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    元スレ兄「彼女できない」妹「そうだね」

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    101 :

    面白い
    見てます

    102 = 72 :

    今回はここまでです。
    今ちょっとリアルが忙しいので明日投稿できるかどうかわかりません。

    今更ですがこれは【家族愛】がテーマになります。

    兄妹でエッチとかそういったことはないです。
    【家族愛】と【ラブコメ】を両立させることができたらいいなと思ってます。

    これからはキャラも増やしていくので楽しみにしていてください。
    それではまた。

    103 :

    おつ、滲み出てるなぁ……

    104 :

    おkおk
    むしろそっち方面で頼む

    105 :

    【学校生活】

    「そこもっとしっかりコミュニケーション取れ。一声あればそんなミスしないだろ」

    後輩「はい!すみませんっした!」

    「次のメニュー行くぞ」

    部員「うし!!」

    「おーおーやっとるのー」

    「ごめん妹お待たせ!」

    「おう、デカいの出たか?」

    「女の子が女の子に言う言葉じゃないでしょ」

    「わりぃわりぃ」

    「あ、サッカー部?」

    「うん」

    106 = 105 :

    「妹のお兄さんってサッカー部のキャプテンなんでしょ?凄いね」

    「キャラじゃないと思うけどね」

    「そう?でもうちのクラスにも何人かファンがいるっぽいよ」

    「………あれのファン?」

    「うん。普段クールな所とかカッコいいって」

    「……(喋る相手がいないだけだろ)」

    「私も結構好みだよー」

    「2へぇ」

    「妹紹介してよ」

    「だりぃ」

    「言うと思った」

    107 = 105 :

    「言うと思った」

    「さて、そろそろ帰ろっか」

    「もういいの?」

    「うん、そもそもアンタのウンコ待ってる間だけの暇つぶしだったし」

    「女の子としてやめてほしい」

    「それじゃ行こっか」

    「あ、帰りアソコの喫茶店寄ろうよ」

    「おけ!…………がんば」

    「? なんか言った?」

    「別に。早く行こ」

    108 = 105 :

    顧問「よし、兄ちょっと来い。お前らはシュート練習始めろ!」

    部員「うぉし!!」

    「なんすか先生」

    顧問「グラウンドでは監督と呼べ」

    「めんどくさいっす監督」

    顧問「相変わらず良い度胸だ」

    「どもっす」

    顧問「今年の1年はどうだ」

    「まぁ、才能ありそうなのがチラホラと。まだまだ実践で使えるレベルではないけど」

    顧問「そうか。お前はできる限り後輩の面倒を見てやれ」

    「だいぶ面倒は見てるつもりです」

    109 = 105 :

    顧問「そうか。余計なお世話だったか」

    「練習戻りますよ?」

    顧問「おう…あ、そういやお前の妹がうちのクラスにいるんだが」

    「監督の髭が濃いから無理って言ってました」

    顧問「……」

    「……」

    顧問「剃ったほうがいいかな?」

    「さあ? でもそれ監督のアイデンティティだと思いますよ。じゃ」

    顧問「俺の…アイデンティティ」

    110 = 105 :

    MG「監督、何をマジで受け取ってるんですか?」

    顧問「え、あれ冗談なの?」

    MG「はぁ…まったく先輩も人が悪い」

    顧問「アイツはホントに面白い奴だ」

    MG「…先輩って1年生の時からああなんですか?」

    顧問「まぁそうだな。1年の時にAチームの試合で使った時は驚いたよ」

    MG「……何があったんですか?」

    顧問「3年生に向かって『練習真面目にやんないから勝てないんすよ』って全員の前で言ったことがあってな。……コイツは本物だと思ったよ」

    MG「うわぁ……」

    顧問「そんな兄も今ではチームの柱、主将だからな」

    MG「先輩の一年生の時かぁ……少し見てみたいかも」

    111 = 105 :

    顧問「なんだかんだで上級生とも仲良くなったみたいだしな。アイツのおかげでこのチームは変わったと言っても過言じゃない」

    MG「……最初は私も先輩のこと苦手だったんだけどなぁ」

    顧問「今は?」

    MG「今はその……えっと…良い先輩だと……」

    顧問「あらら? 顔が赤いぞMG」

    MG「ち、違います! 風邪気味なんです!」

    顧問「ま、アイツは良い男だし、奴なら認めてやらんこともないぞ」

    MG「……後でヒドいんだからね、『パパ』」

    顧問「学校では敬語」

    MG「ふんだ!」

    「マネージャー水ー!」

    MG「あ、はい! すみません!」

    112 = 105 :

