
部員「いぇぇぇぇええ!!」
兄友「では早速俺から歌わせてもらおう!…曲は『残酷な天使のテーゼ』!!」
部員「え、その発想はなかった」
兄友「~♪」
部員「ぎゃはははは!!」
兄「………」
MG「………」
バスの中は騒がしい。
270 = 224 :
うぅ…せっかく…せっかく先輩と隣同士になれたのに……。
兄「…うぜぇ…うるせぇ……殺してぇこいつら……」
先輩めっちゃ不機嫌なんですけど!!
MG「あは…は……みんな元気ですねぇ」
兄「あぁ?」
MG「ひぃぃ」
めっちゃ怖いですこの人!!
兄「あー…お前、いたのか」
しかもめっちゃヒドイ!!
271 = 224 :
MG「……私、さっきから……いえ、バスが出発した時からずぅっと先輩の隣にいたんですけど……」
私はちょっと不機嫌そうに言ってみる。
…す、好きな人に存在忘れられてるとか悲しすぎです。
ヒドイです!
兄「あー…わりぃな。さっきからどうやってあいつらを惨殺しようかと考えていたからつい……」
MG「………まぁ、気持ちはわからなくもないです」
兄「あー…寝れねぇ」
MG「……ですね」
私と先輩は1番前の席だ。
先輩は1番ここが煩くないからと言ってこの席に座った。
後ろのほうになればなるほどうるさくなるらしい。
私は…まぁたった1人の女性だし、流石に男に囲まれた席は居心地が悪いので先輩の隣に座らせてもらった。
断じて!
下心があったわけではありません!!
272 = 224 :
MG「せ、先輩、昨日夜更かししちゃったんですか?」
まぁ隣になれたのは……凄く、嬉しいけど。
兄「え、あぁ……まぁちょっとな」
MG「?」
兄「(最近、妹友が俺にめちゃくちゃアプローチをかけてくるせいで、妹が俺にブチ切れて、昨日は夜中の2時まで説教されてたなんて……言えない)」
ブブ
MG「あ、先輩。携帯光ってますよ」
兄「あ、ほんとだ……誰だ?」
妹【お土産買ってこいよ】
兄「………」
MG「あはは!妹ちゃんって面白いですよね!」
ブブ
兄「(?…もう一通?)」
妹友【離れ離れなんて寂しいわあなた。でも私……待ってる……あなたのこと永遠に……………ww】
273 = 224 :
兄「……」
MG「……随分と仲がよろしい人がいるんですね?」
兄「待て待て…最後のところをよく見ろ。草生えてるだろ」
MG「ダブリューダブリューってどういう意味ですか!?2人だけの何かの暗号ですか!?」
兄「そっから!?」
MG「先輩の女たらし!ふん!」
兄「おーい…なにキレてんだよ」
先輩のばかばかばか…私が隣にいるんだから、ちょっとぐらい私のこと見てよ!
兄「あ、ポッキーいる?」
MG「いります!」
兄「……」
MG「……あ、これは…違くて……」
兄「お前……そんな食い意地はってっから胸が肥えるんじゃねぇ?」
MG「先輩のばかーー!!」パーン
兄「げふっ」
私は思いっきり先輩にビンタした。
274 = 224 :
こうしてなんだかんだで合宿所に着いた。
そして1日目の練習が始まった。
それまでは私はずっと先輩にツーーン…と、していたのだがーー。
兄「そこサボるな!もっと早く切り替えろ!おせぇ!」
部員「うぃっす!!」
MG「………」
サッカーをしてる時の先輩は輝いていて、私は怒ってることも忘れて、つい見惚れてしまっていた。
監督「おーい色恋娘!早く水出してやれい!」
MG「あ、ごめんーーって、誰が色恋娘ですか!?」
監督「いやぁ…だってそんな熱い視線で見つめてたらそりゃね……」
MG「~~っ!!お父さんのバカ!ほっといてよ!」
監督「おーこわっ」
もう!…ていうか、そんなに私先輩のこと見つめてたのかな?