    MG「あ、はい! すみません!」

    「一年! 手伝え!」

    1年生「うぃっす!!」

    「なーにやってだかあの親子」

    「うちのドジッ子マネージャーが監督の娘だと知った時は絶望したなぁ」

    「あーわかる」

    「あれじゃ手も出せないし」

    「いや、別に関係ねぇだろ」

    「試合出してもらえなくなりそう」

    「……ありそう」

    MG「あ、ありがとう皆!はい、コレおねがーーっキャ!」

    一年「大丈夫っすか!?」

    MG「あ、うん。ありがと大丈夫!練習頑張って!」

    一年「………」

    一年生「(か、かわいい)」

    「どうやらうちの一年共はあの笑顔にやられたらしいな」

    「みてぇだな。アホすぎるから今日はラントレ増やすか」

    「そんな殺生な!!」

    「水分補給が終わったらミニゲームだ! 3年はなるべく1年と組むようにして出来るだけ力が均等になるように。兄友、任せる」

    「よし、お前らは赤のゼッケン、そっちは俺の所で青のゼッケン、お前らはーー」

    顧問「………良い雰囲気だ」

    113 = 105 :

    部活終わり】

    部員「お疲れっした!」

    「さて、帰ろうぜ兄」

    「おう」

    後輩「先輩お疲れっした!!」

    「おつー」

    同級生「お疲れな!あとラントレ減らしやがれ」

    「お前ら俺のいない所で俺のことをホモ呼ばわりしてるみたいだな」

    同級生「」

    「一週間は地獄を与えてやるから覚悟してろよ」

    同級生「ごめんなさーい!!」

    「さて、帰るか」

    「………」

    「お前が噂の根っこであることも知っている。覚悟はできてるな?」

    「……すみませんでした」

    顧問「兄ー!」

    「あ、お疲れっす」

    114 = 105 :

    顧問「今日はまだこれから仕事あってな! 悪いけど駅まででいいからMG送ってくれねぇか?」

    一年「え」

    「またすか。了解」

    MG「す、すみません先輩!ご迷惑おかけーーいたっ!」

    「……なに転けてんだ」

    「か、かわいいなぁ」

    「そうか?」

    顧問「送り狼は許さんぞー!」

    「アホか。おい立てるか?」

    MG「ふぇ!…あ、ありがとうございます! もう大丈夫です!」

    部員「………」

    「それじゃ3人で帰るか」

    「だな」

    MG「お世話になります!」

    「まったくだ」

    MG「ひ、ヒドいですよ?」

    115 = 105 :

    1年「………な、どうなってやがる」

    2年「まさかの父親公認だと?」

    3年「……次はホモじゃなくてもっと変な噂流すか」

    2年「…あれ、先輩達のせいなんすか」

    1年「うちのクラスにキャプテンの妹がいますよ!」

    3年「よし!次はアイツが重度の『シスコン』って噂を流してやろう!」

    部員「MGは皆のアイドルだ!奴に渡してたまるかぁぁぁ!!」

    顧問「お前等にうちの娘はやらん」

    部員「か、監督ぅ?」

    「へっくし!…あれ、なんだか嫌な予感が」

    「ん?」

    「いや、なんでもないよ」

    「その抹茶チョコパフェ美味そうだなー」

    「頼めば?」

    「…君はそういう奴だったね」

    116 = 105 :

    「そろそろインターハイの予選だなぁ」

    MG「頑張ってくださいね!」

    「お前ももうちょい頑張れ」

    MG「うぐぅ」

    「なんて奴だ!MGちゃんをイジメるな!」

    「うるせーな」

    MG「あ、いいんです兄友さん! もう慣れましたから!」

    「…調教済みというわけか」

    MG「へ?」

    「シネ」

    MG「ちょ、調教?」

    「なんでもねーよ気にすんな」

    「ケツにボレーシュートはやり過ぎだと思うな」

    「いや、噂の件を含めるとまだまだ足りない」

    「ごめんなさい」

    117 = 105 :

    MG「噂?」

    「………」

    「ほら、コイツが『ホモ』属性ってやつ」

    MG「え、先輩『ホモ』なんですか?」

    「あぁぁ?」

    MG「じょ、冗談ですって。そんな睨まないでくださいよ」

    「コラ兄! MGちゃんに罪はない! 恨むなら俺を恨め!」

    「わかった」

    「ちょっ……脛は卑怯でしょ」

    MG「あ、着いちゃいましたね」

    「じゃあな」

    「俺も今日は自転車じゃなくて電車だからここで」

    MG「それではありがとうございました先輩! それとお疲れ様です!」

    「お疲れ! また明日な!」

    「おつー」

    MG「……行っちゃいましたね」

    「そりゃ帰り道だからな」

    MG「あ、そ、そうですよね! なに言ってんだろ私……はは」

    「それじゃ俺達も帰ろうか」

    MG「は、はい!」

    118 = 105 :

    「ふぁぁ寝み……ん?」

    「よ」

    「……ストーカー?」

    「ちげーよタコ」

    「知ってる。さっきまでそこの喫茶店に友達といたろ。たまたま見えた」

    「なら変なこと聞くな」

    「こんな時間までなにやってんだか」

    「女の子は色々話すことがあんのよ」

    「めんどくさ」

    「うるさいな」

    「それじゃ帰るぞ」

    「…うん、お疲れ兄貴」

    「おう」

    119 = 105 :

    MG「兄友さんってここから1駅ほどでしたよね?」

    「お、覚えてくれたんだね。MGちゃんは結構遠いよね」

    MG「茶屋町という所で降ります」

    「こっから20分はかかるね」

    MG「普段はパパに送ってもらってますから。最近は仕事が忙しいらしくて電車通学が多いんですけど」

    「監督も今はクラスの担任してるからね」

    MG「はい。兄友さんは今日は自転車じゃないんですね?」
     
    「昨日パンクしちゃってね」

    MG「それで昨日は朝練に遅刻したんですね」

    「兄と監督には怒られるし、散々だったよ」

    MG「事情が事情だから仕方ないですよ」

    120 = 105 :

    「今日は2人きりになるチャンスを潰してごめんね」

    MG「!!…ふ、ふぇ?」

    「え、だから兄と2人きりに」

    MG「いえいえいえ!そんな全然まったく気にしてないですからそれはもう!!」

    「……」

    MG「……な、なんですか?」

    「MGちゃんは不器用だねぇ」

    MG「うぅ……知ってたんですか?」

    「まあね。誰にも言ってないから心配しなくていいよ」

    MG「あ、ありがとう…ございます」

    「俺はMGちゃんの味方だから大丈夫! そう心配すんなって!」

    MG「は、はい」

    「まぁ、なかなか気難しい奴たけど、良い奴だからな! 見る目あると思うぜ!」

    MG「そ、そんな大きな声出さないでください」

    「わ、わりぃ! それじゃ俺降りるわ! お疲れ!」

    MG「お疲れ様です」

    121 = 105 :

    【恋】

    MG「まさか兄友さんに気付かれてるとはなぁ…はぁ」

    MG「………」

    『おつー』

    いつからだろう? 先輩に惹かれたのは。

    MG「いや………わかってるよね、そんなこと」

    あれは私が1年生の頃ーーーーー

    122 = 105 :

    ピッピッピー!

    部員「あぁ…負けた」

    「ちくしょおぉぉ…っ!」

    3年「……くそぉぉお!!」

    私達の高校は公立高校。

    なので3年生は夏の大会で引退なのだ。

    そしてこの試合は夏の大会の決勝トーナメント。

    延長戦までなんとか粘っていたが残りロスタイムでPKを取られて負けてしまった。

    123 = 105 :

    「………整列、行きましょう」

    主将「……ああ」

    MG「………」

    私は兄先輩のことが苦手だった。
    確かに彼はこのチームのキーマンで、同点ゴールを決めたのも彼なのだけど、PKを与えたのも彼だ。

    「……」

    なのにこの人はまったく悔しそうにしていない。

    無表情。

    私はこの人のことが苦手だ。

    124 = 105 :

    主将「……今日までお疲れ様」

    部員「……」

    主将「残念な結果に終わったけど、それでも俺達はあの強豪私立高校とあそこまでの試合ができた。それは誇りに思っていい。」

    主将「次の世代がいつか俺達の仇を取ってくれると信じることにするよ……うっ」

    部員「…うぅ……ぐす」

    「………」

    主将「うぅ……わりぃ。それで、次のキャプテンだが、兄。お前に頼みたい」

    「………」

    MG「………」

    125 = 105 :

    私はこの時少し同様した。

    ホントにこの人でいいのか?