…なんか周りからわかるぐらい先輩のこと見つめていたなんて……。
MG「は…恥ずかしい」
275 = 224 :
切り替えなきゃ!
今は部活中だ!
MG「水持ってきました~!…って、キャッ!?」バシャッ
兄「うおっ!?」
兄友「あちゃぁ…」
1年「……和む」
MG「せ…先輩…あの、大丈夫ですか?」
ボトルに入ってた水を先輩にブチまけてしまった。
……うわぁ…ビショビショ。
兄「……なるほど、今朝のお返しということか」
え?
兄「その喧嘩買った」
え…え?
MG「あの…先輩?」
先輩はまだ中身が入ってるボトルを手にとり、口を私に向けてーー。
兄「復習タイムだ」
MG「きゃーー!水かけないでくださーーい!!」
兄「待てやてめぇぇ!!」
兄友「落ち着け兄!お前MGちゃんに水なんてかけたら服が透けて大変なこと……に……」
1・2年「先輩…俺達も今その結論に至りました」
兄友「ふ……さすがは我らがキャプテン……そのことをすでに見抜いていたのか」
3年「奴はやはり違う……さぁ俺達も奴に続くぞぉぉ!!」
部員「おおおおおお!!」
MG「なんで皆も追いかけてくるんですかーー!!」
兄「待てや小娘ぇえ!!」
部員「透け透けぇぇえええ!!」
MG「お父さーーーーん!!」
監督「…うん、いい走り込みになるな」
こうして、1日目の練習は終了した。
276 = 224 :
《MGがんばる2》
MG「はーいまだ終わってませんよー…そこ!腕を下ろさない!!じゃあ今の所からやり直し!はい!94!」
部員「きゅ……94」
MG「次!!」
部員「きゅ……95」
MG「そこ!ズルすんな!」
兄友「どうして……はぁ…はぁ……こうなった」
兄「お前らの!……はぁ……はぁ……せいだろうがぁ…」
MG「そこ!喋らない!!」
兄・兄友「す…すみませんした」
今俺達はMGちゃんの愛の鞭を受けていた。
…というか、ただのお仕置きである。
277 = 224 :
体幹10分間??3セット
腹筋100回
背筋150回
そして………
MG「97!!」
部員「きゅ…きゅ……9……7」
腕立て伏せ100回の刑に処されている所だ。
やべぇ…もう腕がプルプルだ。
死ぬ……マジで死ぬ……いっそ殺してくれ。
兄「ぐぅ……はぁ……はぁ……お、覚えて…やがれクソアマ」
MG「はい?何か言いました?先・輩?」
いやぁああああ!!
やめて兄ぃぃ!!
余計なこと言わないでお願いだからマジで!!
兄「……この牛女」
MG「」プチ
部員「やめてぇえええええええ!!」
MG「わかりました。この後スクワット150回追加ですね。」
兄「ああん!?てめぇ調子乗ってんじゃーー」
部員「もうお前黙れやぁぁぁあああ!!」
監督「……このチームは、強くなる……たぶん」
俺達は……初日から地獄を味わった。
278 = 224 :
そのあとは全員で飯を食べた。
ただ、皆筋トレを死ぬほどやらされたせいで食欲を失っていた。
MGちゃんと監督はだけは美味しそう食べてた。
風呂は大浴場だ。
さっきまで死にかけていた奴らなのになんでかこういう時だけ元気になる奴らだ……まぁ俺もなんだが。
1年「この大浴場マジひれぇ!」
2年「貸切だから暴れたい放題だしな!」
兄友「競争しようぜ競争!犬掻きで!」
3年「ぎゃはははは!いいなそれ!負けたやつ罰ゲームな!!」
兄「あぁ………うるせぇ」
そして騒がしい風呂が終わり、少し空いて明日の試合についてのミーティングを1時間ほどし、消灯。
279 = 224 :
ぐがぁぁ
ごぁぁ
……いびきがうるさくて寝れない。
ったく勘弁してくれよな……明日も早ぇのによ。
俺は少し気分転換にロビーに行くことにした。
灯りが付いてる?