    試合に負けてもなんとも思ってないようなこの人が…。

    今までの試合でも負けた時にこの人が悔しそうにしている所なんて見たことがない。

    きっとこの人は才能があるだけなのだ。

    努力なんてしてないからきっと悔しいなんて思わないんだ。

    この人がキャプテンになるなんて嫌だった。

    主将「お前ならきっとできる。いや、お前にしかできない。お前が来てからこのチームは変わった。頼む」

    「……わかりました」

    主将「……頼んだぞ」

    「はい」

    2年、3年生の人達はどうやら納得しているらしい。

    1年生は何人かびっくりしてるみたいだ。

    私もびっくり派だ。

    キャプテンはてっきり兄友さんがなると思っていたから。

    126 = 105 :

    主将「それじゃ、みんな……」

    部員「お疲れ様でしたぁぁあ!!」

    私は嫌だった。

    3年「うぅ…頼んだぞお前等!」

    2年「はい……ぐすっ…お疲れ様でした!」

    「うぅぅ!くそ!…俺があの時決めておけば…っ!!」

    主将「兄友……今までありがとな」

    「すいません主将!…俺が!俺があの時兄からのパスを決めておけば!」

    主将「気にしてないさ。お前がいたからここまで勝ち上がることができたんだから」

    「……うぅ……主将」

    主将「兄のこと……しっかり支えてやってくれ。」

    「………はい!」

    127 = 105 :

    主将「そう言えば兄がいないな?」

    「………俺探してきます」

    主将「ん?そうか頼んだ。俺は先生に挨拶してくる」

    MG「………」

    いつの間にか兄先輩はいなくなったみたいだ。

    どうせ適当に散歩でもしてるんでしょ?…なんて酷いことも思ったりした。

    何かこの空気に溶け込めなくて、私は1人になりたくて、少しこの場から離れた。

    ポーン ポーン

    歩いてるとボールを蹴っている音がした。

    MG「ボールの音?……なんでこんな所からーーー」

    128 = 105 :

    私は目を疑った。

    人が壁に向かってボールを蹴っていたのだ………泣きながら。

    しかもあれはーーー

    「はぁ…はぁ…くそ…くそ…くそぉぉおおお!!」

    MG「…………」

    「見られちまったか」

    MG「!? あ、兄友さん…」

    「アイツは昔からこういう奴でな。悔しさとか、悲しみとか、涙とか……誰にも見せようとはしないんだ」

    MG「………」

    「根本的に不器用なんだよ。俺や…他の部員みたいに皆の前で泣けば皆が慰めてくれて、皆が支えてくれる」

    129 = 105 :

    「アイツは……誰かに頼ったりとか、そういうのすげぇ苦手なんだ。だからああやって1人で背負い込もうとして…だけど背負いきれなくて………不器用な奴だよな」

    誤解していた。

    私はまだこの部活に入ってから3ヶ月。

    まだまだ皆のことは知らないこともあるけど、それでも酷い誤解をしていた。

    ーーそうだ。

    そうじゃないか。

    試合に負けた次の日の練習に一番早く来てた人は誰だ?

    アフター練習をしてる時だってあったじゃないか。

    怪我をしていた時はサッカーの代わりに辛い筋トレをずっとしていたじゃないか。

    私の目は節穴だ。

    130 = 105 :

    MG「私……わたし……」

    そういう姿を見ているのに、知っているのに、最初の思い込みで私は知らないフリをしていたんだ。

    最低じゃないか。

    今回の試合だって、あのPKは仕方がなかった。

    カウンターを食らって、絶対絶命のピンチで、だけどあの人は前線から誰よりも早く帰ってきたんだ。

    延長戦で脚の疲労も凄いのに。

    だけど誰よりも早く帰ってきたんだ。

    きっと、どの道PKにならなくてもアレは失点していただろう。

    だから彼は少々強引に止めにいったんだ。

    一生懸命じゃないか。

    131 = 105 :

    何が悔しそうにしてないだ。

    何が努力なんてしてないだ。

    泣いてるじゃないか。

    1人で泣いてるじゃないか。

    私は何を見ていたんだ。

    MG「ああ、あ、…私……わたし……なんて最低なことを」

    「……皆最初は誤解すんのさ。別に自分を責めなくていい。誤解されるような態度を取ってるアイツが悪いんだから」

    MG「でも…うぅ…でも!私!」

    「でもさ、アイツのことを、アイツの本当の姿を知っちまった奴はさ、あの野郎にみんな惚れちまうのさ」

    MG「うぅ…ひく…うぅ…」

    「先輩や監督、そして俺達同期はアイツと過ごしていくうちにアイツを知って、そして皆がアイツを認めてる。まぁ監督はどうやら最初から気付いてたみたいだけどな」

    「だからよ。これからでいいんだ。アイツのことを知ったなら、アイツのことを理解しているなら、これから好きになっていけばいいのさ。アイツの涙を見た君にはその権利があると思う」

    MG「……兄友…さん…」

    「俺達は皆アイツのファンだからな。皆でアイツを支えてやりてぇのさ。…世界一不器用な男を」

    MG「……」

    「それじゃ俺はもう行くわ」

    MG「え、でも!」

    「君ももうファンだろ? だから後は任せた。ちなみに俺がファン1号だからそこんとこよろしく」

    MG「………」

    132 = 105 :

    「…はぁ……はぁ…」

    ファンか。

    確かにそうなのかも。

    今私は、今までのことを棚上げにして、先輩を支えたいと思っている。

    「はぁ…はぁ…いてっ!…はぁ…はぁ…………」

    なんて勝手な奴なんだ私は。

    さっきまで散々苦手だなんだ偉そうなことを言っていたのに。

    MG「ーー先輩」

    でも

    「!……MG」

    誤解されるような態度取ってた先輩も悪い!……ということにしよう。

    MG「なにやってるんですか? ダウンの意味なくなっちゃいますよ?」

    「…うるせーよ。軽くボール蹴ってただけだ」

    133 = 105 :

    嘘ばっかり。

    MG「先輩……わたし、先輩のこと誤解してました」

    「あ?」

    MG「でも今は!…今は先輩のことを……凄く尊敬しています」

    「そりゃ見る目ねぇな」

    MG「確かに…私の目は節穴かも」

    「いや、そこまで言う?」

    MG「でも、でもね、私もう先輩のこと知ってる! 先輩の一生懸命な所! 先輩の負けず嫌いな所!先輩の……不器用な所……私知ってるもん」

    「……敬語忘れてるし。まぁいいけど」

    MG「だから私も! 先輩のファンになります!!」

    「意味わからん」

    MG「わかんなくてもいいんです!非公式ファンクラブですから!」

    「壊滅しろ」

    MG「先輩のことを支えるんです!」

    「いらんわドジっ子マネージャー」

    MG「だからもう! 1人で泣かないで!」

    134 = 105 :

    「……」

    MG「1人で背負い込まないでよ……」

    「………」

    MG「………」

    「お前、バカだな」

    MG「な、ヒドいです!」

    「あー…ホントにバカだなお前、めんどくせぇ」

    MG「な、なななな!なんですかいきなり!」

    「うるさいな。ちょっと後ろ向け」

    MG「わ、わけわかんないです!こ、これでいいーーー…先輩?」

    先輩がコツっ…と私の背中にオデコをくっつけたみたいだ。

    「……しばらく背中借りるわ」

    MG「………はい」

    135 = 105 :

    先輩は今、声を殺して泣いているのだろう。

    背中が濡れていくのがわかる。

    あぁ…なんて不器用な人なんだろう。

    でも……なんだろうこの気持ち?

    「……っ…っ……」

    MG「………」

    凄く温かくて、でも少しドキドキする。

    私が今、先輩の隣にいて、先輩を支えられることに、凄い喜びを感じてる。

    あぁ…嬉しいな。

    この人の力になれてることがものすごく嬉しい。

    MG「あぁ………好きだな」

    「………?」

    136 = 105 :

    ドクン

    え?

    「…なんか言ったか?」

    MG「い、いえ!なんでもないです!」

    「そうか。あ、わりぃな。もう大丈夫だから」

    MG「え、あ、はい」

    「そろそろみんなの所に戻らないと……行こう」

    MG「は、はい!」

    今、私…なんて?