誰か起きてんのか?
……あれは。
兄「…なんだよ話って」
MG「あの…まだ怒ってます?」
………ほほぅ。
これはこれは。
280 = 224 :
兄「あたりめぇだ……おかげで明日は全身筋肉痛だっての」
MG「す、すみません!ついカッとなって……」
兄は女だろうと容赦しねぇからなぁ。
兄「ったくよ、で、話ってなに?」
MG「そ、その…今日の練習中のこと………お礼が言いたくて」
お礼?
あいつなんかしたのか?
兄「お礼?」
MG「はい……今日皆さんに追いかけられた時、実際水かかっちゃってて、それで服が乾くまで建物の影に隠れてたところでその…先輩が来てタオルとジャージ貸してくれたじゃないですか………?」
兄「あー…まぁ」
なーるほど、それでMGちゃん途中からぶかぶかのジャージ着てたのか。
最初は監督のかと思ってたんだが、どうやら違ったようだ。
あの色男め。
281 = 224 :
MG「その…ありがとうございます。庇ってくれたんですよね……う、嬉しかったです。」
兄「おう、別にいいよ」
可愛いなぁMGちゃん……それに比べて兄ぃ!
な、なんて無愛想な返事だよ!!
MGちゃんが可哀想になってくるじゃねぇかあんな健気なのによ!!
……怒ったら怖いけども。
MG「そ、それで…なにかお礼させてください!」
兄「いや、だから別にいいって」
てめぇぇええ兄ぃぃぃ!
お前は本当に…この……朴念仁がぁぁぁああ!!
MG「私の気が済まないんです!」
兄「知るかんなもん。勝手に済ませとけ」
お前ホント殺すからな。
コロスコロスコロスコロスコロスコロス。
MG「………」
MGちゃん黙り込んじゃったじゃん!?
お前ホント最低だぞごらぁぁああ!!
282 = 224 :
兄「じゃ、俺もう部屋戻るわ」
MG「……はい、おやすみなさい」
明らかに落ち込んじゃってるよMGちゃん……ああもう見てられねぇ!!
ここは俺がガツンとーー。
兄「あ、そういやMG」
MG「は、はい……なんですか?」
兄「最終日前日の自由行動の時間にな、毎年花火大会やってんだわ。それに毎年何人か行ってるんだが…お前も今年は付いて来いよ。………そこで焼きそばでも奢れ。………それでチャラな」
MG「……ふふ……はい!もちろん一緒に行きます!約束ですからね!」
兄「へーいへい。じゃ、おやすみ」
MG「おやすみなさい先輩!……えへへ」
…………これがモテる男のテクニックか。
兄友は少し成長した。
283 :
なるほど俺も女の子に焼きそばを奢ってもらえばモテるんだな。よし
285 :
ただしイケメンに限る
286 :
《MGがんばる3》
私たちサッカー部はついに地獄の特訓を乗り越え、この後夕方から自由行動が与えられる。
つまり……
MG「せ、先輩と……夏祭りデートなんて……えへへ」
…まぁ2人きりではなく、オマケが10人ぐらいいるらしいのだけど………10人か。
ホントは先輩と2人きりデートがしたかったのに……まぁ仕方ないよね。
MG「……ジャージしかないけど……それも仕方ないか」
先輩は最近なにやら巨乳で凄い美人な子から猛烈なアピールを受けていると噂で聞いた。
もしかしてバスの中でメールしてた子?
287 = 286 :
……とにかく先輩のことを好きな子がついに現れてしまった。
先輩は元々モテるほうだけど、最近では重度のシスコンという噂が流れているおかげで落ち着いてくれたかと思ったのに………
MG「…負けてられないよね」
先輩を好きになってからもうすぐ一年だ。
この想いだけは誰にも負けない。
MG「絶対に渡したくない…!」
待っててください…先輩。
288 = 286 :
花火大会会場
兄「おぉ…相変わらずの過疎っぷり」
MG「そんなこと……失礼ですよ先輩?」
兄友さん「食物さえあればそれでいい!!」
オマケ1「先輩奢ってください!」
3年「黙れカス共」
オマケ2「えぇ~…そんなぁ…」
MG「あはは……みんな楽しそうですね」
兄「…こういうの好きな連中だからなこいつらは……結局部員全員で来ちまったし」
ゾロゾロ
MG「……あはは、私達明らかに浮いてますね」
兄「はぁ……今日は食いたいもの食べたら早めに帰ろっかな……」
MG「えー!もっといましょうよ!」
先輩に帰られたら私ここまで来た意味がなくなっちゃう!
兄「わかったから服をグイグイするのやめろ……伸びる」
MG「あ……すみません、つい……」
289 = 286 :
部員「……じぃ~」
3年「なにこの……」
2年「……どうしようもない」
1年「………敗北感は」
MG「あ、先輩チョコバナナ!」
兄「女の子がバナナとか言わない」
MG「……なに言ってるんですか?」
兄「……ごめん、なんでもない」
兄友「とりあえず……さ、みんな声を小さくして……せーのっ」
部員「リア充爆発しろ」
290 = 286 :
MG「わぁ!奢ってくれるんですか?」
兄「ちげぇ!俺が1人で食べる用だ!」
MG「一口分けてください!」
兄「あ、てめぇ勝手に食うな!しばくぞ!」
MG「ん~♪美味しいです」
兄「あ、てめぇ俺のバナナちゃんを半分も……許すまじ……」
MG「えへへ…すみませんって♪…あ、たこ焼きありますよ!私買ってくるのでそこで待っててください。半分こしましょ♪」
兄「おーい…そんな走ってくと転ぶからゆっくり行け」
MG「私!そんなドジじゃーっきゃ!」
兄「……言わんこっちゃねぇ」
291 = 286 :
1年「先輩……」
2年「……なんだ」
1年「血の涙が止まりません」
3年「……心配するな、俺達もだ」
兄友「……俺達は、別のところでも行くか。このままここに居続けると頭がいかれそうだ」
部員「……賛成です」
292 = 286 :
兄「なにやってんだお前…」
MG「いてて…す、すみません」
部員達は思った。
俺達は、強くなれるーーっと。
クリスマスだろうが、バレンタインだろうが、乗り越えていけると。
この苦しみに比べれば……なんてことはないと……そう思ったのだった。
監督「このチームは…強くなる、確信だわ」
293 = 286 :
《MGがんばる4》
兄「あれ?」
MG「どうしたんですか?」
兄「……あいつらがいない」
MG「あれ……ホントだ」
あの何十人もの団体が消えてしまうなんて……。
兄「…ったく、お前がノロノロしてっからだろうが」
MG「んな!先輩だってさっきまで塩焼きそばにするかソース焼きそばにするかで10分ぐらい悩んでたじゃないですか!」
兄「馬鹿野郎。塩焼きそばとソース焼きそばどっちにするか悩むのは仕方のないことだ。それよりお前食べ物に釣られてすぐ迷子になるの勘弁してくれ。探すの大変なんだけど」
MG「そ…それはすみません」
兄「はぁ…仕方ねぇな、俺達はもう合宿所に帰るか?」
MG「あ……」
帰りたくない。
先輩と2人きりなんて……最高のシチュエーションではないか。
でも……
兄「んじゃいくぞー」
いざ、2人きりだと思うと緊張して…言葉が出なかった。
294 = 286 :
MG「はい………」
あぁ……せっかく先輩と2人きりだったのに………もっと一緒にー。
バーン!!