    「……MG」

    MG「はい」

    「………ありがとな」

    137 = 105 :

    ドクン

    まただ。

    なんなのこれ。

    胸が苦しい。

    MG「……いえ」

    私…今きっと顔真っ赤だ。

    先輩の笑顔…あんな優しそうな笑顔…初めて見た。

    ああ……先輩から目が離せない。

    ダメだ。

    好きだ。

    この人のこと、好きだ。私。

    ファンなんかじゃいられない。

    私、この人のことが欲しい。

    不器用な所も、口が汚いところも含めて、全部好きになっちゃった。

    ああ…ホント、私は勝手だな。

    138 = 105 :

    「なにボーッとしてんだ。また転けるぞ」

    MG「こ、転けないですよ!…あて」

    「ばか。言わんこっちゃねぇ……ほら、立てるか?」

    MG「………」

    先輩の手を握る。

    それだけで凄くドキドキしてる。

    気付かれちゃうかな?

    心臓の音聞こえないかな?

    MG「あ、ありがと…ごさいます」

    「ほれ、行くぞ」

    私は、この人に恋をした。

    139 = 105 :

    とりあえず今回はこれで終わりです。

    夜に時間ができるかもしれないので、もしかしたらその時に続きを投稿できるかもしれません。
    まだなんとも言えませんが…。

    それではまた。

    140 = 105 :

    sageするの忘れてた。

    141 :

    いいぞーこれ

    142 :

    乙乙

    144 :

    うおおおおおおおお!!
    リア充があああああ!!
    兄が憎たらしいけどMGちゃんかわえええええ!!

    145 :

    やべえ泣いた

    146 = 105 :

    【隠し事】

    「そう言えば今日はMGさんと兄友さんと帰ってたみたいだね」

    「なんで知ってる…ストーカーか?」

    「喫茶店から見えた」

    「なるほど」

    「よく3人で帰ってるの?」

    「ん、まあな」

    「嘘吐いたね」

    「え?」

    「兄友さんって普段、自転車通学でしょ? 知ってるよ私」

    「そうか」

    「……どうして嘘吐いたの?」

    「いや、別にそんなつもりじゃないよ」

    「私にMGさんと2人で帰ってるって知られたくなかったなの?」

    「だからそんなんじゃねぇって」

    「MGさんのこと…好きなの?」

    「思春期の女子はめんどくせぇな」

    147 = 105 :

    「うるさい…で、どうなの?」

    「言っただろ。ただの先輩と後輩、選手とマネージャーだ」

    「………」

    「………」

    「兄貴は……私に何を隠してるの?」

    「何も」

    「それも嘘だよね? もういいよ」

    「……」

    「兄貴は嘘ばっかりだ。もういいよ。兄貴なんて知らない。先に帰ってる。」

    タッタッタッタッタ

    「…………嘘吐きはお前もだろ」

    148 = 105 :

    【どうしたの?】

    「………はぁ、帰りたくねぇ」
    「なーに沈んだ顔してんの?」

    「………なんでいる?」

    「ん、たまたま。コンビニ行って帰ってる途中」

    「なるほど、じゃ、またな」

    「おいおいヒドいね君という奴は。幼なじみをもっと大切にしてほしいもんだ」

    「へいへい」

    「学校生活はどう?」

    「普通」

    「妹ちゃん同じ高校入ったんでしょ? お母さんから聞いたよ」

    149 = 105 :

    「………」

    「妹ちゃんと何かあったでしょ?」

    「お前のそういう所が嫌いだわ」

    「私もあんたのそういうところが嫌いだわ」

    「無駄に鋭い」

    「無駄って言うな」

    「特に話すような内容じゃねぇ」

    「あ、もう一つ嫌いな所あるよ?」

    「喧嘩売ってんのかお前は」

    「私の告白を断った所」

    「なんという爆弾投下」

    150 :

    「どうしたの?あたしで良かったら話聞くよ。まだアンタのこと好きだし」

    「ストレートだね」

    「まあね。で、早よ話せ」

    「別に」

    「そう」

    「……」

    「なら力ずくで」

    「指をポキポキ鳴らすでない空手系女子」

    「へっへーん。今年は全国大会で優勝してみせっから応援しろよ」

    「おう頑張れよ」

    「で、話を戻そうか」

    「こうなるよね」


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