兄「お」
MG「……え」
バーン!
兄「…花火始まったか」
MG「……綺麗」
兄「……」
MG「……」
兄「せっかくだからさ」
MG「……はい」
兄「……これ見てから帰るか」
MG「はい……へへ」
花火さん、ありがとう。
私…もっと頑張らなくちゃいけないですよね。
先輩と見た花火は…よりいっそう、輝いて見えた。
295 = 286 :
……それから私達は合宿所には帰らず、そのまま山中湖を目指して歩いていた。
毎年みんなで山中湖のそばまで行き、花火するのが恒例行事なのだ。
兄「……」
MG「……あの…先輩」
兄「なに?」
MG「去年も思ったんですけど、ここ暗すぎじゃありません?」
兄「外灯ねぇもん」
本当に真っ暗な道を私達は歩いていた。
こんな道1人じゃ絶対歩けないよ。
兄「……服、伸びるんだけど」
MG「先輩スタスタ歩いていっちゃうんだもん!」
兄「…敬語忘れるほど動揺してんのかおめぇは」
MG「だ、だって……ひっ!今なにか私の頬になにかが、止まってました」
兄「そりゃこの辺虫多いからな。夏だし」
MG「うぅ……怖いよぉ」
兄「……小学生かお前」
296 = 286 :
ホントに泣いちゃいそうだ。
で、でもこのままじゃ先輩に迷惑かかっちゃうし、もしかしたら鬱陶しいと思われるかも……それは嫌だ。
MG「ご、ごめんなさい先輩!私…もう大丈夫だからー」
ギュッ
MG「………え」
え?
これ……手?
先輩の……手?
え、じゃあ今…先輩と手繋いでるの私?
MG「はわわわわわ!?せ…先輩!?」
297 = 286 :
兄「…うるせぇな、こうしてりゃ少しはマシだろ。こんだけ暗けりゃ誰かに見られることもねーだろ。いちいち騒ぐな」
MG「………クス」
兄「……なに?」
MG「先輩って……ツンデレっぽいですよね?」
兄「……この手を握り潰してやろう」ギュウゥゥゥ
MG「いたたたた!じょ、冗談です冗談!」
兄「…ったく、バカ言ってねぇで行くぞ」
MG「……女性のことはもっとデリケートに扱ってください」
兄「十分扱ってるっての」
MG「……ふふ」
そうですね。
知ってますよそんなことは。
兄「…なに笑ってんだ?」
MG「なんでもないですよーだ♪」
先輩は私の事…大切にしてくれてる。
兄「わけわかんねぇ奴……。」
私だけじゃない。
妹ちゃんのことも、兄友さんのことも、部員の皆のことも、監督のことも…きっとあのメールの子のことも……。
先輩は皆のことを大切にしてる…って、思うんです。
298 = 286 :
だからきっと先輩はモテるんだろうなぁ……変な人だけど。
MG「先輩……」
でもね先輩?
兄「……ん?」
私…私は。
先輩の手を強く握り締める。
MG「私……先輩のことー」
私は、先輩のたった1人の特別になりたいからー。
299 = 286 :
部員「やっふぉぉおおお!!」
兄・MG「!!?」ビクゥ
3年「しっかし、あいつらおっせぇなぁ!!まだ来ねえのかよ!!」
2年「あぁ……俺達の天使が……穢されてしまった」
1年a「……失恋した」
1年b「相手は兄さんやで……どうしょうもない」
兄「……いつの間にか着いてたみたいだな」
パッ
先輩の手が離れる。
MG「……ですね」
300 = 286 :
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!
心臓のドキドキがとんでもないことになってる!!
兄友「あ……来たぞ!2人だ!」
3年「なにやってんだぁ!もう花火始めてんぞぉぉ!」
兄「わりぃわりぃ!……行くぞMG」
MG「は、はい……」
よかった真っ暗で。
顔が赤いのバレないや。
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